カスタム検索

10.黒岩氏とイマナカ氏(ちょっとシュールな結末<(_ _)>

 ホテルに帰ると丁度オジサン・オバサン達が帰り支度でてんやわんや、「あなたはまだ大丈夫なのか?」と聞くので、夜中出発の直行便だからまだ時間が十分あると答えると「余ったので飲んでくださ〜い。」とビールと水を山ほど私に預けて「お先に失礼!」と言いながらワイワイ・ガヤガヤと帰って行ってしまったのである。

 時間が余ったのでまたぶらぶらしようと思って外へ出てみると、いつのまにかまた雨が激しく降り出していて止みそうに無い、やはり最近のバリの天気はおかしい。まるで日本の梅雨のようにシトシトと雨が降り続くので、降り出したら下手に動けないのには気が滅入る。
 仕方が無いのでルームサービスでナシ・ゴレンを頼み、さっきもらったビールを飲みながら日本から持って来た「もののけ姫」と「タルボット・ドルフィン&オルカ」のDVDをパソコンで見ながら時間を潰す事にした。

 バリ・ヒンズーはガチガチなインド・ヒンズーとは違い、単純に自然を神として崇拝するゆるやかな自然信仰である。そんなバリで「もののけ姫」を見ていると、ストーリーに出てくるシシガミ・イヌガミなどが過去の物語ではなく身近なの存在のように感じられて不思議な気分にさせられるのである。「バリ」で「もののけ姫」は、本当に良く合うのを発見。



 けっこうガンバッてビールを飲んだがまだかなり残ってしまった。そろそろ私も空港へ向かわなければならない時間である。
 余ったビール等はチップ代わりではないがルームメーキングに判りやすいようにまとめて置いておく事にして、身支度をして部屋で迎えの車を待つ事にした。

 予定よりかなり車の到着が遅れて心配したが、ようやく来たのでドシャブリの中を荷物を担いでロビーまで往復。ところがしこたまビールを飲んで酔っているうえに雨で足元が滑って大変、とうとう雨の中でしりもちをついてしまったがビショ濡れで何とか出発準備完了。ホテルのチェックアウトを済ませ、とうとう忙しい日本へ逆戻りである。

 遅れたドライバーは空港までの道のり、乗っている私がヒヤヒヤするほど飛ばす飛ばす。前の車を追い越す為にクラクションを鳴らしながら車線を左右ジグザグ走行の連続、まるで日本の暴走族である。
 そのうちダイブセンターとの無線が故障で通じなくなったようでしきりにマイクに向かって「ミャミョ〜ン・ミャミョ〜ン」と怒鳴っている。これって日本語の「もしもし」なんだろな?などと考えつつ、何とか無事空港へ到着。ドライバーは仲間の車を探し出し、何とかセンターへ連絡出来た様子である。


 時間が無いので急いでガルーダのカウンターを探し出し、無事に手続きを済ませ出発ロビーへ急行。しかし遅れて入ったロビーはもう満席で座る所が無い。しかたなく隅っこで壁に寄りかかっていると、後ろから「もしもし」と日本語で声をかけられたのだ。

 振り返ると、ダイビングで一緒に潜った年配の日本人男性が「黒岩です、ダイビングでご一緒でしたよね。」と話しかけて来たのだった。
 私は「あ、この人が噂の黒岩氏なのか。」とピンと来たが、しばらくダイビングの話をした後、いよいよ核心に迫ってみる事にしたのだ。

 大沼氏は私のダイビングの師匠でもう20年以上の付き合いであり、「サヤ・リゾート」の開発にも多少出資した事があると言うと、いろいろな経緯を教えてくれたのだ。
 サヤ・リゾートの完成後にいろいろとあり、現在出資者に対し変な状態になってしまっているのだが、「私も今はもう関係するのを止めた。」と言って詳しく教えてくれた。
 さらにサヤ・リゾートの総支配人をやっていた佐野氏(日本で一緒に良く潜った先輩)の事を突っ込んで聞いてみると、「イマナカ氏が佐野氏をバリから追い出した。」という事実を教えてくれたのだ。

 バリへ行く度に佐野氏の屈託の無い笑顔に会える事も楽しみの一つだった私にとってとても寂しい話を聞いてしまった気がするが、ここまで話してくれた黒岩氏に今回バリで会えた事は良かったと思っている。帰ったらそのまま大沼氏にこれらの話を報告しようと思う。


一人旅は結局いろいろありましたが、最後に帰りの飛行機から撮った少し霞んだ富士山で閉めさせていただきます。


2002/1/3 AM8:30 GA880機内よりの今年の富士山

 今回単独でのツアーを久しぶりに経験してみて、今までいろいろと仲間達に助けられていた事や自ら嫌な事に目に瞑っていた事等が何となく判った気がする。
 でも、自分の意志で自分の責任範囲で、自由に行動してみるってのもまた新しい発見があって悪くは無いかななどと今回思っている
(ただしダイビングの楽しみは半減するのを覚悟の上なら・・・(笑))のである。

 次回は是非気の逢った仲間連中と、そしていずれはオジサン連中打ち揃って「シャン・シャン・シャン!」てなダイビングツアーを是非やってみたいものだと思う。
 気を遣っていないようでお互いにそれぞれ気を遣っていて、気を遣っているようで実は相手を信じてほったらかしにしているみたいな、微妙なオジサン達の平衡感覚がまた愉快で快適だったりするのだ。(^。=)



ゲストブック    

気に入りましたら是非 ゲストブック へご感想をお寄せ下さい。
お待ちしております。
も く じ
 1.何故、「'02バリ島 一人旅ツアー」なのダ〜???
 2.無事にバリ島 まで到着。でも、失敗の連続ばっかり〜!
 3.「神々の住む島バリ」の朝の散歩は最高〜!
 4.初めてのデジカメ水中撮影テストはいかに・・・
 5.一人きりのアフターダイブ、イヤ〜!いろいろありまして
 6.朝の散歩で抜け道発見!
 7.「なるほど、そういう事か!」
 8.ツアー最後のダイビングは・・・?!
 9.バリにも「雀?」がいたんだナ〜!
10.黒岩氏とイマナカ氏(ちょっとシュールな結末<(_ _)>
  オ マ ケ

tomokazu☆venus.dti.ne.jp