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− 2000.12.22 −_

 

 驚愕はまだ続く。
 ステージ両端のスクリーンに大映しになったhydeを見てギョッとした。ヒゲづらだったからではない。これは誰だ? いや、hyde なのだが。ではテレビに映っていたあれは誰だったのだ?
 テレビやビデオクリップの hyde の姿から「威厳」という言葉は思い浮かばない。だが、目の前に映る hyde はどうだ。スクリーン内に収まりきらずはみ出した存在感が150m先のこの席まで威圧をかける。ken も tetsu も yukihiro も大映しになる。もちろん彼らもテレビで見る印象とは異なる。どのミュージシャンだってそうだ。しかし hyde の異なり方は桁違いなのだ。

 ライブハウス公演もホール公演も見ていないので確証はないが、この人のキャパシティーは会場の大きさに合わせて伸縮が自由自在なのではないか。 ただし条件があり、底なしのキャパシティーに触れることができるのは同じ会場にいる人間に限る。スクリーンの大きさは関係ない。だって、この席から見る巨大なはずのスクリーンは14インチ=モニター並なのだから。

 呆然としているうちにステージの雰囲気が一転、大ヴィジョンがその効果を最大限に発揮しはじめた。

 8曲目「finale」。横長のヴィジョン、両脇のスクリーンに、編集しなおされたビデオクリップの映像が映し出される。歓声が高まる。ken が映り、yukihiro が映り、tetsu が映り、hyde が映る合間にゴボッと不気味な音が鳴ってイメージを高めていく。曲が始まった途端、体がすくい上げられ、我々は太古の自然そのままの荒涼とした海岸線を眼下に飛ぶ、鳥の一群に変身した。

 10曲目「a silent letter」。ヴィジョンは黒い一枚の便せんとなった。告白調のモノローグに合わせて白い英字がタイプされていく。長い独白が終わりギターが鳴り始める。ヴィジョンが閉鎖されたこの空間から我々を連れ出す。目の前に広がった夕焼けに染まる空が次第に青く濃く暮れていく。間奏に入り、hydeが歌っているあいだ大事そうに抱えていた銀の球を手離す。球はするする昇ってセット頂上に達した瞬間砕け散り、場内一面、天にも地にもかけらをばらまいた。散りばめられた光の粒が一斉にまたたく中、hydeが我々を夜間飛行へといざなう。

 大きな会場ならではのスケール感のある演出。この醍醐味を堪能するには、やはりこの席でなくては。よしよし。

 9曲目のオリエンタル調な「真実と幻想と」にもイスラムの月の砂漠や夕陽に照り映えるモスクなどの映像をかぶせ、 3曲連続『映像付き・時空を超えたトリップ=タ〜イム』にすると全体の構成が締まってなお素晴らしかったのではないか。

 早くも公演半ばに来てしまった

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