2003年(前半)の山田久美女流三段の情報です。いわゆる過去ログ。
(写真の無断転載はご遠慮ください)

メニューへ現在のニュースへ2002年(後半)のニュースへ2002年(前半)のニュースへ2001年(後半)のニュースへ2001年(前半)のニュースへ2000年のニュースへ1999年のニュースへ1998年のニュースへ

2003年6月12日(木) 女流名人位戦A級・対清水市代王位

負けました。前回対局したときは勝てたのに……


2003年5月24日(土) レディースオープン2003予選・対船戸陽子二段

負けてしまいました。船戸二段には連敗中……
これで、週刊将棋に記事が載る機会が減ってしまいました。残念!


2003年5月7日(水)〜8日(木) 第61期名人戦第3局

NHK衛星第2放送の中継解説に久美先生が出演。
対局場は長崎県西彼杵郡「大島アイランドホテル長崎」 。解説者は加藤一二三九段。
放送時間は
7日(水) 9:00〜10:00、17:00〜18:00
8日(木) 9:00〜10:00、16:00〜18:00、25:45〜26:00


2003年4月25日(金) 女流名人位戦A級・対石橋幸緒三段

2回戦。負けてしまいましたが、1勝1敗、まだまだこれからです。


2003年4月19日(土)〜20日(日) 天童桜まつり「人間将棋」

天童市の春の風物詩「人間将棋」に久美先生が出演されます。

  19日(土)
11:00 将棋供養祭
11:45 ミス将棋(こま)の女王引継式
12:15 マーチング、和太鼓
13:30 人間将棋・山田女流三段vs中倉(宏)女流初段(解説:神吉六段)
14:40 勝利の舞
15:00 指導対局(30面)(神吉六段、山田女流三段、中倉(宏)女流初段)

  20日(日)
11:25 花駒おどり
11:35 御輿渡御
12:00 維新軍楽隊、和太鼓
13:00 駒武者演舞
13:30 人間将棋・先崎八段vs神吉六段(解説:島八段)
14:40 勝利の舞
15:00 百面指し(島八段、先崎八段、神吉六段、山田女流三段、中倉(宏)女流初段)


2003年3月29日(土) 第13回 女流棋士との親睦将棋会

好評の親睦将棋会が今年も開催されます。皆様お誘い合わせの上、ぜひご参加下さい!

○会場
 品川区立総合区民会館「きゅりあん」7Fイベントホール
 JR京浜東北線・大井町駅より徒歩1分

○プログラム
  時間 内容
第1部 10:30〜13:00
(開場10:00)
指導対局(定員250名)
第2部 14:00〜16:30
(開場13:30)
・女流棋士早指しトーナメント
・ぐるぐるマラソン将棋
 他

○会費
種類 値段 参加内容
1日券 一般
女性
小中学生
10000円(前売9000円)
7000円(前売6000円)
5000円(前売4000円)
第1部、第2部
イベント券 一般
女性
小中学生
5000円(前売4500円)
4000円(前売3500円)
2500円(前売2000円)
第2部のみ



 参加してきました。

 定刻の10時30分になると、司会の島井初段のアナウンスに従って女流棋士の先生方が続々と舞台に登場。 もちろん、その中には久美先生の姿も……しかし、一週間前のイベントでお見かけした時のお姿とは全然違っていたので、思わず別人と見間違いかけました。 何と、髪の毛真っ茶色(はっきり言ってびっくりしました)。 衣装の方は胸元が大きく開いた紺のワンピースに、同色の薄いショールを肩にかけて、さしずめ宝塚女優というところ。 ヘアスタイルの方も男役風(?)に綺麗なウェーブがかかっているということは、この衣装のために髪型を変えられたのでしょうか? おまけに眉毛もきりっとつり上がってるし、ますます男役です。
 全員が舞台上に揃うと、島井初段と安食初段が先生方を一人ずつコメントを付けて紹介。 久美先生のコメントは「寒い冬は暖かい新居で過ごしました」。 将棋世界にも載ってたくらいですから、参加者の皆さんも久美先生が豪邸を建てたことはご存じなのでしょう(笑)。 紹介された先生方は一礼してから舞台を降りて指導対局の準備。 しばらくして久美先生がご自分の持ち場に登場。

 午前中の第1部は事前の案内と少し違って、指導対局と同時並行で女流棋士早指しトーナメントの準々決勝が行われました。 しかし、我らが久美先生の名前は決勝トーナメント表にはなし。 開会前に会場を見て回っていると、予選トーナメントの結果表が。 何と、1回戦で石橋三段と当たって負けているではないですか。 久美先生の実績を考えたらシードにしてもらって、いきなり強い人と当たらないようにして欲しいものですが、残念です。
 本日の指導対局は4面指し。 なぜか1面誰も座っていない席があり、久美先生が一人でせっせを駒を並べていたので、お手伝いがてらご挨拶。 “一瞬、どこかの怖いお姐さんが来たのかと思いました”とお約束の感想を述べると、「(髪を)染める時に時間を置きすぎたらこんなになっちゃっいまして……他の人(女流の先生方)には場末のキャバレーのママさんって言われちゃいましたよ(笑)」と言って笑っておられました。 余った席には繰り上げで人が座り、対局開始。

 最初の4人の手合いは、平手が1人、飛車落ちが2人、4枚落ちが1人。 ただし、平手の方は超初心者で駒落ちが指せない方らしく、「上手の方が振り飛車」という戦型の指定(しかも定跡形)まで付いてました。 どうやら久美先生が以前将棋教室で教えたことがある方だったようです。 ほとんど一手ごとに駒の進め方を解説したりして、文字通り「指導」対局でした。 もちろん、最後は勝負にならずといった感じで久美先生の勝ち。 その他の対局は2勝1敗でした。
 終わったところから順に下手が入れ替わって、更に3人と対局。 手合いは平手が1人、飛車落ちが1人、2枚落ちが1人。 平手はまたまた超初心者の方で、先ほどと同じように戦型指定、今度は上手が居飛車。 駒組みの順序から仕掛けの手順まで一手一手解説し続けながらの対局で、かなり大変そうでした。 しかし、他の対局には影響しなかったらしく、後半戦は3戦全勝。
 指導対局が終わるといつものように写真撮影タイム。 筆者も久々に写真撮影係として活躍しました(笑)。 「3週連続でお会いしてる方がやたらたくさんいますね(笑)」などと雑談も。 ちなみに筆者が撮らせていただいた写真は、久美先生が色々気が散っておられたのか、目線がきれいに決まらず、失敗作になってしまいました。 残念。

