1997年2月上旬

2月1日
藤枝の実家に帰る。夕方に父とワインを飲み始めるがあっけなくダウン。午後10時前には寝てしまった。父にγ−GTPの正常値を聞くと50以下とのこと、100というのは少々オーバーな話なのだろうか。「二葉亭四迷の明治四十一年」(関川夏央、文藝春秋 1800円)を読了。つまり裏・坊ちゃんの時代だね。

久しぶりに藤枝の書店に寄る機会があった。地元でも本好きの注目する戸田書店に久しぶりに立ち寄る。すごい。決して広くないのに、さまざまな本がきっちりと並べられている。全集、画集の類もしっかりそろっている。浜松のY書店にもぜひ見習って欲しい。広くていっぱい本があるだけでは駄目なのだ。感激のあまり「漫画原論」(四方田犬彦、筑摩書房 2400円)「戦後マンガ史ノート」(石子順造、紀伊国屋書店 1800円)を購入。会社の後輩に故・石子順造氏の娘がいたことを思い出す。

2月2日
会社の同僚に人生の一代決意について事情説明。喫茶店で軽く話した後、テレビ静岡の屋台骨をエスパルスとともに揺るがしている(笑)メディアシティで昼からビール。御殿場ビールは少し薄口な感じがした。浜名湖ビール@浜北市もさっぱりした印象があったけれど、あれより薄いか?その後カラオケにいって無限に歌う。JR静岡駅で列車に乗ったのは午後10時ごろか?。寝てしまってあわてて降りると、そこはまだ藤枝駅ではなく、焼津駅だった。しょうがないので「テクノスタルジア」を読みながら次の列車を待つ。寒い。

 知人のテレビ編成マンによると、SBS(TBS系)ではウルトラマンティガの数字はなかなかいいそうだ。マンガ日本昔ばなしとの組み合わせは無敵状態とのこと。深夜の「逮捕しちゃうぞ」はマニアがエアチェックのために時間の問い合わせをしてくるんだって。テレビ静岡(フジ系)のムニャムニャアニメらんど「エヴァンゲリオン」は2ー3%とやはり数字を取っているそうだ。
 第1テレビで「まるごと何でも鑑定団」の再放送がなくなったのは、テレビ東京の都合によるもの。どうやら番組がきっかけとなった遺産相続などのトラブルがあることから、再放送の許可を出さなくなったとのことらしい。まあ、他局の関係者は皆喜んでいるらしいが(^^;;
 あとは、企画段階のウルトラQの再放送の実現を望む。

2月3日
 今日は朝は雨だし、夜は寒いしなかなかつらい一日。仕事。今日、新聞か雑誌で小説「五線紙」に関するコラムを見た、とおもったら、このページを見てくださった作者からメールが届いていた。興味があったので、ぜひ作品を読んでみたいと返事を送る。インターネットってすごいなあと改めてその威力を感じる。危険もあるが、可能性も等しくあるということか。と、思っていたらTVで98のCM。竹中直人によると98は仕事の壁を越える道具だそうだが、こういうCMはかえってウソだね。俺、98ノート使っても壁を乗り越えなかったし(^^;;
映画「トイ・ストーリー」の感想の着地点が見える。あとは固有名詞をチェックすれば完成だ。というわけでもう少し時間が必要だ。

情報公開の進歩性について、全国の市民オンブズマンが自治体のランキングを発表。静岡県は四十二番目ぐらいだった。静岡ってぬるま湯的なので、これでいいと思っている人が多いのでは?石川知事に改革を期待するのは苦しいのでは。

3月から浜松科学館でプラスティネーションの展示をやるそうだ。期待がふくらむ。

2月4日
 静岡はドベから2番目だった。有料というのが大きな原因らしい。

 少し飲んで代行で午前零時過ぎに帰宅。明日は休みなのでそのままちょっとネットサーフィンする。小説「五線紙」がさっそく届いているので、明日から読もうと思う。ちょっと覗いたら恋愛モノらしい。と思った瞬間に、恋愛モノというレッテルを張って読んでははいけないな、と反省する。テレビをつけっぱなしにしていたら、スタートレック・ネクストジェネレーション(STNG)をテレビ静岡でやっていた。以前中京テレビで見たのと同じエピソード。さらにつけっぱなしにしていると「エヴァンゲリオン」の時間。背中で見ながら日記を書く。
 
