銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項


2000 「師走戦神! 爆装! シワスダー!(後編)」


十六日(土) 補講期間開始

「渋谷駅で金属バットで若者が……、ってあんなに被害者が出る前に誰か止めろよ!」


 まー、イベントが多い。今年もあと十五日か。

 昨日までの暮らしがどれほど無茶だったかは、今日の起床が七時(夜ね)という事態で一発明らか。しかもまだ寝たりないし。頭回らない。

 そうそう。復刻版ビックリマンを買ったら「凡神一本釣」ってのが出た。一本釣帝であり一本釣神帝であったあの人が、最後には神様になったのね。安っぽいキラキラさが泣ける。ヘッドじゃないのかよ。

 それにしても明日は出席者三名かい。なんか、ホントに思考停止だわいな。


十七日(日) 若竹師走会

「世の中には二種類の人間しかいない。支配される者と俺。それだけだ」――ひとみ悟空


 たった四人のクリスマス風会。しかもいつものメンツ。

 ダレダレ。

 レイン双六を遊んだり知恵クイズをやったりしてまったり過ごし、プレ交をやって素敵なプレゼントの応酬を繰り広げた後Cozy撤収。サークル飲み会へGO!

 見送った後、あまりにダレダレなのでしょーがなくやけっぱちでTRPG開始。プレイヤー二人。バーニングバーニング。オワってる。

 終了後ヤス撤収。家族でお食事会だと。みんな予定があるネー、とやさぐれる俺と柴三郎の所にひとみ悟空がやってきてみんなで焼き肉へ。

 ひとみがポケモンクリスタルを買ったのとyoungさんがガンパレードを褒めまくっていたのに触発され、帰りにゲーム屋で物色していたがクリスタルはゲームボーイカラー専用だったので断念。本体ごと買うかガンパレードを買うかで判断中。

 柴三郎は剛毅にも両方買っていた。つーかひとみに二つ持たされてそのままレジへ。いいのか?

 つーわけでチョイと待つと柴三郎のレヴューが出るでしょう乞うご期待。「買ったら原稿描くよ」と言っていたのでそのうちガンパレ本が出ます。乞うご期待。


十八日(月) K

「ラスキンかっこええ……。あーも、電撃大王買うかむしろ?」


「多津丘さん、来年は審査ですから」

「あ。三段……、ですか」

「そう。そのつもりで心がけて。休みなしでやってください」

 休みなしで……。

 H口先生の場合本気の可能性があるから怖い……。

「はあ。頑張ります」

「あとねー、多津丘君」

「なんでしょう稽古中に手を切っちゃってもティッシュで塞いで続けてるK谷先生」

「27日稽古納めだから」

「27日……、いや、その日はもう忘年会が」

「なにを言ってるんだか。もう学校ないでしょ? なにもありゃしないよ」

「そう、ですカ……。そうなんでしょうなあ(詠嘆)」

 そんなわけで鷹村さん、皆さん。27日は九時頃から参加或いは二次会から参加です……。


十九日(火) 発表見学 忘年会会場探し

「イトーヨーカドーでゲームボーイカラーが安いんだよ……」


 高田馬場で飲み会の店探しをしたわけですが。

 メンバーは俺、ツァリーア陛下、ヲベロン君。どーでもいーがネットゲーの人をキャラ名で呼ぶのはイタ過ぎるな。なんかいい手はないのか。

 良く考えたら飲み会は相当久しぶりだったので、メンバーが初対面だったこともあり飛ばし方をすっかり忘れていて……。つーかギアが二速寄り上には入らないような状態で過ごしました。

 友達相手にわかりやすく言います。「大丈夫でした」

 安心して貰ったところで柴三郎。ヲベロン君にハタネズミ渡しておいたじょー。他にも持ってないのが結構あるらしいので、掲示板等でチェックしてダブってたらまわしてあげてくれい。

 それにしても高田馬場ってのは凄かったよ。学生街! って感じ。たぶん生まれて初めて行ったんだけど、ゴミゴミしてて迷いそうになった。都会慣れした二人がいなかったらヤバかったな。

二十日(水)

「プロジェクトX深夜の再放送で二回見て二回泣いちゃったよ……」


 今年の冬のまんが祭りは特にどこも手伝う必要がなく、また身内で本を出す企画もないので単に行ってブラブラして帰るというスケジュールになりそげです……。

 って、誰か行くだろう。てーとくとかyoungさんもだよな。あとエクシール陛下もたぶん? この際だから行く人、行く予定の人はおしらせください。会える人とは会っておきたい。今世紀の終わりに。

 Cozyも搬入バイトかなんかで行くんだったな。IHARONの本は……。

 本は……。

 また来年っ!?


