銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項


2002 「ある種不敵な神無月(後編)」


十六日(水) チャリティー映画


「(前回までのあらすじ)

 あまりにもネットゲーでキティGUY Jの相手をし過ぎてすっかり壊れてしまった多津丘君。

 今日も絶対に彼等に届かない言葉を日記で書き散らし、貴重な読み手をうんざりさせつつHIT数を減らします。

 見かねた優しいオベロン君は彼をチャリティー映画に誘ったのでしたが……。」――誰?


「……なにその紙?」

「わ。勝手に見ないでくださいよ。最高の導入を考えついたところなんですから」

「へぇ。さすがにブンガクセンセイは志が違いますなあ(藁」

「早く日記更新しろ」

「無理」


 そんな仲良し二人組がやってきたのは渋谷。

 人、多っ!


 で、「タイタンズを忘れない」という映画をありがたく見ました。内容は、普通。

 普通にちょっと感動しつつ、もの凄い食い足りなさを感じつつ、「まあ実話を元にしてツクリ無しでやってるんだからこんなものかなあ」と思いつつ、「そういう意味じゃプロジェクトXは凄いんだなあ」と認識を新たにしつつ、アレはツクリジャン? ヤバ。

 そして映画を見たあと、どっかのビルの上で徹鍋餃子食って帰った。

 大変息抜きになったので良かった。


十七日(木) 徹から

「厨房相手に下手に出ることの愚かさを認識しないと。
              ∧_∧
       ∧_∧  (´<_`  ) ウムウム。
       ( ´_ゝ`) /   ⌒i
      /   \     | |
      /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
      (__ニつ/  FMV  / .| .|____
        \/____/ (u ⊃」――あにおとうと


 実際、反吐が出ますよね(苦笑)。(苦笑)を使うということはすでに自分の主義を曲げているのでこりゃよっぽど嫌なことがあったに違いないと自己分析できる程度には打ち出し方が固まっているのはネット歴と関係あると愚考。


 今日は新宿の夜間講義のあと、飲み会のあと、二次会のあと、徹カラまで行った。

 つきあってくださった社会人学生の皆さんに感謝を。心からの感謝を。

 大変息抜きになったので良かった。


十八日(金)

「……ハッ!」――来須銀河


 「バカじゃないんだから」

 「どうしてそういう程度の低い」

 「それは君の親の方針か」


 封印。


 「ホンットにゴメンな」

 「完全に俺が悪いんだけど」

 「申し訳ない」


 推奨。


 この際事実は必要ない。角が立たなければそれでいい。

 必要とする人に必要とされるものを届ける。それがたまたま「君は悪くない」という言葉であるだけのこと。

 福祉活動の一環だと思えば、何ほどのこともない。


 たかがゲームで、痛みを伴ってまで成長する義務は誰にもないしな。

 彼等が望んだ結末だ。楽しんで貰えると良いのだが。

 そのための繕いは惜しまない。応援するぞ! オー!


十九日(土)

「戦わなければ、生き残れない」――仮面ライダー龍騎


 ジョンス=リーを思い出す。対渺茫戦。

 エアマスター、17巻だけでも買おう。


 戦わなければ。

 本来、こんなものは戦いでもなんでもないはずだが。

 どうしてわけのわからない人間がこうも多いのか。

 口で「右へ行きます」と言って、実際には左へ歩いている人間を見て、何故「君は信用できる」と言わねばならんのだ。言行不一致というレッテルを貼られて何故怒る。だって不一致ジャン。

 或いは「そんなつもりはなかった」系か? 自分の歩き方も制御できないなら揺り篭へ帰れよ。墓場でも。

 別に言行不一致だから悪いとも死ねとも言っていない。ただ「君は信用できる」とは言わない。それくらい許せよ。なんで「自分に嘘をつけ。俺は信用できる人間だと言え」と詰め寄られねばならんのだ。

 右へ歩くって言ってるなら右へ行きゃいいじゃネェカヨ。手前が左へ歩いてるから「右へ行くって言ってるのに左へ歩く人」扱いされるんだろうが。それを言い訳がましくぐだぐだぐだぐだ。

