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− 2001.10.27 −_

 

 音を<見>ることはできるか? できる。見た人がいる。日本一、音の良いジャズ喫茶「ベイシー」のマスター菅原正二が「ジャズ喫茶ベイシーの選択」という本の中で書いている。

『わずか数ミリ、ホーンレンズの位置をずらした。夢枕で聴いたコルトレーンがそこにいた。コルトレーンの音がそこにあったのではない。コルトレーンがそこに立っていたのだ!! ぼくはついに<見>た! 音の奥に、コルトレーンの姿を、気配を、ハートを。呆然として見開いていたぼくの目は熱くなり、やがて涙でかすんで視界はゼロになったが、なおもすべてのものが、ぼくには見え続けていた』

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 う、うらやましい。誰にでも見ることができるものではない。ハイエンド=オーディオ=ユーザーにしか到達できぬ世界だ。「ハイエンド=オーディオ」という言葉をご存じでしょうか。まったくアホみたいな‥‥いや、とんでもなく法外な‥‥もとい、大変すばらしいお値段のするオーディオ機器のことだ。

 例えば。DENONのカタログに50万円のCDプレーヤーが載っている。ミニコンポではなくバラコンだからCDを回すだけの機能で50万。音は出ない。CDプレーヤー直にスピーカーをつなぐこともできるが、50万かけておいてそれは宝の持ち腐れもいいところだ。
 CDの音質を自分好みに調節できるプリメインアンプ、スピーカーを駆動するためのパワーアンプが欲しい。そしてスピーカー。CDプレーヤーのグレードに合わせて1セット揃えると300万を超える。ところが。ハイエンド=オーディオ界にいくと、これでも最下層になってしまうのである。

 ハイエンド専門季刊誌「ステレオ サウンド」に掲載されている最高値のものを挙げてみよう。CDプレーヤー・クレル社125万。プリメインアンプ・オラクル社200万。パワーアンプ・ボルダー社296万。スピーカー・ディナウディオ社600万。しめて1221万円。外税61万円。
 あ、まだつなげてなかった。ラインケーブルNBS社110万。電源ケーブル…え、もうよろしい? ちなみに、これらのハイエンド=オーディオ機器を普通の部屋に置くわけにはいかないので、最低6畳のリスニングルームも必要である。

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どういうことかお分かりになりますか。我々が数千円で買うCDやレコード。それには、これだけの金をかけて取り出すに価値のある「原音」が録音されているということだ。「原音を忠実に取り出す」ことができれば、たとえ鬼籍の人であろうと御光臨を仰ぎ生演奏を聴くことが可能なのである。
 ラルクのアルバム=セールスは1枚につき100万枚を超える。100万人もいればハイエンダーの1人や2人、存在するはずだ。メンバーを自宅に招き、目の前で生演奏させているも同然の音を聴く三国いちの幸せ者がどこかにいるのだ。
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 あぁ、税込1,282万円のラルク アン シエル。一体どんな音をしているのか、いやどんな風に<見>えるのか。

『ラルク アン シエルの音がそこにあったのではない。hyde が、ken が、tetsu が、yukihiro がそこに立っていたのだ! ついに<見>た! 音の奥に、4人の姿を、気配を、ハートを!』

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【文献】
講談社+α文庫
「ジャズ喫茶ベイシーの選択」著 : 菅原正二


【ジョン=コルトレーン】
米 JAZZ / テナーサックス(1967年没)

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