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カルドセプト研究室


ライフフォース (Life Force)

この記事を、偉大なるライフフォース被験者たにだ氏に捧ぐ。


恐怖のしろぴかちう

EXPANSIONの新カード「ライフフォース」は、“クリーチャー及びアイテムコスト半額”の主効力よりも、“スペル使用一切不可”という副作用の苛烈さゆえ、むしろ妨害系カードの切り札として積極的に使用され、 サターン版カルドセプトの「ジャッジメント」「チェンジリング」らに代わり、嫌われカードNo.1の地位を不動のものとしました。今回は、そのライフフォースの威力をマップ毎に数値化してみたいと思います。

以下の表は、マップ毎の「ダイス期待値」「城から城の最短距離」「最端から城の最短距離」「ほこら」「転送円」などの数値を基に、独自の評価方法でライフフォース効果を試算したものです。

“最端”とは城から最も遠い地形を指します。「期待値」はダイス期待値、「平均R」は平均ラウンド、「ほこら」「転送円」はそのルートにおける各々の数、「修正R」は平均Rにほこら・転送円の補正を加えた値です。「LF評価」は各マップにおけるライフフォースの総合評価を表し、数値が大きくなるほど効果大であることを示しています。

なお、「灼熱地獄ギルマン」「廃墟の都市ナバト」「アリーナ4」「思わぬ近道」の4マップに関しては、“転送円の向こう側からアポーツ”の効果が強力であるため、そのパターンを以って「最端から城」のデータとしました。転送円から脱出成功するセプターが50%となるラウンドを、脱出消費ラウンド数と仮定しています。


マップ名

城から城 最端から城 LF





R






R




R






R
城塞都市ロカ 3.5 22 6.29 0 0 6.29 11 3.14 0 0 3.14 4.71
貿易都市スネフ 4.0 16 4.00 1 0 3.71 8 2.00 1 0 1.86 2.78
幽玄山脈カリン 4.0 10 2.50 0 0 2.50 5 1.25 0 0 1.25 1.88
死の砂漠ゴザ 4.0 18 4.50 0 0 4.50 14 3.50 0 0 3.50 4.00
極寒の村ケルダー 4.5 12 2.67 0 0 2.67 8 1.78 0 0 1.78 2.22
豊穣の地タリオ 5.0 44 8.80 2 0 7.82 22 4.40 1 0 4.15 5.98
灼熱地獄ギルマン 4.5 32 7.11 2 2 6.68 10 2.22 0 3 4.46 5.57
帰らずの森ビスティーム 4.5 10 2.22 1 0 2.08 14 3.11 0 0 3.11 2.60
廃墟の都市ナバト 4.5 12 2.67 1 0 2.50 22 4.89 1 1 8.11 5.30
暗黒の奈落 5.5 20 3.64 2 0 3.27 10 1.82 0 0 1.82 2.54
アリーナ1 4.0 16 4.00 1 0 3.71 8 2.00 0 0 2.00 2.86
アリーナ2 3.0 14 4.67 0 0 4.67 7 2.33 0 0 2.33 3.50
アリーナ3 4.5 8 1.78 0 0 1.78 12 2.67 1 0 2.50 2.14
アリーナ4 3.5 20 5.71 0 2 7.00 11 3.14 0 2 5.93 6.46
マップ名

