1997年1月下旬

1月21日
 今日はお休み。死ぬほど散らかっていた本を片づけ(とは言うものの、本棚がかなり厳しい状況になっているのでつらいのだが)、掃除、洗濯する。夕方から映画「イルポスティーノ」を見る。よかった。いい映画はビデオでもその良さは伝わるものだ。と、最近映画館に足を運んでいない自分を正当化しておこう。感想はこちら。そのほか勢いで「トイ・ストーリー」「ベイブ」も借りてきたが、これはまた今度見る予定。
 雑誌「WIRED」で首都機能移転の特集と本川達雄教授のインタビュー。首都機能移転については、いろいろ視点があるし、東京の一極集中は確かに問題だ。だけど、1市民としていわせてもらうなら、絶対静岡県には来て欲しくない。理念はわかるが、現状の政治システムでは、結局形を変えた箱もの行政にしか過ぎないだろう。一方、本川教授は生物のスケールから生命活動を見るという人で、非常にユニークな視点だ。おすすめの著書はこちらの中に。あと、歌う教授で有名で、NHKに出演したときも歌っていたなあ。あと、スタートレックの生みの親ジーン・ロッデンベリーが宇宙葬にされたそうだ。非常に「らしい」と思う。、
 科学雑誌「SCIaS」によると、現在の中学生の学力は塾が支えているらしい。学校教育はもしかすると壮大な後退戦に入っているのかもしれない。というわけで「<平等主義>が学校を殺した」(諏訪哲二、洋泉社 1900円)を購入。でも、読むと暗澹たるきもちになりそうだ。やれやれ。
 トゥナイトUでは「たまごっち」の話題。週刊宝石の記事をそのまま紹介して、その後のフォローをしていた。バンダイの開発者の女性も生で出演。「危篤になったら死を待つのみ」というコメントが笑えた。よし、買うぞと勢いで決意する。でも、浜松で入手できるのかなあ。と弱気になる。
 先日ひょんなことから、浜松名鉄ホテルのレストラン「ゼフィール」で食事をする機会があったが、ここの遠州の地場産品を使ったメニューはおいしい。特にデザートの「トマトシャーベットのグラタン」は絶品。2月中旬までで、要予約です。1人5000円。
 もう一つ話題といえば、パソコンのある子ども部屋というコンセプトでぬいぐるみ、人形などを扱う「ゴブリン」が、エヴァンゲリオンの綾波レイ人形を入荷するとのこと。ホームページ内のアクションドールのコーナーで扱うようです。濃い人は刮目して待て!!
 外は風が吹き荒れている。明日は飲み会。早く寝なければ・・・。

1月22日
飲み会でス@パアアー酔っている。理由はこちら。

と、書いたところで力尽きて寝てしまった。某所で某氏と一杯やりました。話題の内容は簡単に言うと「アクセス向上委員会」といったところ。どうしたら、アクセス数を増やせるかは、ホームページの主としてはかなり気になる所。某氏の作ったホームページはヤフーでクールマークがついているだけあって、技術的な話などもうかがって勉強になった。そのホームページは、ネスケもMSIEでも同じように文章が表示されるように工夫しているそうだ。アドバイスを聞くうちにうちに、ページの構成をもう一度見直そうという気持ちになる。ただ休みがないので時間がない・・。
今月は10日間の休日のうち8日が15日以前だったので、後半は来る日も来る日も仕事なのだった。

1月23日
 仕事で少し浜松を離れ、引佐郡引佐町の奥山方広寺。山奥なので携帯電話も圏外。でもパソコン持参で更新する。映画MLの未読も整理せねばならぬ。

1月24日
 山奥でのよる仕事も無事終わり、昼食は清水家でウナギを食べる。夜は仕事上の関係者と新年の懇親会。少し風邪ぎみで食欲もなかったが、何となく3次会までいく。で、日記を更新せずに力尽きて眠る。

 驚いたのは、やはりセガとバンダイの合併劇。某地元紙の共同通信の解説原稿は最低だった。もう一つの愛知県系地元新聞(^^;;は共同配信を使っていないので(これはまちがい、解説のサイド的に使っていた)、まあまともな内容。出張先にテレビがなかったので、僕がこのニュースを知ったのは$裏$日本工業新聞赤尾晃一先生の日記。「裏」の緊迫した雰囲気に、1読者である僕も緊張しながら読む。
 1消費者としてみると、かえって企業のカラーが不鮮明になったな印象がある。それに僕は「蒼き流星 レイズナー」を無残にも打ち切りにしたことをまだ忘れてはいない。視聴率が悪かったのはしょうがないと思うが、人の作ったキャラクターで商売をして骨までしゃぶりつくす(ガンダムを見よ!)、という印象はここからきているのだ。ビートたけしに映画を撮らせているのはいいけれど(^^;。
あ、セガについては特に悪い印象はないです。だだ、いしかわじゅん氏風にいうなら、セガって「ビッグ・マイナー」な存在かな。するとリトル・メジャーってN64になるのかな。
 夜の宴会のお相手はセガと多少関係があるとのことで、話題を振ると、「入交副社長はどうなるんでしょうかねえ」と、心配していた。

