梅雨が明けるとあの日がやって来る。またかと言われそうだが、7月最後の日曜日が近づいてくると落ち着かなくなるのはどうしようもない。初めて足を運んだのは今から10年も前のこと。サーキットの広さに目を見張り、照りつける夏の太陽に音をあげ、そしてなによりも、あまりに劇的なレース展開に我々はすっかり圧倒され疲れ切って帰途についた。以来、夏になるとここに帰ってくる。
スプリントが誰よりも速く走りたいという想いに端を発するとすれば、耐久はどこまでも走り続けるという意思の具現ではないだろうか。耐久には決められた周回数はない。4時間なり、8時間なりの時間内に最も多くラップしたものが勝者となるのだ。午前11時30分のスタート時には60余台を数えたマシンが、時間が経つにつれてコース上から姿を消していく。やがて太陽が沈みライトがつけられる終盤。多くのライダーが完走を目前にして鈴鹿の闇に飲み込まれていくラスト30分。サーキットに集まった十数万の観衆は胸を締めつけられるような想いを共有する。
- 2002 - 加藤/エドワーズ、ホンダ6連勝
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6回のピットストップで220周を目指す。ホンダの加藤/エドワーズ組が25周年の記念大会を制した。
- 2001 - ロッシ/エドワーズ、ホンダ5連勝
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ただ独り無人の荒野を往くがごときロッシの快走でホンダが5連勝を達成した。
- 2000 - 宇川、日本人初の8耐3勝目
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新記録215周でデビューウィンを飾ったVTR1000SPWでホンダ4連破。宇川は日本人初の8耐3勝目を挙げた。
- 1997 - 雨の8耐観戦記
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カンカン照りであろうが、台風が来ようが観戦する。台風の直撃を受けて寒さに震えながらの観戦となった97年。ついに8時間では初の日本人ペア優勝が達成された。
- 1996 - ヤマハ、6年ぶりの優勝!
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ヤマハ4ストロークマシンの若きエース、芳賀紀行がそのポテンシャルを遺憾なく発揮しヤマハワークスへ加入する切っ掛けとなった好レース。エドワーズとの最年少ペア、最多周回数での優勝となった。
- 1987 - 鈴鹿の闇 - ヨシムラ、ラスト5分に泣く
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はじめて行った鈴鹿8時間耐久。8耐が初めてならレースを観るのも初めてという初めて尽くしの観戦記。これにてモーターサイクルレースの面白さにはまりました。
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