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セプターズカップ2001予選


たにだ氏のレポート


下記が当初予定していた私の遠征予定である。狙いは激戦区福岡ではなく福山、岡山での戦いで、何とか勝利をもぎ取りたい。そう考えていた。

1/13 ベスト電器福岡本店
1/14 ファミコンショップVIC21春日本店(福山市)
1/21 わんぱくこぞう岡大店(岡山市)
1/27 スタジアム箱崎九大前

1月13日(土) AM 11:40
天神公園地下駐車場に車を停めるが、降りた後に財布を車内に忘れたことに気付く。しかし時既に遅く、愛車はリフトに載って頭上に昇っていく・・・。く〜、これで今日の私の生殺与奪は松岡氏の手に握られたということか・・・

ちょっと早めに着いたので喫茶店でお食事。前園の移籍と能代工業の選抜一回戦敗退の話題で盛り上がる。とりあえずカレーご馳走様でした>松岡氏。

会場に戻り、くじ引き。ふ〜、どうやら宇宙一のメンバーと緒戦から当たらなくて済みそうだ。一つ空席があるのが気になるが、まずはひと安心。トイレ行ってこよ。戻ってくると一回戦であたる最後の一人も決まっていた。なになに・・・どうも聞いたことある名前だな、なんとカッパ氏ではないか!

「前回の福岡予選といい、奴はどうしていつも私の前に現れては邪魔をするのか?」
「ラインハルト様、彼には彼の言い分がありましょう。」

[1回戦]
対戦者はカッパ氏と私、若いニーチャンと40代かと思われるヒゲのおじさん。対戦直前にカッパ氏のメモリーカードが読み込めなくなるという洒落にならんハプニングがあったものの、結局マルチタップの不良ということで事無きを得る。

展開は2位抜けルールという性格上、私とカッパ氏が相手を抑えつつ進行していく。私はいつになく快調で走る走る・・・7周もしてしまった。終盤ほぼ勝敗が決しかけた時、ヒゲのおじさんが「グレムリン」で攻めてきた。私の手札には「ネクロスカラペ」が2枚。ここで私はあえて「ネクロスカラペ」を使用。当然破壊される。

私は思い出したように、「あ、そうか!」と叫ぶ。
ヒゲのおじさんは気を遣ってくれて、
「そいつにはアイテムは効かないんだよ」と同情を込めて解説してくれた。
「そうでしたね。すっかり忘れていました」と切り返す私。

彼はこのゲームで長時間ライフォ状態にあり、精神的にストレス過多の状態にある。このまま隙なくゲームが終われば当然私への負の感情は多少なりとも残る。今後のセプター人生を考えるならば、本拠地福岡でそうした関係は築きたくない。 そこで私は、あえて自分が低位者であることをアピールし、彼のストレスを多少なりとも和らげようとした訳だが・・・まぁそこまではいかなくても緊迫した公式戦で対戦者と会話をするきっかけくらいにはなるだろう。

そうこうしているうちにヒゲのおじさんが私の「オルメクヘッド」に攻め込んできた。う〜んここはさっきとは違い、奪取されるとやばい。が、なぜか相手はスクロールを使用して攻めようとはしなかった。何で?

結局、ゲームは私とカッパ氏のワンツーフィニッシュ。試合後、カッパ氏になんであそこで相手がスクロール使わなかったのか聞いてみる。するとオルメクにはスクロールが効かないとおっしゃる。 全く何をいいますか、それじゃあ、あの地蔵は無茶苦茶使えるクリーチャーじゃないですか。

議論が収束を迎えないのでカッパ氏が私を松岡氏のところに連れて行く。松岡氏は口にこそ出さないが、「また何をいってやがる、この男は!」と露骨に侮蔑の表情を顔に浮かべている。そうかオルメクって使えるんだ!

その後、2回戦を待つ間、先程のヒゲのおじさんが話し掛けてくれた。(よかった)
「君たち、よく対戦会とかやってるの?」
聞けばこの物腰柔らかなシニアセプターは対戦経験が殆どないとのこと。う〜ん、それにしてはプレイングが的確だったぞ。少なくともこのマップをよく研究されていた。在野にも人材は尽きずといったところか?またいつぞや対戦しましょう。

[2回戦]
対戦相手はカッパ氏。NO.001氏、メシア氏。

序盤、NO.001氏の手札に「ジャッジメント」が見える。配置もそこそこにガンガン周回している私としてはかなりヤバイ。しかし明らかに使っていい場所でもカーソルを合わせる動作のみで使用してこなかった。ブラフということか?

