セプターズカップ2002用ブック
松岡(セプター名:マヅポカ) |
日付 | 区分 | 大会名 | 結果 |
11/04 | 店舗大会 | ゲームズ・マーヤ | 準優勝 |
11/09 | 店舗大会 | VIC21井原店 | 優勝 |
12/22 | 本選大会 | セプターズカップ2002 | 二回戦敗退 |
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Creature | 19 | Item | 08 | Spell | 23 |
スチームギア | 4 | カウンターアムル | 2 | インフルエンス | 1 |
リビングシールド | 2 | グレムリンアムル | 2 | パーミッション | 4 |
アイスウォール | 4 | ゴールドグース | 2 | ホーリーワード6 | 3 |
ガーゴイル | 2 | ティアリングハロー | 2 | ホーリーワードX | 4 |
グリマルキン | 2 | マナ | 3 | ||
バジリスク | 2 | メズマライズ | 2 | ||
マッドマン | 2 | ランドプロテクト | 3 | ||
マミー | 1 | ワイルドグロース | 3 |
基本から泥臭く考えに考えた末出来上がった、どこにでもあるブック。無名のセプターが平凡なブックを抱き、遠く本選大会へ想いを馳せる様をブック名に込めてみました。 上記データはVIC21井原店(11/09)時点。完全アウェーの葛西(11/04)から半アウェーの井原に戻ってきたため、葛西のブックからインフルエンス2&ワイルドグロース2をインフルエンス1&ワイルドグロース3に変更し、1枚入れのヘイストを削ってメズマ1枚増加、とほんの少しだけ妨害系に厚みを戻した状態です。 屋根万全のブックなのでメテオが魅力的な選択肢でしたが、やはりアウェーなので、自分が勝負から脱落した後でメテオを引き、撃つに撃てず持ったままメズマされるわけにもいかず、という状況になるのを恐れて止めました。 地形変化スペルの比率変更は、葛西決勝の序盤でFOX'氏に足下を掬われまくって一個目の地土地を維持するのに苦労したことも理由のひとつです。1:3にするとサプレのリスクは高まりますが、それよりもプレイアビリティの向上を優先しました。もしも井原の1回戦の相手が ゆたか氏だったら危なかったかもしれません。
土地は単純計算で一人当たり5.5個。厳しいゲーム展開を想定して4個と見積ったとしても、目標魔力7000G・土地価値100Gのこのマップでは、4連鎖のLv5・4・4・1(6600G)或いはLv5・5・1・1(6800G)の状態から、城ボーナスやマナ使用でゴールできることになります。 リーチ形であるLv5・4・4・1を作るのに必要な魔力は1500+700+700=2900G。基準値を出すため、まずはこれをボーナスだけで捻出する計算をします。マルセスブルクの砦ボーナスは100Gで、1周につき2回(200G)。城ボーナスは250Gから始まり2周目以降は25Gずつ増えます。土地ボーナスは、周回ボーナス時の土地数を2・3・4・4・5・5・5....と仮定します。
6周回した時点で3535Gとなり、目標の2900Gを635G上回っています。次に、この635Gを使い、何ラウンド(R)で6周回に達するかを計画します。1周28マス、最大ダイス7のダイス期待値4ですから、ダイスだけで周回する場合、1周あたり28/4=7R、6周回で42Rかかります。これでは40R制限内に達成できませんので、スペルによるR短縮を試みます。
上記を基に、例えば、 29Rで6周回してリーチ。もっとR短縮系カードを厚くすればドロー期待値も高まるので、これより早いリーチが見込めるでしょう。 これでレベルアップに必要な魔力とR短縮系カードの収支は把握できましたので、あとはブックに組み込むクリーチャー・アイテム・その他スペルにかかるコストを見ながら、それらを賄えるよう現金系カードを追加していけばよいわけです。以下は今回の私のブック。
全50枚(コスト2290G)のうち30枚使用したとして、使用コストは1374G。
対する収入は、 前作でもこのような計算は戦術のベースにあったのですが、それらはしばしばリンカネーションやメズマライズやミスルトの引きタイミングだけで チャラになってしまうようなところがありました。しかし、今作のマルセスブルクではこういったコストがゲーム結果に 反映されやすく、ブックの収支検討の重要性が高まっていると言えるでしょう。
仕方がないので今回は、セカンドエキスパンション(2EX)で変わったゲームバランスを念頭にブック“運用”の再構築を行い、そこで地味なアドバンテージを稼ぐことにしました。それはクラシックカルドの原点に戻り、基本を再確認する作業でもありました。
