1997年4月上旬

4月1日
 今日はエイプリルフール。といっても、こんな気の利いた話題を提供できるほど、センスもないしなあ・・・。とりあえず、車を人にあげるために洗車しに出かけ、ついでに書店に寄る。購入したのは雑誌ばかり。WEEKLYプレイボーイ4月15日号、小説トリッパー春季号、日経アート5月号、AB・ROAD4月号、SFマガジン5月号。帰りは母親のためにタカラブネでジャンクなシュークリームを買って帰る。
 
 よく拝見するいくつかのページで話題になっているので、つい買ってしまったSFマガジン。狙いはやはり「緊急フォーラム SFの現在を考える」である。とりあえず、スタンスを明らかにするためにも僕自身のSF歴(というほどではないのだけれど)を簡単に説明する。
 
 【小学校時代】
 TVアニメ放送と同時にファンになり、キャプテン・フューチャーの原作を読み始め、エドモンド・ハミルトンの名前を覚える。これにはけっこうはまったが、同時に、舞台が宇宙でなくても成立するのではという疑問も持ち、わずかばかり悩んだことがある。あと、ジュブナイルで福島正実、眉村卓などを読んだ。スター・ウオーズにも燃えた。(このころ好きなアニメは、ヤマトから始まり、未来少年コナン、ザンボット3、999、ガンダムと続いていく)
 【中学校時代】
 小説で「2001年宇宙の旅」を読む。何度目かのリバイバル上映に合わせての再版だったはず。これから高校時代にかけてアーサー・C・クラークの作品はそこそこ読んだ。日本SFでは、日本沈没を海辺でのラブシーンを楽しむために読む(笑)。小松左京では「見知らぬ明日」ってのも読んだなあ。これも艶っぽいシーンを覚えている。(いや、それだけではないんだけど)。日本沈没は、なんでこんな現実的な話がSFに分類されるんだろう、とぼんやり感じる。(これはもしかすると小学生の時かも)。さよならジュピターも原作を読む。それから、アニメ化に先立ち「クラッシャー・ジョウ」の連帯惑星ピザンの危機(こんなタイトルだったはず)を買って「こんなにアクションが多いのなら、アニメで観た方がいいや」とそれほど気に入らなかった。一方、幻魔大戦はかなり買いそろえて、新、真も買っていた。うーん、はしかみたいなものだ(笑)
(このころは富野アニメを中心としたサンライズ作品とやはりマクロス、それにうる星やつら、である)
 【高校時代】
 田舎の中学校出身者だったので、高校生になってSFファンという人がいることを知る。高校時代はほとんどSFって読んでいないのではないだろうか?でも「星を継ぐ者」には感動した。「たったひとつの冴えたやりかた」(これは表紙で買った)を読んだのが高校時代だったかも・・・。高校2年の時に大江健三郎にはまり、そっち方面をよく読んでいたため、あまり興味が沸かなかったのかも。ソノラマ文庫で朝松建、笹本裕一、コバルト文庫で火浦功を読む。
 【予備校・大学時代】
 あらためてちょぼちょぼと読む。海外ものでは「神々自身」「永劫」、日本では神林長平の「敵は海賊」シリーズ(未読作品あり)、夢枕獏の「上弦の月を食べる獅子」(これってSFでいいのか?)。
(ファンタジーでは、海外ものでランドオーヴァーシリーズ、グインサーガを、当時の知人(笑)に勧められて読んだ)。逆恨みのネメシスの表紙(竹宮恵子)にひかれて、星へ行く船シリーズを遅ればせながら読む。
 【第1期社会人時代】
 知人に勧められ大原まりこ「銀河ネットワークで愛を歌ったクジラ」を読む。神林氏では「言壺」「猶予の月」を楽しむ。このころになると、SFという意識がほとんどなくて、面白い(頭の中である種の興奮が味わえる)小説かどうかという基準で適当に選んで読んでいるだけになる。そのため、ソノラマ文庫などはほとんど買わなくなる。JM公開に合わせて、ギブスンの「ニューロマンサー」と短編集を買うが挫折する。ああ、「パラサイト・イブ」「リング」(ホラーというべきか?)といった県内出身作家の作品も読みました。付け足しだが、今ごろスター・トレックファンになる。
 そこから進んで、最近は小説そのものをほとんど読んでいない。