1月25日
 出勤なのでだらだらと仕事をする。
日経の文化面で、クラシックコンサートの聴衆の質について話題がのっていた。素朴な感動を軽視する風潮、つまり「通」のクラシックファンが「ルール」を知らない素人を馬鹿にしている点を問題にしている内容。どこでもそうだけれど、一見さんの入れない社会(あるいは文化)は衰退するだけだと思う。ネットニュースってそういう傾向があるって本当でしょうかねえ。僕は怖くて手を出していないけど。

その中に、作曲家・指揮者ピエール・ブーレーズが聴衆の成熟の過程を分類している一節があった。
それによると
1 原初の感動
2 情報収集への熱狂
3 知れば知るほど深まる神秘への畏怖
4 前の3段階をすべて備えた謙虚で高度な境地
になるのだそうだ。これは聴衆というよりファンそのもののにあてまはるのではないでしょうか。
さしずめ僕はおたくらしく、2の段階どまりだな(^^;;
 
 昼間、「空想流行通信」などをゲット。最近忙しくて、書評がアップできない。がんばろうと思う。
 夜は藤枝市の実家に帰り、父や妹夫婦と一杯やる。人生の一大決断を下す。

1月26日
 今日は祖父の49日。親戚の人などと昼食を食べて、夕方浜松市にもどる。夜は友人らに電話して少し一大決心を説明する。映画「トイ・ストーリー」を見て感動。僕は好きだな、というか弱いんだなこういうのに。劇中のフリークス・トイズ(勝手に僕が命名しました)に驚いた。

 前日に買った「スーパーロボット大鑑」(メディアワークス発行、主婦の友社発売)は、かゆい所に手が届いておらず、少し欲求不満。むしろ、やや僕の専門外ではあるのだけれど「空想流行通信」(香坂真帆、メディアワークス発行、主婦の友社発売 1200円)のほうが、楽しく読めた。今日は唐沢なをきの「カスミ伝」「カスミ伝S」(アスキー 640円、780円)を購入。

1月27日
 人生の一大決断を会社に報告(^^;;。で、帰ってきて事件屋稼業の3、4巻(関川夏央・谷口ジロー、双葉社 各950円)を読む。泣けるぜー。そしてかっこいいぜー。あと、夕食時に読んだ少年マガジンの「Dr.ノグチ」最終回でも「志を果たさねば云々」というくだりに感動してしまった。俺って単純だなあ。そして、同じ野口英世の伝記でも、わざわざあのマンガで感動する必要はないんだけどなあ、とやや冷静に考える。
 と、思うと「虹色のトロツキー」8巻(安彦良和、潮出版 900円)でもまた感動。僕はこれまで安彦氏の少年性を否定的に捉えていたのだが、もしかするとそれはそれですごいのかもしれないと、ラストを読んで思う。感想はこちら。「とりあえず虹色のトロツキーと事件屋稼業は必修だからね」と理由もなく皆に説教して歩きたくなる。

 先日家に帰ったときに、父が滋賀県大津市の某小学校(関係書籍「インターネットバブル」はこちら)に研究授業の見学にいくという。だから前掲書を貸す約束をした。
 インターネットを使い始めた父は、最近では児童が重油流出について知りたいと言っていたので、さっそく関係ホームページをチェックして児童に渡したそうだ。父は「ボランティアのページで必要な道具、今足りないもの、余ったものなどが克明に書かれていてびっくりした。新聞やテレビの情報だけでは全体像がつかめないことを改めて実感した」と、話していた。それは結構、結構。

 祖父の49日で読経したお坊さんは42歳。若い感覚(笑)で坊主の裏話などを披露してくれて、笑えた。曹洞宗の坊さんは完全にスキンヘッドで服の趣味もヤクザ的なので、ふだん着で会合があった際に当然のようにヤクザに間違われたとか、それから、最近の若い世代には茶髪とかの坊さんもいるという。また、あるお寺の偉い人の孫がやはり坊さんになったそうだが、実は彼はバンド青年なので(ファンシイ・ダンスだねこりゃ)ロン毛のまま坊主をやっていて、しかも誰も注意できない−とか、いろいろあった。
 それから、その話をしてくれたお坊さんは髪の毛が短髪で剃っていないので、親戚が理由を聞いたら「俗世に未練があるからですよ」と、いきなりきついジョークを飛ばしてきた。(本当は浄土真宗の姿勢が非僧非俗という、在家仏教という姿勢があるからなのだそうだ)。
 個人的にはこのお坊さんに「お寺を10倍楽しむ本」とか「浄土真宗ここまで言ったら破門される!」とか書いて欲しい。
 明日は某所でお約束。