 養老孟司氏関連の仕事があるので、さっそく著書を文庫で買ってくる。実は始めて読むのだが面白い。氏は以前オウムがらみの番組中で、唯脳論をベースにした議論を展開していたが、もう一人のゲスト宮台真司氏とはぎりぎりの所でスタンスが違っていた。(今思うと司会がそのように誘導したのか?)ポイントは唯脳化するのを踏みとどまるのとするには、現実の体験が重要かどうかという部分で、養老氏は重要派、宮台氏は既にそんな体験は失われ「まったり」と生きていくしかない、という姿勢だったと思う。僕はやはり世代的に近い宮台氏のほうが感覚的にしっくりくる。ある種の唯脳化は既に引き返し不能地点に到達しているからだ。と、いうようなことを「インターネットはからっぽの洞窟」(クリフォード・ストール、草思社 2266円)を読みながらも感じる。前半を読んだかぎりでは大切な指摘もあるように思うのだが、いちいち「リアルな体験」を引き合いに出して論ずるのはどうか?とも感じた。ネット上の体験とリアルな体験は別種のものだから、それを同質視するのはどうも落ち着かない。 

2月5日
 午前中は掃除をするつもりだったけれど、めんどくさくなって、映画「クラッシュ」を見に行った。いやー聖人(笑)ではなく成人映画の指定だったので驚いた。といっても決して下品ではなく、なかなかCOOLで楽しめた。特にあの音楽の効果は大きいように思う。たまたま読んでいた養老孟司氏のエッセイにこの映画を解くカギがあるようにも思うのだが・・・。明日は「エビータ」を見に行くつもりだが、掃除洗濯をしないともう限界かもしれない。というわけでホームページリニューアルはもう少し先になりそうな気配(^^;;

 キネマ旬報で年間ベストテン発表。未見だった森田芳光の映画「(ハル)」が予想以上に好評のようで少し意外だった。森田監督は以前は好きだったのだけれど「おいしい結婚」があまりに、ナンだったものだから、しばらく距離をおいていたのだが・・・。ビデオででていたかなあ?機会があればさっそくチェックしよう。しかし、ベストテン作品でも見ているのが少ない。映画ファンとして危機的状況かもしれない。が、まあ数だけ見るなら高校生でもできるしな、と自分を慰める。

夜は「書棚放浪」「映画印象派」に追加する。やっとトイ・ストーリーから解放された。やれやれ。

2月6日
 今日は休みだったので部屋の本だけかたずける。洗濯物も洗濯機の洗い槽に入れただけ。夕方から映画「エビータ」を見に行き、そのまま仕事関連の飲み会に出席。11時過ぎに逃げ出して帰る。
 映画「エビータ」はマドンナをキャスティングしたというその一点で作品が成立している。しかし、ひたすら歌ばかりだったが、舞台版もそうなのだろうか?アンドリュー・ロイド・ウエーバーは劇団四季のキャッツとオペラ座の怪人しか見ていないので、よくわからない。歌で描けない部分は役者のキャラクターから感じさせるという判断はグッドではないだろうか。ベストテン風にいうと、クラッシュはベスト3以内だが、エビータは6−4位ぐらいかな。ただ、歴史ものということもあってか昔のミュージカルとは結構ノリが違う感じがした。

 トイ・ストーリーのパート2を作るならどうするかという、妄想がむらむらとしている。アンディが大人になり、ついに彼らの役割が終わるとき、バズはウッディはどうするのだろうか。彼らはきっとしまわれたダンボール箱から飛び出して、アンディにメッセージを残すと、オモチャの新天地を目指して旅をするのだ。と、ここまで考えて思った。これは「ウオーターシップダウンのうさぎたち」みたいだなあ。あるいは、オモチャが人間になれる場所があるのでそこを目指す、とすると「綿の国星」になってしまう。やれやれ。個人的にはそのほかにも、古くなって死んでしまうオモチャの一日とかあるいは「シリーシンフォニーシリーズ」みたいな話もあの映像でも見てみたいのだが(^^;これは好みだから他人とは共有出来ない話題だな(^^;

