セプターズカップ2001用ブック
松岡(セプター名:マヅポカ) |
日付 | 区分 | 大会名 | 結果 |
01/13 | 店舗大会 | ベスト電器福岡本店 | 優勝 |
03/04 | 全国大会 | セプターズカップ本選大会 | 二回戦敗退 |
[予選マップとしての転送×転送] その点この「転送×転送」も「目指せ王国」と同様にシンプルなマップである。一度マップ分析を済ませてブックを組んでしまえば、対戦中に難しい判断を迫られることは少ないし、マニュアル通りにプレイすることで一定の成果を出せるという意味では、非常に予選向きのマップであると言うこともできる。 オリジナル度も高い。「とりあえずヘイスト」「とにかくパーミッション」で適当に走っておけば間違いないといった、従来ありがちな高速周回は通用しない。 「必要なタイミングで必要なスペルを使う」「スペルとスペルを組み合わせる」など、パズル的な発想が要求される。生成魔力を過少に設定したのも、妨害行動を抑制して自分の手重視のプレイングを推奨するためかもしれない。 しかしその評価も、「ホーリーワード」が使えれば、「マナ」が使えれば、の話である。城がある周回円を除いたマス数36のうち、城方面への転送円はわずかに4。ダイス目による城への帰還が困難なこのマップは、ライフフォースの格好の餌食なのだ。 1周平均4ラウンドの高速周回マップは、ライフフォース被弾で1周さえ困難になる。土地も魔力も少ないこのマップで花咲かセプターに出来ることといえば、ただ無為にダイスを振ることのみである。 ダイスを振ることしか出来ずに、次々とカードを捨てさせられるセプターのストレスがいかなるものか、対戦会慣れしたセプター諸氏はご存知のことと思う。ライフフォースの構造的欠陥を理解した上で、「カルドセプトというゲームは本質的にそんなもの」と了解済みのセプターならば問題は無い。 しかし、カルドセプトというプレイステーション用ソフトを購入したほとんどのセプターにとって、店舗予選は初めての対人戦の(もしくは初めて見ず知らずの“他人”と対戦する)舞台となるはずである。 カルドセプトは人と対戦して初めて面白さが伝わるタイプのゲームであるが、そんな対人戦初挑戦のセプターが30ラウンドのあいだ延々とダイスだけ振らされた時、彼らはカルドセプトのことを好きになってくれるのだろうか? 個人的な意見としては、ルールに制限を加えてもよかったと思う。ゲームバランス的には「ライフフォース中のセプターに対するリコール禁止」くらいが丁度よい気がするが、これはちょっと面倒な判定が入るため、主催者側・参加者側共にカルドセプトに通じていない店舗では実現不可能である。 よって私は、「Eカード及びライフフォースは各1枚まで」というカード制限によって解決するのが次善の策と考える。これならば(ルールをそうするに至った理由を理解していただけるかどうかはさて置き)運営自体はそれほど難しくはなく、良好なバランスの下で楽しい店舗大会を実施できたのではないかと思うが、どうだろう。
[マップ分析] よって、最重要カードは「ホーリーワード6」。主に城から上円に向かうために使い、終盤では上円や城円に移動した直後の他セプターにかけ、6マス先の土地で通行料を奪う作戦にも利用できる。 1ラウンド目の手札にホーリーワード6があるかどうか。これは「目指せ王国」における「パーミッション」と同等の位置付けである。高速周回からの要請もさることながら、ライフフォースへの防御策としても、ダイス目だけで城へ戻りやすい上円にいることが重要だ。 次に「リコール」。東西の砦を通過した後、城に帰還するのが難しいこのマップでは大変重宝するカードである。局面によっては、城からのホーリーワード6に繋げるため、転送円で城円に戻ってきたときですら敢えてリコールしてもいい。また、ライフフォース中のセプターを城に飛ばすことも出来る。ただしこれをやられたセプターは ほぼゲームセットとなるほどに辛辣な一手なので、その重みを十分に理解した上で実行しなければならない。 リコールはめを行うことで自身の勝利が決定的になるならともかく、勝ち負けの流れに反する状況で安易に使ってしまったとすれば、相手からショップのトイレへ呼び出されても文句は言えまい。 その他、「ホーリーワードX」は、(1)上円の転送円上で使って砦2つを通過しつつ城に戻ってくる用途、(2)城円に帰ってきた直後の転送円から城を通過して再び上円に戻る用途、(3)城円から左右の円に飛んでしまった時に上円へ行く用途、などに使える。 リコールとホーリーワードXを前提とするなら、これらと相性の良い「パーミッション」を加えることで、より高速性が増す。 クリーチャーは、4つの円を自由に行き来できる「ドリアード」が有利。その前提で地属性が有利と言えるが、聖堂が無いうえ150Gが極めて辛いマップなので、「ワイルドグロース」を入れてまで地属性に拘る必要はなく、そのとき取れた土地の中から適当な属性を連鎖して勝負すれば良い。 そこでバラ撒きクリーチャーの出番だが、「マミー」はこのマップで「ミルメコレオ」に匹敵するバラ撒きクリーチャーである。 誰もが魔力不足状態で苦しんでいるため、マミーを倒せば相手に楽をさせてしまう。その思いが、倒しても倒さなくても良いような局面で、マミー倒しを躊躇させるからだ。もちろん、本当に倒してもらっても構わない。 いずれにしても、40G以下の低コストクリーチャーは必須。全クリーチャーの平均コストが60Gを越えてしまうとかなり厳しい。土地条件、配置制限、生贄などを要求するクリーチャーは、何か明確な狙いがない限り避けたい。とにかく周回することに忙殺されるため、手の込んだコンボを用意してもやってるヒマはない。戦闘アイテムはコストやクリーチャー相性の面で可用性を高め、シンプルな決定力を持たせることを念頭に置く。 大抵の妨害スペルはコストに見合わない。「ライフフォース(80G)」はその威力ゆえ別格として、あとは大枚はたくとしてもせいぜい「ホーリーブライト(80G)」「イビルブラスト(100G)」までだろう。これらですら大出血ものの痛さであるし、序盤に引けば絶対に使えない。「アンサモン+ドリアード」は200G+75Gの価値に見合うが、誰でも狙うベタな線であり警戒される上、コスト的な可用性も低いので、ブック相性と局面に恵まれなければこれを成功させるのは難しそう。