 しかし、なんにもないと思うと寂しいな。名刺代わりにコピー本を作るにしても、ネットゲーのだと普通の人がわからんしな。今ネットゲー以外にネタもないが。

 せっちんも柴三郎も忙しそうだし。柴三郎とガンパレードの本は作れるのだろうか。来年。


二十一日(木) 冬至

「アップルパイー♪ アップルパイー♪」――通学中の小学生に聞かれた、庭で俺が歌っていた歌


 きゅー……。

 原稿打ちのアルバイト三本が突如来襲。

 〆切はガッコが最終日の二十五日でよい、ということなのだけれど、予定見てみると明日、明後日と忘年会続き。早めにやるのに越したことはないのです。

 と言うわけで今日は見事に他に何もない日になりましたとサー……。


二十二日(金) ア〜カム改革国民会議(忘年会) 教育改革国民会議最終報告書提出

「多津さんは魔女っ娘とか好きなんでしょ?」――あんたあんまりだ陛下


 ……眠。

 昨日で半分まで原稿打ちを終わらせて朝起きて続き。

 今日は高田馬場で飲み会かつその前に状況者を迎えに品川へ行かねばならないので家でゆっくり準備をしたかったのだけれど、出来た分だけでも先に渡しておいて先方の作業時間を少しでも増やしたろ、という考えでガッコへ。

 帰りがけに多摩センター通り沿いのディスカウント酒屋で貢ぎ物を仕入れて帰宅。ガッコでいろいろ直しでつかまったのでちょっと手間取ったが、充分間に合う時間ナリ。

 相原駅で電車を待っていると……。

『――えー、只今淵野辺駅で人身事故がありました関係で、横浜線大幅に遅れております――』

 素敵事態?

 横浜線で東神奈川まで行ってから北上して品川へ出るつもりだったんだが……。じゃあ八王子まで出て中央線? どんくらいかかるんだそれ。そもそも上り線も止まってるし。復旧未定? どうすっかなー……。

『はしれー はしーれ はっしーれー♪』

 なんで頭の中に「ダイ・ガード」のOPがかかりますかっ!?

「でも、わりと他に選択しないよね?」

 そだね……。


 焦ってるときの二キロは遠かった……。


 そんなわけで三十分ほど遅刻して品川。大阪の漢、番長がこのへんにいるはずなんだが……。

「おおー! ここじゃここじゃ! 儂ぁ、浪速の番長じゃけぇのぅ!」(※創作台詞)

 そんなわけで合流です。会えて良かった! 何故って番長の携帯だけが頼りなのです連絡手段。俺は携帯持ってないから……。

 実際の番長は全然番長っぽくなかったので「フカシが!」とローを入れる機会をうかがっていたのですが、わりと隙がなかったのでやめました。チキン万歳!


 新宿で他のメンツと合流。ネットのオフ会なんて性格破綻者だけの集まりだと(含俺)勘違いしていた僕ですが、待ち合わせ場所にはなんか今風の若者しかいなくて逆に俺が浮いていて気分悪かったです。裏切り者共め! 一人くらいアニメTシャツで来たりしろよなー……。(※凍死)

 高田馬場へ移動。飲み会開始。一人一人のことを書くとプライバシーとかアレなので詳しく書きません。番長のことは書いちゃったけど、まあ熱血系だし気にすんな。

 飲み会は特にイベントも……。料理に古生代からの人類の友人(幼虫)が入っていたことくらいかな。

 ……。

 いやマジで心臓止まったって。

 下見に来てここに決めた俺の立場もすっ飛ぶよ。もー、ブルー。この先ずっとブルー。近しい友人の諸君は、そういう事態になったときの俺の様子を想像して下さい。死の陰に包まれてました。