 午後からのメインは女流棋士早指しトーナメント、その横でぐるぐるマラソン将棋、という趣向。 久美先生はトーナメントの準決勝第1局の解説として、鹿野初段と共に登場(東西姉御解説(笑))。 対局者は清水王位と石橋三段の師弟対決。 対局前に久美先生がインタビューしましたが、師弟対決だけにちょっとした舌戦が(笑)。 それはともかく、対局の方は石橋三段が先手で雁木、後手の清水王位が矢倉に進みました。 久美先生はご自分でも雁木をやるとあって、解説がやりやすい様子。 鹿野初段に「タマちゃんは振り飛車党だから、こういう戦型はわかんないでしょう」などとおっしゃりながらすいすいと解説。 しかし、「こういう手は絶対やりませんね」などと言った手を対局者が指したりするお約束のハプニングも。
 他にも、「今日会場に来た時は革ジャンだったんで『宝塚女優みたいね』って言われたんですけど、この服に着替えたら急に『場末のキャバレーのママさんみたい』って評価が変わっちゃいまして(笑)」「将棋の用語って『殺す』とか『切る』とか物騒な言葉が多いから、電車の中で将棋の話をしたりすると、変な目で見られたりするんですよ」などというネタを出してきたり、観客を楽しませようと一生懸命。 将棋の方は、ほぼ久美先生の解説通りに進み、先に攻めまくった石橋三段がリードを奪い、終盤の清水王位の猛攻をしのぎきって勝ち名乗りを上げました。

 それから久美先生はしばしの休憩。 ぐるぐるマラソン将棋の方には参加されていたのでしょうか? ちょっとチェックできませんでした。

 さて、この日は『女流棋士の本』が会場で販売され、買った人には希望の棋士にサインしてもらえるという特典付き(一部の棋士はあらかじめサインした本を販売)。 筆者も一冊購入し、もちろん久美先生を指名。 サインしてもらえる時間は指定されていて、3時過ぎからとのこと。 サインをもらう人の列が長くなったら大変と、指定の時間よりちょっと前から並んでいましたが、心配するほど(?)の列にはならず、一安心。 ちょっと遅れて先生が到着。 早速サインしていただき、本を持って写真も撮らせていただきました。 行列が無くなったところで、少々お話を。
 “名人戦の聞き手のお仕事は入っていませんか?”との質問には「第3局の長崎に行きます。加藤先生(一二三九段)のご指名だそうでして」。 第1局の奈良(東大寺)か第2局の愛知(銀波荘)を期待していたのですが(近いので)、よりによって筆者が行きにくい長崎とは。 しかし、長崎は初めて行かれるそうで、「将棋の仕事で色々なところに行ってますけど、長崎はまだ行ったこと無かったんです。東北とかはだいたい行ったことありますけど……あと、鳥取とかには行ったことないですね」。 鳥取って名所みたいなところってありましたっけ、と筆者が呟くと、「うーん、鳥取砂丘?」。 でも、砂丘じゃ将棋の対局はできませんね(笑)。 ちなみに、第5局が鳥取の羽合(ハワイ)温泉で開催されるようです。
 この後、筆者は体調不良により最後まで参加できずに帰ったのですが(無念)、久美先生は早指しトーナメントの表彰式などでも活躍されたようです。 最後の恒例の「女流棋士によるお見送り」は今回はあったのでしょうか?。 次回はちゃんと体調を整えて、最後まで参加しなければ!

宝塚女優が混じってます 思わず照れ笑い? 立ち姿も決まってます 今日の揮毫は『天馬』


2003年3月22日(土) 第8回 三田王将杯将棋大会

招待棋士として久美先生と鹿野初段が招かれています。(審判&指導対局?)
場所:兵庫県三田市中央公民館
時間:9時半開会
会費:2500円(昼食込み)
将棋大会の申し込みは3月18日までにハガキ又はFAXで。
宛先:〒669−1533 兵庫県三田市三田町22番19号
FAX:079−563−2992



 都合により全部は参加できず、ほんの2時間くらいだけ指導対局を観戦してきました。

 2時前頃に会場に着きましたが、既に指導対局が始まっていました。 久美先生、鹿野初段共に3面指しでしたが、既に何局か終わって下手が入れ替わっていた模様です。 途中から見たので手合い・戦型がよく分かりませんでしたが、しばらくして1局終了。 久美先生の勝ち。
 さて、恒例のファッションチェックですが、金色をベースにした服ですが、何と説明すればよいのやら? ちょっと厚ぼったい見栄えの上着は前をジッパーで留めるようになっていて、コートのような感じ。 インナーは茶色のタートルネック。 ボトムは上着と同じ柄の膝丈スカートでした。

 さて、残りの2人の対局内容はほとんど憶えていませんが、散々粘られた挙げ句1勝1敗。 隣の鹿野初段は15分以上も前に終わって控え室に戻っていました。
 対局が終わるとしばしの休憩タイムに入りますが、サインをねだられたり、写真撮影を頼まれたりと相変わらずの人気ぶり。 筆者は会場の出口で先生を捕まえて、ご挨拶させていただきました。
 「いやー、先週は失礼しました。もう、強烈に眠かったので……」 といきなり謝る久美先生、北九州でほとんどお話ができなかったのを気にしておられたようです。 あの時は終了時間もぎりぎりでしたし、係員に休憩をせかされていたので、仕方ないですね。
 それよりも、掲示板に書き込まれていたように、『4時半まで起きていた』のは何をしてらしたんですか?
 「実はですね、例の戦争関係のテレビ番組を見てだらだらとしていて、気が付いたら3時半になってたんですよ」。 それから、大阪(鹿野宅)までの新幹線の時間や乗り継ぎ(地下鉄)を調べたりしていたらあっという間に4時半に。 5時前には寝られましたけど、と涼しい顔をしておっしゃっておられました。 ちなみに鹿野先生の家はどこにあるのでしょう?
 「市内……だと思いますけど、私に訊くんですか?(筆者の方が大阪をよく知ってるでしょうという意味) 地下鉄で梅田から心斎橋まで行って、そこでナントカ緑地線(長堀鶴見緑地線のこと)に乗りかえましたよ」。
 鹿野宅では予想通り夜更かしを?
 「いえいえ、1時半くらいにはもう寝ちゃいました。今朝は8時前に出ることにしてましたから」。 で、こっちには9時過ぎに到着されたようですが、指導対局は昼からだったので、控え室で鹿野初段とずっとお話をしていたそうです(笑)。
 「それにしても、大阪の人(棋士)と3週連続仕事で会うなんて初めてですよ」。 来週は女流棋士との親睦将棋会なので、鹿野初段とは3週連続で同じ仕事になるわけですが、確かに珍しいでしょうね。 ついでに、筆者も3週連続で先生にお会いするのはきっと初めてでしょう(笑)。
 それから写真を撮って、久美先生は休憩へ。