2.ドローサポート それに、このマップはただでさえ土地のやり取りが重要で、ブラスアイドルとリンカネーション両方を従来的なドロー効果の為だけに採用した場合、ブックの基本能力はその枚数分だけ落ちることになります。その一方では他3人のブックパワーをブラスアイドルで増幅しているわけで、これは全く割に合わない取引です。 宇宙一リーグではお馴染みですが、DC版におけるブラスアイドルとは、リンカネーションを持たないセプターにとって相手のリンカネーションを相対的に弱める有効手段であり、よってPS2版におけるブラスありきのリンカネーションという発想は、多少の矛盾を含んでいることになります。 私は、2回連続して同じカードを使えない宇宙一ルールの下で戦っているおかげで、リンカネーション無しのゲームがどういう流れになるのか、更にはリンカネーション無しの不利をどうやって消していくのか日常的に体感できており、これが2EX環境のセプターズカップ予選において大きく活きました。 まずはブック運用の説明の前に、「マルセスブルク」における私のドローサポートカードの考え方を述べてみます。
(1)リンカネーション 欲しいカードを引く用途にはまだまだ使えるカードですが、その効果を大きくするには“捨て札”を貯めるため1、2ラウンド前からカード使用を我慢しなければなりません。この運用アイドル期間は、戦術的にかなりのロス。そして、リンカネーション発動直後にメズマライズされる危険性が高いことは全く従来と変わりません。
(2)ホープ
(3)フォーサイト
(4)プロフェシー ただ、占い館が2箇所もあるマルセスブルクでは相対的に価値が下がります。また、どうしても守りたい拠点があるときに防御アイテムを期待して引くケースを考えると、ゴールドグースと相性が悪いかもしれません。何を引いてくるか確定していないので、メズマライズが見えているときにスペルを引きづらいのはフォーサイト以上です。
(5)ファインド
特にメズマライズの存在するDC版以降は「タイミングを待って手札に留め、撃ってゴール」などという形はほとんど期待できず、他者の干渉を受けにくい「ドロー即撃ち」でゴールするのが現実的なのです。PS2版でこれだけドローサポートカードが変わったにもかかわらず、諸悪の根源であるメズマライズは何も変わらず強力なままであるため、ドローサポート台無しということですね。 もちろんバリアーやグラニットアイドルがあれば話は別ですが、マルセスブルクでは如何ともし難いものがあります。そのように考えた結果、ブックには決定力のあるカードをできるだけ入れて、あとはドローサポートで使える枚数を増やすのではなく、引いたカードを如何に確実に活用するかで勝負した方が良いという結論に達しました。
3.カード使用率 逆の言い方をすれば、ドローサポートカードで僅かな枚数アドバンテージを稼いだとしても、ディスカードしているようではあまり意味が無いということになります。 例えばホープの場合、手札6枚から使用すればディスカード確定、5枚から使用すれば1ラウンド内にクリーチャーやアイテムを使用しない限り次ラウンドのディスカード確定となり、ディスカードを嫌うプレイングではホープを有効に使えるタイミングが少ないことが分かります。 かつてのリンカネーションは1回で6枚も引けたからこそディスカードを軽視することも出来たのですが、2EXのマルセスブルクでは、ディスカードの損失を埋め合わせるまでに強力なドローサポートカードは、ほぼありません。 カードを捨てないプレイングには、カードを捨てずに済むブック構成が必要です。従来的なブック構築の基本ではありますが、具体的に書くと以下のようになります。
(1)生贄要求カードを最小限に
(2)手札の消費バランス
(3)一枚のカードに複数の役割を 例えば、侵略時には圧倒的な力を発揮するが他の使い途が無いアイテムは、侵略の時だけを待ってひたすら保持し続けなければなりません。かと言って防御アイテムや移動スペルも手放せず、結果的に手札の圧迫→ディスカードとなってしまいます。 その点、侵略と防御双方に使用可能なアイテムであれば、それ1枚を持っているだけで両局面に睨みがきくので、手札スペース1枚分のゆとりを作れます。この考え方は、クリーチャーやスペルに関しても同様です。
4.属性選択 2EXになっても、戦闘はバジリスクを中心に考えてよいでしょう。「バジリスク+グレムリンアムル」に対抗できるのはST40以上の先制クリーチャーと攻撃無効化クリーチャーだけなので、この時点で拠点候補は限られています。「ドルール+グレアム」を退ける上でも先制ST40は重要です。 また、一般的な主要アイテムはカウンターアムル、グレムリンアムル、ホーリーグレイルであり、中でもグレアムが攻守両面の要となることを想定すると、今作から登場したティアリングハローが大きな意味を持ちます。ティアリングハローの侵略に対抗するには、HP50以上もしくは巻物無効クリーチャーということになります。 上記2点を総合すると、先制系では、バ=アルとガーゴイル、それに準ずる存在としてキメラ。