 とはいえ初対面の人を沈ませても悪いので相応に明るく振る舞う健気な俺。俺100パーセント。

 その後二次会でちょっと寝かせてもらって(やっぱ原稿打ちが効いた)。三次会のカラオケでは前半寝かせてもらって後半寝惚けてアニソン以外を歌い。

 夜が明けたので天一でラーメン食ってマックでダベって帰宅ー。イヤー、都会満喫。新宿ってあんな時間でも店いっぱい開いてるわ。怖。

 メンバー全員常識人で俺だけ浮いているという、いつもとは逆の(←文句のあるヤツは27日勝負だ)飲み会だったけれど、絶対一人くらいは来ると思っていたネット依存の内向的コミュニケーション不全症候群者がいなかったので大満足。今日はいい飲みだった。

 今日は。

 問題は次だ……。


二十三日(土) 天皇誕生日 道場忘年会(15:00〜)

「今日は12時まで飲んで逝きなさい」――死刑宣告


 えー、早朝帰宅。

 ちょっと運動して風呂入って酒抜いて、即就寝。

 起きたらもう道場の飲み会の時間でした。

 今日は瓶ビールがすぐ終わったので、はじめは安心してました。油断してました。油断のある人間は生きていけないみたいです。

「どした多津丘。コップが空だぞ」

「いや、飲んでますよ? 缶から直接頂いてます」

「ああ、缶で飲むわけだな」

 と言って新しい缶ビールを持ってきてくれるI藤先輩。

「ささ。ぐっと」

「あ、ありがとうございますー」

 コップの方を出す俺。ニコニコしているだけの先輩。

「……?」

「缶で行くんだろ?」

「はあ……」

 お代わりを持ってきてくれたのだろうか。そう考えて手を出す僕。ニコニコしているだけの先輩。

「……先輩?」

「まだ入ってるだろ? それ」

 俺の持っている缶を指す。

「空けて空けて。次が来てるんだから」

 ……。

 缶がコップの代わりかーっ!?

「(終わった……)ハイ。んっぐっぐっぐっぐ……。ぷはうぇー」

「じゃあこれだ(プシュッ)。ホイ」

「は。どうもです。んっぐっぐっぐっぐ……」

「ガンバレー(次の缶を出しながら)」

「(続くのかっ?(涙))」


 四本で終わりました。僥倖です。


 この一気っきあたりからちょっと記憶アヤシーのですが、I藤先輩が明日仕事があるとかで早めにお帰りになったのでかなり命がつなげました。あとはゆっくり飲んでいた「天才」K多さんの近くへ避難。四国は香川出身のK多さんと旅行の話など。

「……と、このあたりのうどん屋へ行きましたが」

「阿呆やなあ」

「うわ。一言ですか」

「うどん屋っちゅうのは、畑の近くでうどん作ってる、製麺所があって、そこへ行く客が食わせー言うのを、ほいなら勝手に食えてなもんではじめやっとがいっちゃんうまい。看板出してる店へ行くのは阿呆や」

「はあ……。でも、それって観光客には行けないんじゃ」

「無理やね」

「うわ。一言ですか」

「まあ、諦めて。……俺が帰省してるときなら電話してくれれば、出たのが俺なら」

「案内してくれますか!」

「出んけどね」

(なんじゃそりゃっ!)

「やっぱり多少包まんと」

「何を要求してるんですか貴方は」

「払うものをね」

(こんなお茶目な人だったのか……)

 意外な一面を発見。K沢さんと通っている古流の道場について色々伺いたかったのだけれど、「見に来れば? 見るだけでは終わらんけど」という絶対に遠慮申し上げるお答えしか貰えず。


 12時で殆どのメンツがお帰りになったが、杖道の方でお一人、開始とほぼ同時に寝モードに入りそのまま帰還されない方がおり、ストーブつけて毛布被せて放ってあったのだが、この人を見るということで家の近い私ともうお一方が居残り。

 二人しかいないのに話が続く続く。三時まで二人でゴー。

「結局、古流って言っても喧嘩をやれば負けるよね」

「そうですね。まあ精神性が重要ということで」

「でも、相手が銃を持ってたらなあ」

「まあ、精神性が大事ですよ」

「寝てるところを攻撃されたら役に立たないし」

「結局は精神性の問題ですよね」

「なんだかんだで数の暴力にはなあ」

「一つ言えることは、精神性ですよね」

 良く見ると酔っぱらいの会話以外のなにものでもないな。

 三時頃寝ていた人がむくりと起きたのでもう、しんどいから帰ろうと思ったのだが、始発が動くまではおつきあいすることにする。寒いので三人とも酒を飲む飲む。会話の内容も一人増えたことにより。