 休憩が終わるとまた3面指し指導対局の開始。 子供大会が終わっていたため、対戦相手は子供がたくさん当たっていました。 久美先生の場合は待ちの2人も含めて5人中4人が子供でした。 手合いはほとんどが2枚落ち。
 で、子供は指すのが早いのでどんどん進んで、20分も経たない間に1局終了。 棒銀で攻めてこようとして跳ね返される典型的な負けパターンでした。 「君は運が悪かったね。さっき3勝2敗だったから、今度は全部勝とうと思って一生懸命指しちゃったんだよ」と先生は子供を慰めながら感想戦。 棒銀で攻める時のポイントを説明していましたが、子供の方は聞いているのかいないのかよくわかりませんでした(子供はだいたいみんなそうですが)。
 そのうちにまた1局終わり、先生の勝ち。 「君も運が悪かったね」と同じように慰めながら感想戦を。 しかし、次の子供は結構強かった。 銀多伝定跡から的確に大駒を捌き、上手を圧倒して勝利。 その子が参加した将棋大会のクラスを確認した久美先生は「君は二枚落ちで指したらダメだよ(笑)。飛車落ちくらいじゃないと……」と苦笑い。

 さて、ここで筆者が所用により辞去したため、この後の経過はレポートできません。 ご了承下さい。 大会終了後に懇親会もあったようですが、惜しいことをしました!

身体を斜めにして指してます 今日は眠くありません!


2003年3月19日(水) 女流名人位戦A級・対斎田晴子四段

第30期A級リーグがいよいよ開幕。 その緒戦に見事勝利!
挑戦目指して頑張ってください!


2003年3月16日(日) 第12回 北九州ハイビジョン将棋フェスティバル

北九州国際会議場(北九州市小倉北区浅野3−9−30)で開催されます。 公式案内ページはここ

○指導対局
参加方法 抽選で60名(参加無料)
※申し込みは締め切られました。
※対局観戦は自由
時間 10:00〜11:30
指導棋士 谷川浩司王位、米長邦雄永世棋聖、森下卓八段、島本亮奨励会三段、
中井広恵女流三冠、山田久美女流三段、鹿野圭生女流初段、
本田小百合女流初段、中倉彰子女流初段

○対局・イベント
参加方法 先着で550名(入場無料)
時間 12:30〜17:00(12:00開場)
プロアマ平手対局 中井女流三冠 VS 西谷明雄アマ四段
解説:森下八段(聞き手:鹿野女流初段)
講演 米長永世棋聖
演題:「武蔵と将棋」
トークショー 谷川王位 VS 小学生6名
司会:山田女流三段
※トークショーに出演する小学生の申し込みは締め切られました。
「原宿将棋通り」トークショー 山田女流三段 & 中倉女流初段
記念対局 谷川王位 VS 森下八段
解説:米長永世棋聖(聞き手:中井女流三冠、本田女流初段)
*次の一手正解者には、抽選で記念扇子を贈呈

○将棋グッズの展示、即売
内容 扇子、湯飲み、将棋本(サイン入り)等の展示即売
場所 イベントホール

<問い合わせ> 日本将棋連盟関西本部(TEL06−6451−7272(代))



 見に行ってきました。

 定刻の10時になると、司会の人の合図と共に、棋士の先生方が大ホールの中から登場。 谷川王位を先頭に、米長永世棋聖、森下八段、中井女流三冠に次いで久美先生は5番目の登場(棋士の序列順)。 以下、鹿野・本田・中倉の各女流初段が続き、しんがりは先日の奨励会で四段昇段を決めた島本三段でした。 さて、この日の久美先生の衣装は、ベージュ色のスーツ上下(下はパンツ)。 インナーの襟元が広く開いていて、胸元がなかなかセクシーな感じ? ちなみにいつもなら久美先生がはくようなミニスカートを、今日は中井女流三冠がはいていました(笑)。

 棋士の先生方は一旦、ホールの奥の方にしつらえられた席に座り、司会の人から順に紹介されて参加者の皆さんに一礼。 それから指導対局の開始。 米長永世棋聖のみ4面指しで、他はみんな7面指しでした。 久美先生の対戦相手の手合いは、二枚落ちが5人、角落ちと平手がそれぞれ1人。 これほどまでに二枚落ちが多いのは珍しいですが、皆さん過少申告ぎみでは? それを証明するかのように、わずか30分ほどで二枚落ちが1局終了して久美先生の負け。 二歩突っ切り定跡からあっさりと上手陣を粉砕し、中段に泳ぎだした玉を的確に捉え、明らかに手合い違いでした。

 しかし、その他の対局者に対しては久美先生が大健闘。 まず、11時頃に二枚落ちが終了。 駒落ち定跡を指さない下手の居飛車に対し、飛車を徹底的にいじめる作戦からの快勝。 続いて11時5分頃にまた二枚落ちが終了。 こちらは四間飛車で攻めてくる下手の中央突破作戦をうまくだまくらかし、逆に中央を制圧してから大駒をぶんどって端攻めから勝利。 11時10分頃にはまたまた二枚落ちが終わり、 こちらは中飛車で攻めてくる下手に対して右翼から金銀で盛り上がって押さえ込みに成功して勝ちを決めました。
 さて、この時点で残り3人になりましたが、7面指しの両端と真ん中が残ったため、久美先生は相変わらず端から端まで歩かねばならず大変そう。 おまけに観戦者が増えてきて、先生の側から盤面を覗こうとする人がいたりして、移動するのに邪魔になっていました。 しかし先生は嫌な顔一つせずにすいすいと対局を続行。

 タイムアップ寸前の11時25分頃、真ん中で指していた平手が投了。 対中飛車戦で、一時は久美先生の居飛車側と陣形に差があり過ぎ、中飛車圧勝かと思われましたが、居飛車の勝負手連発に対して中飛車が自陣を受けずに攻め合ったため、終盤一気に差が縮まり、最後は大駒をぶった切って豪快に寄せ、久美先生勝利。 感想戦では「ギャラリーが多いから最後は派手に行こうと……」とすっきりした顔でおっしゃっていました(笑)。
 残る両端の2人(二枚落ちと角落ち)は、序盤から下手長考で進行が遅かったため、時間切れになるのではと思っていたらやはりその通りに。 真ん中の平手が終わった直後くらいに司会の人から「そろそろ終了に……」と声がかかり、指しかけで終了。 二枚落ちの方はまだ中盤で、先生によれば下手優勢とのことでしたが、最初から大駒二枚の差が付いてるわけですし(笑)、恐らく形勢互角だったでしょう。 角落ちの方は終盤で下手勝勢との評でしたが、寄せを決めるのが下手にとって難しいわけですから、最後には何が起こっていたことやら。

 結果、4勝1敗2指しかけ。 その後はサインのおねだりや子どもと一緒に写真撮影といつものパターンに。 筆者もいつも通りに写真を撮らせていただきましたが、お話すらできないほどの大忙しぶりでした。 一言だけ「昨日は4時まで……」とおっしゃりながら苦笑されましたが、どうも朝の4時まで女流の皆さんでわいわいおしゃべりを楽しんでおられたようです(笑)。