城から城 最端から城 LF





R






R




R






R
一直線! 3.5 22 6.29 0 1 6.12 11 3.14 0 1 3.14 4.63
神だのみ 3.5 22 6.29 8 0 3.18 11 3.14 4 0 2.24 2.71
目指せ王国 4.0 8 2.00 0 1 2.00 15 3.75 0 1 3.75 2.88
護符で大逆転 4.0 20 5.00 0 0 5.00 14 3.50 0 0 3.50 4.25
思わぬ近道 5.0 8 1.60 0 1 2.92 16 3.20 0 1 9.10 6.01
Letter H 3.5 14 4.00 2 0 3.37 7 2.00 0 0 2.00 2.68
開拓者たち 4.0 16 4.00 1 0 3.71 12 3.00 1 0 2.78 3.25
タクティクス 3.0 4 1.33 0 0 1.33 10 3.33 0 0 3.33 2.33
万里の長城 5.5 20 3.64 0 0 3.64 24 4.36 0 0 4.36 4.00
スモールワールド 2.0 8 4.00 0 0 4.00 4 2.00 0 0 2.00 3.00
天上天下? 3.5 16 4.57 0 0 4.57 12 3.43 0 0 3.43 4.00
Japan福岡 3.5 4 1.14 0 0 1.14 18 5.14 1 0 4.72 2.93
Japan札幌 3.5 4 1.14 0 0 1.14 17 4.86 1 0 4.46 2.80
Japan名古屋 3.5 4 1.14 0 0 1.14 12 3.43 1 0 3.15 2.14
Japan大阪 3.5 4 1.14 0 0 1.14 14 4.00 1 0 3.67 2.41
Japan東京 3.5 2 0.57 0 1 0.67 10 2.86 1 0 2.62 1.64
5つの輪 4.5 12 2.67 1 0 2.50 12 2.67 0 0 2.67 2.58
LGヲ入手セヨ! 4.0 8 2.00 0 0 2.00 8 2.00 1 0 1.86 1.93

ライフフォースによる妨害実行を考えた場合、 「被ライフフォースセプターの進行妨害」「妨害カード確保」「自分の作戦進行」にそれぞれ1ラウンド消費と仮定すると、2人プレイ時なら3ラウンド以内、3人プレイなら6ラウンド以内で城に戻れるマップ構造かどうかが、完封成否の目安になると思います。 (4人プレイの場合は、いかなるマップでもライフフォースによる完封は不可能です)

上記の表によると、2人プレイでは全32個のうち6割のマップ、3人プレイでは「豊穣の地タリオ」「アリーナ4」「思わぬ近道」の3マップがそれに当たり、カルドセプトの勝負以前に、序盤のプレイ順と手札で勝負が決してしまう可能性すらあります。 広くて分岐の少ないマップは言うまでもなく、転送円のあるマップでは移動スペルによる転送円への停止ができなくなるため、ライフフォースの影響が非常に大きいのです。

これらのマップで何がなんでも勝ちに行くのならば、ライフフォース4枚・バリアー4枚を組み込み、1ラウンド目に勝負を賭けるのも一興です。相手がバリアーで守ってきたら、ディスペルでこじ開けます。一度ライフフォースをかけてしまえばこっちのもの。リコール、カオスパニック、テレポート+アポーツなどを駆使して、相手を完全に飼い殺しましょう。 作戦実行前には安全のため、プレステの周囲に鋭利な刃物が無いか、相手よりも自分の方が部屋の出口に近いか、などを十分に確認しておきたいものです。

いずれにしても、自らのセプター生命と相談しつつ、自他の間柄を十分に配慮することが肝要でしょう。 余談ながら、わたくし松岡の「ジャッジメント」の裏側にカッパ氏の名前が書かれていること(且つ必ず当たること)は一部で有名な話ですが、一方の「ライフフォース」の裏側には「たにだ」と書かれていたりします。 まぁ仕方が無いとは言え、申し訳ないことです。m(_ _)m

ライフフォースの問題点

1ラウンド目ぱちもんげっとだぜぇで勝負の行方が左右されるようなゲーム展開は、カルドセプトのゲームバランス上、好ましいものではありません。 当然、ライフフォースのバランス改善を求める声は非常に大きく、それらは大抵、カード性能を著しく抑える方向の意見です。

しかし、カルドセプトのカードバランスは360枚全体で保たれているもの。ライフフォースの脅威が消え去ったとしても、ライフフォースによって抑えられていたスペルブックが、サターン版の頃のように再び横行するだけのことです。現にEXPANSIONにおいても、大量の移動系スペル+少数の特殊クリーチャーというスタイルが他を圧倒する試合をよく見かけます。

では、ライフフォースの在るべき形とはどのようなものでしょうか? 次回作を待ち望むファンとして、カルドセプトにおける新ライフフォースを考えてみましょう。

ライフフォースをかけられたセプターがその効果を消す方法は、ほこらを除けば、自ラウンドで城に戻ることのみ。移動系スペルが使えないので、ダイスとマップ構造だけが頼りです。 ただ、その間のスペル使用不能によって戦術が著しく制限されること自体は、さして問題ではないでしょう。ジャッジメントやテンペストなど、強力な攻撃・妨害スペルによる駆け引きはまさにカルドセプトの本質であり、これらをかいくぐって発揮される戦術にこそ本物の価値があるからです。