 理屈でどれ程自己正当化しようと知ったことか。繰り返す。知ったことか。

 見てるのは行いだよ。口が回れば回るほど、ご立派なご高説と実際の行いの差異が広がって、ますます「あーこういう人なんだ」という評価になるに決まってるじゃないか。

 本当にわけがわからない。

 口で相手を言いくるめて、「理論的には俺は信用できる人間だ」と「証明」してのけて、そして「然り。君は信用できる人間だ」と言ってもらいたいわけか。

 その程度ならお任せあれ。「理屈の上では信用できることになるね」でいいならいくらでも言うワイ。

 それで不満ならモーシラン。繰り返す。知ったことか。

 こちとら手前の自己顕示欲を充たすために生きてるわけじゃないんだよ。

 なんぼなんでも理性が暗すぎないか最近のガキは。どうしてこの程度の常識を話すために、毎回毎回知恵を絞って相手が傷つかない表現を探さないとならんのか。

 彼等の親御さんは立派だよ。俺はもうダメだ。疲れ果てた。相互主義スイッチオン! 


「なんか、ゴメンね。徹夜のせいか自分でもなに言ってるかわかんなくなって来ちゃった。

 とりあえず今日は寝ます。心配してくれてありがとう。またねー」




要するにこう言って欲しいんだろ。
              ∧_∧
       ∧_∧  (´<_`  ) 親切だね。兄者。
       ( ´_ゝ`) /   ⌒i
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      /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
      (__ニつ/  FMV  / .| .|____
        \/____/ (u ⊃




 本当にこれでいいのかはワカランが。

 「あなたは言ってることとやってることが違うので信用できません」なんて内容、どう言い換えても柔らかくなんかならんわな。

 素でワカラン。何か素敵な日本語作法があるのだろうか。



二十日(日) 若竹の会

「これも仕事やさかいなあ」――だからなんで関西弁なんだマケドニア独立国境警備隊隊長 ジャイケル


 たった三人の寂しい若竹。

 でもメンバーはIHARON、yu2磯野

 濃っ。てゆーかうち二人は先月の若竹でマークしておいたヤツだ。

 そして人数が少ないし磯野が来てるし、ということで先月に引き続き4219小隊登場!

 PL減るとゲームバランスは厳しくなるものなんだが、かなり暴れられてしまった。侮っていた……。


 磯野に掲示板で言われて気になってたんだが、俺は普段のマスタリングは手加減していたのだろうかと。そんなことないよなあと思っていたけれど、その気になれば3人でもこれだけきっちり遊べるメンツが相手なら。

 確かに、もーちょいハードル上げていっても良いのかもしれない。と気がつかされた。

 精鋭部隊に乾杯。でも君ら、このペースで進んでたら確実に死ぬる。予言。


二十一日(月)

「冬休みだ! 交渉する!!」――的場伊万里


 今月十日に出ていたアフタヌーンシーズン増刊14号のことなどー。

 しかしこれがどうしても見つかりません。部屋から出てきません。おかしいなあ。

 だから思いだしで書くと、とりあえず、って待てよ。

 なんで今念のため調べたら、足許に積んであるこれまでのOURS、アフタヌーン増刊の山に入ってるんだよ。

 っかしいなあ。ホントにここ一週間ばかり必死で探してる間は全く出てこなかったのに。謎過ぎる。

 まあイイや。出てきたし。

 今回の白眉はやはり「精一杯人をコケにしたポーズ」ですね。伊万里サイコー。

 僅差で須藤真澄も良かったけれど、これは短すぎて食い足りないところはあった。でも雰囲気は「らしさ」が出ていて良かった。

 「もっけ」もちょっと不思議な、読んだあと落ち着かないような話で味があった。けれど、個人的には先号の方が好きだったかな。薫さーん。柔道少女サイコー。健康優良美少女は悩んでいるところもまた良し!

 と、前号の話になって終わりというのはどういうことか。でも薫さんサイコー。


二十二日(火)

「あっしには関係のないことでござんす」――木枯し紋次郎


 笹沢左保さんが亡くなった。

 紋次郎は口ではああ言っても、実際には義理人情に厚く、必ず筋を通す。

 ああいう生き方は素晴らしいと思う。不言実行。誤解を受けやすいのは事実だろうが、わかってくれる人はわかってくれるし。

 他人の筋をわかろうともしない人間とは、別に関わり合いになりたくもないし。

 ああいう人物を主人公にして物語を紡いでくれた人が亡くなってしまったことは非常に惜しまれる。ご冥福をお祈りします。

 予断だけど、里見浩太郎も水戸黄門放映前のインタビューかなんかで、「今の時代劇はウケを狙って逆に人気離れを招いてしまっている。も義理人情や、やむを得ない事情があっての悪事など、人の心の機微を描く、本来の時代劇に戻らなければ」と気を吐いていた。

 で、今の水戸黄門?