1月28日
某所でのお約束で飲んだくれて帰ってくる。一度会社に寄って、後輩と電話。一大決心の波紋の一端に触れる。こうして3月末に向けて飲み会の約束が増えていくのだった。
 今日の某所で飲んだ相手の方にも、日記は当日分が上にあったほうがいい(厳密には新着分は全て1ページ目にあった方がいい)とのアドバイス。指摘の通りで構成の練り直しをせねばと思うが、その暇もなかなかないので、そのうちにやらなければということかなあ。
 大泉実成の東京サイテー生活を文庫で購入する。本文中に登場する人々に無意味に励まされる。
 あと、天空のエスカフローネのBGMベスト盤、攻殻機動隊のサントラ、サニーデイ・サービスの新譜を買う。こんなぜいたくは4月以降許されまい(笑)。
 もうちょっと書きたい気もするがもう2時半なので寝る。

1月29日
 決意の波紋が各所を回って、社内の先輩などから電話での問い合わせなどもある。気にかけていただいて有り難いことです。
 今日はいつもの通り仕事。帰ってきて、試しに僕の嫌いな「脳内革命」の書評に挑戦する。なんか、まだ舌足らずな気もするが、まあしかたがない。浜松の某団体が今度春山氏を講演に呼ぶというが、なんつーか「好きだねえ、皆さん」という感じ。この本読んで講演をi依頼したのなら、なかなかの物好きの集まりだ。タイミングよく文春でバッシングも始まっているし(笑)イワシの頭も信心からだからね(笑)。この本のすごいのは、この信じるという行為だけでも効果があるというその間口の広さだろう。悪口にならないうちに、話を別にしよう。(笑)
 天空のエスカフローネのアルバムは買い徳だった。グレゴリアン・チャントをイメージした曲を始め、バラエィとドラマ性に富んでおり聴きあきしない。管楽器の使い方もなかなか解放感があって好きだ。
久しぶりにアニメのCDなんて買っちまったぜ。
 催眠術師松岡圭祐氏が書いた「テレビもゲームも催眠術」(ジャパンミックス 1200円)。ちょっと世界観が単純で浅い知識でありがちな結論を出しているという印象。帯部分には「おたく世代の文化論」なんて言葉も見えるが、とてもそんなところまでは達していない。もしかすると、これを題材に初めて否定的な内容の書評を書こうかとも思おうが、弱い相手に対して噛み付くみたいな感じもするしなあ。まあ、催眠術師の視点というのは新鮮だったけれどね。
 今週の標語はコミックゴールドで始まった「銀河鉄道999」からの一言。「時間は夢を裏切らない」。どうやら最近感激屋になっているらしい(T_T)

1月30日
 前日はあまりよく書いていない「テレビもゲームも催眠術」だけれど、改めて読んでみると、興味深い視点、指摘はかなりあった。ただ、それが「論」として深まらないことに、もどかしさを感じるのは確かなことなのだけれど。

 ニュースステーションでニューヨークメッツにコーチとして入団した立花さんが登場。久米宏のインタビューっていつ見ても、「ノイズばかり」で「シグナル」が少ないなあと感じる。まあ、報道出身の筑紫哲也とはそこが違うというべきか。立花さんの「野球道から野球にならなくては」という指摘は、運動音痴としては、強くうなずきたくなる。それには、新聞のスポーツ記事の雑感の書き方も変わる必要があるのではないだろうか?
 
 映画「イル・ポスティーノ」に登場する詩人パブロ・ネルーダの伝記を買う。詩がたくさん引用してあるので、あの映画を好きな人にはおすすめだとおもう。ただ出版社は新日本新書なので、ちょっと左派の味つけが強い感じはしますけど、パブロ・ネルーダが党員だったのだからそこはしょうがないというものだ。ただ、こういう本の作者が映画について語る言葉はいつも、かゆい所に手が届かない感じがするなあ。

 トイ・ストーリーの感想をあっちこっちいじり回す。なんとなく形にはなったが、もう少し手を入れないといけない感じだ。見終わった直後はもっとサクサクッと書ける気がしたのだが・・・。着地点がもう少しはっきりするといいのだろうな。

1月31日
 ついに1月も終わりである。なんだかいろいろあった1カ月だった。何しろ西川りゅうじん氏によると20−30代は「リセット世代」なんだそうで(30日付けニッカンスポーツ・NHK草野アナの話題のコメント)、行き詰まるとすぐ「リセットボタン」を押すそうだ(笑)。なんだかずいぶん年寄り臭いコメントだなあとも思うが、リセット世代が増えれば日本の労働市場も流動化して、終身雇用制度に風穴があくのではないかなあと期待もできるのでは、と自らの行動と世代をフォローしたくなる。まあ、退職はリセットには違いないが(^^;;、草野アナの話題は世代論とは無関係な気もする。

 会社の健康管理センターからお手紙。γ−GTPが47ポイントなのでお酒などを控えるようにということだったが、先輩などに話を聞くと異常値は100ポイントからのこと。しかし、こういうお達しがくるとは僕も「大人」の仲間入り(笑)と、実感する。まあ、今日明日はお酒を飲むけど、ここ数日かなり控えてたし、まあいいか、と弱気ながらも考える。


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