無効系では、シーボンズとなります。これらを踏まえ、属性選択は土地取りでも有利な火か地、更に自分もバジを使える地属性という流れが自然、と私は考えました。 が、実際の店舗予選では水や風が多かった。これは恐らくフェイトやホーリーラマの領地能力、水の無効化クリーチャー群やミルメコレオが人気だったのでしょう。 新クリーチャーのイエティやダンピールを警戒して火や地を嫌ったというのもあるかもしれません。 私が火よりも地を上位としたのはそこにも理由があって、イエティ+グレアムやダンピール+グレアムの侵略を想定した場合、キメラはティアリングハローで防御できず、バ=アルは生贄や手札破壊が痛すぎます。その点においてガーゴイル+ティアリングの安定性を高く評価したわけです。 ただ実際は火が不人気だったため、火属性の土地は大抵ガラガラで取り放題でした。火属性を選択していれば、高確率で楽なプレーができていたでしょうし、それは多少のクリーチャー能力の差を埋めて余りあるアドバンテージだったかもしれません。 あと、水や風で被ると狭くて泣けます。
5.カード選択
「アイスウォール」
(b)南左半分の足場確保
(c)総魔力抑制
「アイテム」 すんません、火属性いませんでした。 ちなみに従来私は、巻物有りブックなら巻物OKクリーチャーの比率を上げることを強く意識していましたが、今回その調整を行っていません。 リンカネーションの不採用により、リンカネ直後に揃ったカード同士の可用性を考える必要が無くなり、むしろアイテムは手札に留めたまま、配置済みクリーチャーと手札のクリーチャーを出し入れすることで調整するケースの方が多くなったからです。 前作までならば、スチームギア4をニンジャやワーボアあたりに散らすところでしょうが、今回はそれよりもクリーチャー単価やグース相性の方を重視する構成になっています。
「パーミッション」 よって、マルセスのパーミッションは最大限に利用するか、サプレするかの2択です。サプレを採用すると無用にゲームを緊張させる上、4人の均衡を著しく崩し、試合展開によってはサプレアドバンテージが自分の利益に繋がらないため、私は大多数のパーミ利用派に乗ることにしました。
「ホーリーワード6」
「ランドプロテクト」 単体土地妨害スペルを引いてきたセプターが、おもむろにカーソルで土地を1個ずつ舐めまわす。店舗予選でよく見かける光景ですが、これが意味するのは、その妨害スペルがトップを止めるとか試合を牽制するとか最初から狙いがあって行使されるものではなく、使えるところがあればとりあえず使っておくだけの、手なりプレーであるということです。 これは目立たないようプレーしたりゲームコントロールを駆使したりして避けられる問題ではありません。屋根が無いから喰らう。ただそれだけです。屋根さえ付いていれば、このような流れ弾を避けることができます。 ドローサポートが弱い環境では、1、2枚入れのランプロはあまり期待できません。私はランプロ自体を積極的に機能させたいことと、自分のブックに他の土地呪いスペルが無いことを考慮して3枚としました。グリマルキン2体と合わせて屋根5。これは、私の土地に「なんちゃって妨害」は絶対にさせないという意思表明でもあります。
6.プレイング 中盤以降のナチュラルトランスは積極的に狙います。目安は4連鎖レベル4以上で「レベル上げ即マイナス」ですが、私のブックは屋根が万全である分、強引に上げておいてひたすら練り歩いても大丈夫なのが強みです。 最終形はLv5・4・4・1からマナもしくはボーナスでゴールと言ったものの、総魔力で6600Gもあれば止められてしまいます。そこで、地土地Lv5・4・1+水土地Lv4(5300G)の形を作っておき、地形変化スペルを引き撃って6600G、+ボーナスという形を意識してゲームを進めます。 ちなみに地Lv5・1・1+水Lv5から地形変化(-150G)すれば4840G→6800Gとなり、実に+1810Gの長距離射撃が可能ですが、屋根のない状態でレベル5まで上げるのは わたくし的に現実的ではなく、これを狙ってやることはありません。 上記も所詮は基本形であるものの、慣れない店舗予選の緊張感の中では画面の数字が光っていないこと自体が重要で、特に他者の勝負カードでゲームが緊迫している時なら、地形変化スペルを何ラウンドも引っ張るなどしない限り、通してもらえる見込み十分です。 ただし、その形に拘り過ぎるあまり、最初から水土地を優先するのは厳禁。今回のブックは土地条件なしクリーチャー13、うち地属性クリーチャーはたったの3!と、かなり欲張った構成にしてあるため、序盤の入り方がかなりデリケートになっています。 とにかく地土地を一つアイスウォールやスチームギアで確保し、出来るだけ早くガーゴイルを置くか、グリマルキンに置き換える。ここで失敗すれば、クリーチャーを全く置けないまま勝負から脱落する危険もあるので、手順は絶対に間違えられないのです。 |