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3.ハプニング(その1)のフライト!(後編)

2005/4/30

 最初は海沿いの平地を走っていた車はやがていくつも山を越え、どんどん奥地へと進んで行く。
 途中「チドモ」という馬車に何度も出会う。車とバイクの多いバリでこんな馬車が走っていたら完全に交通渋滞になるはずだが、それほど交通量の多くないこちらではまだまだ大丈夫、のどかなものだ。
 それにしてもインドネシアの道路の舗装率の高さにはいつも感心させられる。どんなに離島、田舎へ行っても住民の数・交通量に関係なく道路だけは見事にきちんと舗装されていて、ジャリ道は皆無なのだ。
(今まで私が行った事のある場所だけなんですけどネ・・・。)

 こちらへ来ると私はいつも「ランブータン(果肉はライチと同じ果物)」を買い込んでおいて、気が向いてはつまんで食べるのが好きなのでガイドに申し込んでおいたら道端で途中停車。ギッシリと実の付いた枝ごと、たっぷりと束で買い込んでおいた。
 乾期のランブータンは今回が初めてなのだが、甘みは強いが雨期に比べていくぶんジューシーさは足りない感じである。残念ながら雨期の方が私の好みだが、ダイビング途中にボートでこれをつまむのが楽しみである。

 延々と車で走る事2時間、途中イスラム教のコーランを大音響で流している町中の雑踏をいくつか通り過ぎ、ロンボックはイスラム教徒の多い島である事を実感しながらようやくコテージへ到着。

 いきなりニワトリを抱えた子供が我々の目の前に出没、日本とは違い気の荒いシャモに近いニワトリなので一瞬ドキッとしたが、彼の手にかかると大人しいもの。
 後で聞いたらここのオーナーの息子なんだそうだが、庭先で放し飼いにされているニワトリを素手で捕まえては抱きかかえて悦に入っている。他に何も無い場所なので、たぶん彼にとってニワトリは遊び道具のひとつなのだろう。
 ついでにここのオーナーはオーストラリア出身で、こちらで奥さんを見つけてこのコテージを始めたとの事。最初はかなり規模が小さかったらしいが、今は部屋数も増えたそうである。

 今回のダイビングガイドだと言われて、かなり小柄で目のキョロっとした人の良さそうな男性を紹介されたのだが、その時彼の着ているTシャツには思わず笑ってしまった。
 そこには日本語で
「俺に惚れるなよ!」と大きく書いてあったのだが、彼には悪いがどう見ても日本人女性が惚れ込む容姿とは見えないので、そのあまりのアンマッチさに思わず笑ってしまったのである。
 たぶん彼は日本人客用に気をきかせて「とっておきの日本語の入ったTシャツ」を着てきてくれたのだと思うが、確かにこれなら第一印象間違いなし!である。

 今日のダイビングはどうするか聞かれたが、朝からのドタバタで何となく気分が乗らないのでキャンセルを申し出た。
 コテージの部屋に案内され、まずはシャワー
(ここはバスタブもお湯も無い水だけ)でサッパリしてから荷物を整理。
 次にベランダで一服していると、目の前の庭のむこうに海が見える最高のロケーションなのでカメラを持ち出して散歩かたがた庭先を撮影して歩いてみた。そしてこの敷地内にバリヒンズーの神様の祠がある事を発見。イスラムの多いこちらでこの祠を見ると、何となくホッとするのは私だけだろうか?

 Nさんがヒョッコリと戻ってきたのでどうしたのか聞いてみると、「コテージの敷地の外へ出て、道を散歩してたら小さな店が一軒だけポツンとあって、私を見つけるなり真っ暗だった店に電灯を点けて待ちかまえられたので恥ずかしくなって戻って来ちゃった。」んだそうだが、私が彼の部屋に声を掛けた時にはすでに居なかったので着くなりすぐに散歩に出かけて行ったようである。いやはや好奇心旺盛な人だと彼のその行動力に感心してしまった。


 もう日も沈みあたりが暗くなった頃、ようやく大沼さんとOさんが到着、やはり二人ともかなりお疲れの様子である。
 もしかしたら本日中にロンボックへの到着は無理かもしれないと聞かされていたので、無事の到着に先発隊の二人も一安心。
 その後の経過を聞こうとしたら、レストランでゆっくりビールでも飲んで食事をしなから話そうという事で、そのまま全員レストランへ直行。

