顛末記Part7-2

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2.いよいよ今日から、一人きり放浪の旅が始まった！

2006/1/24

　今日はもうダイビングの予定は無いし、わざわざ朝食の前に出かけなくてもジャラン・ジャラン（散歩）の時間はたっぷりあるので、いつもの時間よりも30分遅く起床。
　朝食を食べにレストランへ行って、いつものテーブルでいつもの通りに注文。しかし、今日からは残りの3つの席には誰も朝食を食べにやって来ないのだ。

　昨晩、ジンバランのシーフドレストランで時間まで夜景を楽しみながらいっしょに食事をし、空港まで行って3人の出発を見送ってからは、いよいよ私一人きりのバリでの放浪生活の始まりなのである。

　それにしても、ここ何日か朝のレストランは満員である。何だか判らないが制服姿の団体がこのホテルに宿泊していて、騒ぎもせずに黙々とバイキング料理を食べては交代で出て行く。
　Hさんが「このホテルには研修所の建物があって、彼らがそこで研修をやっていたョ。」と言っていたが、いやはや何とも不気味である。

　今回は理由があって、大沼さんから今まで知っているサヌール地区南部へはあまり近寄らないように頼まれているので、どうやって行動しようかガイドブックの地図を見ながらいろいろと作戦を考えてみた。
　結局現在いる北部はほとんど地理が判らないので、まずはビーチを適当に散歩してみて、ここから先は知っているゾ！という所までの境界線を徐々に探ってみる事にした。
　ダイビングの帰り道、ボートの上からサヌールビーチの目標物をある程度探してみた。それと散歩とが繋がれば良いのだが、ホテルはグランドバリビーチ以外、椰子の木陰に隠れてまったく目標にならない。（こんな高い建物が出来てしまい、慌てたバリ州政府は「景観を損ねる！」という理由でそれ以降椰子の木よりも高い建物を禁止した為らしい。）
　最近ビーチに出来た休息所？で目立つ物を目標として覚えておいたので、それを目印にビーチの散歩を開始。浮島の休息所？がある事をボートの上から不思議に思っていたので、今日はそこまで散歩をしてみる事にした、位置的にもまだ何とか安全圏のはずだ。

　知っている場所ならともかく、知らない場所を歩く時は時間が長く感じられるものである。のんびりとビーチを目標に向かって直進し、かなり歩いたつもりでも時計を見るとそれ程時間が経過していずにややガッカリ。やがて1時間が経とうとする頃、ようやく目標の浮島休息所？が見えて来た。　

　最近の運動不足のせいか、到着したとたん疲れがドッと出てしまったのでしばらく手前の休息所？の日陰で休息。

　帰りは思っていたよりも楽だったので、ビーチから道路へ抜ける交差点の目印を写真に納めながら「この交差点が、道路のどの場所に行き当たるのかいずれ探索してみよう。」と思いを馳せながら今日の次の目的地である「美術館」を探して歩いた。

　途中、バリ島で一番高いグランドバリビーチの横を通る時、何事かと思うほど警察官だらけで雰囲気はまさに「厳戒態勢」。ホテル横のビーチにはPOLISIの巡回廷まで係留されているからなおさらである。
　後で判ったのだが、翌日にグランドバリビーチでインドネシア州知事の会議があり、大統領も参加する為に警備が厳しくなっているのだそうである。

　そんな事とは知らない私は、地図を頼りに目的の「ル・メイヨール美術館」を探すが美術館らしい建物も案内も見あたらない。
　たしかこのあたりのはずだと何度も行ったり来たりするうちに、とうとう見つけましたョ看板を。しかしこれが美術館とはまったく気が付かないはずだ、かなり立派な塀囲いだが見たところまったく回りと同じ普通の一般住宅である。おまけに入り口はバリヒンズー独特の狭い入り口になっているので、看板を見つけなければまったく判らない。

