鈴木猛史のコラム

茶業界の構造改革を その2

 農家>JA>市場>卸問屋>小売(専門店やスーパー)となっていますが、農家の売上は減少傾向にあります。また、私たちは温暖な地域と違い、冷涼なために収穫が遅れる上に収量が少ないので、売上も厳しくなっています。

 以前はこの流通に関わる人々みんなを養う力がお茶にありました。しかし残念ながら、現在ではもうこれは維持できないのです。特に私たち山間地の農家は、すでに再生産が難しい価格体系になっている以上、なんらかの対応策をとらざるを得ない状況に追い込まれています。

 茶業界以外のどの職種にも言えることらしいのですが、要するに右から左へモノを動かして手数料をとるような流通の中間業者では今後生き残れないと言われています。

 もちろん、市場や卸や小売がいらないと言っているのではありません。つまりなんらかの価値を生み出しているかどうかが、今後は問われてくるのではないでしょうか。

 例えば、私たち農家は自分たちが育てたものを、直接お届けすることで中間マージンを省く分、みなさまにお得です。でも出来ないことがあります。

 鑑定に優れた人ならば、みなさまの代わりに全国各地の茶を比較して、検討して、選ぶのを手伝ってくれます。そして、あなた好みのお茶にブレンドしてくれます。ブレンドというのは1+1を3にも4にもする技術です。焙煎技術もそれぞれ奥義を持っています。

 私たち農家もこうした人たちを手本に生き残るべく道を模索していきたいと思います。

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 売るばっかりの小袋に包装した商品を50円で仕入れて、宣伝とか20円の経費がかかって、100円の値をつけて、値引きして80円で売って10円の利益なんてことやっている。






 新しい価値やサービスを提供するチャンスは全ての段階にあります。






 鑑定に優れた方と言えば「大山茶苑」の大山さん!



 逆に、ブレンドにはどーでもいいお茶の「だふやし」という場合もある。
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