予選用ブック: Arena1(1/13時点) |
Creature | 17 | Item | 03 | Spell | 30 |
スチームギア | 2 | ライフジェム | 3 | オムニポーテント | 1 |
デコイ | 3 | バリアー | 2 | ||
オルメクヘッド | 3 | パーミッション | 3 | ||
ドリアード | 2 | ホーリーワード6 | 4 | ||
マミー | 3 | ホーリーワードX | 3 | ||
ミルメコレオ | 4 | マナ | 3 | ||
ライフフォース | 2 | ||||
ランドトランス | 2 | ||||
ランドプロテクト | 2 | ||||
リコール | 4 | ||||
リンカネーション | 4 |
[プレイング] 「転送×転送」のようなパターンが限られたマップでは、想定されるケース毎に行動のフローチャートを作っておくと良い。特に序盤は やることが決まっているので、フローに従ったオートマチックプレイを心がける。特に公式試合ではテンポが重要である。 相手は見ず知らずの人であり、公式戦の独特な緊張感もある。つまり、警戒心は強いにも関わらず、思考的にはホワイトアウトしている状態なのだ。 そんな中、何でもないところで長考すれば、本当に何でもないのに他者の余計な警戒を受けることになるし、逆にまるで考えていないかの如くサッサとプレイすると、相手も手拍子で打ってくれるため、こちらの甘い主張も意外と通してくれたりする。 試合前に決められることは決めておき、試合中に余計なことで悩まないようにすれば、他人に迷惑をかけないだけでなく、自分にとっても目に見えない大きなプラス効果が期待できるだろう。 高速周回の基本パターンはマップ分析で述べたが、私は「自分にとって都合のよいシナリオが通ったときに勝てれば十分」という姿勢であるゆえ、フローチャートが一般的なものと多少異なる。例えば、序中盤に左円へ飛んでしまった場合。 ホーリーワードXの一般的な使い方として「左右円から上円への移動」を挙げたが、私はすぐにホーリーワードXで上円に移動することはせず、まず普通にダイスを振る。
ダイス1
ダイス2,3
ダイス4,5
ダイス6 要は、ブックや戦術を理論で叩くだけ叩いたら、あとは悪いことばかり考えないで局面局面を勝負するということ。これは私が第1回大会の頃から最も大きく成長した部分であると思う。 あの大阪予選では、それができなかったために負けた。高額地を奪えず通行料を払うことなぞ想定してどうするというのだ。今なら間髪入れず「マナよりライフフォースが先」である。 カルドラ様はそういうセプターの明確な意図を汲み取ってくれるものだと、私は信じている。 以上を踏まえ、パーミッションはドロー即使用が鉄則。都合のよいシナリオにおいて、上円移動直後のダイスは多分2だし、万が一そうでなくても次ラウンドでリコールを引くので、たとえ上円に行ったとしてもパーミッションだ。 そして最後に、肝心要のライフフォース。ライフフォースでハメられたら負けだが、それは考えてもしかたがない。5,6回店舗予選に出れば、そのうち1回くらいはかけられないときがあるだろうから、その時に勝つ方針。 逆に、自分からもライフフォースを乱発しない。目安としては20ラウンド。これより前では、たとえ大きなダメージを与えられる局面であったとしても、ゲーム展開や相手のアクションに相応の事情が無い限り使わない。序盤に80Gものコストを払って4人対戦を3人対戦に変更したところで、大したメリットが無いからである。 ライフフォースをかけられなかったセプター2人が、次に何を考えるかは誰にでも分かる。きっと数ラウンド後には彼らの2人対戦となり、そのうち最初にライフフォースをかけられたセプターが復帰して3人対戦となることだろう。 かけた相手セプターの勝利が消え、そのうち彼の頭上の花が消えたとしても、序盤から不当に自由を奪われた恨みや、その仕打ちを目撃した恐怖が、対戦相手の心から消えることは無い。ライフフォースを行使する者は、そのことを肝に銘じておくべきである。 ライフフォースの出番は、終盤の勝負局面で相手が大きく動いたとき。かけるからには、確実に仕留められる状況でなければならない。「転送×転送」において、ライフフォースとはそういう禁呪にも似たカードであると思う。 ちなみに「ランドトランス」は、序盤では非常事態のマナとして機能し、終盤では一発逆転の飛び道具となる。ある意味、ライフフォース(で出遅れたときの)対策と言える。 ライフフォースを受けつつ我慢してクリーチャーをバラ撒き続け、ライフフォースが解けるや否や、最下位からランドトランスの一撃に賭けるというシナリオだ。むろん、最後まで解けないケースは想定していない。 |