 というSF者ではないという前提で、SFマガジンの記事を読むと・・・・。

 まずこの反論が書かれた原因は2点。日経文化欄のコメント「捏造」と、本の雑誌のタイトルがその狙い以上に刺激的だったこと。この部分を除くいてみると、僕がこの特集を読んで分かったことは「作品的にはいいものもあるが、いちげんさんお断りの面はある」「一般読者とコアな層ではSF観に差がある」というすごく当たり前のことだった。
 これっていわゆる純文学不調という話題と構図は同じじゃないかなあ。だから、整理しちゃうとあまり新鮮味のない話題みたい。ただ、純文学って賞でもからまない限り、話題にもならないジャンルに既になっているから、そこはSFとは違うかも。
 僕はSFの魅力というのは認めるけれど、あまり普通の人はSFへのニーズを持っていないのでは。乱暴な言い方をすれば、普通の人は「いいキャラクター」(感情移入しやすかったり、ある種の問題提起があるということも含む)と「面白い物語」であれば読むと思うし、それがSFであろうがミステリーであろうが関係ないと思う。こうなると、SFっていうのはあくまで背景の部分に下がってしまって、今のSF業界の状況だと非主流といわれるんだろうなあ。
 だから、「一部のファンに向けているだけだけど充実した作品が多い」と言われれば、それはそのとおりで全く氷河時代ではないわけだ。ただ氷河時代でないことが、そのままライトユーザーを獲得する能力があるかというとそうではない、ということだと思う。
 で、どっち側にスタンスをおくかで、状況はさまざまに見えてくるわけだ。僕は特定のジャンルに思い入れを持たないようにしているので、SFに限らず書籍全般について、おもしろそうだったら読むし、興味をひかれなければ読まないというそれだけのことだけど。
 ただ、日経の記者は反省・謝罪した方がいいと思うぞ。

週刊プレイボーイについては2点。
 田中康夫氏の村上春樹「アンダーグラウンド」に関するコラムは、説得力もあるけれど、同時に疑問もひとつ。いくら出身地だからといって村上春樹が「アースクエイク」を書かなければならない理由にはならないのでは?書かれなかったものを、書くべきというのはちょっと難しいように思う。
 続けて新しい学力観を問題にした記事を読む。いつから学校はトータルな人間性まで評価する機関になったのだろうか。「いい人間」を学校で育てられるなんてのは幻想なのだ。学校は基礎学力に加えて、多様な価値観、多様な人間がいることが分かればいいのだ。その先を求めすぎると、ただツラいだけの場所になるぞ。

 日経アート購入の目的は「緒川たまきと歩く、銀座、京橋、日本橋」。緒川さんちょっとやせたのかなあ。あるいはブラウン管じゃないからかな、と煩悩全開である。←バカ。

 最後になるが、某地方紙のコラムが、またもや新社会人に対し「他人が育てた企業に身を置くのだから、 そこで働くことに感謝の気持ちを忘れてほしくない。世話になりながら不平不満を並べるのはやめよう」(要約)と、たわけたことを書いている。まあ、今さら怒ってもしょうがないので、エイプリルフールに免じて、見逃してやる。

4月2日
 今日は午後、家族で花見に出かけた。車で藤枝市内の蓮華寺池公園、瀬戸川の土手などを訪れると、場所によってはもうかなり花が咲いていた。平日というのに家族連れや高齢者、中学生などがかなりいて、瀬戸川の河原などでは、シートを広げて宴たけなわな団体もかなりあった。
 
夕方、ついに車を米国人男性に渡した。車に乗って彼の自宅までいくと、彼は彼の姉とその息子などといっしょに田貫湖へキャンプに出かけて、帰宅したばかりだった。キャンプ場には露天風呂もあったりして、なかなか楽しめたという。キーや車検証などを手渡し、「必要な書類があれば、また言って下さい」と言って、戻ってくる。
 
