_     アイコン CONTENTS

タイトル

− 2000.11.09 −_

 

 バンド名なぞ知らずとも音楽は聴ける。名前の意味なぞ知らずとも曲には酔える。バンド名は識別記号にすぎない! ‥‥と、胸を張るほどバンド名もメンバー名もろくに覚えていない、でも曲は気に入っているというCDを多く持っているが、そうは問屋をおろさないのがラルクであった。今回は、時にはバンド名も知っていた方が面白い〜の巻。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 「L'Arc-en-Ciel」の個々の単語の意味は次のとおり。
 「L'」は『Le』の縮約字。固有名詞の前にくっつき母音の前では『L'』と縮約される。英語の『The』にあたる。「arc」は『弓・アーチ』。「en」は位置方角を表す前置詞で『〜に・〜の』。「ciel」は『空・天』。
 そして「arc en ciel」で (1) 空の弓 (2) 虹 (3) 多彩な色 (4) 不幸の後に来る希望の象徴、といった意味になる。
 ここで注目するのは (4) 。唐突にみえるが、これは『虹がノアにもはや地上に大洪水がないことを告げた』聖書の話に由来している。

 ノアといえば箱舟。箱舟といえば1999年7月、2枚同時発売された「ark」と「ray」。そう「ark」は英語で大洪水のときノアが乗って逃げたという『箱舟』、「ray」は『一筋の光・曙光』という意味なのだ。
 『曙光』は『真っ暗な中に見えはじめる夜明けの光・前途に見えるわずかな希望』といった意味。つまり「ark」は(4) から連想される語意であり「ray」にいたっては、まったく同じといっていいほど酷似した意味なのである。

 バンド名は生みの親である tetsu が名づけたのであろう。では2枚の盤名は誰がつけたのか? アルバム「REAL」は、歌詞の中に無意識的に共通していた言葉から取って hyde が命名した。「ark」も「ray」も確かに歌詞の中に盤名と同じ言葉がキーワードのように使われている。すると hyde によるものか? 全員で歌詞の海にザンブと飛び込んでの『キーワード取捨選択大会〜』などは開催しなかったのだろうか。

 (うぐぐ。仮定形と疑問形ばっかりだ。今さらバンド名の所以を聞くインタビュアーはいまい。「REAL」を発売した今になって「ark」と「ray」の盤名の由来を尋ねるアンポンタンもおるまい。公式サイトにも記されていない。知った時、知りたい情報に限って手に入らない。これが「遅れてきたファン」の歯痒さである。これからファンになろうという方、覚悟めされい。遅れれば遅れただけ嫌というほど味わうのです)

 「ark」と「ray」のジャケットをご覧下さい

 「ark」は世界最大の飛行船・ツェッペリン号がモデルだろうか、飛行するエンジン音も聞こえよといわんばかりの迫力の『箱舟』はCG界の重鎮、Metabllox によるもの。「ray」でメンバーの視線の先に見えるはまさに『曙光』。2枚のジャケットはバンドの名を20世紀末たる意匠で画像化したもの、となる。

 「L'Arc-en-Ciel」と名づける際、tetsu がどこまで調べ、考え、練ったのか知らない。企画力に優れている tetsu といえど、「ark」と「ray」を出すためだけにそうつけるわけはない。「L'Arc-en-Ciel」と名づけたからこの2枚を創ったのでもない。もしそうならもっと早くに発売されていてもおかしくないからだ。
 要は「1999年という年代から受ける心象」と「hyde が創造した歌詞」と「バンド名」の3つが見事なタイミングで符合したのである。

 なんだか『ジャケットは口ほどに物を言い』の続編のようになってしまったが本題はこちら。「L'Arc-en-Ciel」は『虹』という名のバンドです。

_











【出典】
白水社/仏和大辞典
三省堂/新明解国語辞典

yukihiro攻略
ジャケットは口ほどに物を言い
バンド名なぞ知らずとも
続・バンド名なぞ知らずとも
オレ達にクリスマスはない
遅れてきたファンVer. ライブ!_
正しいCD購入法
yukihiro攻略2
見知らぬtetsu
この1曲を聴く作法
見知らぬtetsu外伝
ストーリー=テラーに挑戦
真実の音



CONTENTS アイコン NEXT
..................................................................................................................................................................................

Copyright(C)2000−2003 Watanabe All rights reserved.