 昼休みを挟んで午後からは会場を大ホールに移し、まずはプロアマ公開対局から。 中井女流三冠と西谷明雄アマ四段の対局で、解説は森下八段、聞き手は鹿野女流初段と中倉(彰)女流初段のダブルキャストでした。 久美先生の出番はなし。
 振り駒で中井三冠の先手に決まり、戦型は後手西谷アマの四間飛車に対して先手中井三冠は玉頭位取り。 その後、後手は石田流に組み替え、指しやすい形勢に。 さらに中盤、十字飛車で技をかけて優勢になったかに見えましたが、中井三冠も馬を作って食い下がり、龍作りが間に合って最後は尻金の妙手が飛び出し、鮮やかな逆転勝ち。 感想戦で西谷アマは残念のあまり声も出ませんでした。

 続いて米長永世棋聖の記念講演。 タイトルは「武蔵と将棋」。 米長永世棋聖は最近「宮本武蔵の次の一手」という本を出版され、その内容の簡単な紹介というところ。 お話の主たる内容はタイトルと違ってあまり将棋に関係がなく、お得意の「大人のジョーク」も控え目(次が小学生のコーナーですからね)でしたが、笑いも多く、また感心させられました。 吉川英治の「宮本武蔵」は「男がどうあるべきか、女はどういう男を好きか」と読み解けるのである、というのが特に興味深かったです。

 次は谷川王位と小学生6人のトークショー。 このコーナーには久美先生が司会として登場。 形式は小学生があらかじめ考えてきた質問に、谷川王位が答えるというもの。 将棋に関係のある内容が多かったですが、関係のない質問に対する答えもなかなか笑えました。 面白かった質疑応答(と久美先生のフォロー)をいくつか抜粋してみると……

―将棋に負けた時はどんなことをするんですか?
谷川「タイトル戦で負けたりすると、部屋に帰って自分で和服を畳んでる時なんかが一番空しいですからね(笑)。大抵はお酒を少し飲んだりして悔しさを和らげるようにしてます」
―どんな料理が好きですか?
谷川「タイトル戦などに行くと豪華な料理が続いたりしますから、家ではあっさりした和食をよく食べます」
―奥さんの得意な料理は何ですか?
谷川「得意な料理ですか、うーん……(長考中)」
山田「最近食べた料理の中で美味しかったものとかは……」
谷川「……ぱっと出てきませんねぇ」
山田「何でも美味しいんですか(笑)」←フォローのつもり
―棒銀が最近流行ってないのはなぜですか?
谷川「プロでは対四間飛車に棒銀はあまり出てきませんが、相懸かりではたまに出てきます。(子どもの棋力を訊いて)アマ初段くらいなら棒銀は有効な戦法だと思いますよ」
―今までに指した棋譜は全部憶えてますか?
谷川「プロなら全部憶えてるなんていうのははったりです(笑)。私もプロになった頃は指した数も少なかったから全部憶えてましたけど、今の年でははっきり言って全部は憶えてません。山田さんくらいの年なら……」
山田「いえいえ、こないだ自分の棋譜を並べ直してたら『こんな将棋指したことあったっけ?』って思ったことがありまして(笑)」。
―小学生の時にライバルはいましたか?
谷川「うーん、思いつきませんね。そもそも、将棋を指している子どもが周りにいなかったので……私の頃は小学生の将棋大会もほとんどなくて、兄と2人で大人の中に混じって指している状態でしたからね」

 この他にも谷川王位が答えに窮する質問が多数あったりして、大いに楽しませていただきました。 しかし、最年少は小学1年生の子どもでしたが、みんなしっかりしていて礼儀正しいので感心しました。 やはり将棋は躾にいいのかも?


 さて、次は久美先生と中倉初段による「原宿将棋通りトークショー」でしたが、前のコーナーがちょっと時間オーバーしたために、予定よりも時間が短縮されてしまい、残念。 内容の方は、

と、こんな感じで15分くらいでしたが、なかなか盛りだくさんでした。


 最後は谷川王位と森下八段による記念対局。 解説は米長永世棋聖、聞き手は中井女流三冠と本田女流初段。 振り駒で森下八段の先手に決まり、居飛車穴熊対中飛車(その後向かい飛車)に。 共に飛車を一段目に引いて間合いを計ったところで、両者の持ち時間がなくなり、「次の一手」のための封じ手に。
 ここで、久美先生と中倉初段が「次の一手」の予想のために舞台に登場。 もう出番がないかと思っていたのでほっとしました(笑)。 久美先生の予想手は穴熊側の端を突く9六歩。 初心者的には意外な感じでしたが、開封してみるとこれが正解でした。 お見事!
 その後局面の方は谷川王位が攻め、森下八段が受けるという展開になり、終盤谷川王位が寄せ損なって、森下八段が逆転したかに見えましたが、最後は角・馬・龍の連続捨てによる鮮やかな即詰みを決めて谷川王位が制勝しました。

 以上で、今回のイベントは無事終了。 お疲れさまでした!

逆光で盤面が見づらい? 眠いけどお目目パッチリ! 谷川先生に質問は? 原宿将棋通りの半分です


2003年3月7日(金) 女流王位戦予選・対村田智穂2級

負けてしまいました。 予選決勝だっただけに、残念です。 リーグ入りしていれば、山田(朱)1級との「山田対決」が実現していたかもしれないのに……


2003年2月15日(土) 第3回天童将棋駒祭り

2月6日(木)〜18日(火)の13日間、東京・池袋で天童将棋駒祭りが開催され、15日には久美先生の指導対局があります。

場所:東京都豊島区西池袋1−11−1 メトロポリタンプラザビル 全国伝統的工芸センター2階展示場
時間:11時〜19時(最終日は17時まで)。
※掲示板で「夏の子」様から頂いた情報によると、久美先生の出演は13時からと16時からの2回の予定です。
その他の催し:駒展示・販売、製作実演、駒意匠開発作品展示、伝統工芸士逸品展示・販売
当日駒を買うと、久美先生のサインがもらえるそうです(サイン会:14時30分〜)