 夜は液晶プロジェクターで映画「プレタポルテ」を見る。途中で夕食時に飲んだワインが効いてきて、途中で寝てしまった。そして就寝前に学生時代の後輩のページを覗くと、なんと結婚するという告白が・・・。
 おめでとう(この言葉に過剰反応する自分がバカに思えてくる・失笑)。というわけで、わけのわからないことを書いたメールを送る。そういえば、彼は次男なので婿に入るというそうだ。>やはり婿の浜松市在住のMAC教の方。
 しかし、彼の日記にある家族カラオケの様子を読むと、話には聞いていたがずいぶん濃い兄妹ですなあ。そういえば、アニメタルマラソン買わなきゃ。

4月3日
 昨日は、後輩のページで結婚するという告白が・・・と書いたが、あれは何とエイプリルフールのネタでした。私、まんまとだまされてしまいました(^^;ちくしょー(笑)。1日遅れで読んだ上に、日付を確認しなかったのが、敗因である。えーい、笑いたい奴は笑えー(←ヤケになっている)。

 今日は父の買い物を手伝いながら、映画「ダンテズピーク」を見る。dts方式のサウンドはなかなかの迫力で、リアルな特撮と相まって、臨場感は満点だった。あとは、犬が助かって、高齢者が死ぬという、「お約束」がしっかり守られていた、というぐらいかな話題は(笑)。こういう大味な映画のデティールに突っ込んでは失礼(笑)だから、多くは語らない。見るなら劇場で見ないと損だが、大人料金を払って損をしないかというと、これまた微妙なところである。

 ついでにいくつか雑誌を購入。
 SPA!4月9日号ではノンフィクション作家の大泉実成氏が「アンダーグラウンド」を書評。「(力仕事を)やり抜き、しかも記念碑的な作品として世に送り出した点は、どれだけ評価されてもされすぎることはないはず」と高く評価するものの「ノンフィクションやっている人間が「事実の重み」なんて言い出したら終わりなので、それをしゃらっと言ってしまえる小説家がうらやましくもある」と、村上春樹のノンフィクションに対するあまりに純真すぎる姿勢を指摘する。また、1人称の使い方を例にとり、小説家としてのこだわりが同書のどこにあるのかが疑問だと、問題提起もしている。

 SPA!ではもう一つ、「ゲームのココロ」で、「リアルサウンド」を題材に飯野賢治インタビュー。一応、インタビューは次号にも続くということだが、インタビュアーが飯野賢治の姿勢そのものを問題にしたので、なかなか重たい雰囲気の内容。ただ、リードで「出だしのきまずさ」なんて書いてあるのは、インタビュアーがわざときわどい所を攻めたんだから、言い訳めいて見えた。
 飯野氏は「どの雑誌でもボロクソに評価するけどID4で泣いた。リアルサウンドもそういう感性でつくっている」とのこと。ちょっと意図を計りかねる。だいたいどこで泣いたのかなあ?大統領の演説かあ?「ID4は突き抜けたバカさが魅力」と僕は考えているので、泣ける場所というと「アメリカ浪花節」的な部分しか思い当たらない。(これについては映画印象派で書いた通り)。もしそうだとしたら、僕には「リアルサウンド」は合わないだろうな。(←その前にサターン買えよってか・笑・)
 それにしても、飯野氏は批評に対してルサンチマンがたまりまくっているという印象。

 そういえば、いささか旧聞に入るが、IE3.0にセキュリティーホールがあるとか。このニュースが流れる少し前に、パソコン購入を検討しているという若い女の子が「買ったら、ホームページを壊してあげるね」と笑っていたが、もしかして彼女はこの秘密を知っていたのか?(←ないない。絶対ない)

