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セプターズカップ2001予選


キャップ氏のレポート


「静岡ゲームショップぱる曲金店予選」
当日の受け付け開始間際まで参加者が自分を含めて3名しかおらず、このまま始まってくれることを祈ったがそれも届くことは無かった。直ぐに新たな5人が現れ、総勢8名での静岡予選が始まった。4名ずつのそれぞれ上位2名が勝ち抜けで、決勝戦での上位2名が晴れて本選へと進む。 1回戦第1試合は、DAN氏、きゃらか氏、フィラ氏、まさきち氏。1回戦第2試合は、むまさん氏、まさぶー氏、代々木の店長氏、そして私(キャップ)。以下敬称略。

第1試合。試合前、カルドにおける夢を語る まさきちに対し、あぁ若さっていいなと思ずにいられなかったが、その まさきちが快調なスタートを見せる。 「パーミッション」は、使ったとしても直ぐ城に戻れなければ意味を成さず、そうこうしている内に自力で砦を周ってしまうこともこのマップではありがちだが、まさきちはパーミッション直後の「リコール」などで、確実に周回を重ねて行った。結局、4枚のパーミッション全てをものにして決勝へ。

大雑把に言ってしまうと、高速周回を目指す3名と1人異色のDANの戦いで、即ちDANがどんな暴れ方をするかが鍵となる筈だったが、DANのサイコロが最悪で特に妨害を受けた訳ではないのに周回することが出来ず、1人大きく沈んでしまって成す術無し。 そして、きゃらかは操作ミスから土地を失うということもあり、浮上するには一歩及ばなかった。フィラは淡々と冷静に場を進め、決勝進出も正に計算通りといった感じなのであろう。

人に対する妨害らしいものが余り無く、土地を巡っての戦闘も多くない。DANにあと僅かでも運があれば波瀾が起きたかもしれないが、それ以外は各自ほぼ自分の思う通りの試合運びが出来たのではないだろうか。

第2試合。こちらは第1試合とは反対に、荒れ模様の展開となる。1ラウンド目から既に戦闘が起こっている辺りに、その後の展開が象徴されていたのかも知れない。まさぶーはいきなり「オムニポーテント」。一瞬の躊躇も無く“神々の恵み”を選択。 次のラウンドには「リバイバル」でブックをリセット。オムニポーテントをもう一度引き直すためのものだ。たった20の護符でも終盤には相当な価値を生み出すが、それが40となれば当然破壊力も倍。

運は まさぶーにあることを早々に見せつけられ、私は迷うこと無く まさぶーに「ライフフォース」を撃った。現にその直後のラウンドに再びオムニポーテントを引いてきた辺り、放っておけばいい様にやられていただろう。 が、このライフフォースが功を奏し、まさぶーが突出することは妨げられた。

ところが、そんなやり取りもこれから訪れる悲劇のほんのプロローグに過ぎなかった。代々木の店長の手元に「オールドウィロウ」登場。Eカード使用可というルールは「ビステア」の脅威を呼び、そのために火属性をメインとするブックへと注目が集まった。 そんな中でのオールドウィロウの登用は、あってもおかしくはないことである。守り抜くことさえ出来れば、これ程有効なクリーチャーはいないのだから。

北地区東側の無属性土地に、問題のオールドウィロウは召喚された。時は15ラウンド過ぎ。レベルは既に3。代々木の店長以外の3人は、それをどう凌ぐかがテーマとなった。むまさんが北地区へと飛ばされる。あっけなく捕まり、魔力枯渇!次のラウンドでリコールを引いてきたのには、むまさんも力無く笑うしか無かった。 それを横目で見ながら、あなたが2つあった「シャッター」で代々木の店長の「グレムリンアムル」を壊してくれないばっかりにこんな苦労を背負い込むことになっていると、内心グラグラしている私とまさぶー。

次いで私が北地区へ。別の土地で代々木の店長にグレムリンアムルを使わせることに成功していたが、その直後に再びグレムリンアムルを引かれて万事休す。祈りを込めて振ったダイスは2!見事脱出成功。しかし、その後城へ戻ってから振ったダイスが6。 いつもはこんなに嬉しいことの無い6が、今は地獄への片道キップ。一度あることは二度あると、奇跡を信じて振ったダイスは無情の3。ならばせめて牛歩、もし1が6回続けば試合は終わる。確率は0.002%…いや、ある。0でない以上、可能性はあるのだ!

