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(中)_

− 2000.10.25 −
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 「ectomorphed works」のジャケットは、パソコンのハード=ディスクもしくはCDをデフォルメしたもののように見える。内円の支点がずれていて同心円を描いていないのは、リミックスはオリジナル曲を異なる視点からとらえたもの、と解釈してだろうか。

 中面には鉛筆書きで、英数字の0が無数に羅列する絵。これは“前時代のコンピューターが1台に何万個と必要としていた真空管”のイメージか? それとも正論理のイメージか?(正論理とは、パソコンのハード=ディスク内にはデジタル回路という論理を実行する部分があり、ここで電圧が高いHレベルに1(真)を、低いLレベルに0(偽)を対応させる論理のことをいうのだが‥‥何故そういうことになるのか、ということは聞かないで下さい)

 ラルクの「L'」にひっかけてLレベルを選ぶと上手い具合に0となる。しかし0の羅列は(偽)の羅列でもあるのだ。そりゃひどい。しかし一筋縄でいかないバンドのことだ。そうやってリミックスの意味合いを揶揄しているのかもしれない。

 といった風に論理的に推理するよりも感情的な見方をした方がこのジャケットの場合は面白い。

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 それは、何故手描きのイラストなのか(画面上では質感がわかりにくいがパステルによる着色)という点だ。このご時世、この図柄。いかにもCGでちゃっちゃと描いてしまいそうなものだ。
 しかもリミックスはコンピュータ上での作業だからイメージ的には重なるだろうに、なぜわざわざ手描きなんだろう‥‥と「ecto〜」を聴きながらジャケットを眺めていたら1つ思い立った。そういえば絵から受ける印象が似ている。何とか? yukihiro リミックスの耳触りとだ。

 yukihiro の趣味なのか、hydeの声に合う音質を選ぶとそうなるのか、 yukihiro リミックスは金属的でない。ギターであったりチェロであったりピアノであったり、楽器の音が際立って聴こえてくるのである。シンセサイザーなどで創り出された音にも暖かみがある。
 最たるものはアルバム最終曲の「metropolis」。長い後奏でギターとキーボードの横からスッと入ってくるチェロの旋律はじわじわと胸に迫ってくる。おやすみソングにするには勿体ない切なさだ。ここ、ポイントです。

 未だ披露されていない yukihiro のコテコテラブ=バラードだが、こんなロマンチックなリミックスをする人に書けないわけがない。楽しみにしていよう。「何があった yukihiro!」と tetsu もひっくり返る、いや天地もひっくり返るよな優美な旋律に hyde の恋愛仕様の甘〜い歌詞が乗ったラブソングが聴ける日を。話がジャケットからそれてしまった。

 こちらのジャケットも装丁家の真意や意図がどこにあるのか定かでない。「REAL」以上にうがち過ぎている気もする。ハッキリわかることはただひとつ。このジャケットは声を大にしてこういっている。「夜に聴け!」

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【参考文献】
木島日記/角川書店
原作 : 大塚 英志
絵 : 森 美夏

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ジャケットは口ほどに物を言い
   ‥‥‥‥(上)
   ‥‥‥‥(下)
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