 浜松工業の試合は雨で順延となった。 

4月4日
 浜松工業のエース、伊藤が天理打線につかまった。高めを狙ったのつり球が中途半端に浮いたところを、天理打線は初回から見逃さず、積極的に打ちにいった。初回に3点を計上、2回にもラッキーなヒットなどで1点を取られ、4ー0と一方的な展開。(;_;)
 3回には初回に中前打を放った浜工・中村がまたもや中越えの3塁打を放つが、後が続かず残塁。浜工は散発的に安打はでるものの、打線につながりがなく、得点に結びつかない。その後、6回にも内野安打とエラーなどで2点を追加され、浜工の命運は尽きた。その後もさらに1点を献上して、試合は終わった。
 やはり伊藤の不調が最大の原因。それにタイムリー・エラーが重なって、全く浜工らしからぬ試合展開となって自滅した。昨年春の2回戦も同じ負け戦だが、内容は大違いだ。残念である。やはり8強の壁は厚かった。

 昨夜はSBS(TBS系)の全国ニュースで、台湾製パチモン(笑)「たまごっち」こと「ニューたまごウオッチ」の話題を取り上げている。たまごっちのプログラムがどれくらいの難易度なのか分からないけれど、性能に差がなければ、パチモンでもいいから欲しいな、僕は。パチモンが生産中止になれば本物よりもずっとレアなアイテムになるだろうしね(そういう意味でも、バンダイが法的手段に訴えることを期待する僕)。理想は本物とパチモノを両方手に入れて、同じように育ててその差異を楽しむということだけれど・・・。

 夕方、静岡第一テレビ(日本テレビ系)でドラマ「他人の不幸は蜜の味」の再放送が始まる。この中では何と言っても、いつもおどおどしている相楽晴子扮するアシスタントがGOOD。相楽晴子は「バカヤロー」でもおどおどしていた庶民的な娘を演じていたが(さいごにキレるのもなかなかよかった)今回もそれに通じる役柄。僕は本放送でおおむね見たのだけれど、作品トータルの完成度より、相楽晴子の暗いアシスタントを見ていたという方が正しいかも。まあ、すぐに垢抜けちゃうんだけどね。
 相楽晴子といえば、どついたるねん、とか、恋する女たち(これも出演していたよねえ)もなかなか印象深い。そうそう、私はスケバン刑事は見ておりませんので、なんとも言えません。

 このドラマは少女漫画家を題材にとった作品なのだけれど、きっと業界の人がみたら失笑するようなところもいっぱいあるだろうなあ。部外者の僕にはわからないけれどね。そう思うと田原俊彦の「日本一のかっとび男」も、業界の人が見れば笑えるかも。

 明日は名古屋へ出かけて一泊する。

4月5日
 6日に後輩の結婚披露パーティーがあるので、名古屋へ向けて出発。ちなみに、この後輩は女の子で、エイプリルフールに僕を騙した(笑)悪い後輩とは別人ですけどね。

 蒲郡の親戚に出産祝いにでかける両親に、ついでにJR蒲郡駅まで車で乗せていってもらう。外は桜を散らす無情の雨で、高速道路も見通しが非常に悪い。「これは、お前の人生みたいだな」と、父が笑いながらいう。俺が後輩からかって遊ぶのは、この人の影響を受けたからだな、と実感する。

 名古屋に到着すると、定宿である先輩宅に荷物を置いて、夜は翌日のパーティーに先立ってサークル関係のオフ会に先輩とともに出かける。参加者は悪い後輩、その彼女、悪い後輩の同期、先輩、僕の同期の6人。錦3丁目の居酒屋「いろはにほへと」で飲み始めるが、午後5時過ぎにして名古屋コーチンの料理が「きらしております」と、きたもんだ。なめてるな。6人のうち4人がエヴァを観ているという偶然もあって、その関係の軽い話題や、それからパソコン関連の話題、サークルの現況(悪い後輩の彼女は引退したばかりだが19代目の団長であらせられる。ぱちぱち)などで、バカをいいながら飲む。
 悪い後輩とその同期はマックに軸足。「WIN95を使ってから、3.1を使うような、使い心地の悪さをマックユーザーは他のパソコンに関してずっと味わってきたのだから、性格も悪くなろうというものだ」(こんな趣旨だったけ)「(先輩に対して)デファクトスタンダードだからWINを使っているというのに、ゲーム機でN64を買うとはどういうことだ」「いろいろ迷ったけれど発売当初にプレステを選んでよかった」「自宅の98mateは486だけれど、いろいろ手を入れてぎりぎりの状態で95使ってます」(この人は会社でmacを使っている)などがこの2人の印象的な発言。
 僕の同期は出張先で夜勤だったために少々疲れた様子。それでも、相変わらずの調子の無表情のつっこみとぼけで、十年一日のごとく僕とやりとりする。19代団長様は、OVのあまりに独特なムードに「こんなのはうちのサークルの雰囲気じゃない」と思ったとか思わないとか。
 そういえばこの団長様、ヒット曲は極力抑えているというが「ジャニーズ以外」とのこと。理由を聞くと「ばかっぽい」から嫌だそうだ。それをいっちゃーおしまいよ。

