10 あ〜、もおっ!

2011.6.21


 まったく、あ〜、もおっ! な日々である。

 何をタワケタことを言っているのかと、石原都知事が東京オリンピック招致に名乗りをあげたとき思ったものだが、まあそれも予想通り落選の憂き目をみてから、今度の震災。ああ落選でよかった、もう二度と日本でオリンピックなんて口には出すまいとさすがの石原氏も思ったことであろうと、その胸中をオモンパカッていたのだが、とんでもない、またゾロ、オリンピックだと言い出したと聞いて、もうあいた口がふさがらない。

 なんでも、9年後には震災から復興しているだろうから、オリンピックをやって景気をよくするんだとか、借金返すんだ、というようなことらしいが、9年後に、首都圏が直下型地震でひどいことになっていないという保証がどこにあるのか、東海地震がオリンピック開催中に起こらない保証がどこにあるのか、とぼくなどは思ってしまうし、そう思うのがまあ普通の感覚だとぼくは思うのだが、それはまったくトンチンカンな考えなのだろうか。

 今度の震災では、こんなにおおきな被害が出ているのだから、東京都としても、何とかしてこれからの被害を最小限にするべく最大限の努力をし、ありったけの金をつぎ込むのだろうと思っていたら(ほんとうは思っていなかったが)、ちっともそうじゃないらしい。

 あ〜、もおっ! って思うのは、政治の世界でも同じだが、政治のことは話題にしたくない。政治の内幕やら、実情やらをまったく知らないぼくのようなモノが、何を言っても、ジャーナリズムの受け売りにしかならないからだ。そのジャーナリズムに登場してくるウゾウムゾウが、どうにもよく分からない人間ばかりで、誰を信じていいのかさっぱり分からない。(というか、ほんとうは、ぼくは誰も信じないから、「誰を信じていいのか」なんてヤワなことは言いたくもない。)みんなその場かぎりで言いたいことを言って、その後状況がすっかり変わっても、責任をとろうなんてさらさら思わないような、何ともはや恥知らずな人間がバッコしているようである。それなら、八百長まみれの相撲界のほうが、まだマシではないか。別に相撲界に肩入れするつもりはさらさらないが、相撲は、スポーツではなくて、興行なんだと思うので、「裏切られた!」なんて目くじらたてるほどのことでもないとぼくは思っているだけだ。

 それより、原発推進の片棒を担いだ芸能人とか学者とか「有識者」とかのほうが、何百倍も罪が重い。相撲で八百長やったからといって、死者が出たわけじゃないじゃないか。なんていうと、勝間和代のように、「そもそも、放射能がいつもより少し高いからといって大騒ぎするほうがおかしい。原発で死者が出たんですか? 津波の死者と比較したら、報道のバランスが悪いと思います。」なんていう発言を彷彿とさせてしまうかもしれないけれども、この勝間和代も反省して、今では東電だか政府だかに文句をつけているらしいが、今日のラジオでは、「わたしねえ、トライアスロンやりたくてしょうがないんですけど、水泳がネックなんですよお〜。」とか言って、まるでもう大震災なんて遠い過去の話で、日本はすっかり平和で安心な国になったかのようにオオハシャギで、もうまったくどうでも後勝手に好きにしろよと言いたくなる。自分の発言を撤回して、反省しているのなら、少しはおとなくしていろよと、これは誰だって思うだろうと思う。これもぼくのトンチンカンな感想だろうか。

 これも聞きかじりだが、原発推進賛成を表明する原稿を依頼されたあるスポーツライターに提示された原稿料はなんと500万円だったという。彼は断ったということだが、何ともはや、なるほどそういうことだったのね、とため息が出る。どこまでもキタナイ世界である。でも、万一ぼくがその原稿を依頼されたら断れただろうかと考えると、500万円かあ、う〜ん、なんて迷っちゃうかもしれないしなあ、なんて思うとよけい狂おしい。

 さっきもテレビを見ていたら、福島原発担当だとかいう女性アナウンサーだか記者だかが、その番組に久々の登場だといって、他のアナウンサーから「久しぶりですね。」と振られて、「ええ、原発のお世話をしていました。」と答えた。何言ってるんだ、原発はペットか! 「お世話」とはイッテエ何のことだイ、このバカムスメ、なんて言葉が頭の中に渦巻いた。ほんと、あ〜、もおっ! な日々なのである。

 

 

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