1999/1/2
今日私はみんなより一足先に日本へ帰るため、ダイビングは無しである。さて、何をして過ごそうかと考えるが、特に予定も無いのでなりゆきにまかせて過ごす事にする。
いつもの通り朝の散歩を終え、帰ってみんなで朝食。今日はダイビングセンターの客がピークなので、場合によってはボートがチャーターではなく乗り合いになるかもしれないと聞いていたのでみんな心配顔である。
乗り合いでは慣れないダイバーを我々のいつものポイントへ連れて行くわけにはいかないだろう。スッタッフのほとんどが我々のポイントへ潜った事が無いのだ。当然他のもっと安全な近くのポイントへ行く事になるだろうが、そうなればスピアの獲物が現れる確立は極度に低くなる。場合によっては危険だからとスピアを禁止されるかもしれないのだ。
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「今日はオレ、ダイビング関係無いかんネ!」と頭の中で思ってみても、やはり仲間の事は気にかかる。とりあえずビーチまでみんなを見送りに行く事にした。
ビーチに付いてみると乗り合いではなく何とかチャーターの手配が付いたとの事だが、ガイドのサディが面倒見るから2人だけ我々のボートに同上させてくれと頼まれた。
日本人の若い夫婦ダイバー2人だが、「よろしくお願いします。」と丁寧に我々に挨拶してきた。
これに気を良くしたYさん、何だか気合い入っちゃってるようで、「せっかく我々のボートに同行するなら、旨いサシミをたっぷり食わせてやらなきゃ。」なんて意気まいてますが、獲物を捕らなきゃサシミは出来ない。はてさてどうなります事やら。
ついいつものように一緒にボートに乗ってしまいそうになるが、このまま乗ったら夕方までは帰って来られないのだ。
オジサン達みんなボートの中から私に向かって「アレ、何で乗んないの?」とか「旨いサシミ食いに行かないの?」とか「ザマアミロ!」なんて口々に牽制して来るが、今日はお見送りなのだ。
特に予定が無いのでそのままいっしょにボートに乗り込んじゃってもかまわないのだが、潜らずに暑いボートの中でずっと過ごす事や、途中波やスコールでビショビショになるだけでははかなりつらそうなので止めておいた。
遠ざかるボートのデッキの上から手を振っているYさんの姿が印象的だったが、また夕方にはみんなでワイワイ騒ぐ時間はあるはずである。私のフライトは真夜中テンバサール発。それまで時間はたっぷり残っている。
見送りが終わってホテルへ戻ると何か空の様子がおかしくなってきた。急に雨が降りだして一向に止む気配がないのだ。晴れていればどこかを適当にぶらつこうかと思っていたが、この調子だと一日中雨。ついボートの連中は今頃大丈夫だろうかなどと余計な心配をするが、たぶんこの雨はバリ本島だけだろう。
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荷物を整理し帰り支度を整え、ベランダでビールを飲みながら日本から持って来た本を読みはじめた。
タイトルは「神との対話」。筆者が神からインスピレーションを得て、筆談で神と対話を行った記録をまとめた本である。最初宗教的な要素が強いのかなと思っていたが、ここに出てくる神は反対に人間のエゴで歪められた宗教を否定しているのには驚いた。
何だか「神々に一番近い島」でこの本を読んでいると、バリの人達が神を感謝の気持ちで敬い、生活の一部として自然にふるまっている姿こそが本当の神との接し方ではないかと納得させられる気持ちになる。
途中腹が減ったのでルームサービスでナシゴレンを頼んで食べた以外、結局一日中ビール片手に本を読んで過ごした。雨は結局夕方まで止まなかったからだ。
夕方ダイビングを終えたメンバーが帰ってきたので話を聞くと、大した獲物は捕れなかったらしい。S2さんが大きなチョウチョウ魚を仕留めちゃったらしく、あわてたYさんが水中でしきりに「捨てろ!」と合図を送ったがそのままボートへ上げちゃったので、しかたなくサシミにして食べたそうだ。
「チョウチョウ魚はこの島の観光資源だから、あれを獲っちゃヤバイよ。」とぼやいていたが、「獲って上げた魚は無駄にしない。」の我々の鉄則に従いサシミにして食べちゃったそうだ。
同行した夫婦はどうしたかって?不思議そうな顔をして、オジサン達を見ていたらしいデス。(いっしょに乗って行かなくて正解だったのかな?)
今日は屋台をホテルに呼んじゃおうと意見が一致し、オジサン達は見つけた屋台を勝手に部屋の中庭へ呼んでBAKSOパーティを開催してしまったのだ。
屋台を囲んで、オジサン達口々にいろんな注文を付けている。「肉団子いっぱい入れろ!」とか「チリは多めで辛くしろ!」「いやあまり辛くするな!」とか「揚げワンタン2個入れろ!」「春雨量増やせ!」「いや春雨よりソバを多く入れろ!」「スープの味を濃くしろ!」「薬味を沢山入れろ!」「とにかく特製作れ!」など、日本語と英語とインドネシア語ごちゃ混ぜで勝手放題注文付けている。あちこちで屋台を見つけては食べ歩いているので、みんな注文つけるとなるとけっこううるさいのだ。
屋台の主人は半分困った顔をしながらも「1人2杯づつ注文するからな。」の言葉に売り上げ延ばせると思ったのか、結構がんばって対応してくれた。
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みんなビール片手に1人2杯のBAKSO ISTIMEWAをたいらげ、いざ支払いの時に請求してきた金額にビックリ。あまりに高すぎる!
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いくら観光客相手だからって、通常の8倍とはヒドイぜ!注文でいろいろサービスさせたとしてもせいぜい2倍がいいところだろう。結局2倍の料金を払って追い返したが、その後ホテル内の客が珍しがってこの屋台に群がってきたのでこの屋台は本日大繁盛。材料全て売り切れたはずである。
「私の記憶が確かならば、おそらく日本のことわざに「損して得取れ!」なんて言葉が存在したはずである。心してかかれ、屋台のシェフ達よ!」なんて、彼らに言っても解るはずないか。
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