 2次会は僕の同期がいくというカラオケバー(っていうのか?)へ。店に入ると、いきなり別の家族連れがいて子どもがジュースを飲んでいたので、「ここはいったいどこ」とちょっと度肝をぬかれる。水割りを飲みながら、やはりカラオケ。後輩2人による「あずさ2号」、後輩と「ありがとう」(俺、最近こればっかだな・失笑・)、団長様の「サーキットの娘」、あれ?先輩と俺の同期は何歌ってたっけ。すまん忘れた。徹夜明けの同期は途中で力尽きてリタイヤ。ご苦労さま。
 水割りを飲みながら、団長さまといろいろ話したような気がする。(←酔っ払い)。どうやら団長さまもたくさん飲まれておられたようだが、元気ですか。一説にはけっこう大変だったみたいだけれど。>悪い後輩
 タクシーで先輩宅へ戻る。

4月6日

歌はいいね。リリンが生み出した文化の極みだよ。(by渚カヲル)

が、本日の結論である。

 後輩のパーティーではサークルの関係者とか、その後輩が参加していた豊橋の合唱団のメンバーが何曲か合唱を披露した。僕は、事前の練習に参加してないこともあって、サークルのメンバーが歌っている姿を外からみていた。そして、上手下手でなくて、やはり「歌」が持つ魅力というのを僕はすごく感じた。僕が合唱にかぎらず歌が好きな理由をもう一度確認したような気がする。

 というわけでパーティーは、歌あり、クイズあり、新郎新婦のキスあり(しかし、パーティー始まってすぐにキスという唐突な展開にびっくり)と盛りだくさんの内容。スピーチでは、後輩が学生時代に調査に出かけた時、助教授の生活指導にあたっていたことが暴露され、一同納得。
 あらためて、お二人さんおめでとうございます。

 同期や後輩などが顔を合わせると、やはりそれぞれの動向の情報交換が行われる。今年度はどうやら僕の周辺の年代が寿ラッシュとなりそうである。今日の話題は次の2人。

 ・某家電メーカー勤務の同期が、十一月に結婚。相手は声楽を学んだ方だというので、職業は自称「歌手」だそうだ。これから初対面の父親にあいさつにいくというので、なんて切り出すのか僕は興味シンシンである。新婚旅行は来年夏にオーストリアへコンサートやオペラを見にいくらしい。それまでは「子どもができると困る」そうなので、「接して漏らさず」という健康法があることををちょっと教える(笑)。彼は学生時代指揮者だったので、音楽一家(トラップ一家みたいに子どもたくさんつくると面白いなあ)になるだろう。

 ・某メーカー勤務の後輩が9月(だったかな)結婚。サークル関係の掲示板(南部食堂)に、いきなり「***(匿名)が結婚するらしい。***が誰かはまた6日にでも判明する」と、自分でリークの書き込みをしたかわいいやつ。ずいぶん長いつきあいだったようだけれど、おめでとう。

 そのほか女性の先輩や同期が結婚するようである。また、おめでた中の同期や後輩もパーティーには姿を見せ、僕は時の流れを感じるのであった。まあ、こういう一方では長い春になれてしまって、「独身でもう少し遊びたい」と男の本音をもらす奴もいないわけじゃない。まあ、そういう考えには僕も同感だ。(僕の場合はそのまえに一人前に稼げるようになれってか・失笑・)

