ホテルに戻ると、だいぶ体調の良くなった大沼氏が久しぶりに出迎えていた。今日は正月である。何かやろうと意見を出し合うと、Yさんが苦労して大きな五色エビを一匹獲ってきたのでこれで何か作ろうという。 昨日エナ氏が来たのでおみやげに少しうどんを持たせたのだが、多忙な彼はおみやげを忘れて帰っちゃったらしく大沼氏の部屋に置きっぱなし。全部で12食分のうどんが手元にあるのだ。このうどんは、S&B食品の特別限定品で関係者しか手に入らない「けんちんうどん」である。麺が油揚げ麺で保存がきかないため一般には流通できないのだそうだが、たまたま私の会社で取引があるので年末になると申し込んで購入できる、毎年楽しみにしている即席うどんなのだ。 さっそくオジサン達みんな、ワイワイ言いながら携帯ガスコンロを組み立てて大鍋にミネラルウオーターをたっぷりと張り湯を沸かしはじめる。 何で大鍋がここにあるかというと、ダイビングの途中で適当なビーチに上陸してみそ汁を作ろうと用意していたのだが、残念ながら適当なビーチが見つからずに毎日ボートとホテルをただ行ったり来たりするだけで、邪魔なだけでお役に立てない、「ワタシ、小さくなれたらなりたいけど、でもどうしてもなれないノ。ゴメンナサイネ!」といったかわいそうな大鍋なのである。やっと今夜オジサン達のお役に立ててようやく大きな顔が出来る、本当に出番を心待ちにしていた大鍋なのである。
とりあえず一回戦をぺろりとたいらげたオジサン達は、まだまだいけるぞ!との強い要請で第二回戦へ突入。今度は私の良くやる方法でニンニクのスライスをたっぷりとぶち込んだガーリックうどんである。全部食べられるか不安だったが、残してもしょうがないのでここへ残りの7食分をぶち込んで煮る事7分。ぷーんとガーリックの香りが漂うエスニック風で、これまた違った趣でなかなか良い。これに昼食の余りのチリを刻んで薬味に加えて、みんなでまたズルズル、ワシワシと鍋の底のスープ一滴残さずみ〜んなきれいに食ってしまった。
昨日はサルマタ・フンバルーで明け方3時まで店を開けていたらしく、最後まで頑張って客の相手をしていた、いつも元気で呼び込みの上手な女の子は今日はお休み。「ワタシのオジサン!」と愛嬌ふりまいて相手してくれる子がいなくて、Yさん少し寂しそう。 途中、いつもの店の前で「悪徳レストラン冷やかし大作戦!」をやろうと呼び込みのオバサンを探したが、どうも今日はオバサン休みみたいでいくら探しても見つからない。「正月だし、今日はカンベンしてやるか!」と言いながら、オジサン達は颯爽とホテルへ帰って行ったのである。 |
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