　ここはベルギー人画家のル・メイヨールがサヌールに移り住んだ当時の住宅件アトリエ跡地に、彼の作品を展示してそのまま美術館として一般公開しているそうなので知らなければ美術館とは気付くはずもないのだ。

　恐る恐る狭い入り口を中に入ってみると、右手にチケット売り場があり訪問者が名前を記入するノートが置いてある。入館料を払ってノートの日付を見てみると、あまり訪問者がいないのか記入者がいないのかは不明だが私の前はずいぶんと間が空いている。
　中に入ってみると中庭にはル・メイヨールの像がありけっこう落ち着いた雰囲気でなかなか素晴らしい空間である。
　展示してある作品を見ると下に材質が書いてあり、草を編んだキャンバスに水彩と油の絵の具で描いた物が多く目を引いた。
　ただ、作品に描かれている女性の目がアジア人独特の「釣り上がった目」として描かれているのは少し残念に思った。たぶん先入観からそう描いたのだと思うが、バリニーズは目が大きくてクリッとしているので、私のイメージでは目が釣り上がってはいないのだが・・・。（写真撮影禁止なので、知らぬ間に写っちゃったショット、チョットだけネ！）

　一通り見て廻ったが、当時の家具や調度品なども作品とともに展示してあり、当時の良き時代のサヌールが伺える資料としての価値もありそうだ。
　当時ル・メイヨールのお世話をしていた女性の写真が飾ってあったが、女性の姿はまだ腰布だけで胸は露わな、観光地化する以前の昔のバリの女性の姿で写っていた。
　最後に作品の絵はがきがあると案内されたのが美術館隣のおみやげ屋。ここで気に入った絵はがきを何枚か選んだが、値段を聞いてビックリ！1枚 RP10,000- と言われて思わず手に取った絵はがきを戻してしまった。
　入場料がたった RP2,000- で、何で絵はがきが1枚 RP10,000- なんだ？それでも結局気に入った1枚だけは買ってしまったけど・・・(^^ゞ。

　美術館を出たのがほぼ11時頃、歩き通しでそろそろお腹も空いて来たので昼食を食べに行きたいのだが、まだ勝手の判らぬサヌール北部のどこで食事をしようか悩んでしまった。奥の手はマデのオバチャンのホテルのレストランだが、それではあまりにも芸が無さ過ぎるしナ～。

　昨日は私以外が日本へ帰る最終日で、午前中はみんなが荷物整理の為にフリータイムという当然のスケジュール。
　さすがにやる事が無い私は、大沼さんから「あまり目立つ南の方へは行かないでほしい。」という依頼もあって、ビーチを反対側の北へ向かって散歩に出かけたのだが、途中に屋台が沢山並んだ場所でいつもの「ミー・クア」の文字を見つけてつい注文してしまったのだ。場所は屋台がズ～ッと並んでいる、一番奥の端の屋台である。

　味は単純に日本のインスタントラーメン、ただし値段は今まで町中のバクソ屋台で観光客相手に吹っ掛けた高い値段ではなく、アクア（水）500ML と併せて R7,000- という超リ～ズナブルな値段にビッ～クリ(･｡･;！（バクソも本当はこれくらいの値段なんだろうな～。）
　それを思い出したので、またあそこの屋台が並んでいる場所へ行ってみる事にしたのだ。今回食べたいのは「ナシ・ゴレン」、入り口の店から「ナシ・ゴレン、オーケ～？」と食べ物屋へ順番に声を掛けて行った。
　どこも「「ナシ・ゴレンは奥だ！」と指差すので結局昨日と同じ店を目指して向ったのだが、手前で若い夫婦がやっている元気そうな店を発見したので、思い付きでそこで食べてみる事にした。

　昨日の屋台と違ってこちらは火力のあるバーナーと大きな中華鍋で調理、出来上がったナシ・ゴレンを食べてみて、私の味覚がこちらに慣れた事もあるけれども本当に美味しいのに感心。添えられている厚く切ったキュウリも丁寧に皮を剥いてあって口直しに丁度良い。「私の味覚にピ～ッタリのナシ・ゴレン、ついに発見しました～！(^.^)」といった感覚である。