全身全霊を注ぎ込んで振った渾身のダイスは6。よりにもよってMAX。絞首刑の階段をダッシュで登る元気者が自分なのか。魔力枯渇まであと2マスとなり、死を覚悟した次のラウンドで手元に舞い降りたのが、黄色く輝くリコール。 神よ!そこにいまし推定年齢15歳の神よ!結局、試合終了まで むまさん以外がこのオールドウィロウに止まることは無かった。

しかし、試合を決めたのはその むまさん。もう失うものの無い むまさんは、「リトルグレイ」を片手に既にレベル5となっていたオールドウィロウへ特攻をかける。光らず、再び枯渇。29ラウンド目、「ホーリーワード6」で最後の挑戦を決意。 そして30ラウンド、三度目のオールドウィロウは高々と宙を舞った。その結果、レベル5の土地を得た むまさんが4位からの大逆転で勝利。2位は、それでも尚魔力が残った代々木の店長。こうして、私の静岡予選は終わった。

と、話をここで終わる訳にはいかない。私が犯した重大なミスを告白せねばならないだろう。オールドウィロウの脅威から見事脱出を果たした私は、2位確保のために3位の まさぶーをどう抑えるか考えた。現在の総魔力は私の方が若干上だが、手持ちは まさぶーの方が多く、何かスペルと合わせればいつ逆転を食らってもおかしくない状況だったからだ。 28ラウンド、まさぶーにライフフォースを撃つ。まさぶーは土地のレベルアップで対抗したが僅か私に届かず、このライフフォースは勝利を確信させるものだった。

そして、運命の29ラウンド。前述の通り、むまさんがホーリーワード6でオールドウィロウへと向かって行ったラウンドである。私の手元にあるのは「アポーツ」。これさえ使っていれば、試合はそのまま終わったはずなのだ。 ところが、私は何もせずただ見送るのみ。いや、ギャラリー同様 むまさんを応援する始末。レベル5の土地を得た むまさんがどうなるのか、そこに考えが至っていなかったのである。

30ラウンド。残すは3位に落ちていた私のプレイ番のみという状況となり、何も出来ずに終わる。楽しむのも結構だが、これはあくまで真剣勝負の場なのだと肝に命じ、人のシャッターをアテにしてはならないということを教訓に、私の戦いは静岡第3ラウンド、最後の砦となる焼津予選へと続く。

決勝戦は1回戦第2試合の様子から、代々木の店長がマークされライフフォースの餌食となり、逆に むまさんは全くのノーマークという展開。3人が潰し合いを演じる中、するすると むまさんが抜け出してしまい、他の3人は終盤のバランス連発からの土地レベルアップでも追いつけずに終わる。優勝むまさん、準優勝フィラ。

1回戦でいい様に弄ばれる形となった私と まさぶー。そして、その脅威ゆえに決勝戦で標的となってしまった代々木の店長。オールドウィロウにより今日の試合を落としたこの3人は、運命の悪戯かその後別の地で再びまみえることになる。


「焼津谷島屋TVパニック登呂田店予選」
静岡県内最後となる焼津予選。5日前に参加申し込みした時には11人目という話だったので、あと1人2人は増えているかも知れず、何にしても県下最大規模で行われるのは間違い無いところであろうと覚悟を決めていた。が、当日2時の時点で店側から発表された参加人数は8。何故減る? 更に、参加予定の2名が来ていない。県外からの参加者であれば、昨日からの雪の影響で来れなかったことも考えられる。とにかくこの状況は、自分にとって正に天がもたらした好機であると言えた。

