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2.準備万端。イザ、ヌサペニダ島、KUNIO POINTへ!

1997/12/29

 昨晩遅くホテルに到着したにもかかわらず今朝は早く目が覚めてしまった。時計を見ると日本で普段起きる時間と同じ時刻だ。バリでの時差は日本よりも1時間遅いのだからAM4:30に目が覚めてしまった事になる。食事はAM7:00からなのでダイビング機材の点検と水中カメラの準備をして外に出ると丁度Yさんが起きてきて散歩に行こうと言い出した。

 2人で近くのクタビーチまで歩いて行く途中、何度かバスに呼び止められる。我々は現地語で散歩を意味する「ジャランジャラン」(日本に「じゃらん」なる旅行雑誌があるので覚えやすい)を連発して追い返し、ビーチまで到着。

 丁度潮が引いていて浜辺で何かを拾っている数人の人たちを発見。Yさんは持ってきたカメラで日の出をバックに浜辺の人たちを写し始めた。この人は写真が好きで骨董カメラを集めたり自分で写真を焼いたりするのだが、水中ではもっぱら魚取り専門で決して水中写真に手を出そうとしない。今回は陸上用にモノクロフィルムを用意して来たそうで、楽しそうに写真を撮っていた。

 我々が散歩から帰ると、丁度メンバーが食堂に集まっていて私にコーヒーの準備の事を聞いてきた。バリには有名なバリコーヒー(現地語でバリカピ)が有るのだが、ローストが深く極細に挽いてしまい、飲んだ後にコーヒーの粉の沈澱が残るバリカピはいまいち口に合わないのでコーヒー好きの私がツアーの度にコーヒーを準備する事になっているのだ。
 以前は本格的に豆とコーヒーミル、ドリッパーを持ち込んだ事もあったが、今回は手を抜いてモンカフェのブルーマウンテンブレンドを持ってきたので早速準備。朝食の注文に「ボイルドウオーター」を追加して朝食である。こちらでは「ホットウオーター」と言うとぬるいお湯しか出てこないので必ず「ボイルドウオーター」と注文しよう。ここでの朝食はトーストとコーヒー、フルーツ、それに卵料理しかなく、昨年アンボンでお気に入りのブブール(おかゆ)は注文出来なかったが、今年はブルマンブレンドで二日酔いを吹き飛ばしてダイビングに出発である。

 しばらくするとエナ・ダイブセンターの車が迎えに来てくれたので、それに乗り込み一度センターに立ち寄って昼食を積み込んでからボートの待つサヌールビーチへ。
センターで久しぶりに社長のエナ氏に会ったが、繁忙期の為か我々に挨拶を終えるやいなや右往左往しながらスタッフに指示を飛ばして大忙しだった。今夜はこのセンターでパーティーの予定である。

 ビーチでは、丁度スタッフがボートに荷物を積み込んでいる所で、今回のガイドが我々に挨拶に来た。名前はトゥデ、todayと覚えてくれと洒落た覚え方を申し出てきた。若いが、陽気で良く気が付く好青年である。けっこう日本語を喋れるが、現在一生懸命に日本語を勉強中だとか。今回のツアー中、彼が最後まで同行してくれたが、我々の潜り方を理解してからはガイド役そっちのけで彼自身好き勝手に楽しんでいたようだ。

 本日は天候も良く、海もベタ凪。ビーチからボートでヌサペニダ島、KUNIO Pointまで約2時間、途中、ヌサペニダの島づたいにサーファーの集まるビーチやのどかな漁師町のビーチを通るが、島の西側へ出たとたんに景色が一変する。ビーチが無くなって波で削られた断崖絶壁が延々と続くのだ。

 このポイントは潮が速く大物が良く回って来るが、判断を間違えると昨年暮れに起きた「インドネシアでダイビング中の日本人が流され行方不明」の事故と同じになりかねない場所である。