 見に行ってきました。

 当日、開始5分前に到着すると、久美先生は既にいらしていて、将棋祭りのスタッフの方から展示してある色々な天童駒(例えば、大名駒という異常に分厚い駒とか)について色々と解説してもらっていました。 13時、定刻から指導対局開始。 盤前に移動したところで筆者の存在に気付かれ、挨拶を頂きました(実はこの日も伺う先週予告してあった)。 いつもありがとうございます。
 指導の方は3面指しでしたが、なぜか1面余っている様子。 係の人が「キャンセルが一人出たので、やりませんか?」と筆者を始め、周りにいた数人(ギャラリーが数人しかいなかった)に声をかけていましたが、誰も余っている盤に座る様子もなし。 5分くらい経っても誰も座らなかったので、とうとう筆者が係の人に声をかけて指導対局を受けることに。 駒を並べて二枚落ちを所望(註:去年から全然上達してません)。 始める前に「神吉さんの詰め将棋の本、どうですか?」などと声をかけていただき、解答を見ながらですけど上巻を解き終わりましたと答えると、それはすごいですねぇと(なぜか)褒めていただきました。
 さて、指導対局を受けている間は写真を撮れないわけですが、とりあえず恒例の服装チェック。 本日は茶色の日。 茶色の上着に茶色のパンツ(パターン柄入り)、インナーのハイネックセーターも茶色(こっちは無地)。 ピッタリした感じで、久美先生のスレンダーぶりが分かる衣装でした。

 ところで筆者の盤面の方は相変わらずのダメダメっぷり全開で、序盤は定跡間違えて手損するし、中盤は攻めが重いし、終盤は速度計算ができてないしと3拍子揃ってますので、勝てるはずもありません。 他の2面は1面は角落ち、もう1面は飛香落ち。 経過をほとんど見ていないので詳しいことは不明ですが、角落ちは下手に攻めさせながら指し切らせて勝ち、飛香落ちは定跡通り1筋から詰めた下手が完勝で「これは飛車落ちの手合いですよ」と言われていました。 結果、2勝1敗。 実は最後に終わったのが筆者の対局だったのですが、それでも1時間かかっていませんでした。 余談ですが、指導対局中にアルバイトの女の子が寄ってきて「3つ同時に指してるんですか!? すごーい!」と異常なほど(?)感動していました。
 3局とも終わると、一人ずつ久美先生のサイン色紙をいただけることに。 為書きもしてもらえたのですが、筆者が名前を教える前に久美先生がすらすらと筆者の名前を書いてしまったので、係りの人にいたく感心されてしまいました(笑)。
 それから休憩。 情報では14時半から駒を買った人のためにサイン会となっていましたが、何と2万円以上の駒を買わないといけないということで、該当者なし。 次は16時からなので2時間の長時間休憩になってしまいました。 休憩に入る前の雑談では「昨日、高橋和ちゃん(註:11日にここで指導対局した)と一緒の仕事だったんですけど、『久美さん、休み時間いっぱいありますよ。 東急行って買い物してきたら、何買ったか教えてくださいね』って言われちゃいました(笑)。 でも、今日は絶っ対買い物しません(笑)」とおっしゃっていました。

 16時10分くらい前に久美先生が会場に戻ってこられ、伝統工芸士の方が駒に文字を書く実演(指導対局のすぐ横でやっていた)を興味深そうに見学。 「天童文字」なる字体について色々解説を頂いていましたが、そのうち「『左馬』はどうやったらうまく書けるんでしょう?」と質問を。 すると「横にして書くとよい」とのお答え。
左馬
 つまり、この絵(←)のような文字を書くつもりで、(1)まず横線を2本書く(下の線は太くて短い方が見栄えがよい)、(2)次に縦線を左から3本書き、(3)4本目を「し」のように書いて、(4)最後に点を4つ打つ。 そしてこれを右に90度回転させると「左馬」のできあがりというわけです。 これには久美先生も感心。 筆者はだいぶ以前に久美先生が「左馬」を練習していると聞いていたので、「これで色紙に書く言葉が一つ増えましたね」と口を挟むと「そうですね」とにっこり。 皆さん、これから久美先生に揮毫を頂く時は「左馬」をお願いしてみましょう(笑)。

 さて、指導対局が再開されると、いつの間にやら盤が1面増えていて4面指しに。 手合いは平手が3局に角落ちが1局。 周りを取り囲むギャラリーの数は、先ほどよりも増えていました(なぜか年齢層が高かったような気が)。 それでも、いつものように「人だかり」ができるほどではありませんでした。
 最初に終わったのは平手で、相矢倉模様から力戦のような感じになり、先手の金がぐんぐん上がっていく形に。 最後は寄せ合いを制してまず1勝。 次にもう一つの平手が終わり、こちらは先手が右四間に構えましたが、攻めがうまくいかず、後手に両取りをかけられるなどしてさんざんな目に遭い、最後は即詰み。 その次に角落ちが終わり、こちらは下手が矢倉に構えて2筋から攻め、上手陣は押しつぶされていかにも窮屈な形に。 ぎりぎりの受けから攻め合いに出ましたが、下手玉をあと一歩のところまで追いつめながら最後はカウンターパンチを浴びて負けてしまいました。
 最後に終わったのは平手で、こちらは四間飛車対居飛車穴熊。 後手が先行したものの、逆に飛車をいじめられて詰まされそうになり、攻めに窮してしまいました。 おまけに相手の攻め駒もよく利いていて、穴熊は姿焼き寸前。 しかし最後のお願いの歩の垂らしや角いじめが功を奏したようで、大逆転勝ちとなりました。 後半戦は3勝1敗。

 指導対局が終わるとまた色紙に揮毫してプレゼント。 それが終わって久美先生が帰る時に池袋の駅までご一緒させていただきました(といっても会場から改札まで30秒ほどでしたが(笑))。 その時に今後の対局予定についてお伺いしましたが、「王位戦の予選(対村田2級)が3月7日に決まりました」。 鹿島杯の予選はいつも今頃のはずですが……と訊くと、「まだ何も連絡が……まさか、今年はやらないのかも……」と不穏なお答え。 とりあえず来月また宜しくお願いしますと挨拶をしてお別れしました。 お疲れさまでした!

山田久美仁王立ち!? 今日の色紙は一念通天 サイン色紙をプレゼント!


2003年2月8日(土) 第27期棋王戦第2局

現地の大盤解説に久美先生が聞き手として出演します。
 場所:熊本市 ホテル日航熊本 5階「天草の間」 。
   (熊本市上通町2、熊本市電・健軍方面行きでJR熊本駅から20分、通町筋下車)
 時間:14時〜終局まで(途中休憩あり)
 会費:1000円
 定員:250名、当日受付
 解説者:青野照市九段

前日7日(金)には前夜祭も開催されます。 サイン色紙等の豪華景品が当たる抽選会もあり。
 場所:ホテル日航熊本 5階「阿蘇の間」
 時間:18時半から2時間程度
 会費:8000円(翌日の大盤解説の会費込み)
 定員:100人

当日の午前中には久美先生と青野九段による指導対局があります。
 場所:公徳会カルチャーセンター(びぷれす熊日会館 6階)
 時間:9時半〜12時
 定員:30人程度
 ※前夜祭参加者が優先、希望者多数の時は当日抽選



