刺身で豪華な昼食を済ませ、いよいよ本日2本目のダイビングである。今日は写真と決めていたのでまたまたカメラを持ってエントリー。浅瀬を過ぎ、ドロップオフへ降りると今回はかなり水温が低い。冷水が上がって来ているようだ。上手くすれば大物が浅い所へ上がって来ているかもしれないと期待してドロップオフを駆け下りる。
マグロの姿を探して水深32mまで降りたが、遠くに姿を見かけるが撮影できる距離まで近付いて来てはくれない。しばらくじっとしていたがやはりだめだ。
諦めて被写体を探しながらドロップオフをゆっくりと浮上して行くと、カスミアジが1匹私の後ろをフラフラと着いて来た。
どうも私にかなり興味を持ったらしく、何処までも着いて来る気なのだ。途中で立ち止まると私の周りをゆっくりと回り出す。まるで遊んでもらいたい子犬のようだ。
私はカスミアジが私に馴れた頃合いを見計らって、そっとカメラを向けてシャッターを切ってみた。ストロボの光で逃げ出すかと思ったが、まったく怯む様子も無く私の周りを回ったりスッと何処かへ消えてはまたフラフラと近付いてくる。このまま何処まで着いてくるかと気にしながらゆっくりと水深を上げていったが、水深10m近くまでフラフラと後ろを着いてきた。
ドロップオフが切れる付近で、ようやくカスミアジは私の後ろに着いてくるのを諦め深場へ戻って行った。私は心の中で彼にさよならを言い、浅瀬のサンゴの周りで魚達の正面からの顔を撮り続けた。
 
魚の正面からの顔はなかなか楽しい。身近な誰かに似ている気もするし、表情から何となく性格が見えるような気がしたりする。かわいい顔、憎たらしい顔、愛嬌のある顔、頑張っている顔。もっと沢山の顔を撮りたかったが、中には逃げ出してしまう奴もいたりしてあまり多くの種類は撮れなかった。
時間が来てボートに戻ると、アレレ?Yさんの獲物の中に何か見覚えのあるカスミアジの姿がある。水深どの位で仕留めたか聞いてみると、浅瀬で上がる直前に仕留めたとの事。おそらく私の後ろをフラフラと着いてきて私が撮ったカスミアジを、Yさんが捕ったようだ。
こいつはきちんと料理して供養してあげなければならないと思い、Yさんに事情を説明するとYさんも心得た物で、刺身にしてちゃんと供養するから安心しろと胸を叩いて言った。
今日はダイブセンターの社長であるエナ氏の自宅へ招待されているので、我々はそこで刺身を作り、招待のお礼に振る舞う事にしていたのだ。
本当に毎日刺身を食べてよく飽きないと思うが、これがまったく平気なのである。捕った魚はたとえ何でもちゃんと料理して食べて供養する。遊びで無駄に魚を殺める事だけはしない。これも我々仲間の決まり事の一つなのだ。
ダ イ ビ ン グ ロ グ
2 ダ イ ブ |
エントリー |
13:56 |
エキジット |
14:44 |
潜水時間 |
00:47 |
最大水深 |
32.3m |
平均水深 |
13.3m |
水 温 |
28.4度C |
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