2月7日
 会社の先輩と食事をして午後11半ごろ帰宅。今日は「スタジオボイス」のエヴァ特集号をゲット。内容的にはまあまあ。ただ佐藤健志さんの評論はいつもと同じで、よく分かると同時にそれは違うんじゃないかという感想を同時に思った。ともかく、キャラクターだけに気持ちを預けてみている限り、日本のアニメに将来は無いなあという実感は、この特集を読んでもおもった。それから、世界救済にこだわる父碇ゲンドウを「宮崎駿」になぞらえているのは面白かった。僕の岡田斗司夫氏説より正解に近いかも(^^;

 本屋で「じゃまーる」の表紙の伊達杏子をみかける。なんかトンでる感じのコントラストで、げんなりするぐらい表情が薄っぺらい。これなら名もない女の子の営業用スマイルのほうがまだましだ。と、思っている俺もアニメのキャラクターだったら点が甘くなるから不思議なものだ。

 探偵ナイトスクープを見ていると、岡部まりさんが今年の1月で37歳だという。僕と9つ差だが(だからどうしたと言われると困るが(^^;;))ゆるーーす。OK、OKという感じである。僕は俳優ではなくて映画のキャラクターを好きになる方なのだが、彼女は俳優としての姿を見ずにファンになった唯一の人なのだった。(アイ・オー!は未だ未見である)

2月8日
 仕事といっても土日の出勤は要領さえよければなんとでもなるのだった。というわけで今日は社宅の掃除をして床屋にまで行ってしまった。夜勤なので夜はホームページの更新をしながら、午前1時まで過ごす。

 今日社外で仕事をしていたら、うちの会社の重役と知り合いだという人が現れて閉口した。しかも、「俺の意外な姿の写真を撮れば「どこで出会ったのか」と興味をもたれて表彰もんだぜ」とか「ほら携帯電話にも電話番号記憶させてるだろ。今かけてみせようか」とか、「あんた基地外か」と言いたくなるくらいしつこく、いかにその重役と親しいかをアピールしてきた。うっとうしかったので、あいまいな笑顔を浮かべて「そうですか」といってやり過ごしたけれど、こっちの名前を名乗るのも嫌だった。僕はあまり人の好き嫌いはしないようにしているが、こういう態度だけは我慢できないのだった。

 夕べは岡部まりさんを「俳優としての姿を見ずに好きになった唯一の人」と書いたがそれはウソでした。<(_ _)>もう一人緒川たまきさんがいたのだった。彼女はNHK「ソリトンサイドB」の司会でハマりました。ドラマ「龍馬におまかせ」とか映画「ルビーフルーツ」(だったかな?)はその後でたまたま見たのですが、この2つではそれほどハマりませんでした。
 昨日も書いたけれど、僕は物語とそのキャラクターの方を優先して好きになって、その結果その役者さんとが気になるようになることもあるというパターンを踏んでいます。だから例えば、吉野公佳というのは映画版「エコエコアザラク」の黒井ミサだし、内田有紀ならテレビドラマ版「時をかける少女」の芳山和子、高橋由美子は「南君の恋人」の堀切ちなみ、中山忍は「ガメラ」の長峰、という風になっていて、そのほかのドラマなどに出演しても基本的にはどうでもよい場合が多いのでした。
 いわゆる演技派の俳優さんなら別だけれど、アイドル系は基本的にこのパターンなので、CM美少女関連というのは以外に弱いのだった。だから、まだ篠原ともえって見たことないんだよなあ。