抽選により、1回戦第1試合はシャルロット氏、ひろあき氏、まさぶー氏。第2試合はDAN氏、まさきち氏、そして私(キャップ)。それぞれ2位までが勝ち抜け、決勝で2位までが本選出場という、これで勝てなくてどうする? といった感じの試合構成。 しかも、まさきち氏と まさぶー氏は前回静岡の記憶も新しく、DAN氏とシャルロット氏は普段から勝負している仲間だ。DAN氏と私がコンビ打ちを始めたら、まさきち氏1人を沈めるのは容易いことだろう。勝負に徹するという意味ではそれが正しいのかも知れない。そんなことを思いつつ、自分の試合を待った。以下敬称略。

第1試合。シャルロットと まさぶーは火、ひろあきは風。1人色の違った ひろあきが、順調に自分の土地を増やして行く。 「デュラハン」「ワイバーン」「ヌエ」など、このマップで使うには重たいと思えるクリーチャーが多かったが、その配置制限やコストがネックとなる場面は全く無く、快調そのもので進んでいた。ヌエを配置し、まさぶーのリトルグレイを無効とする場面も予定通りか。

1人抜け出した ひろあきを まさぶーが追いかけ、シャルロットはやや置いていかれた感じで終盤まで進み、ほぼ決勝進出の2名は決したと思えた頃、ひろあきが思い掛けない1手を仕掛ける。まさぶーの土地を、ウェザリングで風に変化させたのだ。 この連鎖崩しで2位と3位の差が一気に縮まり、シャルロットがまさぶーの土地を奪えば逆転も有り得た。ひろあき曰く、「まさぶーを落としシャルロットを決勝に上げることで、次に自分が楽に勝てる様になると思ってやった」と。 この30ラウンドで相手の力量を見切った上、次の試合のことまで考えるとは。が、更に恐ろしいのはこの ひろあき、対人戦経験は今回の予選(過去2回)しか無いと言う。

結局、転がり込んで来たそのチャンスをシャルロットは生かすことが出来ず、そのまま試合は決した。

第2試合。事前にDANと まさきちが高速周回だということは判っており、自分の手元にはライフフォース。が、その時点では まさきちの手にそれらしきスペルは無く、ブックを変えてきた可能性も考えてDANに撃つ。いきなり、コンビ打ちどころか仲間割れ! が、そのライフフォースは即座に外れ、逆にその直後 まさきちがやはり高速周回だと判明したのは誤算だった。

その後 まさきちに「バリアー」を掛けることで速度を奪ったが、その間にDANが一気に突き抜けてしまった。土地を持たずに手元の魔力のみという危うい状況ではあったが、途中からはそのまま行けるところまで行ってしまおうと開き直った感のある大逃げ状態だった。 そして、そんな状況とは矛盾するのだが、DANは「マイン」を城にセット。自分は絶対に踏まないとでも言うのか!なんて奴だ。何にせよ、これによりリコールは封じられた。

と思いきや、数ラウンドの後、私はマインをものともせずリコール。中盤の今ならダメージもそう大きくはないという判断だ。だが、今となればこの判断は失敗だったかと思う。失う魔力の額は実際大したこと無かったが、ここはもう少し様子を見ても良かったろう。3位という順位で多少焦りがあったのかも知れない。

25(?)ラウンド。私は北土地下の店で迷っていた。リコールか「ホーリーワード1」か。何故なら、城にはまたもDANの置いたマインがあったからだ。結局、選んだのはリコール。ここで魔力の半分を失うのは痛いが、それよりも数ラウンドを無駄にする方がもっと痛いと考えたからだ。後から考えても、この判断は正しかったと思う。

勝負は完全に まさきちと私の2位争いが焦点となった。城から「ホーリーワードX」を使い、その後パーミッションで周回を稼ごうとする まさきちに対し、それだけはさせじと執念のライフフォースで防ぐ。 私が土地レベルアップに出れば、まさきちが「マナ」で魔力を稼ぐ。そんな中、1人安泰なDANがチャチャを入れて、私の土地を奪う。今更協力しろとは言わん。だが邪魔はしてくれるな!