 今回我々全員はこのような事故に備え、水中ホーン、海上ホーン、サーブバルーン、エアガンを用意していたが、これは大沼氏が今回のツアーに参加する条件として我々に携帯を義務付けた品物である。ポイントへ付いてみてその潮流の速さ、複雑さにこれらを用意した理由を全員納得した次第であるが、ポイントの周辺では潮目がはっきり見え三角波を立てており、場所によっては潮がぶつかって鳴門の渦潮よろしく渦を巻いている所もあるのだ。

水中ホーン

水中で仲間に合図を送る際に使用。昔からナイフでタンクを叩いて合図を送る方法があるが、こちらの方が、より認識しやすい、ビービーといった音が出る。
BCジャケットへつなぐ中圧ホースの手前にセット。
サメを追い払うのにも効果あり?(Yさん談)

海上ホーン

水面へ上がってからボートに合図を送る際に使用。ものすごく大きな、ピーという音が出るので、いたずらに鳴らすとしばらく耳が聞こえなくなるので注意。
これはドライスーツ用の中圧ホースにセット。
逆風でなければかなり遠くまで音が届く優れ物。

サーブバルーン

流された場合にこれに空気を入れると海面2メーターまで上がる標識となる。先端にはレーダー認識と太陽光反射のための金属箔と個人情報を入れるポケットがセットされている。また夜間には下から水中ライトを突っ込めばライトアップされてより認識されやすい構造になっている。
昨年報じられたインドネシアの遭難事故で、もしもこれを携帯していたらうまく発見されたのではないかと思うが、今回の報道でのインドネシアサイドの捜索救助活動には感心した。日本人観光客を大切にする、インドネシアの考え方がはっきりと示されていたように私には受け止められた。(発見出来なかった事は残念ではあるが)
これはBCのポケットに入れて携帯。

エアガン

サーブバルーンに空気を送るのに使用。ボートの上ではカメラのブロアーや髪の毛のドライヤーとしても便利。


 こんな潮流の速い断崖絶壁に食らいついて、地元の漁師達は魚を捕るために仕掛けを流している。どうやって降りたのか判らないが、垂直に切り立った崖の途中に人影があり、そこから延縄状の糸を海面に流している。潮流で上手い具合に流されるので、船で延縄を引く必要はまったく無いのだ。
長年の経験から生み出した漁法なのだろうが、その独特なやりかたには感心させられた。一度釣り上げている所を目にしたが、大きな太刀魚が釣れていた。つい、あまり沢山採れてしまうと今度は崖を戻るのが大変だろうなどど余計な心配をしてしまうが、まったく余計なお世話であろう。

 このようなポイントであるから、エントリー場所は特に慎重を期する。このポイントを知り尽くす大沼氏(本人が調査して発見したポイントKUNIOは大沼氏のセカンドネーム)の判断で幾つかの入り江をさがし、潮流の影響が少ない場所を見つけてアンカーを打つ。ただし潮流がまったく無いと大きな魚に出会う事が出来ないので、入り江のフチから潮流に乗って次の入り江のフチへ回り込むダイビング方法に決定。ただし潮流に持って行かれると判断したら無理をせずにすぐに引き返す事。ボートはエントリー後すぐにアンカーを引き上げドリフトのまま入り江のどちらからもダイバーを回収出来る様に入り江の先端で両方を見ながら待機。潜水時間は最大45分、途中で減圧停止が必要な場合は潜水時間にその時間もプラスして考える事。

 入念な打ち合わせの後、いよいよエントリーだが、ここで今回カメラとスピア両方を持ち込んで来た私は大変迷ってしまった。事前に「太陽の高い1本目はカメラで2本目はスピアで遊ぶ」と決めていたつもりだが、この雄大なダイビングポイントを目にしてどうしてもスピアを持って入りたくなってしまったのだ。そしてついにその誘惑に負けてしまい、「エーイ!カメラよりも魚取りだ」とスピア片手にエントリー。今回カメラを持って来たのは私1人だけなのに、まったくしょうがないものだ!


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