　しばらくして奥さんがお昼のお供えの儀式を始めたので、食べる手を止めて写真撮影開始。
　真剣にお祈りしているのでこちらはいつ怒られやしないかとヒヤヒヤしながらの撮影ではあったが、まったく気にする気配も無くお店の回りに丁寧にお祈りを済ませ、次にビーチまで行ってお祈りを済ませて戻って来た。

　食べ終わって支払いをしようと英語で話し掛けたが、二人ともまったく英語が通じない。観光客相手に商売している訳じゃないから当然と言えば当然なのだが、お互いにお金のやりとりで困っていると、たまたまテイクアウトでナシ・ゴレンを注文に来た「黒メガネの怪しいオジサン」が通訳してくれてアクアと込みで RP7,000- と判明。それにしても、いや～、驚くほど安い！私は一度でこの屋台の味が気に入ってしまったのだ。（今まで、繁華街のバクソ屋台でいかにぼられていたかが良く判りましたとさ。）

　結局、この後毎日ランチはここへ来て食べる事になったのだが、昨日食べた隣のミークア屋台のおばちゃんが、たぶん「私の客を盗った！」と文句を言いに来たのを、たぶん「うちの方が美味しいからネ！」と笑って言い返している（こちらの言葉はあまり判らないので、たぶん・・・）光景を目撃してしまったのだった。

　帰り道、おみやげ屋のオバチャンに「見るだけネ！」と誘われてちょっと寄り道、丁度Tシャツの予備が少なくなっていたのでついでに購入。
　こちらのビールのビンタンのマークが入ったものと、モノクロのイラストが気に入ったものの2つを購入したが、まだこちらの物価を意識していなかったのでほぼ言い値で購入。
　オバチャンかなり儲かったっらしくニコニコしていたが、その後散歩でビーチへ行く途中、オバチャンから買ったTシャツを着て顔を合わせる度に気持ち良く挨拶してくれるので、つい「ま、いいか。」という気分になってしまったのだ。
　このオバチャンもかなりお腹がポンポコリン、どうやらこちらの女性は子供を出産する直前まで仕事を続けるようで、日本と違い仕事ものんびりしているのだがこれがこちらの妊婦達が元気に子供を産める秘訣のようにも思われる。

　買い物を終え、グランドバリビーチの入り口を通過する際、ホテルから大音量でイスラム教のコーランが流れて来た。最初どこから音が流れて来るのか判らず驚いたが、バリは特別にヒンズー教だがインドネシア全体ではイスラム教が中心のお国柄、国賓が泊まるホテルとしては当然と言えば当然なのだろうが、大音量のコーランには正直言って大変迷惑である。

　一度ホテルに戻り、散歩の疲れと食後の眠気でしばらくお昼寝タイム。その後日本から持って来たガイドブックを見ながら作戦を考え、インドネシア料理のお店「カル・パタル」へ行ってみる事に決定。
　あとは時間までのんびりとホテルのプールでビール片手に本を広げて、しばしリゾート気分を満喫(^。=)。

　そろそろ夕方7時、いよいよ行動開始である。道路側を通って目的地を目指すのに一番の目印、マグドナルドの看板を目指してまずは直進。ここを左に曲がってあとは道なりなのだが、途中道が曲がっていたり小さな交差点があったりで地図を確認しながらの行進。
　ホテルで貰った地図にはサヌールの主だったリゾートホテルの名前が載っているので、歩いて行くのにとても便利だ。
　どれくらい進んだのか知りたい時には、近くのリゾートホテルの名前と地図の名前を調べれば現在地が一目瞭然で判明する。この地図は、これから先毎日ウエストポーチに入れては携帯する便利グッズの重要な一つになったのである。

　やはり初めての目的地へ歩いて行くのは、午前中の散歩同様時間の経過が長く感じられるものである。
　かなり歩いたつもりで場所を確認してみると、まだまだ先である事にガッカリ。という事を繰り返し、いよいよ目的の「カル・パタル」へ到着。