 大盤解説会に行ってきました。(最南&最西のレポート地更新です(笑))

 午前中から行くことができましたが、飛行機の時間の都合により、現地に着いた時にはすでに指導対局が始まっていました。 びぷれす熊日会館はホテル日航熊本のすぐ隣の建物で、その6階の1室が指導対局場。 机3つを「コの字型」に並べ、久美先生、青野九段とも6面指しでした。 10時半頃でしたが、久美先生の方は既に2局終わっており、後の4局も終盤。 平手の2局は大人、二枚落ちの2局は子ども(中学生くらい?)でした。 しばらくして平手が1局終了し、久美先生の負け。 続いて二枚落ちが終わり、こちらは勝ち。 それから平手が終わり、負け。 何しろ序盤を見ていないので、どういう展開になっているのかは全く分かりませんでした。
 さて、この日の久美先生の服装ですが、濃い紫のツーピースに、薄い紫のブラウスの組み合わせ。 スカートはちょうど膝丈くらいで、多少いつもより長め? ところで、三つボタンの上着の一番上のボタンを留めておられませんでしたが、それはそういうお洒落なのでしょうか?

 最後の二枚落ちを指している時に、係りの人が来て何やら先生に耳打ち。 どうやら、時間が無くなってきたので、次の対局者を入れていいかということだったようで、久美先生は「あっ、どんどん入れてください」。 隣の青野九段も「何だ、これで全員かと思ってゆっくり指しちゃったよ」と苦笑い。 こういう指導対局の時は終わったところから次々に対局者を入れ替えないと時間が足りなくなる場合が多いのですが、どうも事前の打ち合わせがうまくいっていなかったようです。
 で、久美先生のところには青野九段と当たるはずだった人が2人ばかり回され、再び6面指しに。 そのうち最後まで残っていた二枚落ちが終わり、久美先生勝ち。 空いたところにもすぐに入ってきたのでまた6面指しに。 手合いは平手が3局、角落ちが1局、二枚落ちが2局。 平手のうちの1局と、二枚落ちは子ども(中学生?)でした。

 最初に終わったのは平手で、久美先生の雁木に対して先手は3〜4筋から攻め立て、角を交換してうまく馬を作り、優勢に。 どうやら序盤で久美先生の駒組みがまずかったらしく、以下も一方的に先手が攻め続け、あっという間に終わってしまいました。
 だいぶ経ってから平手がもう一局終わり、こちらも久美先生の負け。 振り飛車戦(久美先生が居飛車)で、先手がうまい立ち回りから龍を作り、終盤少し重い攻めながらも何とか攻めきり。
 次に終わったのが二枚落ちの子ども。 駒を動かす手つきはなかなか強そうで、二枚落ちでは手合い違いではないかと思いましたが、振り飛車で攻めにいったところを頑強な受けに合い、なんのかんのとだまくらかされて負け。 久美先生は後半戦ようやく初白星。
 その次にもう一つの二枚落ちが終了。 こちらも飛車がなかなか成ることができませんでしたが、上手の端攻めの間に中央に隙ができたところでようやく龍作りに成功。 上手は持ち駒を受けに使わされて攻めきれず、最後は下手が龍の威力で手勝ちを収めました。

 この辺りで予定の12時を過ぎてしまいましたが、大盤解説(2時から)まで時間に余裕があるということで指導対局は続行。 しばらくして角落ちが終局。 中盤、上手は飛車を取らせている間に端を攻めましたが、下手の駒の配置を見間違えて歩成りが王手にならないという大ポカをしてしまい、飛車がタダ取られの形に。 しかしその後の下手の失着もあって何とか粘り、逆転勝ち。
 さて、最後に平手の子どもが残っていましたが、こちらはあまり将棋を指したことがないらしく、序盤から金をタダで取られそうになったりしてどうも手合い違いの様子。 長考を繰り返すので他が全部終わってもまだ序盤。 しかし、駒損が激しく、一人だけ残ってしまったのも心苦しかったのか、すぐに投了してしまいました。 久美先生に「あまり指したことがない割に強いですね」と言われたので、これから頑張ってね。
 結果、12局指して、5勝5敗(勝敗不明が2局)。 終わってから休憩に行く前にご挨拶をして写真を撮らせていただきましたが、どうも表情が硬かったのでそう言うと、「いや〜、負けすぎましたから……」。 まあ、時間が大幅に超過したのも大きかったかもしれませんね。 とにかく、お疲れさまでした。

 昼休みを挟んで2時からはホテル日航熊本で大盤解説。 最初は主催の熊本日々新聞からご挨拶。 そして今日の解説陣が紹介され、久美先生は「パンフレットにもありますとおり、昨年CDデビューされまして……」と言われて、照れておられました(笑)。 続いて青野九段と久美先生の方から挨拶があり、その中で「今日は土砂降りの中を、こんなに多くのファンに来ていただいて……」。 何と、定員250人の大入り満員だったそうです。 それから現時点までの指し手を再現。 久美先生が棋譜のコピーを手に、青野九段ともども大盤操作。 戦型は後手羽生棋王の四間飛車で、先手の丸山九段は見たこともない形の穴熊に潜っていました。
 ここで青野九段は藤井システム対穴熊の要点を丁寧に解説。 と、久美先生が突然青野九段に質問。 「この穴熊はいくらくらいの価値の穴熊なんでしょう?」。 何のこっちゃと思って聞いていると、青野九段は「普通の3枚穴熊の堅さを1万円くらいの価値とすると、香車が上がって玉が潜っただけの穴熊は500円くらいだと思ってください」。 どうやら控え室でそういう会話があったので、久美先生が話を振った模様。 で、今回の丸山九段の「金銀は玉に寄ってきているけど、銀で蓋をしていない穴熊」は4000〜6000円くらいのようでした。
 その後、指し手を追いかけながら解説を続けたところで、羽生棋王が長考に入ったので、「次の一手クイズ」に。 青野九段と久美先生が挙げる候補手を聞きながら、配られた紙に予想手を書いて投票。 その間に解説陣は休みということで、控え室の方に戻ることになりましたが、司会者が45分くらい休みを入れようとすると、青野九段は「もっと早く再開しようよ」。 250人も集まったファンのためになるべく多くの解説をと考えられたのでしょう。 さすがはファン思いの青野九段、頭が下がります。 結局、30分弱の休憩を挟んで再開されることになりました。