中盤、NO.001氏が北の輪の「ウーズ」をレベル4にする。まずい、このラウンドはともかく次のラウンドで踏んでしまう可能性は拭えない。そこでNO.001氏の「リコール」を「スワップスペル」で奪う。一緒に「ネクロスカラベ」も相手に渡ったが自己保存優先の法則が働いた。

終盤、カッパ氏は兎チャンスを狙っていたようだが、相手の徹底した妨害と私が渡した「ネクロスカラベ」がネックとなり及ばなかった。

[3回戦]
対戦相手は松岡氏。ルパン氏、NO.001氏。聞けばルパン氏はライフォ中からリコールはめまでされた状態で1位を勝ち取ったという。ここに向かう車中で、リコールはめを受ければまず勝てないと松岡氏が言っていたが、その持論を覆すセプターがいたということになる。

と、それにしても3人がローディングまでして待っている状況でまだ松岡氏が現れない。前大会から観察しているが毎回この調子である。宮本武蔵的な心理戦を仕掛けているのか、トイレでなにか呪術を行使しているのか知らんが、いい加減出て来てくれ。みんな待ってるぞ!

序盤、ルパン氏が走る。「パーミッション+リコール」×2で周回的に優位に立つ。私としてはここで彼に独走されては2位すら危うい。そこでまず「バリアー」で足を止め、ライフォで自由を奪う。

中盤、周回は順調に進むが、配置が殆ど出来ない。「ホーリーワードX」「ホーリーワード6」でひたすら転送円を行き来するスタイルとクリーチャーが少ないブック構成が裏目に出た展開である。そうこうしているうちにルパン氏のレベル4オルメクに停車。仕方ないのでとりあえず削る。 その後、再停車。また削る。ルパン氏はこれを「ストーンウォール」に置き換えるが、NO.001氏の「オルメクヘッド+ライフジェム」に沈む。

終盤。松岡氏優勢のままで展開し、私が「ドリアード」をレベル1の空き地に飛ばした時、松岡氏が小さな叫び声を上げ、私に何か訴えるような眼差しを向けている。 どうしたんですか? まさか本当に体の調子が悪いの? いろいろ考えたが答えは見つからず、結局ゲームは松岡氏、NO.001氏のワンツーフィニッシュ。

試合後、松岡氏からオルメク跡地にドリアードを飛ばし忘れていたことを指摘される。あ〜そういうことか? 確かにあそこであの土地をフォローしておけば、2位にはなれたかも・・・所詮私はここまでの男ということか、キルヒアイス?


ということで決勝戦はルマー氏、カッパ氏とあーだこーだ勝手放題いいながら観戦。前大会(本選)の決勝もそうだったが外野から見ているとよく状況が見えるが、実際当事者だと意外に冷静な判断ができないものだ。その最たる例が先程の「ドリアード」事件。

ゲームは松岡氏がMax.M.Mine氏にライフォを撃った時点で松岡氏、世代氏で確定と思った。これは明日、福山で松岡氏と当たり、次週には岡山で世代氏と当たることが確定している私としては最も嬉しい展開といえる(ごめんなさい、Mineさん)。 ところが世代氏は世にいう「リコール」事件を起こし、脱落。松岡氏、NO.001氏が全国への切符を手にした。

試合後、蕎麦屋にて。
松岡氏「あの場面、Max.M.Mineさんにライフォ撃ってももう大丈夫だと思った」
人を刺しといて、致命傷じゃないから大丈夫と慰めているようなセリフをあの何事も理詰めで思考する松岡氏が吐こうとは? 驚愕の表情を隠せない、カッパ、ルマー、たにだ・・・

さらに勝利の余韻で舌先滑らかな松岡氏がのたまう。
「宇宙一リーグの中での実力ではルマーさん、カッパさん、会社員Mさん、そして俺の順かな? ただし、たにださんよりは絶対上という自信がある!」

・・・。後半部分は全くその通りだが、前半部分のセリフに鼻白む残り全員。どう考えても現在宇宙一の順位は実力を反映していると思うぞ。過度の謙遜が逆効果ということを御存じないのでしょうか>松岡氏。しかし文無しの私としては反論は差し控えた。

PM 11:30
宇宙一八幡組本部にて松岡氏より「転送×転送」攻略のノウハウを直伝される。さらにはブック内容まで解説してくれた。その計算し尽くされた理論を拝聴してとてもこのヒトには勝てないことを思い知らされた。とりあえずこの厚意に報いるべく明日の福山で決めることを心に誓い、床に就く。

