有機茶を栽培する技術

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ポイント1 二番茶後の製枝
 二番茶後に整枝を行う。これは静岡県立試験場のデータと、藤枝市の麓氏の実践データから、教わったことである。

 一番茶葉が伸びるとき、大事なのはその親葉となる一番茶の芽の基にある古葉である。その葉が落葉したり、病気になっていると、ダメ。充実していれば、その「親葉」に貯えられた養分が、すぐ基から伸びる芽に転流する。その後、茎とか根に貯えた養分を使っていくが、親葉がしっかりしないと、若い芽は早く栄養を生産して、本体の樹を助けようとするので、葉は硬化し品質が落ちてしまう。

 だからその親葉が健全に育つことが大事。その親葉が育つのが7月から8月。そこで、二番茶後に病害虫の食べ物になる新芽な一番茶の残りを落とすことで、同時に害虫の卵や幼虫を落とすことで、その後生えてきた新芽がやられにくくなる。そうこうしているうちに梅雨明け。晴れた空に向かって芽を伸ばし、葉を広げます。こうして、大切な親葉が、虫や病気にやられることなく、育つ。

 刈り落とす位置だが、実はその前年の7月から10月に育った茎と葉が半分残るような位置を、前年に用意しておいて、そこで切ることで、前年の親葉が半分残る。その親葉は既に最盛期の半分くらいに能力はなっているものの、あると回復がとてもよい。

 新芽が伸び始めるのはそれから2週間後。害虫密度は減っていて、梅雨明けで病気もでにくくなり、そして来年の一番茶に向けて準備をする。
                                                             (2007.2.6.)

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