「やっぱり、やってて意味があるのかなっていう」

「それは精神性が」

「いや僕が思うにね」

 全然変わらねえよ。

 
二十四日(日)

「ありゃ。三十日は売り子になりました」


 七時頃帰宅ー。

 今日は運動する根性が残っていなかったので風呂入って直ぐ就寝。夕方まで昏々と眠り続ける。

 夕方起きてもまぁーだ酒が抜けない。ヒデエ。

 しょーがないので走ったり飛んだり跳ねたりして、帰って風呂入ってやっと普通の二日酔い。あーキツ。

 昨日から三夜連続、「NHKスペシャル 〜世紀を越えて〜」のエピローグが始まってマス。とりあえず今晩は録画成功。「戦争」かー。

 ルワンダ内戦の映像で一見只の農民風にしか見えないオッサンが、少数民族の人達を跪かせて鎌で頭や首をザクザクやっていく映像に呼吸停止。

 人を殺すことにはもの凄い覚悟が必要だと思っている。「結局、精神性の問題ですよね」 即ち、「いつでも殺せる」腕をみにつけることによって「今殺さないでもいーよね」と思えるようになるのが武道の目指すところではないのかな、そんな屁理屈もつけてみたり。

 だから、今現在自分に直接被害を及ぼさない人間を攻撃できるという、そのことがもう解らない。納得できない理解できない。つーかそもそもそこに理屈はあるのか。ないんじゃないのか。

 理屈の通じない暴力を相手にしたら、やっぱり殺られる前に殺るしかないんだろうか。戦争を考えるために戦争を理解しようと努力することは出来るが、殺戮は思考に乗せることが出来ない。これでは考えられない。

 構造把握をしようとすることがもう間違いなのだろうか。考えても脳裏に浮かぶのは彼の情景のみ。

 ……渋沢龍彦でも読み直そう。


二十五日(月)

「ヒント:ビール泥棒」(質問にはお答えできません)


 ちょっと思いついたことがあるので一発逆転ホームランを狙ってみよう。

 ガッコ最終日。原稿打ち無事提出。鷹村先輩が地ビールがあるので飲みに来いと言っていたのでゴー。しかしそれは昨日全滅済み。飲み会なら呼んでくれればいいのにまったく……。

 しかしまあ卑劣な罠を仕掛けて陥れたので五分五分ということにしておきましょう。九時からは鷹村家でCozyの解説の元NHKスペシャルエピローグ第二夜を拝見。バイオの回だったので血とか痛い話の苦手な俺は見ていて筋肉とか力が入らなくなること限りなし。

 しかしCozy先生はカタログチェックに忙しくあまり解説してくれませんでしたが。

 じゃあラーメンを食って帰ろうということで出発。鷹村さんが牛骨ラーメンを勧めるのを「それは食ったことあるしー」と軽く流してCozyにカルチャーショックを与えた某店へ。

 入った瞬間店員がおばちゃん一人という状況に警鐘鳴りまくり。失礼ながら仕事ぶりを拝見しているうちに除夜の鐘並に響きわたる。会話も虚ろな俺。

 出てきたものを食べてみると、うまいまずいの前に単に味がない。ダシは取ったんですか? 替え玉を頼んで、にんにくとトウバンジャンを入れて食べなおしてみると、今度はスープの味がインビジブル。

 下を向いて歩こうよ涙がこぼれてもいいから。自信満々で誘った我々をフォローすべく鷹村さんが「俺は結構好みだったよ」言ってくれてましたが、終始口数少なく対応。

 あー……。凹んだ。


二十六日(火)

「だからお気に入りの漫画一編のために雑誌一冊取っておくスペースはもうないの!」


 大掃除開始!

 遂にこの日がやってきた! 諸将勇戦せよ! 激戦セヨ! 烈戦せよ!

 今こそ我が部屋にせめて一畳のスペースを確保するとき! 畏れるな本を! 諦めるな資料整理を!

 勝利は戦い続ける者の頭上にこそ輝く!

 全軍吶喊!