　入り口の女の子に案内されて中に入ると、カウンターバー横のテーブルへ案内された。
　注文を聞きに来たのでまずはビールの大瓶を注文、そして「ナシ・チャンプルー」のセットを注文した。

　時期的に観光客が少ない事もあるが、あまり客はいない様子、私の後に一人旅らしい欧米人の女性がやって来たが、あとは奥の座敷らしき場所に団体客が一組だけである。　

　注文したビールが来たので付いて来た潰し豆をつまみに喉を湿らせて、やがて「ナシ・チャンプルー」が到着。

　食べ始めようとすると、急に突風とともに大粒の雨が降り出したので、私は近くのカウンターバーへ避難。私の料理をカウンターバーへ移し終えると、女の子達はキャーキャー言いながらテーブルを片づけて急いで奥の母屋へ逃げ込んで行った。

　ビールが終わったので、カウンターバーのバーテンのお兄ちゃんに「アラックがあるか？」と聞いてみると有ると言うので、「オン・ザ・ロック＆ライム添え」を注文。
　初めての客にずいぶん気を遣っている様子だったが、そのうち彼から片言の日本語で私に話し掛けて来た。

　彼の名前はBUDI、この店で働きながら日本語学校で現在勉強中だそうだが、仕事との両立でなかなか日本語が上達しないのだそうである。
　という事で、ネイティブ・ジャパニーズの私を目の前にして結局生きた教材にされちゃった訳だが、アラックで良い気分のこちらとしては「それもまた楽し！」という事で、前々から気になっていた「ありがとうございます。」の発音からレクチャーを開始。

　彼としても日本語が上達すると給料が上がるのだそうで、私にいろいろと質問しては日本語の答えを貰うと何度も繰り返して覚えようと必死である。
　結局何度繰り返しても間違えてしまう言葉が連続し始め、面倒くさくなた私は彼に紙（と言っても店のナプキン）を持って来させてそこにヘボン式ローマ字で発音を書いて彼に渡した。
　彼はそれを眺めては発音練習を繰り返し、大切にポケットへしまい込んだのである。

　日本語の先生をやりながら結局アラックのオンザロックを2杯空けて良い気分になり、雨も小降りになって来たのでタクシーを捕まえてホテルまで戻ったのだが、こちらでタクシーに乗るのは初めての経験、しかも座った位置からは丁度メーターがまったく見えなかったものだからドライバーに「ハウマッチ？」とやってしまった。
　一瞬不振そうな顔をしていたが、しっかりドライバーに金額を吹っ掛けられてしまいましたとサ。（2度目に乗った時、メーターは半分以下だったのでそこで初めて気が付いたって、その時はすでに後の祭り(;^_^A アセアセ…。）

　今日は一人旅初日としてはまずまずの出来、ただ残念な事はカメラのレンズを標準にした事と外部ストロボを持って行かなかった事。
　内蔵ストロボだけで何とか撮影しようとしたが、結局こんな真っ暗な写真しか撮れませんでしたとさ・・・。

　ヨ～シ！明日からは広角12-24ミリズームと、夜は外部ストロボのセッティングで行動しようと少し反省して、まだアラックでほろ酔い気分のうちにお休みなさ～い。

ゲストブックつづく

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も　く　じ
　1.Selamat Tiggal Bali !（さようなら、バリ！）

　2.いよいよ今日から、一人きり放浪の旅が始まった！

　3.ヌサペニダ・ダイビングツアー！（前編）（後編）

　4.一人きりの放浪の旅、いよいよ2日目(^^)！

　5.屋台村探検、そして・・・(^^)V

　6.今日は村のお祭りだ～い！・・・(^。=)

　7.日曜日のサヌールビーチは、ロコ達でイッパ～イ！

　8.バリでのプリンター大作戦、その結果は？(^^ゞ

　　オ　マ　ケ

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