 再開までもうしばらくというところで、久美先生がいち早く大盤会場へ帰還。 少し時間がありそうだったので、改めて写真を撮らせていただきました(いつもありがとうございます! というか、何度もすいません!)。
 再開されると、すぐさま次の一手の正解者の発表。 予想時には消されていた中継モニターが既に点けられていたので、青野九段は「なんだ、正解はもうわかっちゃってるんだね」と拍子抜け。 予想手の中では一番人気だったこともあり70数名が正解、抽選で30名に賞品が贈られるとのこと。 筆者は正解しましたが、恐らく抽選で外れるだろうと思ったらその通りでした(笑)。
 さて、休みの間に進んだ手を解説しながら青野九段は「えー!?」を連発。 どうも、対局者が二人とも積極的な手を指さないのがご不満だったようです。 ここで立ち会いの前田八段が登場。 そして「先輩、ここは私が30分くらい持たせますから、どうぞ休憩してきてください」と2人を追っ払うと、指し手の解説はそっちのけで棋界のゴシップなどの漫談を展開。 地元の大聴衆を前に思う存分笑いを取っていましたが、たまりかねた司会者が解説陣を呼び戻す手配を回すと慌てて手の解説に戻っていました。

 青野九段と久美先生が戻ってくると、早速2回目の「次の一手クイズ」に。 今度は丸山九段の手番でしたが、早い攻め手が見つからず、久美先生たちは候補手を探すのに一苦労。 これも筆者は正解したのですが、またしても抽選に外れたことは言うまでもありません(笑)。
 形勢の方は羽生棋王の方が若干指しやすいようでしたが、青野九段は「羽生さんが完封しようとしすぎると事件が起きるかも」と解説。 まだ持ち時間が若干残っていて小考が続くため、雑談(最近は盛り上げ駒の値段が上がりすぎて実用的でなくなってきたので、これからは買うなら掘り駒ですよ、とは青野九段の持論)を交えながら解説していましたが、非勢ながらも辛い手を指す丸山九段に対し、羽生棋王は絶対に何もさせないぞとばかりに押さえ込む手を連発。 そしてそのたびに青野九段は「えー!?」を連発。 しばらくして戦意を無くした丸山九段が投了。 盤面は「穴熊の姿焼き」でした。
 それから対局者の2人に大盤解説場にご登場いただき、ファンの前で簡単な感想戦を。 しかし、丸山九段はほとんどしゃべらず、まるで羽生棋王と青野九段の感想戦のようでした(笑)。

 解説会が終わってから舞台のところに飛んでいき、3人の先生方と記念撮影。 それから久美先生に今後の予定について質問。 新人の村田2級と女流王位戦で当たることになっていますが、「(2月)17日の週を(連盟から)打診されたんですが、こちらの都合が悪いと言ったら、それっきり何にも連絡が……」とのこと。 他の予定としては「天童の人間将棋に出演します。鎧武者姿になりますので」。 近隣の皆様は是非天童に行ってご覧になって下さい!

 と、話している間に久美先生は青野九段らに放って行かれてしまいました。 どうもすいませんでした!

沈思黙考指導対局 大盤解説開始直前 大盤解説休憩中(1) 大盤解説休憩中(2)


2003年1月26日(日) 女流名人位戦第2局イベント

時間:13時〜終局
会場:氷上郡民会館(対局場「三友楼」の近く)
    JR福知山線柏原(かいばら)駅下車徒歩5分
解説:神吉宏充六段(聞き手山田久美女流三段)
会費:1,000円(高校生以下500円)



 見に行ってきました。
 連盟サイトの案内では午後からの大盤解説のみでしたが、去年の例もあるので10時頃に行ってみますと…… やはり、やっていました。 会場内に貼られたイベントプログラムでは10時から「詰め将棋教室」となっていて、時間通りに神吉六段と久美先生が登場。 しかし、集まっていたお客さんは十数名ほど。 神吉六段は朝のイベントが名人位戦のパンフレットなどに載っていなかったと知って、「なんや、残念やなぁ」と呟いておられました。
 さて、この日の久美先生の服装はというと、寒さ対策のためか、パンツルック。 ダークグレーのカシミア風スーツ上下に、インナーは黒のハイネックセーターと、いかにも温かそう。 会場がもっと暖かかったらスカート姿が見られたはずなので、残念(?)。 また、髪が随分短くなっていて(特に後ろの方)、すっきりした感じになっていましたが、今日の天気では襟足が涼しげを通り越して少々寒そうでした。
 イベント開始まで少し間があったので、ご挨拶かたがた年末の「あの」の件について一応お訊きしてみたところ、「ほんっっっとに『なんちゃって』を書き忘れただけなんです。 今日も控え室で散々みんなに言われまして……」と、“もう許して〜”とでも言いたげなご様子。 なんでも、久美先生のお知り合いの将棋関係者のところにも確認の電話がかかったほどの、ちょっとした騒動になったそうで。 「口は禍の門」ならぬ、「ネットは災いの門」と言ったところですね。
 また、いつの間にか連載が止まってしまった近代将棋誌の「おしゃべり対局」はやはり終了とのことで、「急にお話が来なくなってしまって、どうしたんだろうと思っていたんですが……」と久美先生も不思議そうな顔をされていました。

 何はともあれ、「詰め将棋教室」の開始。 お題は最近神吉六段が本を出された「双玉詰め将棋」。 神吉六段は双玉詰めの基本的なルール(逆王手があるので合い駒などに注意する)を説明した後で、ご自分の本の中の作品を出題。
 最初に出した問題はちょっと難しかったと見えて、手数が短い(5手くらい)のものから再スタートし、順々に難しいものへ。 子どもが見事に正解する問題もあれば、大人でも間違う問題など様々。 「9手詰め」と言われた作品を見た久美先生が「7手で詰んでしまいましたが……?」と見事に逆王手に引っかかってしまう場面などもあり、双玉はやはり独特の難しさがあるということがよくわかりました。 ちなみに管理者も一生懸命解いていたのですが、わかっても答えを言う前に他の人に全部答えられてしまいました(笑)。
 お笑いモード全開の「詰め将棋教室」は40分ほどで終了。 13時からの大盤解説まで、ちょっと長めの休憩となりました。 まあ、お客さんが少なかったのでしかたないんですが……

 ちなみに、神吉六段の本(上下巻2冊・各1000円)はこの日会場でサイン入り(上巻「王手!」、下巻「逆王手」でした(笑))で売られていました。
 余談ですが、久美先生が買おうとしたら、神吉六段に「あげるがな」と言われ、それでも久美先生はお金を出して買いたそうにしていたため(どうしても売り上げに貢献されたかったらしい)、神吉六段が「ほんなら、買う分は誰か知り合いにあげとき」と進言。 するとなぜか久美先生、近くでそのやりとりを聞いていた筆者に「じゃあ、いつもお世話になっていますから……」。 そんな、いつもただで写真を撮らせていただいたり、ただでサインしてもらったり、ただでイベント情報をお伺いしたり、色々とお世話になっているのは筆者なのに……。
 結局、筆者の遠慮する声はさらりと聞き流され、しかもどちらか1冊のはずがいつの間にか2冊ともになって(さらに神吉・山田のサイン入り)、休憩後に久美先生から手渡されたのでした。 大変ありがとうございました! と同時に、神吉先生の売り上げに貢献できず申し訳ありませんでした!