 ……。

 おかしい……。

 何故雑誌、書籍の分類だけで一日が終わるのだ……。

 しかも掃除に熱中しすぎてNHKスペシャルエピローグ半分見のがしてるし……。

 おかしいんだよ……。

 明日もう一度勝負。


二十七日(水) 稽古納め(19:00〜) 忘年会「鷹村式」(19:30〜)

「今世紀最後の忘年会ー」


 戦線崩壊。

 耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、またもとりあえず寝る場所を得るために整理し終わった本を片端から積んでいくという事態となってしまった。合掌。


 夕刻より道場にて本年最後の稽古。みんなやる気バッチリ! いつも以上に気合が乗っていたぞ!

 しかし、先生方はその数倍気合が。

 よって稽古後、更衣室にて壁に向かって沈み込むようにもたれかかる大の男数名。ぷしゅー……。


 しかし疲れてもいられない。町田へ転進忘年会へゴー。

 ばっちり電車で寝ましたが。あと肩痛ぇー……。

 一次会は16人という大盛況の会合に二次会から合流する悲しさよ。わりとノリがわからず。ダベって飲んでダベって飲んで撤退。鷹村家へ。

 選りすぐりの精鋭(帰り損ねた奴等とも言う)が時間を潰してる間に、鬼のような鬼、河邑を送ってきたひとみ悟空が帰還。「明日仕事だよー」と午前三時に鷹村家でぬかしやがった彼は柴三郎を積んで帰っていきました。帰れよ! 或いは送るな区民を!

 俺はもうしばらくヤス達とダラダラして、みんなが帰ったあとも一人で残る。何故って家主が寝ているので帰れないの。鍵開けっぱでかえったら悪いし。前は窓から抜けたけどアレはもう嫌だ。

 で、鷹村さんが起きたので一緒に町へ出て、御飯食べて帰宅。youngさんが言っていたセーブデータディスクのついている電撃なんちゃらを久美堂で発見。あ、ガンパレです。


二十八日(木)

「気がついたら呼び鈴壊れてるジャン我が家。宅配の人の苦情でやっと判明」


 昼帰宅。寝てなかったし、まず寝る。

 起きたら夜。「当然だわな」と冷静ぶってみるが、これから明日明後日の準備をするのかと思うと冷や汗限りなし。

 せめて挨拶用にうっすい本を一つ作って持っていくつもりだったのだけれど、大掃除のどさくさで作業中原稿がどこかへ。それどころかペン等の道具すらどこかへ。

 諦めて寝る。暇になったらやろう。


二十九日(金) 冬のまんが祭り初日

「縁は異なもの味なもの」


 さあコミケ。初日は一般だし昼以降参陣。

 と、思ったけれど明日以降は忙しくなるので家の仕事を先に全部片づけていると結構遅くなってしまった。昼食べる暇もなかったので空腹。

 どっかで立ち食い蕎麦でも食べていこうかと思ったけれどタイミング取れず。結局いつも通り豊洲で降りて歩いていると道を間違えていて戻ることになったり、なんかバタバタ。しかも2キロほどロス。遠!

 いつも気になっていた途中の弁当屋でお昼にしてみる。スポーツ弁当。中越運送の裏の芝の所に座ってランチターイム。値段分以上に旨かった。なかなかここの弁当を食べる計画予定でコミケには来られないけれど、また食べてみたい。

 で、もうチョイ歩いてビックサイト。今日は知り合いの所を回っておしまい。

 まずは西館。近江陸良改めきぎたつみ先生のところへ行って「外周ですね大先生!」と言おうと思ったけれど本人おらず。FFの本もないし、飴だけ置いて帰る。

 そしてふうらさんにお会いして握手してもろた。「なんでもいいから創作力とか技術力とかを盗めー」と念を込めたのできっといいことがあるでしょう。ふうらさん多謝。

 そして東館。youngさんの所では挨拶しようとしたけれど普通に接客対応されたので普通に本買って、うっかり普通に帰ろうとしたところで「じゃあまあ、流したところでどうもですー」と来やがった。負けられねえ。

 あと葵紗那さんのところに行ってこれで全部。初日は終わったー。

 そういや今回浅見君いなかったと思うが、どうなんだろう。

 その後エクシールさんと合流。生存を確認。二人でボソボソと創作とか更新とかそういうダウン系の話題で盛り上がる。華やかなコミケ本番の日に何をやってるんだか。

 喋ってるうちに閉会。エクシールさんと別れてブラブラ。Cozyが来ているのだけれど搬入アルバイトで大忙し。そういやついでなのでハラダさんの明日のスペースでカタログチェックしつつ(まだ全然見てなかったから)待ち、前日搬入をちょっとお手伝い。そのまま残ったので搬入章とかつけてなかったけど、良かったのかなあ。誰にも怒られなかったから良かったんだろうけれど。

