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13.出発するまでアラックで、気分はすっかりバリニーズ!

 私のフライトまであと6時間あまり。荷物の整理はすでに終わっているのでまだ時間は十分あると、とうとう今日もいつものカウンターバーへ行くオジサン達にいっしょに付いて来てしまったのだ。

 これが本当に今回最後である。せっかくこの店のなじみになったのに残念だが、また今度来る時までこの店が健在であってほしいと願いつつ、最初からアラックのオンザロックで乾杯である。
 店の女の子がオジサン達にバリの正装の時頭に巻く布巻きをナプキンで作って巻いてくれた。「みんなバリニーズだネ!」と、楽しそうに巻いてくれるので、こちらもつい一緒に楽しい気分になってしまう。

 先ほどホテルでBAKSOを2杯も食べたのであまりお腹は空いていないが、インドネシア料理の中で何かつまみになりそうな物はないかとメニューを探して「サテ」を注文してみた。
 これは日本の焼き鳥とまったく同じで、串に鳥の切り身を刺して炭火で焼いた物だ。ただ日本と違うのはタレがピーナッツソースになっていて、焼いた上から好みでかけるようになっている。
 この店で出てきた「サテ」は何とミニコンロ付き、ナシプチ(ライス)付き、野菜とエビセンベイ付きのちゃんとした一品料理になっているではないか。さすがにBAKSOで満腹のオジサン達はナシプチにまで手は出なかったが、日本の白色レグホンなんかよりズーッと旨いこちらの地鶏のサテをつまみに、アラックのオンザロックを次々におかわり。

 この「サテ」の乗っている小さなコンロには炭が入っていて赤々と燃えている。その上で「サテ」がジュウジュウと白い煙を上げながら焼けているのだから、こりゃ欧米人にとってはエスニックの情緒たっぷりでさぞ喜ぶだろうな、といった趣向である。料金も他の店に比べて高くないので安心である。

 この日も以前この店で見かけたドイツ人の老夫妻が向かいのカウンターで楽しんでいた。こちらでは珍しく、料金を誤魔化さない、ちゃんと客を楽しませるサービスを心得ているこの店だから、つい気軽にまた立ち寄りたくなったのだろう。

 いつかまたバリに来た時に気軽に立ち寄れるように、いつまでも健在であってほしいオジサン達お気に入りの店なのである。

 時計を見るとそろそろ私の空港へ向かう時間が迫っている。声をかけると、オジサン達気分良く「それじゃ帰るか!」とホテルへ戻る事を承諾してくれた。「仲間って良いな!」なんて感傷に浸りつつ、またまた悪徳レストランの前で例のオバサン冷やかしながらホテルへご帰還。気に入った店で楽しんで、帰りに二度と行きたくない店の前を通るとついムカッ!としてオバサンからかいたくなっちゃうもんで、もうオジサン達には毎日の日課みたいなものです。ハイ!

 ホテルへ戻り少しすると空港へ送ってくれる車が到着。2階から私が荷物を降ろす際、急に先ほどのアラックが回ってきたのか気が付かないうちに完全に千鳥足になっている。それを見ていたオジサン達が「おい、あいつ完全にバリニーズだゼ。ちゃんと飛行機見送らないでしっかり乗れよ!」とヤジを飛ばして来るしまつ。

 そういえば今までオジサン達の中に、港でビール飲んで出航待ってて自分の乗る船を見送っちゃったり、飛行機の搭乗案内見過ごして飛行機見送っちゃったりの修羅場を経験している御仁がちゃんと存在するのである。(誰だかはナイショ!)
 今回私もこんな遠くまで来てそんな失敗をしては大変と気を引き締めなおして、スタッフの持って来てくれたチケットをしっかり確認していざ空港へ出発。

