お茶揉みしましょう

自宅でできるお茶の作り方

更新2004.1.28.


 家の近くにお茶の木がありませんか?昔は農家の畑の隅に植えてあって、自分の家の飲み茶はつくっていたようです。東京の森の市のときに手揉みをしましたら、私もつくっているよという人が結構いました。昔おじいさんがつくってたのを見てたよって言われる方も多いですね。また、ホイロの大きさに地域差があるのが面白かったです。

 同じ葉から緑茶・ウーロン茶・紅茶ができます(チャの種類>用語)。自分好みのお茶を作ってみませんか。お茶は、地域、品種、なにより揉む人によっていろんなやり方があります。ですからあなたのやり方も、あなた流でOKです。下は参考までに流れです。分からない点はメールしてください。

 なお、このページは今後画像とか入れて発展させる予定です。よろしくね。
左から緑茶ウーロン茶紅茶 左から緑茶・ウーロン茶・紅茶。
同じ茶葉なのに、違うんですね。
 緑茶(普通煎茶)の作り方

緑茶 用意するもの:生の茶葉(1kg)、蒸し器、うちわ、ホットプレート(フライパン)、和紙

 蒸し>冷却>乾燥させながら揉む>乾燥

 摘み方:簡単に折れる位置で。やわらかいところだけの方が新茶の香りと旨みがあって、揉みやすいですよ。

 蒸す:お湯を十分に沸騰させた蒸し器に、薄く全体に広げて20〜30秒。
途中はしでかき混ぜる。全体がむらにならないように。青臭い香りが甘くなればいいです。

 冷ます:取り出したらざるとかに広げてうちわであおいで十分冷まします。

 炒る:ホットプレートの上をきれいにして、またはフライパンの上に和紙(できればうどんこなんかをよく溶いてかきまぜながら煮たものをハケでぬって乾かした和紙)をおいて、ごく弱火でその上において炒ります。

 揉む:水分がとんだら、茶葉を両手で挟み拝むように揉む。水分が出てきたらまた炒るを繰り返す。だんだん力を加えていって、水分が出なくなったら和紙の上に広げて乾燥させます。

 ウーロン茶の作り方

ウーロン茶 用意するもの:生の茶葉(1kg)、葉を広げる場所と布など、中華なべかフライパン(できれば鉄製)、

 日干萎凋>室内萎凋>炒葉>揉捻>乾燥

 摘み方:夏のほうがいいようです。煎茶が若い芽ほど価値があるのと逆に、芽が止まるまで大きくした葉の頃がいいようです。

 日干萎凋(いちょう):1メートル四方か畳一枚分の広さの布の上に生の葉を広げ、日光に当てます。時々撹拌しますと均一になります。茶葉の温度は30−40度が適当で、40度以上になるときは網などをかけて遮光します。普通は10−20分、曇っている日は30−40分かけます。
 上の葉の光沢が消えて、葉の表面に波状の起伏が現れて、手で持つと柔らかく青臭が消えた状態が適当です。重さで図ると10%前後減っています。

 室内萎凋:さらに室内で萎凋させます。同じように広げて1−2時間静かに置いた後、1分間軽く撹拌します。さらに静置しながら、一時間ごとぐらいに撹拌します。

 炒葉:中華なべかフライパンを熱し、160−180度(水摘を入れて玉になるていど)にします。そこに茶葉をドバッと入れるとややパチパチ音を立てます。手袋をして葉が焦げないように動かしながら炒ります。3−5分して手で握ると柔らかく、青臭が消えて芳香がでてくるころがいいそうです。

 揉捻:直ちに10分くらい揉みます。また150度くらいで炒葉し、揉捻をします。だんだん短い時間で4−5回繰り返します。

 乾燥:最期に硬くなるまでフライパンで炒めます。ただし、焦がさないように。


 手揉み紅茶の作り方

手揉み紅茶 用意するもの:生の茶葉(1kg)、揉みこむときに力を加えてもいい台、竹篭(なければざるか箱)、竹篭がすっぽり入るビニール、タオル、ホットプレート(フライパン)、和紙(クッキングペーパー)、もしあれば目の粗い篩

 萎凋>揉捻>玉解き・篩分け>発酵>乾燥

 摘み方:手で揉む場合は、緑茶と同じでやわらかいところだけの方が揉みやすいです。緑茶と逆で夏に伸びてくる新芽を、気温の高い時期に揉む方が、いい紅茶になります。次の工程を考えると、その日の正午前後までに採るほうがいいでしょう。

 萎凋(いちょう):屋内の風通しの良い部屋で、竹籠などに広げて1昼夜おきます。生葉をしおれさせて柔らかくして、次の工程で揉みやすくするのと、茶葉の中の酵素を活性化させて香りや味を生成させるのが目的です。温度は22−27度というので、日本では夏がいいと思われます。湿度60%以下なので、湿気が高い日はうまくできないかも。
 柔らかな茎にしわが現れて、果実のようなさわやかな香りがしてくればOKです。

 揉捻:台の上で力を加えて一時間位揉みます。うどんを練るようにでもOKです。傷をつけるために竹篭などのざらざらした上で揉んでもいいです。ただし、指を怪我しないよう気をつけてください。茶葉の組織や細胞を粉砕し、酵素によるカテキンなどの酸化反応を促進させ、発酵が均一に早く進むようにします。だから、色が次第に褐色になります。
 ここで泡が出始めるということは、水分が多いということです。もっと「いちょう」させたほうがいいでしょう。

 玉解き・篩分け:揉むと塊になりますから解きほぐします。場合によっては篩にかけて篩から落ちたものは次の工程へ、残ったものはもう一度揉むようにします。ただし手揉みの場合、細かくなりにくいので篩にかけられないですね。

 発酵:竹篭か箱にいれて、ビニール袋につつみ、濡れタオルを入れて湿度を100%に保って、さらに発酵させます。時間はおよそ1〜2時間。温度は20−25度でOKのようですので、室温が高いときには屋内のままでもいいです。小さいと熱を放散しやすいので、はじめに熱を与えるために、屋外において日に当てて温度をかけておきます。自分でも発酵熱を出しますので、しばらくしたら屋内にいれてください。全体が褐色になり香りがでてきます。

 乾燥:100−105度の熱風を大量に供給する乾燥機に入れて、酵素反応を止めます、がそんな乾燥機はご自宅にはないので、ホットプレート(なければフライパン)を110度くらいにして、和紙(あるいはクッキングペーパー)をひいて15−20分乾燥させます。葉を時々動かすほうが均一に乾燥できてこげません。

 夏休みとかご連絡いただければ手揉み体験ができます。ホイロ一式、ガスボンベ、ハケ、バケツなど一式レンタルとお茶の摘み取り代で5000円。指導料は1000円/30分。雨の日は難しいです。忙しい日はご勘弁ください。

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