 そのほか、大学中退して自衛隊に入隊した後輩が制服姿で現れたり、パーティーの出席者の一人とは通信ファン(一見はそう見えなかったのにだまされた)が広帯域受信機を購入したら、寮の中のコードレスホンが「偶然」傍受できてしまうとか、そんな話をする。いや、そんな濃い話ばかりではない。某銀行勤務の同期の既婚女性は、「銀行がつぶれたらどうなるだろうなんて話も家で出る」なんて、しんみり(笑)した話もあった。その銀行、浜松でも某ホテルの借金数十億をかぶったからなあ・・・。いやいや、きっとだいじょうぶ。

 そんなこんなで帰宅すると、妹夫婦が食事に来ていた。で、父親の提案で、食事後は家族でカラオケ(笑)に出かける。80過ぎの祖母もいたので、僕は一応昭和歌謡史というスタンスでメニューを組み立てる。「蘇州夜曲」「サン・トワ・マミー」「ラストダンスは私に」「誰かが風の中で」「およげたいやき君」など、それに混じって「愛の才能」「サーキットの娘」といろいろ歌う。妹はglobe、ドリカムあたりを攻める。父は、「時代」「なごり雪」「酒と涙と男と女」、母は「さくら貝の唄」など。妹の夫(でも僕より年上)が最後に「案山子」を歌うと、ただでさえ涙もろい母はその歌に落涙。最後は母と妹の「今日の日はさようなら」で締めくくる。
 唯一、心残りなのはセガカラなのにアニメを歌わなかったこと(笑)。

 帰宅後は液晶プロジェクターで映画「白い嵐」を見る。(T_T)。感動のあまり悲しくなってしまった。「評決の時」よりずっとよかったぞ。
 なんだかいろいろあった一日だった。

4月7日
 ちょっと5、6日の名古屋の話題の補足。

 僕が宿泊した先輩宅ではマリオ64が終わったために、すでにN64は片づけられて、奥さん(僕の同期でもある)が、PSでFFVIIをプレイしていた。で、ボクも10分ほど冒頭をプレイする。何かあの設定とか雰囲気に「懐かしさ」を感じるのは俺だけだろうか?キャラクターにはやる気のない名前「パランポラン(クラウド)」と「フニャラ(パレット)」をつけた。戦闘がもっとかったるいかと思ったら、結構アングルなんかもバリエーションがあって、それには感心した。でも、ボクは根気がないから今後やる機会があるかどうかは、別問題。
 ついでに、「クラッシュバンディクー」もプレイ。もう一つなんか笑える要素があれば、ボクはもっと好きになるのになあ。勝利の踊りがないのは残念。
 この奥さん今はアニメ版「名探偵コナン」(被害者がいつも目を開いて死んでいる推理ゲームアニメ)のファンだとか。いつからそんなに濃くなったんだ?在学中はそんな人じゃなかったのに(T_T)

 名古屋でもちょこちょこと、雑誌(日経エンタテイメント!、DIMEなど)を購入。ついでに美少女戦士セーラームーン18巻(武内直子、講談社 390円)、エヴァンゲリオン用語事典第1版(八幡書店! 1236円)。セーラームーンは、なんだか出来の悪いナウシカみたいな展開。でも、肉体の必要性、ベッドシーン、結婚、出産(の暗示)という段取りの展開に驚いた。
 エヴァ用語事典は、八幡書店というだけでつい魔がさして購入。まあ、ちょっとは読むかも。一番面白かったのは愛読者カード。あなたの関心のある分野に○を、という質問の選択肢がすごい。
「超能力、UFO、サイバーパンク、幽体離脱、脳科学、潜在能力開発、デザイナーフード、フリーメーソン、前世回帰、チャネリング予言、輪廻転生、願望成就、ニューエッジ、霊能開発、マルチメディア、
古神造、瞑想、オカルティズム、変性意識、言霊、英会話、セラピー、SF、立体音響、アロマテラピー、ニューサイエンス、霊視、魔術、古史古伝、ヒーリング、人工生命、霊符、武道、瞑想(原文ママ)、
ゲームソフト、トランスパーソナル心理学、実践霊術、気功、ヴァーチャルリアリティ、幻想文学、エコロジー、立体映像、風水術、シャーマニズム、ハウスカルチャー、健康、ミステリー 、その他」
八幡書店らしいオカルト系のタームが多いのは当然としても、こんなに「濃い」愛読者カードは初めて見た(笑)。
 瞑想が2回書かれていたのはミスとしても、サイバーパンクと幽体離脱、言霊と英会話、シャーマニズムとハウスカルチャーという、何だか連想ゲームやればむりやりつなげそうな言葉のつながりがすごい。

