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− 2000.12.08 −_

 

 世間はクリスマス=ムード一色である。だがラルクには関係ない。ロックは元来、反体制的な音楽である。それゆえ神に「背く」悪魔をシンボルとして礼賛(長髪・ヒゲ・黒、他含)しているのだ。そのロック=ミュージシャンが世間と一緒になってキリスト降誕を祝うなど、本末転倒もはなはだしい。そんなわけでラルクにクリスマス=ソングはない。
 クリスマスにはクリスマスの話をしよう〜の巻、をお送りするつもりだったが今回はでこれで終わり…と、いいたいところだが、1本怪しい曲があった。4th アルバム「True」の、曲名からしてプンプン臭う「I Wish」である。

 アルバム「True」においては「I Wish」のような作りの曲はとても似つかわしい。だが、彼らは6th アルバム「ark」の「Perfect Blue」で『DEATHハワイアン』という新機軸を構築した。

 「ディア=ハンター」というベトナム戦争を題材にした映画をご存じだろうか。凄惨な映像に、あえて美しく穏やかな悲曲(カヴァティーナ)を使った印象的な場面で有名だ。視覚から受ける衝撃と、聴覚から受けるまるで正反対の触感に誰もが胸の奥深く衝かれる。
 殺伐とした歌詞と優し気な旋律の組合わせの「Perfect Blue」も、感動のタイプは違えど手法は同じだ。tetsu はこの手法でもう1曲作っている。8th アルバム「REAL」の「bravery」。

 きれいな旋律に殺伐とした歌詞をのせるなんて勿体ない、とお思いでしょうが、ご心配なく。ロック基本中の基本「批判精神」で表現しようと、作るメロディー同様「可愛らしさ」が殺伐の中にも見え隠れしてしまうのが、甘さ担当重役 tetsu の詩才。単なる殺伐に終わってはおりません。

む、「tetsu 作品レコメンド集の巻」の様相を呈してきた。軌道修正。

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 そんな手法を持っている彼らだからこそ、さらなる新機軸『DEATHクリスマス=ソング』を期待してしまうというものである。
 「浸食」のような狂気すれすれのメロディーや「forbidden lover」のように悲痛なメロディーに、いかにもクリスマス的な歌詞をのせた凄絶を極めるクリスマス=ソング。逆に「a silent letter」「Pieces」のような美しいメロディーにDEATHな歌詞をのせた愛と憎しみのクリスマス=ソング。さぞかし恰好いいだろう。

 クリスマス中は戦争でさえ休戦に入る。が、ロッカーたるもの日和ってはいけない。しかし、こんなロックなクリスマス=ソングなら悪魔もお許し下さるに違いない。悪魔に「許す」という概念があればの話だが。2001年に発表される曲群に乞うご期待

〜 みなさん、良いクリスマスを 〜

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