 アレ? 照英?


二十三日(水) 

「レキ萌えもエー」――灰羽連盟万歳


 水曜はバイト以外に書くことないなあ。

 結婚式が近くなったので、母上と妹子もなやかやと買いに行ったり挨拶に行ったりで忙しそう。あまり家でダラダラはしていない。今日はなんか一人でぽつねんとしていた。

 暇なのでゲームやろうと思ってカプヌケなど久々にやってみたら、鈍ってたねえ……。

 ブロッキング練習し直さないと。こういうのって一日でも空けるとそのぶん確実に下手になると実感。

 なんに限らず芸事は、毎日10分でも15分でもやっておかないと、勘が鈍るんだろうな。やっぱり。


二十四日(木) 

「丸刈りを想像させるさわやか系青年の、それでいてやや正気でなさそうなニュアンスが響く声、でした」――Cozy


 『どんな声だよ!』(一億総ツッコミ)

 今日は新宿が休講だったので木曜だというのに午後が空いてしまった。ゼミでいつものように叩かれて死んでいたので庇護を求めて劉秋華の家へ逃げ込む。

 そろそろ七万HITということで、なんか企画を考えなきゃなあ、とクダを巻いていたら、劉秋華発案で「萌えキャラ」をいじってみよう、という話になった。

 これはなかなか面白そうなので練り込んでみることに決定。痛いところ狙うYO-!


 あと、秋華君はササニシキで普通にお粥を作るので許し難い。ブルジョワ!


二十五日(金) 奨学書類〆

「異議あり!」――ナルホド


 逆転裁判2、大人気ですな。メッセとかも名前のネタに使ってる人、多し。

 あ。そうそう。MSNメッセンジャーを導入したのですよ。夏のオフ会だかで俺以外のメンバー全員がメッセ持ってるのに俺だけ持ってないから持てと言われて。

 あると便利は便利なので使ってます。てゆーか登録法よくわからなかったのでhotmailのアドレス取ったのだけれど、アレって普段は使わないし出来れば余計なメアドなど管理したくないので、あっちにメール送られても困るのよねえ。やたらダイレクトメール来るし。外国語の。

 てなわけで「そっちのアドレスにはメールしない」と約束してくれる人は、欲しいならメッセアド渡すので連絡プリーズ。むしろこっちから聞きたい人もいるけど。まだICQの人もいっぱいいるのだろうか。両方は厳しいよなあ……。


二十六日(土) 

「無理」――妹子起きろと言われ


 今日は鷹村さんが身内の結婚式のために帰省しているらしい。

 いつの間にか妹子の結婚式も1週間チョイあとまで迫っている。帰ってきたら色々話を聞いて参考にさせて貰おうと思ってみたり。

 しかし、身内が減るというのはどういう感じなんだろう。減るといっても父上とは違って、どっか余所で生きてはいるというのは。これはどういう感じなんだろう。

 その気になればいつでも電話とかで話すことは出来るけれど、触れることは出来ない。

 それは逆に喪失を強く意識させるような気もするが。気の持ちようなのだろうか。


 朝起きて、半分寝ぼけたまま、下に行くと先に起きてきた妹子が炬燵で寝ている。


「おあよー」

「むー」


 この程度のやりとりをして、俺も炬燵に入る。

 炬燵は狭いので、寝るために深く入ると足がぶつかったりする。

 だからといってなにか言うではない。無言で近くにいる。

 そういう家族がいなくなるというのはどういう感じのするものなのだろう。


 その時にならなければわからないのだろうけれど。たまに考えたりしている。


二十七日(日) 雛会

「お。俺、萌えキャラ萌えキャラ」――せっちん


 友、遠方より来る。

 ということで新宿で飲み会。メンバー等は鷹村さんの日記でもご参照。

 久々の珍しい人が多かったので良く喋った。これまたたまにしか会えないせっちんが特に良く喋っていた。やはり社会人は大変なのだなあ。

 今日、遠くから来ていたメインゲストの人はそのうち関東圏に引っ越してくるそうで、そうしたらもうちょっと頻繁に遊べるだろうか。楽しみである。内輪度を軽減しないとね! もう無理だって。


 一回お開きになったあと、「やっぱ町田が気楽だから」という理由でとっとと新宿を引き払う。で、鷹村家でダラダラ開始。大変楽しゅうございました。

 今日、ちょっとだけこないだ話に出ていた7万HIT記念萌えキャラ企画のことを出してみたら、かなり反応が良かったので気をよくしてこの線で行くことにする。アイディアもたくさん貰ったし、何より萌えキャラ画伯こと神野あきの参加が決定したのが大きい。

 ほんじゃま、行ってみましょうか。痛い企画、ON!