 さて、じゃあ終わったし帰ろうかなあと、思ったがCozyを拾えたら拾おうとバイト君の溜まり場へ。Cozyおらず。「暇だったら手伝って下さいよー」と言われていたので冗談で「Cozy君のガッコの先輩なんですが、やることあります?」言ってみたら、五分後には台車に積んだ同人誌を配送してました。なんだそりゃ。

 気分だけ塚本印刷で「うにゃにゃー。陣内さんの同人誌デスよー」などとエンドルフィン言を脳内で発しながらかけずり回っていると仕事終了。本番前日に疲れ果ててどうする俺。

 しかもなんか給料が出てしまったので(いいのか?)有り難く頂戴し、帰宅。

 飲みに行った後で。

 いやだって、岸田屋が今年最後の営業日だっていうから……。電話したら。電話するなって? それは。

 なお、搬入バイト組はサイゼリヤで食べて帰るというのでここでお別れ。つーか誘うつもりだったCozyとバレるという。待った意味無いジャン俺。

 もうお一人同じく早期帰宅組の方と途中まで一緒に帰ったのですが、この人がずーっとマスクをしてたのでてっきり体調が悪いのかと思っていたところ、そうではなくて明日、サークル参加するので風邪を引かないように予防していたそうで。見上げた同人根性! 是非お名前、サークルをお聞かせ下さい!

 ひよたま御殿って……。永瀬さんですか貴方は? 何故搬入バイトをしてるんだ貴方が……。

 思いもかけず現存するセンチサークルの勇者と出会ってしまったので、センチのこと……、でわなく。共通の知人劉秋華の話で盛り上がるダメな我等。いや、センチの話もしたけれどね。

 月島でお別れして俺は岸田屋へ。丁度一席だけ空いててラッキー。一人で来て良かった!(負け惜しみ)

 煮込み、干だら、まぐろかけじょうゆなどを頼みながら生ビールや日本酒を飲り、ぐてーっと至福の一刻。料理に時間がかかるので勝手に酒が進む。

 左隣の四人組の人達とテレビの話でちょっと言葉を交わし、それをきっかけになんかまとまる。料理や酒をまわしあったり喋ったり。

 どーでもいーけどなんで「自称宇都宮の普通の会社員」なんだこの人達。栃木ジャンそれ。どうやら仕事の帰りに泊まり覚悟で来てるのか。「まだ食前酒」と繰り返しながら飲むこと飲むこと。そして料理を頼んでは頼んでは俺のところへ。いや、有り難いけど俺はそんなに貧乏に見えるのか……。

 終電までに帰らねばならないので、名残惜しいが途中退席。盛大に激励の言葉を賜り、「また会いましょう」と送り出される月島の居酒屋。

 家路を辿りながら早くも後悔。「良いお年を」とか「良い新世紀を」とか。気の利いた挨拶の一つもできないもんかな俺は。仕込んでおかないと、とっさにそういう言葉が出るほど機転も教養もないのに。あーもう。

 ご縁があってお会いした全然知らない人達。楽しい時間を過ごせた人達に、せめてなんか良い言葉を贈りたかった。金受け取ってくんねーんだもんなー。俺、2700円しか払ってねーぞ。

 おそらくは二度と会うことのない、遠い町から来たあなた方へ。最大限の感謝を込めて。

 ありがとうございました。来るべき新世紀が皆様にとって良い時代でありますように。

 せめてお祈りを申し上げる。

 と、ここで書いておくか。自己満足のために!


 帰りの千代田線はバッチリ寝過ごし池袋。しょーがないのでJRで新宿へ出て帰宅。つーか寝る暇無いっつーの。今日本番だぞおい。大丈夫なのか俺。


三十日(土) 冬のまんが祭り二日目 IRCチャット

「ふと我に返るととても寒い。有明」


 一時間半くらい寝た。つーか準備できず!

 昨日と同じ道のりで会場へ。朝だというのにお弁当屋さんが開いていた。が、ここでホカベン買っても持っていって昼まで取っておけるかわかんないので断念。コンビニでおにぎりを買う。お茶は水筒で家から持ってきているという遠足っぷり。

 会場入りして即、IHARONのスペースに様子を見に行く。本出てるのかー……。

 出てました一応! 一応万歳!