結局、まさきちが29(28?)ラウンドに使ったマナが決定打となり、あと100G届かず。私が3位、まさきち2位。

決勝戦。開始早々、ひろあきの手元にライフフォースがあったかと思うと、一瞬の躊躇も無くDANに撃った。1回戦の様子から、DANが五月蝿いと感じてのことの様だ。そのDANは無属性主体だが、「マッドクラウン」を愛用するためか水であった。 それを見越した まさぶーが自分のビステアをDANに与えても構わないと踏み「スワップスペル」されるなど、頭上に花を咲かせたまま1人DANが出遅れることとなる。

中盤、まさぶーが順調に土地を増やし、2位を ひろあきと まさきちが争う形。やっとライフフォースが外れたDANは、早速嬉々として城にマインを置く。こやつ、やはり五月蝿い。そして、このDANがその後に大きな災いをもたらす。

終盤、リコールで城に戻った ひろあきは、マインの爆発に頭を抱える。忘れていた!それにより苦しい台所事情となったが何とか立て直し、30ラウンド時点では見事2位へと返り咲いていた。1位はまさぶー。3位は2位に僅か及ばず まさきち。オーラス、DANの順番。問題はここで起こった。

北土地から転送円で戻っていたDANの出したダイスの目は5。城を通過し、報酬を受けた後に踏むのは まさきちの土地(レベル3?)。反対方向へ向かえば何事も起こらずそこで試合は終わる。 DANは大きく離された4位であり、報酬を受けた後に自分の土地のレベルアップをしたとしても2位以上になることは無い。まさきちの土地を奪うことも出来ない。ここでDANのとるべき行動は1つであったろう。その場にいたDAN以外の5人はそう思った筈だ。

そう、肝心のDANは判っていなかった。ダイスの目が確定後、ほぼノータイムで城へ向かうルートを選択。私の制止の声も間に合わなかった。その後の振り込みにより、まさきちが逆転の2位、ひろあきは3位となった。 後に再会を果たした ひろあきにその場面のことを聞くと、「あれは仕方無いですよ」と答えた。どう仕方が無いのか、私はそれ以上聞くことが出来なかったが、表情に不満の様子は無かったのでそれを以って答えとしよう。

そして、自分の第1戦及び決勝戦の後味の悪さ、何よりこのままここで終わっていいのか? という自分の中の熱いたぎりが私を次の予選、正真正銘最後の岐阜の地へと突き動かす原動力になり、話はまだ続く。


「マジカルステーション各務原店予選」
朝一のバスを待つ間、絶え間無く吹き付ける風が妙に気持ち良かった。私は、足元にぶちまけられている、昨晩辺りに酔っ払いが配置したもんじゃ焼き(効果:最初にこの場所に止まったセプターは50%のやる気を失い憂鬱な気分になる)のことも忘れ、大きく深呼吸した。 静岡で生まれ静岡で育った生粋の静岡セプターが、今日初めて県外へと赴き、真剣勝負を戦う。勝って再びここへ戻ろうと、見慣れた山々に誓った。いざ、岐阜は各務原の地へ。

途中岐阜の駅で、焼津にてあと一歩というところで本選出場を逃した ひろあき氏と再会する。焼津での試合後、今日の予選がどこで行われるのか確認していたので、当日の申し込みが可能な同じ店を目指したのも当然のことである。ヤバい相手だ。 やって来た電車に乗り込むと、そこへ前日焼津で優勝した まさぶー氏が。本選出場が決まっている者でも参加はOKと、店に確認を取ったので来たと言う。ああ、実戦は何よりのスパーリングになるから…。更にヤバい。