二十八日(月) 

「ハッハッハ。ただの、隠居のじじいでございますよ(ギラリ)」――水戸光圀


 方々で言われていることですが。

 里見黄門はヤバい。殺陣のシーンの眼光が鋭すぎる。新人でへっぴり腰の助さんや角さんは勿論、筋肉は凄いが台詞を言うたびに肺呼吸なのか胸が上下している照英より、年齢を考えれば奇跡的なアクションを見せるお銀(お銀じゃないって今回)より、とにかく凄い。

 殺陣シーンで助さん、角さんが「突破されて」黄門様まで敵が来るというのはピンチの筈だったが。旧作ではこの時、どこからともなく飛んできた風車が敵を倒して事なきを得たりする。

 今作では弥七がいないので、彼の代わりに照英が、なんか筋肉ビームとかで援護を準備しているのだろうが行動順が遅くてなかなか出ない。しかし黄門様、敵の刀を杖で受け、杖の先端が斬り飛ばされるほどの斬撃(樫の杖が断たれるとしたらもの凄い打ち込みである。どういう雑魚だ)にも怯みもせず。

 手元に残った杖の先端、切断されて鋭角になっている部分を突きつけるその立ち姿。眼光。ギラリ。


「死にたいか、小僧。良かろう。命が惜しくばかかってくるがよい」(脳内字幕:戸田奈津子)


 ありゃダメだ。人殺してるね。殺してる目だね。数百人を。

 そんな殺人鬼に射竦められ、身動きできずに死を覚悟したところで、「静まれ、静まれー」。印籠ボーン。そりゃ土下座もするっちゅーねん。

 土下座しながら「助かった! 命があった!」と涙するっちゅーねん。

 里見黄門サイコー。


二十九日(火) 

「最近、私って短気なんだなあと実感します。

 すぐ「もー!」と腹が立ってしまうのです。

 何処かで奢ってる自分がいるのかも。

 修行が足りませんね。頑張らなくては。」――某女史


 前半2行のように思うことは良くある。特に最近。そりゃもう良くある。

 そして「ホントにバカが多くて困るぜ!」という方向の結論に落ち着き、「それに比べて俺は偉いなあ」という安心感と満足を得て、その件を脳内の「処理済み」の箱に入れる。

 そんな俺からしてみると、後半2行のように考えることが出来る彼女は恐ろしい。「人間的にお前は下だ」という事実を突きつけられてる気がする。

 カレカノで俺が一番好きな、いやゴメン訂正。あの作品は好きなキャラが多すぎるのでなんともはや。とりあえず現状のナンバーワンとしておこう。とにかくそんな沢田亜弥が、瀬奈りかに対して言った(俺の中で)有名な台詞。


「こいつ、神か!?」


 とはこのような場合に発せられるものであろう。

 てゆーか発した。


 まだまだ精進が足りない。俺ももっともっと心を広く持たねば。




 と。先月までなら言ったかも知れないが、最近はもう自分に正直に生きることにしたので言いません。頭がオカシイ奴等につきあってるから俺がイライライライラするわけで。アイツ等クズですよ。もう二度と義理人情であんな奴等の面倒なんざ見るもんですか。ゲーッゲッゲッゲッゲ。

 客観的に見て平均より大分面倒見の良い方であった俺をここまでうんざりさせた君らの手腕だ。恨むなら自分等の行いを恨め。「どうしてそんな非道いことを言うんだ」みてーな怠いことを言うなよ。

 非道いことを言われるだけの低脳っぷりを遺憾なく発揮し、そのフォローをして回った人間に、感謝の行い(※言葉はたくさんだ。貴様等口だけ人間の「ごめんなさい」も「ありがとう」も、まるで意味がないことは思い知った。不誠実なんだよ手前等は)の一つもない。

 たとえ俺が常人並の心の広さを持ち合わせていたとしても早晩こうなっただろう。自業自得。Amen。


 こんなことを日記に書くということはいよいよ覚悟したか俺。もう我慢の限界ですか俺。


三十日(水) 研究会

「卵が先か鶏が先か」――問い


 ちゃんとした会議というのは参加していて気分がいい。

 組織は個人の集まりだけれど、参加する個々人にコンセンサスが出来ていなければ非効率というかバラバラというか、下手すると個々に動いた方が良い結果になるような阿呆な集団が生まれる。