 週刊オタクウイークリーで大塚英志氏のコラムが興味深かった。内容は少年マンガを取りまく環境の再編を取り扱ったもの。角川書店「少年エース」をつまりテレビランド(だったかな)に例えたことは的確な表現だったと思う。
 一方書店には、少女マンガ再編成の先兵(?)講談社の新雑誌「ami」が並んでいる。中身は見ていないが、山岸涼子と武内直子が同じ雑誌で読めるとはなんだか不思議な感じだ。そういえば今日はセーラームーン(セーラースターズ)の最終回だ。僕の中ではセーラームーンは劇場版の「R」で終わっているので、いまさら何の感慨もないのだが、多少の不協和音は見てとれてもアニメとマンガとスポンサーの幸福な相乗効果だったのではないだろうか。
 ちなみにドラゴンボールはアニメの後半、話のテンポが異常なまでにのろくなってしまったので、僕としては「幸福」のうちにカウントしていない。しかも、鳥山明はドラゴンボールでどうやらついに壊れたようにも見受けられるしね。やはりこれはDrマシリトの責任(あるいは差し金)なのだろうか。それから、バスタード本誌復活と引き換えのように「レベルE」は終わるのも、「消えたマンガ家」は消えたままにする(^^;という方針なのかもしれない。
 そういえば、手塚治虫文化賞は、受賞作発表後、各委員の選考理由などをまとめた本を出版するそうだ。これをやってくれるのならば、この賞に対する評価もやや変わる。ただ受賞作についてはどうでもいいと僕は思っている。むしろ選考の過程(この場合は投票だけど)で、日の当たらないマイナーだけどいい作品に陽があたることの効果があるだろう。これはなにもそうしたマンガの作者のために言っているのではなくて、僕がいろんなマンガとふれあうきっかけとなることを期待しているからなのだった(^^;;

2月9日

 今日は夜勤明けなので午後1時から出勤。出勤前に「戦後マンガ史ノート」の感想を概ねまとめる。昼間、IY書店有楽店へいって、クラッシュのサントラとアニメタル2を購入。来週は金運が良好なので、なにも気にせず購入する(^^;; ・・・すみません、気にしてないって嘘です。
 でも、クラッシュのサントラをカーステレオで聞くとなんか不思議な気持ち。一層交通安全に気をつけるようになったりして(^^;;

 書店でアマチュアのミニコミ(?)誌「イージーライター」(発行元は静岡県掛川市)を購入する。コンセプトはカルチャー・コミュニケーション・マガジンとのことで、とりあえず創刊号は、編集部の3人が中心となって自分の思っていることを書き連ねている。一番おもしろかったのは、村上春樹の文体を真似て人生相談に答える「ハルキに聞け」。一発芸的な側面もあるので、今後の展開により一層期待したい。でも、彼らは何故出版という手段を選んだろう?確かに巻頭言でも「時代に逆行しているかもしれない」と書いているので確信犯だとは思うのだが、コストなんかを考えるとなあ。今後はコミュニケーションの方向の(つまりコンテンツホスティングのしっぽのようなものだろう)を目指すにしても、現時点で個人の思い入れにどれほど人々がお金を払うかというと、やはりオンラインのほうが楽じゃない?と言いたくなるところもある。(創刊号は420円)でも、こういうカオスこそ遠州地方には必要なことだと思うので、是非がんばって内容を充実させてほしい。

 テレビで「シザーハンズ」。吹き替えはまずまず。この映画ってオタク賛歌の色合いって露骨だなあ。だから好きなんだけれどね。フランケンシュタインの再話ともいえるだろうけれど。1説によると物語の全てのパターンはシェークスピアがやり尽くしているそうだ。それもさもありなん。

 夜は再度「ねじまき鳥クロニクル」に挑戦する。しばらく夜のお供はこれにするつもり。いや、そうでないやつも読みます(使います?)よ(^^;; お約束、お約束。
2月10日
 後輩らと一杯やってカラオケへ。けっこう酔っ払いながら帰ってきた。何かいろいろ書こうと思っていたこともあったが、この状態では何を語ることもできまい、といった状況。明日はちょっとしたお楽しみの日なのでさっさと寝ようかな。
 それにしても、最近仕事がらみでホームページのアドレスを聞かれることが多いが、皆さんこの日記を読んだら、日記猿人のボタン押してみて下さいね。いや、別にランキングというより、読んでくれている方がいるという実感が欲しいときが2カ月に1度くらいあるのです。ねむい。


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