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− 2001.10.27 −_

 

<ヘッドフォン篇>
 数ヶ月前、「JAZZオーディオ悶絶桃源郷」や「ジャズ喫茶ベイシーの選択」などオーディオ道を面白おかしく書いた本を続けて読んでついその気になり、高額のヘッドフォンを衝動買いしてしまった。試聴もせずに。大失敗だった。

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 ラルクの音比率はほぼ対等である。ところが、購入したヘッドフォンは比率の重きが低音に置かれていたのだった。それも異常なバランスで。たとえば「Blame」はこう聞こえ、「C'est La Vie」はこうなり、「Caress of Venus」はこういう具合に。全部同じではないかって? そう、どの曲聴いてもデンドンデンドン tetsu と sakura による低音バトルが繰り広げられるのである。美曲も名曲もへったくれもない。「C'est La Vie」では相撲取りがドスコイドスコイと四股を踏み、「Caress of Venus」の女神はゴツイ格闘派になってしまった。

 初めは「こりゃ面白い」とげらげら笑っていたが、聴き進めていくうち冗談ではすまなくなった。どの曲も低音のみがドカンドカン喚き散らして1本調子になってしまうのだ。おまけに聴き疲れをする。ボリュームを落としてもアルバム全曲を通して聴くことができない。4曲目あたりで耳がヘトヘトになってしまうのである。イカン。このままでは tetsu と sakura を嫌ってしまいそうだ。
 sakura とタイプの違う yukihiro なら大丈夫なのではないかと CDを「HEART」に入れ替えてみる。なにを根拠にそんな甘い考えを抱いたのか、こうなることは分かりきっていたではないか。

 ‥‥そうしてこのヘッドフォンは早々にお払い箱となった。秋葉原の中古オーディオ専門店で、定価の1/4で売れた。オーディオは買い取りの割がいい。いったい、世のどんな鋼鉄の鼓膜の持ち主が、どんな音楽を趣味とする者がこのヘッドフォンを使っているのだろう。

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 次に購入したヘッドフォンは当たりだった。秋葉原で4店舗ほど見聴きして回り、いちばん安い店で購入した。やけにピアノとストリングスの響きがいい。開発・製造元がドイツだからクラシック寄りなのか? ま、いいか。音バランスも音再現力も申し分ない。230gと軽く、首に負担もかからない。電磁波も一般のヘッドフォンの1/3だそうだし、長時間聴いても体に安心。
 いやしかし。色々なアクセサリを試すたび「レコメンド全部書き直したい」と思う。それほど音は変わる。それほど楽曲も変わる。それほど音を聴くのは面白い!

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<購入時の注意>
 ヘッドフォンはメーカー・機種によって音質がまったく異なる。2、3,000〜数万円台のものまで数十種にも及ぶ試聴ができるオーディオ専門店は結構ある。もちろんCDは持ち込み可。試聴ブースはたいてい店員にほっとかれるので、じっくり聴き比べができる。今聴いている音は本当に自分好みの音なのかどうか。必ず試聴して購入すべし。

_ 【文献】
講談社
「ジャズ喫茶ベイシーの選択」著 : 菅原正二


出書房新社
「JAZZオーディオ悶絶桃源郷」著 : 寺島靖国


楽之友社
「Audio Beginner's Club」「stereo10月号」


ステレオサウンド
「季刊ステレオサウンド秋号」

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