 そういう状況を防ぐために、自分達がなにをどうやって進めるかという方向を確認するために行われる会議。発案はすべからく状況を良くするためであり、総合的に見て組織全体にとって「より良い」方向を目指すための方途が探られる。

 大げさな言い方をすれば、叡智を結集して協力してことにあたる場。それが会議だ。


 間違っても「ちょっといいことを言って自分が注目されるために発言する」ようなバカの出る場ではない。

 バカと言って失礼ならガキだ。ガキと呼べる年齢でないならクズだ。

 ガキとクズが絶滅すれば、ネットゲーの「会議とやら」も多少はマシになるのだろうか。


 社会性がないなら部屋で首括って死にゃいいのに。なんでアイツ等は世の中に出てくるかなあ。

 迷惑極まりない。育てた親は責任持って教育しろよ。

 それが出来ないからクズの親なのか。親が低脳だから子供がクズなのか? だとしたら彼等もまた犠牲者なのだ! 気の利いたことを言いました。ハハハ。


 目一杯張りつめて充実した会議のあとで、帰宅するとネット世界の「会議風」が待っている。

 どいつもこいつもペーパー一枚作らず、論題も他人任せ。そもそも「議長を立ててきちんと議事進行をしよう」という発想がない。ただ、誰かが課題を提出し、それに対し各自が勝手気ままに自分の私見を述べ合う。

 問題点、状況整理、叩き台となる意見、その根拠となる資料。

 すべて無し。あってもその場でダーッと喋る。バカか。


 「みんなで話し合ってなにかを決める」文化がゼロの国から来てるのか君らは。理解できない。


 この人達は正気なんですか。それとも、「一生懸命何かに取り組んでる自分」が好きだから、そんな自分をアピールできる時間を少しでも引き延ばすために敢えてこんなバカな進行をしているのですか。

 せめて後者だと思わなければ救われない。さもなければこいつ等は全員単なる低脳だ。


 頼むからちゃんとしてくれよ。頼むから。

 Please。Pleaseだよ。諸君。


三十一日(木) ハロウィン

「どうして人を殺してはいけないんですか」――名もなきいち高校生


 別にいけなかないよ。いいってこともないが。

 人間は個人じゃ生きていけないから、社会を作っている。その社会の中での「お約束」として、「人を殺してはいけない」ということにしておかないと、社会がえらく成り立ちにくい、いびつなものになってしまう。

 倫理上も法律上も、「人を殺してはいけない」ということにしておく方が「都合がいい」。それだけのことだ。


 ただし、覚えておくべきは殺すのがオッケーなら当然、自分も殺される側に回る可能性があるということで。自分がいつ死んでも良い、そういう覚悟が出来てるならどうぞ殺しなさい。「自分だけは死なない。殺されない」という間違った思いこみを持って「人を殺しても良いんじゃないかなあ」と、漠然と考えているようなら、それはお甘い。

 自分が殺されたくないから「(お互い)殺してはいけない」というお約束を作って、それを皆で守ることで安定と安心を手に入れる。

 それが社会の営みである以上、イレギュラーは社会そのものから排除される。抹殺される。

 それだけの覚悟がある人間は口にしなさい。「人を殺してもいいんじゃないの?」と。


 殴れば殴り返される。殺せば殺し返される。やればやり返される。作用と反作用。


 それは当然の道理であって、それがわからないというのはもう、どこかが「おかしい」としか言い様がない。


 「殴らない主義の」相手を一方的に殴り続けて勘違いしている人間を、最近よく見かけるが。

 彼等は相手が「自分の主義を」通しているから自分が殴り返されずに済んでいることに気付いているのだろうか。それとも気付いていないほど低脳なのだろうか。

 それは簡単にわかる。相手の堪忍袋の緒が切れて、ついに殴り返してきたときの対応で。


「どうして人に危害を加えてはいけないんですか?」

「別にいけなくはない。自分も危害を加え返される覚悟が出来ているなら、やればよろし」


 当然、その覚悟があってやってたのだろうから。

 その際には潔いとこ見せてくれるものと期待できる。


 「どうして俺が殴られなきゃいけないんだ」などと被害者ぶるようなガキでは、よもやあるまいが。

 もしそうならそれはそれで構わない。オモシロイもん見せて貰っちゃうことになるな。


 行いから程度が知れる。

 怖いねえ。世の中は。


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