 13時を前に会場には続々と人が詰めかけ、4〜50人ほど集まってきていました。 再開後は、大盤で午前中の指し手を再現。 と、その前に、神吉六段が淡路九段やご自分の反則負けの将棋を紹介したり、前夜祭での碓井三段の面白い言動を紹介したりして笑いを取り、会場を和ませていました。
 さて対局の方は、中井三冠の先手で矢倉模様の将棋になり、先手が銀矢倉、後手が流れ矢倉という対向形。 神吉六段は「後手のこの玉形が『ウスイ(薄い)』のに対し、先手の方は『ヒロエ(広い)』陣形ですね」などと解説し、ますます“舌”好調。 さすが、プログラムの中で「抱腹絶倒解説」と書いてあっただけのことはあります(笑)。 そうこうするうち先手は「四手角」で2六に角を据え、後手陣の隙をうかがいますが、後手は7三飛と寄ってから銀を繰り出し、玉頭攻めを展開。 先手は後手の攻めをいなしながら3筋で一歩を交換しましたが、「角の位置が悪くなってしまった」と神吉六段が鋭く指摘。 後手もこれを機と見たのか、9筋からの端攻めを敢行。 「碓井さんが必勝でしょう」と神吉六段が断じたところで譜が切れたので、またまた漫談(?)が再開。
 「僕や山田さんなんかは『ラーメン屋』ですが、中井さんは『中華料理屋』ですね」の発言に、久美先生は「?」。 曰く、ラーメンという一つの味にこだわるのと同じく、一つの戦法にこだわる人と、どんな料理でも出す中華料理屋のように、どんな戦法でも指す人の例えだとか。 久美先生は「碓井さんもそういう意味では『ラーメン屋』ですねぇ」とうなずいていました。

 この後「次の一手」を出題してから、大盤解説は一旦休憩し、指導対局に。 立ち会いの小林健二九段も3面受け持つことになっていましたが、急遽来られなくなったため、神吉六段に2人、久美先生に1人振り分け、それぞれ7面指し、6面指しで指導を開始。 久美先生の方の手合いは平手が3人、飛車落ちが2人、二枚落ちが1人でした。 見ていると下手の方は指し手の速い人と遅い人が両極端。 じっくり指したい気持ちは分かりますが、人数が多いと棋士の方がなかなか回って来なくなるので時間切れに要注意です。
 最初に終わったのは、飛車落ちの高校生(らしき少年)。 下手の振り飛車に対し、上手は角切りから大技をかけようとしましたが、飛車を成らせたのがさすがに悪く、玉が薄いのが災いして必敗形に。 最後は下手が確実に寄せて上手の投了となりました。 次に終わったのも飛車落ちで、こちらは下手が玉頭を攻めるために端に角を出たのが悪く、却って端攻めを受けてしまい、と金作を作られてじりじり攻められ敗勢に。 上手は玉の早逃げも功を奏し、1勝を返しました。 次に平手が終わりましたが、こちらは四間飛車(久美先生は居飛車)の華々しい戦いから寄せ合いになり、最後は久美先生が辛くも逃げ切って勝ちを収めました。

 と、ここで「名人位戦の方が終局に近い」ということで指導対局は打ち切り。 久美先生の残り3局は形勢判断をして指しかけになってしまいました。 終了時間は4時20分とほぼ予定通りでしたが、開始時間が遅れたので時間が少し短かったようです。 すぐさま、大盤解説が再開。 先手は端攻めを受けず、4筋からの攻め合いに期待をかけましたが、後手が玉頭から攻めに攻め、先手玉は見る見るうちにはがされて危ない形に。
 ここで譜が切れている間に投了のタイミングの話になり、谷川王位は投了の形も綺麗だけど、衛星放送がある時は時間配分もうまい、という話題に。 久美先生は「私もタイトル戦でご一緒したことがあるんですけど、終局の後でお会いした時に『放送時間にちゃんと入りましたか』って訊かれたんですよ。 わかっててわざと(時間内に入るように)やってらっしゃるはずなのに(笑)』というネタばらしをしてらっしゃいました。
 局面に戻って、後手に手厚すぎるかと思われる指し手が出たため、神吉六段は「碓井さんが勝勢ですが、ここで自陣に手を戻したりするといっぺんにおかしくなる」と力説。 もしこのまま十数手も中井さんに粘られるようなら逆転模様、とまで言い切りました。 どうも、神吉六段は挑戦者の連敗は盛り上がらないと見て、碓井三段乗りで解説をされておられたようです。 もっとも、碓井三段は心配されるまでもなく着実に先手玉を追いつめ、そのまま押し切って1勝を返しました。

 局後、対局者のお二人に大盤解説会場まで来ていただいて、短いながらも感想戦を。 中井三冠は「銀矢倉にした構想がまずかったのかも」、碓井三段は「良さそうだったけど、ホントにこれでいいのかなって思いながら指してました」とそれぞれコメント。 で、お二人が帰った後で神吉六段が「今の感想戦で出なかったけど、実は好手があるので教えます」と臨時将棋講座を開始。 久美先生はその手に感心され、「これ、今年の名人位戦リーグで絶対使いますので、皆さん報知新聞を買って是非読んでください(笑)」と宣言。 それから神吉六段の初手9八香戦法、久美先生得意の雁木戦法などの紹介をしてお開きとなりました。

 さて、終わってからまた久美先生に写真を撮らせていただき、今後のイベント予定をお伺いしました。 今のところ分かっている予定では、池袋での天童将棋駒祭りと、北九州のイベント(おそらく恒例のハイビジョン将棋フェスティバル)、それと「たしか神戸で何かイベントが……あれ、でも、これはどこかの会社の指導対局かも?」「日刊スポーツで冬山ハイキングの取材をやるんですが、また掲示板に(発売日などを)書き込んでおきますね」。
 いつも色々とありがとうございます。 本日はどうも、お疲れさまでした!

大盤解説前半戦 今日もズボンで指導対局 大盤解説後半戦 お疲れさまでした!

2003年1月22日(水) 女流王位戦予選・対安食総子1級

勝ちました! 次はリーグ入りをかけて新人の村田智穂2級と対戦です。


2003年1月18日(土) 近将カップ・対藤本裕行アマ

勝ちました! これで2回戦進出です。
今後の情報は引き続き近代将棋Webサイトでどうぞ。


2003年1月8日(水) 女流王将戦・対船戸陽子二段

残念ながら負けてしまいました。 1回戦敗退はつらい……


メニューへ現在のニュースへ2002年(前半)のニュースへ2001年(後半)のニュースへ2001年(前半)のニュースへ2000年のニュースへ1999年のニュースへ1998年のニュースへ