次回「驚愕と発見の福山編」に続く


解説
(1)奴はどうしていつも私の前に現れては邪魔をするのか?
 田中芳樹氏の人気小説「銀河英雄伝説」の一節。常勝の若き帝国元帥ラインハルトが、完勝目前のアムリッツァ会戦を「不敗の魔術師」ことヤン・ウェンリー率いる自由惑星同盟第13艦隊に凌ぎ切られ、腹心の部下キルヒアイスに怒りをぶつけるシーンである。 誰がラインハルトか。あつかましいにも程がある。そこでちょっと考えてみたのだが、宇宙一リーグの福岡セプターを銀英伝の登場人物に当てはめるとしたらこんな感じでどうだろう。

 ルマー・・・・ヤン・ウェンリー
 カッパ・・・・ダスティ・アッテンボロー
 世代交TAI ・・ユリアン・ミンツ
 会社員M・・・ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ
 たか・・・・・エドウィン・フィッシャー
 Max.M.Mine・・フョードル・パトリチェフ
 フラウス・・・イワン・コーネフ
 TIO ・・・・・ルイ・マシュンゴ
 松岡・・・・・アレックス・キャゼルヌ
 ネリー・・・・チュン・ウー・チェン
 ゆう・・・・・バグダッシュ
 たにだ・・・・ヨブ・トリューニヒト

(2)そうかオルメクって使えるんだ!
 要は、ヒゲのおじさんにやってみせた「初心者のフリ戦法」をカッパ氏に対してもやっただけの話であるが、驚嘆すべきは、一昨年から数十回対戦している相手にこの技を仕掛けようとする図々しさと、それがまたしっかり通用してしまうという事実だ。ていうかカッパさん、何でいまさら信じるかなぁ。 オルメクヘッドの有効性を真顔で説くカッパ氏と、殊更に驚いてみせるたにだ氏。眼前の茶番に失笑しながらも、言い様のないうすら寒さを感じる松岡であった。勝利のためにここまでやるセプターが他にいるか? 今思えば、「ドリアード事件」すら“予定通り”だったのかもしれない。


1月14日(日) AM 8:00
北九州から福山まで距離にして約350km。車での移動を予定していた私は余裕をもってちょっと早めに出立。ところが、途中から猛吹雪となり、下関の東、小月で強制停車。ここから小郡まではチェーンなしでは通行不可とのこと。 この局面でかつて一度行使した強行突破も考えたが、この天候下ではおそらく帰りも通行止めとなる可能性が高い。そうなると明日の仕事に間に合わない。昨日の「ドリアード」事件の教訓から冷静に思考し、一旦小倉に戻って新幹線で移動することに決定する。 出だし早々「カオスパニック」に機先を制されるとは、ツイていない。

小倉駅に車を停めて、新幹線の時間を確認。ちょうどレールスターに間に合いそうだ。もともと車での移動を考えていたので時間的には大丈夫。余裕を持って乗り込む。途中山口辺りでは雪が積もっていた。やはり新幹線で正解だった。第一、楽だし。

AM 11:30
福山駅到着。開始時間までは2時間もある。しかしこの雪の吹き荒むなか、遠方に一人で遠征に行くというのは、かなり心にくるものがある。しかもこれで負けたらと考えるとマイナス方向に思考がどんどん進んでいく。 だがこれでも前大会での松岡氏の遠征距離には到底及ばない。嗚呼、彼には畏敬の念を禁じえない。

目的のお店は幹線道路沿いにあるとはいえ、駅からはかなり離れている。仕方ないのでタクシーで移動。しかし早く着きすぎてエントリーもできない。しょうがないので近くの古本屋で時間を潰す。「キャプテン翼」全巻読破した頃、お店に戻りエントリー。

PM 1:30
既にお店には遊戯王のカードを物色する子供とお店を徘徊するセプター数人。どうやら試合は2人対戦らしい。しかしこういうこともあろうと昨晩、松岡氏から2人対戦用のブックも伝授されている。すなわち相手に1周もさせない鬼畜ブック。 しかし、全く知らない異郷の地ならいざ知らず、実家から30kmと離れていないここ福山で相手に何もさせないプレーをすることは今後のセプター人生を考えると私にはできない。甘いと言われるかもしれないが、やはり松岡氏から昨晩伝授された4人対戦用のブックで対戦に臨む。

参加者6名ということで、1回戦は1組。1回戦は勝ちあがった2名と不戦勝2名とが対戦することとなる。私は1回戦A組。この時点で既に運がない。

[1回戦]
対戦相手は巨漢の岡山県民の方。風属性が大好きなようで(特に「シムルグ」)、「ミルメコレオ」「グレムリン」「ナイトメア」が主力。スペルは妨害は一切なし。ホーリーワード系を多用してくるので周回は進むブックである。しょうがないので「バリアー」をかける。