 DIMEでは木村和久氏がエヴァを扱う。(内容はないよう)。ただ、最近5年間の映画配給総収入に占めるアニメの割合を示した表のキャプション「日本のアニメはかなり儲かってるゾ!」は大きな間違い。わざとやったのなら、悪質と怒る人もいるのでは?アニメ産業の欠点については日経エンタの押井守インタビューが触れていた。

 で、7日。激しく降りしきる雨の中、市役所へお出かけ。途中でマンガを購入。「ハッピーマニア」(安野モヨコ、祥伝社 880円)、「TAKE THE ”A” TRAIN」(南Q太、ワニマガジン社 520円)、「エルメスの道」(竹宮恵子、中央公論社 1300円)、それとジョジョの52巻。CDで、アニメタルマラソンとアニパンクも買う。

 帰宅して、アニメ版「金田一少年の事件簿」の1話を見る。悪い予感はあたるもので、作品的にはダメダメ。あの出来だったら、商売上の効果は別にして、1年後には、ああ「アニメにもなってたね」っていわれて終わりだろうな。「ガンバリスト駿」がけっこう丁寧につくっていただけに、あと番組の質が下がるのは残念。

 12日は東京都港区(京浜東北線浜松町駅で下車)へおでかけすることになった。

4月8日
 あるムックで見かけた、本の整理方法に挑戦するため、衣類入れなどに使うやや小さめのクリアボックスを30個買う。(うち26個は後日届く予定)。本の整理は全部届いてから始めよう。

 「週刊オタクWeekly」を覗く。
 当然、エヴァの話題が中心だが、竹熊健太郎氏の混乱ぶりをほほ笑ましく思うと同時に、やはり庵野監督が「だましだまし」映画版に取り組んでいたことが分かる内容。やはりテレビシリーズで燃え尽きたんだろうな。まあ、監督のいう「奇跡」をわずかに信じた俺も俺だが。(←でも、個人的には好きなんだよ。映画版も。ただ、評価は別、ね。だから人にはすすめない)。

 一方、大塚英志氏のコラムの鋭さに感動する。そうなんだよなあ、庵野監督って弐拾六話で「もう一人の自分を考える時」に「学園えば」を選択した時点で、底が割れていたともいえるかも。オウムのあり方をディズニーランド的と評した宗教学者もいたけれど、やっぱり、サブカル的なジャンクの中には「学園祭的なるもの」は含まれているんだ。これについては、押井守監督がビューティフルドリーマーについて「僕個人の妄想(終わらない学園祭の前日)がこれほど受け入れられるとは」と、おたく層のリアクションに驚いていたこととも照応する。
 庵野監督が、分裂症的って言われて喜ぶのも、なんだか「私、よくちょっと変わってるっていわれるんです〜って自分でいうタイプの女の子」みたいでほほ笑ましいが、「あっち側」(サリン、幼女の待つ世界)にいかずに、現実に着地する方法を探すのは、彼ではやはり荷が重すぎたようだ。オタクのまま大人になる道はやはり険しい。
 LCミステリーの占いコーナーに登場のエヴァ擁護派野火ノビタさん、占いで厳しいことを言われていたが、やはりエヴァにシンクロしすぎると溶けて戻れなくなるかも(笑)。

 そういえば今更気づいたのだけれど、オーラルステージ(弐拾話)を経過した、シンジは弐拾四話で同性愛を経て、次が異性愛の段階(REBIRTHのシンジの見せ場)という流れになっているのでは?ちょっと、フロイト的に理詰め過ぎてつまらない気もするが、まあいいか。

