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(後)_

− 2001.04.28 −_

 

 ラルク史上、これほど期待と不安と好奇の目にさらされた楽曲もあるまい。ファンが初めて聴く sakura の音でない楽曲であった。サポートとはいえ、初めて聴くkenの旋律にのった yukihiro の音であった。相当、緊張して聴いたに違いない。それより数ヶ月早いレコーディング時、 yukihiro もまた緊張を味わっていたに違いない。hyde・ken・tetsu は‥‥こういう時は当の本人たちがいちばん冷静だったりするものだが。

 1997年11月、sakura脱退。時期同じくして yukihiro へ加入の打診をしたと思われる。「虹」はこの年発売された、ただ1枚のCDであった。

 1998年1月、腹も覚悟も決めた yukihiro 正式加入。翌月、アルバム「HEART」発表。

 パーカッション性が高く力強い打音の sakura、一般的なリズムを粉砕し、さらに細かく複雑に叩く yukihiro。2人の音は対極にある。この交代劇を、sakura の音の方が好みに合って残念に思った者もいれば、両方とも好みに叶って幸いに思った者もいただろう。ラッキーなことに渡辺は幸せ者に属す。

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 知らずにいれば数多い美曲の中の1本に過ぎなかった。そうと知り改めて聴くとなんだか緊張してくる。おお、遅れてきたファンの滑稽な自己催眠だろうとも。だが、手の中にちょこなんと収まるいちばん短い名を冠した5分そこそこの本曲は、突然、身体4分の1をもぎ取られた hyde・ken・tetsu の3人と、その4分の1として共に白髪の生えるまで、行くか否かの選択を迫られた yukihiro と、よくある事とはいえ不変を疑わなかった音の急変をききわけねばならなかったファン三つ巴の波瀾を経て誕生してきたのである。

 どうしてでも「虹」はドキドキして聴くのが正しい。アルバム「HEART」の「虹 Album ver.」は、うっとり聴くがよい。シングル版とアルバム版は似て非なる曲である。前にもいった。こちらが考えている以上に発売日は大きな意味を持っている。hyde が即答した「」はこの世に1曲しか存在しないのだ。

 発売当日、一体どのくらい売れただろう。その日、いったい幾万の家に虹が架かっただろう。我が家には発売から3年半も経ってようやっと架かりました。

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 おっと。もうひとり複雑な想いを寄せる者がいた。波瀾は卍巴であった。

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