 今回はインドネシア国営ガルーダ空港なのでカウンターはすぐに見つかった。おまけにエグゼクティブチケットなのでズラリと並ばずにすぐにチェックイン。いや、こりゃ楽で良い。
 ところが、空港使用料が急遽値上げになっていてつい最近までの25,000RPでは足りない。何と2倍の50,000RPになっているではないか。一瞬目を疑ったが、今度来た時に使えるからと残ったルピアを余分に持ち合わせていたから良かったものの、空港使用料の25,000RPだけ残して全部使ってしまっていたら真夜中に両替出来る所を探し回って大変な事になっていたはずだ。
 何とか空港使用料値上げをまだ知らない明日出発の残りのメンバー達に知らせたいが、こちらの公衆電話の掛け方がよく判らない。電話機にはコインを使うようだが、どのコインで良いのかまったく見当が付かないので電話はあきらめてとりあえずサロンで時間を潰す事にした。
 あとは日本に帰ってからエナ・ダイブセンターへE-メールで用件を伝え、大沼氏へ連絡してもらえば何とか彼らの出発までに間に合うだろうと考え、英語でどう説明するかを頭の中でしきりに考えながら過ごしたのである。

 いよいよ搭乗案内が出て機内へ。やはりエグゼクティブ、居並ぶ客を後目に一足先に機内へ入ってくつろいでいると、クルーが席を替わってほしい客がいるのでOKかと聞きに来た。ヘビースモーカーの私は「スモーキング席ならどこでもかまわない。」と言うと是非お願いしたいと案内された席が、何と「禁煙席」ではないか!
 日本を含む先進国の航空会社が全面禁煙になってしまい、わざわざ喫煙席のあるガルーダへ希望を出して手配してもらったのに、そりゃ無いゼ!
 近くにいたクルーを捕まえて文句を言うと、先ほどのクルーが平謝りに「私の手違いで申し訳ない、何とか喫煙席を探します。」と立ち去ってしばらく、結局元の席に戻る事になったのだが、これらのやり取りを全て英語でこなせるようになった自分に「何とか通じるようになったな。」という気持ちと、「最初から余計な事言ってこなければ良いのに、何でこんな手間かけさせるんだ。」という複雑な気持ちで元の席へ戻ったのである。とにかくこのやり取りでメチャクチャ疲れた事は確かである。

 最近はようやくガルーダもまともになって来たのか定刻通り出発出来るようになった。以前は整備不良が発生すると機体の交換で全ての便が順送りになり、1時間から2時間遅れになるのはしょっちゅう。定刻に出発出来る便はまさに奇跡に近い状態だったのだが、ようやく改善されたらしい。
 政権が変わるとこうも変わる物だろうかと、ついこの変化を政権交代とダブらせて考えたくなってしまうほどの変貌ぶりなのである。何せガルーダはインドネシア国営の航空会社。職員全員公務員なのだから、全く無関係では無いはずだ。

 帰りの機内で今回も富士山の写真を撮る機会があったので紹介するが、空気がかすんでいて昨年よりもぼんやりとした風景となってしまった。

 自宅に戻り、早速ダイビングセンター宛にE-メールで空港使用料の件を連絡。
"Plese contact Mr.Onuma as soon as posible!!"と結んでおいたら、私が不満を訴えたと勘違いしたらしくエナ・ダイビングセンターから「ルピアの急激な下落から、国際基準料金に準じて空港使用料を値上げせざる得なくなった、ご理解下さい。」と丁寧な説明文が届いたのには恐れ入ったが、何とか連絡は取れたようである。
 これで一安心、明日はいよいよ新年出勤初日のスタートである。また異常に真っ黒に日焼けした顔で、今年も元気に仕事開始!


 今回は海の条件が前回とは異なりスピア向きではなかったが、気ままに楽しみを見つけては徹底的に楽しんでしまうオジサン達の好奇心(特にYさん!)のおかげで楽しい時を過ごす事が出来た。この仲間が元気な限り、まだまだ「アブナイオジサン達」の珍道中は続くのである。

 西暦2000年の「オジサン達のインドネシアツアー顛末記」は、コンピュータ2000年問題の発生する時期となる為交通機関の安全確保が難しいと判断しましたので中止とさせていただきます。
 次回の予定はまだ出来上がっておりませんが、またこのホームページ上で我々の珍道中をご紹介出来ます事をメンバー、執筆担当共楽しみにしております。
 その際は、是非またご愛読下さいますようお願い申し上げます。

オジサン達一同

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