 もしかすると、エヴァ者にとって処方せんになるかもしれないのが、「歌男」(業田良家、集英社 600円)と考えるのは強引だろうか。しかし、これは明らかに、自分のインナースペースにしか住んでいなかった男が、現実に着地するという物語だと思う。「自虐の詩」は癒しの物語であり、自分の物語(人生)を読み替えるという内容だったが、「歌男」それとはまた違う「DEATH&REBIRTH」の内容だ。方程式を解くみたいに簡単に答えが出た「アスカ再生」たあ、感動的でやんすよ。(まあ、手法が違うけれどね)

 短歌といえば俳句なのだが、黛まどかさん(名前これでよかったっけ)を誰か止めてくれ。俳句を現代の感覚に合う文芸メディアにしたのはいいけれど(例えそれが仕掛けありでも)、「辛島美登里」を創作季語にするような人の言語センスを俺は疑う。(←辛島美登里が悪いわけではない)

 SCIas(サイアス)のコラム「理学部映画科」で映画「ダンテズピーク」が取り上げられている。非常に控えめながら、映画を盛り上げるためにわざと適当にしてある科学考証についても、触れている。もっとも、最後の「地質学者と行政の関係についても、考えさせられる内容でした」というくだりは、真面目に読めば「東海地震の場合の注意報導入」の問題などが思い当たるが、映画の内容からすると「町長が災害時にあんなに家族にかかりっきりでいいの?」とか「地質学者と町長がロマンスに落ちることが是か非か(興行的に言えば是・笑・)」なんていう突っ込みを誘発しそうな一言だった。
 
 久しぶりの晴れ。夜は「総理と呼ばないで」(テレビ静岡、フジテレビ系)を見ながらビールを飲む。服部良一の孫で服部克久の息子、服部隆之が音楽を担当。 

4月9日
 今日はとりたてて、何をしたというわけでもない一日だった。たまに、こんな日もある。

 実家に戻った当初は家庭料理がとてもおいしく感じたのだが、しばらくするとその反動で、ものすごくジャンクな食べ物が欲しくなった。例えば、くるまやラーメンの「ネギミソラーメン(&ギョウザとビール)」とかCOCO一番屋の「納豆クリームコロッケカレー(200グラム、辛さは自分で)」、あるいはハンバーガーの類。食生活って習慣なんだなあとあらためて、実感する。

 桜が散り始めた。実家の庭にある桜や、近くの土手に生えている桜が、花びらを風にのせている。これを2階にある僕の部屋から見下ろすと、なかなか壮観だ。僕は、満開もいいけれど、これぐらいの散りはじめも風流で好きだ。自家用車が桜の花びらをつけたまま走っているのもいとをかし。

 そうそう、記念に書いておこう。あるマンガ時評(おもしろいですよ)のページの異論反論オブジェクションした「ユパ様」は、実はぴょん太でござる。

4月10日
 家に戻ってからの疲れがどっと出てきた。一度横になると眠り続けてしまう。というわけで、読書量もここのところぐぐっと減っている。まあ、そんな日もあるよ〜。

 夕方帰宅した父と双眼鏡を抱えてヘール・ボップ彗星を見る。すごい。核とその周辺の尻尾の部分がはっきりと区別して見える。うーん、センス・オブ。ワンダーとはこういうことかも。その後、彗星見物?を祝って祝杯をあげる。(←何でも理由をつけるなあ)。で、そのあとテレビをつけるとWOWOWで、「ソナチネ」を上映中。しばし、父母と居ずまいをただして見る。まあ、こんな機会も今後そうあるまい。
 
 書店に出かけて、週刊誌とアニメ誌を少々。それから「官能博覧会」(朝日ソノラマ、1700円)、「真剣師 小池重明」(団鬼六、幻冬社 571円)を購入。特に、官能小説の愛読家(笑)としては、その裏側も気になるところではある。あれ、団鬼六って滋賀県出身だ。
 でも、つのだじろうが表紙を書いた例の将棋雑誌ってやっぱりちょっと怖い感じがするのは俺だけかしら?


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