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− 2001.01.19 −_

 

 最初に購入したのは4th アルバム「True」だった。たまたま手に触れたから。次は6th「ray」その次は5th「HEART」、理由前に同じ。その後もシングルを挟みながら徐々に揃えていき、3th「heavenly」を手に入れたのは「True」から優に4ヶ月も経ってからだった。

 お陰で、その間ずっと喉に小骨が刺さったような違和感を味わい続けるはめになった。違和感というのは2th「Tierra」の、『背に刺さったナイフの少しも消えない痛みに息もできず歪められて浮遊する壊れてしまった私を一人にしないで』が、どこをどう通ってきたら4th「True」の、『うまくいえなかったけど君が笑うと嬉しくて穏やかさに満たされて誰より大切な君がいつまでも幸せでありますように』になるのか、ということである。

 歌詞だけでなく曲調、アレンジ、質感、印象、全てにおいてあまりにも異なるアルバムなのである。いくら多面的な才能の持ち主たちとはいえ、この手のひらの返し方。一体彼らになにが起こったのか? 何があったらこれほど著しい心境の変化が生まれるのか? 変化が唐突すぎてどうにも2枚の関係性が結びつかない。聴く度にひっかかりを感じる不快さといったらなかった。
 ところが、何から買ってもどれも好みで嬉しいわ、まだまだ買っていない作品はあるわで『一刻も早く3th「heavenly」を買わねば』という考えには、ついぞ至らなかったのである。

 4ヶ月後ようやく3th「heavenly」に当たり、『甘く鮮やかな記憶は誰よりもやさしく胸をしめつけて愛しい人よ僕らはここへ来て夏の憂鬱に痛みを覚えていく』を聴き、一気に2点間に線が引かれたのであった。3th「heavenly」が2th「Tierra」の切れ味鋭い材質と4th「True」の華やかな様式の二つを合わせ持っていたからである。

 翼竜プテラノドンは始祖鳥という半恐竜段階を経なければ鳥にはならない。2th「Tierra」が4th「 True」になるには3th「heavenly」を経なければならなかった。アルバム誕生には思っている以上に発売年月が大きくものをいっていたのである。
 何度痛い思いをすれば身につくのか、相手はラルクなのだ。ラルク進化論を無視してデタラメ買いをするから、こういう目に遭うのである。

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 <教訓その2>
 いたずらにミッシング=リンクを作るべからず。「過程」には深遠な意味があることを常に意識して購入すべし。ただし、リミックスには別の進化論が適用されるので発売日は無視してよし。

 さて、「遅れてきたファン」にもタイミングの善し悪しがある。yukihiro がまだ新たなリミックス曲を発表していない今こそ(2001年1月現在) ファンになり時、お買い時だ。最初の1枚は、最新アルバム「REAL」を。次はくれぐれもリミックスアルバム「ectomorphed works」を。そして「ark」と「ray」を。
 2枚同時発売されたものは2枚同時にお買い求め下さい。でなければ当時の彼らの勢いを、時を超えて体感することはできない。渡辺は見事にし損なった。

 ゆめゆめ2つの教訓をお忘れになりませんよう。

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