しかしどんな優れた戦術でも、ボーナスなしで勝利することはあり得ません。いかなる戦術を以っても如何ともし難い、ライフフォース問題の根元がここにあります。 つまりその問題とは、妨害セプターが「リコール」「アポーツ」「カオスパニック」等を併用することにより、被ライフフォースセプターは城へ辿り着けず、半永久的にボーナスを得られない(或いは、勝利条件に達していてもゴールできない)という、この一点に尽きるのです。

私ならば、この問題に「バリアー」的解決方法を提案します。即ち、
 (1)被ライフフォース中も「ディスペル」だけは使用可能とする
 (2)ライフフォースは6ラウンドで効果消滅する
などのルールを採用するのです。

カルドセプトは、全てのカードに対して何らかの返し技のようなものが存在するのですが、ライフフォースの場合バリアーで防ぐことはできても、一旦かけられてしまうと手も足も出ない状態になってしまいます。 (1)は、「チェンジリング」や「デスゲイズ」に対して「リバイバル」が作られたように、ライフフォース効果発動後にそれを覆し得るカードを設定しようという考え方です。 いまひとつ存在感の薄いディスペルに重要な役割を与えるという意味でも、面白い手ではないでしょうか。

また、(2)はブックにディスペルが準備されていなかった場合の歯止めです。 但しライフフォースの場合、50%オフ/6ラウンドでは主効力を発揮することが難しいので、クリーチャー・アイテムコスト30%として主効力を強化することで、副作用とのバランスを取ることが望ましいと考えます。

ライフフォースの対処方法

ライフフォースの対処方法として、ライフフォースをかけられてもダメージの小さい「クリーチャー重点ブック」を組むという発想があります。 そこで、普段なかなか使えない重クリーチャーたちを組み込みたくなるところですが、それはライフフォースをかけられなかったとき、単なる重たいブックになってしまいます。 ライフフォースの危険性を警戒する必要があるのは、広くて土地数の多いマップ。これをクリーチャー重視で勝とうとするならば、むしろ軽量クリーチャーによる物量作戦が良いでしょう。

中心となるのは、コストが低く、土地属性を意識せずにばらまける無属性クリーチャー。多クリーチャーブックでバランスを取るには援護クリーチャー中心の構成が有効なので、クレリック・ドラゴノイド・バンディット等を加えます。バンディットは、被ライフフォース中にボーナスが受けられなくなった時の資金源としても活躍してくれます。 もしスクロールを省略するのであれば、デコイ対策としてルナティックヘアか攻撃スペルが必要かもしれません。

アイテムは極力省略するとしても、スペルはあまり減らすべきではありません。特に移動スペルを減らしてしまっては、ライフフォースをかけられる以前に、広いマップの高速周回で完敗することになるでしょう。ライフフォース対策をしてはいても、やはり理想はこちらからライフフォースで先制して高速周回に入ることなのです。

あと、ついに完璧に抑えられて暇になったときのために、読みかけの雑誌などを用意しておくと便利です。読むでもなくパラパラとやりながら、時折「ふぁーあ眠い。ねぇ、あとどれくらいで終わる?」などと呟き、退屈な気分をアピールしましょう。この相手マインドへの冷や水が、次の試合への布石になるはずです。
(テクニック提供: たにだ氏)

最後に、ライフフォースの解き方について考えてみましょう。

ハウントの対処方法として、予めハウント中の思考が自分にかけてくれそうな「ヘイスト」「フライ」などを持っておき、自らハウント効果を打ち消すというものがありますが、ライフフォースの回復も城に戻る以外に、ほこらによるセプターステータスの上書きを狙う方法があります。 (ほこらの効果については、こちらをご参照ください)

ほこらの効果は全部で73通りあり、その中で自分のセプターステータスを変化させ得るものは21通り。 つまり、ゲーム開始直後のほこらは約28.77%の確率でライフフォースを解いてくれます。基本的に被ライフフォース中のセプターは城への最短距離を進みますが、途中でほこらに止まれる場合は、これに止まる確率が高いルートを選択した方が良いでしょう。



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