3 フェイスブックを始めて

2014.10.11


 何ごとも、のめり込むタチだが、9月の28日に始めたばかりのフェイスブックには、思いの外のめり込んでいる。

 もともとぼくは、めんどくさがりだから、細かいやりとりが苦手であると勝手に決めつけていて、1997年(ああ、もうかれこれ17年以上も経つのだ……)にホームページを開設したときから、「掲示板」を作らなかった。当時、山ほどのホームページが開設されたが、その多くは「掲示板」が本命だった。そこでのやりとりが楽しいから、ホームページを作るという流れがあったのではないかと思う。

 でも、ぼくは、知らない人から、ヒドイことを書き込まれるのを恐れて、「掲示板」を作らなかった。そのうえで、誰からも非難されないことをいいことに、言いたい放題をそこで言った。

 一昨年の11月、長いことためらっていたブログを始めたときも、その気持ちに変わりはなくて、「コメント欄」は書き込み禁止にした。理由は、ホームページの時とまったく変わらない。自分では言いたい放題言いながら、他人からは何も言われたくないし、いちいち返事を考えるの嫌という身勝手な理由だった。そういう次第だから、ツイッターとか、フェイスブックとかいった、いわゆるSNSと呼ばれるらしいものには手を出さなかったのだ。

 ところが、9月27日に、栄光学園時代の教え子たちと飲む機会があって、そこで教え子からフェイスブックをやるように強く勧められ、その翌日に始めたわけだが、それからまだ2週間しか経っていないのに、「お友達」が234人にもなった。ほとんどが教え子たちだが、それにしても、驚きである。

 ただ、問題なのは、実はフェイスブックについては、ほとんど何も知らないということである。もうちょっと、きちんと知りたいのだが、現実の方がどんどん先に行ってしまっているという感じなのだ。とにかく今は「お友達」のものを見て、ああ、こういう風に使うのかと学習中といったところである。

 現在、ホームページとブログとフェイスブックの3つが同時進行(?)しているわけだが、その使い分けがどうもまだよく分からない。で、さし当たって、ブログの記事へのリンクを張ってみた。するとどうだろう。それまでは、ブログのアクセス人数が、1日にせいぜい7〜80名だったのが、突然150名とか180名とかに跳ね上がった。まるで、重症の高血圧みたいな数字である。

 まあ、それでも、数が増えたからといって何が変わるわけではないから、自己満足には違いはないが、ちょっといい気分ではある。

 しかし、そんなことよりも、今回、フェイスブックを始めてみて、シミジミ思ったのは、あたりまえのことだが、人間というのは、それぞれみんな一生懸命に生きているのだという極めて単純で、かつ厳粛な事実だった。特に、教え子たちの「近況」にはひどく心を動かされた。

 ぼくは、今まで、教え子たちが今ごろ何をしているのかなあなどと思うことはほとんどなかった。特定のつき合いの続いている教え子たちはいるし、クラス会などで何度も会っている人もいるけれど、その他の教え子たちは関心の外にあった。担任をした教え子に町で偶然に会っても、名前もほとんど覚えていない始末で、仮に、そんな薄情なぼくが、教え子の近況を知りたいと思ったとしても、知る術などなかったわけだ。

 それが、ひとたびフェイスブックで「お友達」になると、実にさまざまな日常生活の断片に触れることができる。そして、そうした多くの教え子たちと、かつて学校で時間を共有したことがあったということが、実に貴重なことだったのだということに改めて気づかされたのだった。今ごろそんなことに気づくなんて、愚かにもほどがあるが、それでも、ぼくのような勝手でジコチュウの人間には、大袈裟にいえば、「目を覚まされる」ような思いだったわけである。

 いずれにしても、フェイスブックという新たなアイテムを、どう使うか思案中だが、こちらのブログの方は、相変わらすのペースで続けていきたい。そのうち、うまく使い分けることができるようになるかもしれない。

 


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