 まずはビールで今日の全員の無事到着をカンパ〜イ!「ようこそ、イースト・ロンボックへ!」なのである。
 つまみはインドネシア定番のサテ
(焼き鳥&ピーナッツソース添え)を3人前注文、ところが注文してからいくら待ってもなかなか出て来ない、ようやく出てきたらもう冷めてしまってせっかくのサテが台無し。
 後で解ったのだがここには石油コンロが1つしか無く、少しずつ焼いては皿に盛りつけて完成してから持って来たので冷め切ってしまったのだ。

 どうせなら焼けた所から次々と持って来れば焼きたての美味しいサテを楽しめたのにと思うのだが、たぶんこちらでは出来たての温かい料理を喜ぶという習慣が無いのかもしれない。
 そういえばバリの一般家庭の食事は、朝に全員分の1日のゴハンとオカズを作ってしまい、各自おなかが空けば勝手に食べるのだそうで、日本のように家族全員が揃って出来たての食事を食べるという習慣は無いのだと聞いた事がある。

 いよいよ肝心の「その後の経過報告」だが、ノピーが苦労して便の手配に手を尽くしてくれたが昼間の便は全て満席状態で、乗れる保証のまったく無い直前のキャンセル待ちしか手段が無い状態。ようやく最終便に空きが見つかったので何とかチケットの手配が付いたのだとの事。

 時間に余裕が出たので一度ホテルへ戻って再度書類ケースを探したところ、何とレストランで朝食を摂ったテーブルの下に置き忘れられ、レストランの従業員にも気が付かれずにそのまま放置されていたのを見つけたのだそうである。
 朝、我々が探し廻った時に何でレストランに上がって探さなかったのか今思えば本当に不思議なのだが、無事に書類ケースとカメラも出てきたとの事。

 そのままセーフティーボックスを開けて支払いのための現金を引き出して、次にエナ・ダイブセンターへ行ってリターンチケットの手配その他段取りを全て依頼してからこちらへ向かったのだそうだが、話の内容からして何ともキツネに騙されたような気分なのである。(呪・・・)(^_^;)

 ビールを飲みながら、ふと私の耳に外から聞こえるカエルの鳴き声が飛び込んできた。鳴き声が揃ったかと思えば徐々に崩れて輪唱に変わり、そのうちまた一緒に揃っての繰り返し。「あ、そうだ、この音はまさにバリの民族音楽、ケチャ・ダンス(モンキー・ダンス)の声と同じ音!」と私には聞こえたのだ。  
今でこそバリで観光客の見せ物となってしまっているケチャ・ダンスだが、そのルーツは稲の豊作を神に祈る儀式の時に行われる神聖なお祈りで、田圃の中央に車座に座った人達が、神の使いであるカエルの鳴き声を真似て神に豊作の祈りを捧げるのだと聞いた事がある。
 日本のカエルの鳴き声からは想像出来なかったが、現地のカエルの鳴き声、そしてその輪唱を聴いているうちに妙に納得させられたのである。
(日本のカエルは「ケロケロ」、インドネシアは「ガチャガチャ」という鳴き声に聞こえるのだ。)

 それぞれ好きに食事を注文してそろそろみんなお腹も一杯になり、明日の朝食を何にするか事前に注文する段階になってみんなはたと悩んでしまった。みんな考える事は同じで、ありきたりのコンチネンタル(トースト&バター)じゃつまらないと思っている。
 ふと私の頭の中にアンボンで毎朝お決まりで注文いた「ブブール
(お粥)」が思い浮かんだので言い出してみたところ、「ブブール」という言葉で通じたらしく作れるという事だったのでそれに決定。
 このレストランの料理はオーナーの奥さんが切り盛りしているのだが、、バリヒンズーの祠と言いこの奥さんバリ出身と見たが、いつもニコニコしていてなかなかチャーミングな方ですョ。

 最後に大沼さんの持って来た「アラック」でそろそろフィニッシュ、かなり強い酒なのでけっこうほろ酔い気分になり、明日の待望のダイビングに備えてそろそろおやすみなさい、なのである。



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