ここで対戦者の方は「バリアー」の意味を知らないらしく、対戦している私に効果を尋ねてきた。 マジですか? でも嘘をつくほど私も悪人ではないので、画面の彼の手札を指で指しながら「コレ(パーミッション)は使えるけど、コレ(リコール)とコレ(ホーリーワード)は使えませんよ。」と解説してあげる。 しかし彼は効果が6ラウンドまでということも知らなかったようで、リコールを使う場面で使用していなかった。でも流石にそれを教えてあげるほど私もお人好しでないので黙っていた。

ゲームは私が快速によるアドバンテージを最後まで守り終局。30ラウンド目に彼が「ホーリーワード1」を引き、この時私が彼の 高レベル「ミルメコレオ」の一歩手前にいたため、彼は後1ラウンドあれば勝っていたと何度も悔しがっていた。しかし 私に言わせてもらえば、30ラウンド目で「オムニポーテント」を護符に使ったのも、1が出たのであえてミルメコレオ 方面に進んだのも30ラウンドルールだからこそなんだけど・・・でも折角盛り上がっている彼の興を削ぐのもなんなので、

「そうですね、危なかったです」

と応えておいた。

[2回戦]
将棋の羽生名人に似ている眼鏡をかけた小柄な少年が対戦相手。物腰からしてこのヒトが一番手ごわいと直感する。第一彼は1回戦、私の対戦をじっくり観戦している。この時点で既にかなり不利。

彼のブックはクリーチャーは先制ブック。ねずみや「シェイド」に「ヘビーハルバード」を持たせることを意識しており防具もかなり入っている。あと無属性地形を意識してか「モスマン」まで控えている。少なくとも中級者以上の腕前とみた!

試合はやはり私の快速ぶりが活き、徐々に差が開き始める。しかも昨夜の松岡氏のアドバイスからクーリャーを3体増やしたことも優位に働いた。余裕が出来たので隣のB卓を覗いてみると、驚くべき会話が聞かれた。

「ランプロかけるとマジックボルトが当たらないらしいよ」

常日頃「初心者のフリ」を研究している私としては背中に電撃が走る。しかしコストがかからない技ではあるが、あまりにベタでは? 逆にコレでは相手に警戒されるんじゃないだろうか? いやむしろその辺りの精神的動揺を誘うのが目的なのか? いろいろと考えが駆け巡る。 ただ一つ言えることは彼は私の2歩先を行っているということだ。

おっと、こっちもまだ対戦中だった。しかも「ハウント」食らって無意味なレベルアップしてるし・・・。さらにその後の再「ハウント」で折角回収した「ドラゴンフライ」も再配置されてる。(笑)

結局ゲームは序盤の優位を守りきった私が辛勝した。対戦後、羽生名人にあの「ハウント」はキツかったねぇと水を向けてみると、対人戦は初めてということだった。末恐ろしい少年である。

[決勝戦]
対戦相手はKUROGANE04さん。社交的な20代の男性である。この時点で全国行きは決定しており、ここは流してもいいケースだが、今回の本戦行きの人数が極めて多く、実は店舗優勝者のみ本戦行きでしたというオチも考えられる。 そこまではなくとも優勝者に組み合わせ上のアドバンテージが与えられる可能性は高く、ここは全力で臨むことに決定。

ゲームはやはり私の快速ぶりが発揮され、「ホーリーワード6」と「ホーリーワードX」でクルクル回る展開。観戦しているギャラリーからは

「なんか、面白くないね」

との一言。なるほど、前試合B卓はクリーチャーが入り乱れる楽しそうな試合だった。本来ならば魔力的にも土地レベル的にも安全圏を守りつつ、最後まで進める予定だったが、予定変更。土地レベルを最大まで上げて魔力到達。一気に勝負をかける。この時点で城まであと2歩の位置である。

が、ここでKUROGANE04氏の手札に「アースシェイカー」登場。突如の地震で私の魔力は3000Gまで落ち込む。私の意図とは違う方向で盛り上がってしまった。

結局、全対戦を通して、私以外ライフォが全く見られない穏やかな試合だった(私も慌てて流す)。試合後、歓談。どうやら今日参加のセプターは大半が岡山県出身のようで、次週の岡山での再開を期していた。ちなみに彼らの大半とは1週間後、岡大前で再開することとなる。

PM 3:30
試合後、松岡氏の教えを守り、お店で「ガンダム」を購入し、多少なりとも売上に貢献する。そして徒歩で3kmほど歩いたところでようやくタクシーを拾い駅に直行。駅ビルの食堂で好物のカキフライとビールで自分自身にご褒美。充実感と満腹感に浸りながら、雪の山陽路をひた走る新幹線の中で仮眠する私であった。



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