店に到着すると、真っ先に飛び込んで来たのは見覚えのある代々木の店長氏の姿。静岡でオールドウィロウをおっ立て、皆を恐怖の渦に巻き込んだその人である。今日の予選はほぼ最終に近いので、どこであろうと強豪にぶつかるのは避けられまいと覚悟していたが、先週からの体調の悪化と合わせ、かなり暗い気分になる。 店の中には他にも、普通じゃない気配を醸し出している連中がごろごろと。覚悟を決め、試合開始の時を待った。以下敬称略。

店側が、知り合い同士の対戦が1回戦では無い様考慮してくれると言ったため、静岡で同じ組み合わせとなっていた代々木の店長と まさぶーと私は、別の組にしてもらうこととなった。 A組は代々木の店長含む3名、B組はひろあき、ぶるうすリーチ(以下ぶるうす)、(失念)氏と私の4名、C組は まさぶー含む4名ということに。各組1位と、2位の中で最も魔力が多かった者が決勝へと進み、そこで本選へ進む2名が決まる。

1回戦第1試合。人垣の隙間から覗いていたので全てを見られた訳では無く詳しいことは言えないが、代々木の店長のプレイには唸らされた。静岡の対戦はあんなことになったので分かり辛かったが、この人は凄い。凄く強い。 しかも、今回はクリーチャーの手数で勝負する武闘派ブック。ライフフォース状態は正に水を得た魚で、中盤に一旦沈みかけたと思ったものの、終盤はきっちりとトップに立っていた。ブックが私と相性の悪いものというだけでなく、この人と1回戦で当たっていたら勝てた気がしない。 後で聞くと、1回戦の組み合わせ配慮の件もこの代々木の店長の口添えがあったからだと言う。ほんと、参った。

1回戦第2試合。さて気合い入れてやるかと構えたところ、鼻水が手元へぽとり。大丈夫なんだろうか? 不安を抱えたまま試合は始まった。序盤を過ぎた頃、自分以外3人の頭上には全て特殊な状態を知らせるマークがくっ付いていた。 それらは全て私がやったものだ。ライフフォースで花を咲かせ、バリアーで固める。この試合を支配しているのは自分だと、思わずにはいられない瞬間だった。

ライフフォース中の ひろあきがやっと下の土地まで戻って来た時、ダイスで1を出して私のレベル2(か3)土地か再び転送円という選択を迫られる場面があった。砦も周っているし私なら迷わず払うところだが、ひろあきは再び転送円から旅立って行った。 ひろあきを調子付かせたら恐いのは分かっていたので、魔力は奪えなかったがこの選択にはホッとした。事実、この後 ひろあきは手詰まりのままで、焼津で見せた冴えは発揮されることが無かった。

序盤から中盤にかけて1位でいるとどうしても攻撃のターゲットとなってしまい、中盤を過ぎた頃になって土地を奪われ、私は2位へと転落していた。そんな時に、1位になっていた ぶるうすのレベル2土地へとダイスの目がピタリ。手元にはリトルグレイ。 まだ数ラウンドの余裕があり、出来れば隣に配置して移動攻撃で飛ばすのが良かったのだが、ここはもう覚悟を決めてそのまま突っ込んだ。ここを自分の土地に出来れば再び1位へと返り咲き、逆であれば魔力を失って敗退が決定してしまうかもという重要な場面。

危険な賭けであるのは分かっていた。しかし、私もここで4戦目、人並みに苦労も努力もした筈だ。それは相手も同じだろう。ならば、この50%の判定で決めようじゃないか。運も実力の内。仮にこれで負けても悔いは無い。いざ!……光った。 勝利の女神は私に微笑みかけたのだ。これにより再び1位となったが、まだ油断は出来ない。私の邪魔プレイのお陰で全体の総魔力は低く抑えられていたが、それは何か大きなアクションを起こせれば、4位の者でも逆転が可能ということも言えるのだ。

私の手元にあったのは「アンサモン」。これは正に、その大きなアクションを起こせるスペルの1つだ。自分で狙って使う分にはいいが、奪われでもしたら厄介。あう!先程リトルグレイで飛ばしたぶるうすの手にスワップスペルがある。こいつはヤバいとハラハラしつつ、シャッターを引いてくるのを待つ。 数ラウンド後、ついにシャッターが来た。じゃあ早速壊そ…、はっ!バリアー掛かってる。しかもこれは、私がかけたバリアーだ!幸いにして、私の手元にはアンサモン以外ろくなものが無くずっとスワップされずに済んだので、バリアーが解けた瞬間にシャッターで壊し、ぶるうすの土地をアンサモンした時点でほぼ勝利が確定した。

1回戦第3試合。ドラマチックな展開は、観戦者も一体となる盛り上がりを見せた。「テンペスト」×2の大嵐が吹き荒れる最中の まさぶー2度目のオムニポーテントドロー。 健在だったビステアは1/6の確率を乗り越えた「ブラストスフィア」と共に吹き飛び、マップ上には まさぶーの土地のみが残るということに。結果、決勝進出は まさぶーと、第1試合の2位の者に決まった。

決勝は、私と まさぶーに代々木の店長、それと名前失念の2位抜け氏。彼を仮に どれいん と呼ぶ。その名前は、彼のブックを見れば一目瞭然。 「ウィルオウィスプ」は戦闘後残りHP×2Gを相手から奪う能力があるが、彼はそれのみに特化したブックを用いこの場にやって来ていたのだ。1回戦でその技を披露し、散々に吸い尽くす様は恐怖そのものだった。

一番最初のラウンド、私が3で「デコイ」を置いた次に どれいんは2を出し、早速ウィルオウィスプを配置した。すかさずの「ミューテーション」で準備はOK。今思えば、これはどれいんのブラフだった? 1回戦を見て恐怖感を植え付けられていた私はまんまと引っ掛かり、このままでは吸い尽くされると思い込んでデコイを「バンディット」に交換。これなら一度吸われただけで死ねるし、チャンスがあれば逆襲にも転じることが出来る。 間髪入れず、どれいんは私のバンディットに「カモフラージュ」。そこまでするか!ならばと、バンディットを「チャリオット」でウィルオウィスプの反対側へ。我ながら私もやり過ぎ!結局「ファルコンソード」を持たせて突っ込ませることで恐怖の時間は去ったが、ここで手間取った私は少し出遅れることとなる。

そんなやり取りがあった中、まさぶーが得意の先行逃げ切りダッシュ。一気に走ってしまう。私の手にはライフフォースがあってこれをどうするか考えたが、まさぶーの上位は揺るがないものとし、どれいんに使用。確実な4位逃れを目指した。結局、この1発のライフフォースが試合を決めた。 結論から言うと、このライフフォースは試合終了まで外れなかったのだ。一度アポーツがあったきりそれ以外は何の邪魔も無いままだったが、完全にダイス運に見放され、転送円を外しまくった。よくもそこまでという外しっぷり。ウィルオウィスプに吸われた相手の怨念か? しかもウィルオウィスプのコンボに特化する余りか、引いてくるのはスペルばかり。全く手も足も出ずに試合を終わることとなる。

代々木の店長は何とか まさぶーを追いかけようと、人の土地を次々落として行く。それにより、中盤にして私の土地が0という状況にも。それでも余裕を持って臨めたのは、どれいんのライフフォースが一向に外れないのを目の当たりにしていたからだ。 終盤は私自身がライフフォースを食らい、ならばと闇雲にクリーチャーを配置して幾らか盛り返したものの1位はおろか2位にも届かず。代々木の店長は1位を目指し、可能性では逆転も有り得るところまで行ったがそこまで。

結局、最終的な順位は まさぶー、代々木の店長、私、どれいんになり、ここ各務原での本選出場権は代々木の店長と私にもたらされた。昨日で終わったはずの私の戦いは、これにより更に1ヶ月の先、全国大会本選という晴れの舞台に続くこととなる。



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