 勿論新刊は落ちて間に合わせのコピー誌でしたけれど! でも万歳!

 苦節数年、ようやく個人サークル参加のIHARONへの祝福はどーでもよいので買ってきて欲しい本を指示出して逃走。働けサークル主催。

 そして本日は何故か外套ルックのハラダさんとこへ行って、あとは売り子。

 売り子。

 さらに売り子。(でもなんで外套?)

 今回も夏にいらしたデジキャラットカップルが来て凹んだり、いきなり目の前で肩をぶつけたのぶつけないので素敵な争いが起きて凹んだり、とにかく怒濤の展開。さすが年に二回の祭典だ。

 途中エクシールさんが来たので御挨拶。

桜木さんとふうらさんの本買ってきて!」

「行ってきます」

 ありがとう! ありがとう怪盗エクシール!

「でも三種類のうち一つしか買ってこれませんでした」

 ああ。やはり朝イチで行かないとダメなのか……。つーか多謝。

 午後二時とかになって多少空いてきたので自分の本を買いに出かける。ここも完売、ここも完売……。

 ええい。みんな根性入れて二千部くらいずつ刷ってくりゃいいのに。などと無茶を言ってみたり。

 結局打率一割以下という惨敗。次こそはなにか手だてを講じるぞ。オー。

 そんな中陣内さんのところではなんとか本を買うことができた。一別以来の不義理をお詫びしつつちょとだけ話す。

「今回の本もでっちあげなんですか?」

「まさか! ちゃんと原作ありますよ。俺のやることなんだから信じて下さい」

 いや、貴方の作った本だから何一つ信用ならないんですが(失敬)。それにしてもまたリサーチしようのない対象を……。あと早くwithout横山縛り十傑集本を。


 その後、撤収お手伝いをやって、ダンボールに詰めた本を宅急便へ運ぶ。いっしょに売り子をやっていた山田鳥目の人(この人もなんで余所で売り子やってるんだ……。あ、Cozyは行くと良いよ)が持っていたダンボールが重そうだったので途中で交代してみる。

 重っ!

 つーかなんじゃこりゃ。手と肩と肘が抜けるわ。しかし、見た目激しく文系の鳥目さんが運んできたものをニセ体育会系の俺が落とすわけには、落とすわけには……。

 しかし、一分後にはギブアップというところで鳥目の人が親切なお兄さんを見つけてきてくれました。その人の使っていた籠台車の上にダンボールを降ろして一安心。しばらく腕が動かなかったけれど。

 あんまり助かったのでその人のサークルを宣伝しておこう。「BLACK FLY」やて。あ、お子様は行くな(いいのか?)。ともあれ、ありがとうございました。

 そして昨日紛失した筆箱を探しにインフォメへ出向き、見事空振り。さらば筆箱。さらばくまシャーペン。またどっかで初音の内緒限定版を探してこないと……。

 で、打ち上げのお誘いを申し訳ないがお断りして帰宅。年のせいというよりやっぱ昨日きちんと寝てなかったのが効いた。とても起きていられそうにない。

 帰りの電車ではやっぱり乗り過ごし、また池袋からJRで新宿へ。せっかくなので一人打ち上げとうな丸で鰻丼食べて帰った。急行の橋本行きが寝てたら一瞬で着いたのでちょっと得した気分。

 で、夜はIRCチャットでイベントです。これもあって打ち上げ欠席とはサスガに言えなかったなあ。

 やー、しかし何とか終わった。IHARONも本を出したし。いいコミケだった。完!


三十一日(日) 大晦日 てーとく忘年会

「過ぎる時を横目に僅かに立ち止まるこの時間を持てない忙しさつーか仕事多すぎ!」


 寝倒しター……。

 昼過ぎに起きてしまったせいでやること圧縮点呼盛り。半泣きでゴー。

 途中買い出し及びガソリン入れ及び年賀状購入(今更)に出かけるも年賀状がなかなか無い。サンクスで買えたけれど、他は全滅だったなぁ。サンクス、郵政省年賀状大量に置いててくれて助かった。来年も宜しく。

 で、結構遠くまで来てしまったのでゲーム屋寄ってみたら「高機動幻想ガンパレード・マーチ」が四千円台で売っていたので遂に買ってしまった。

 帰宅後、掃除の合間にオープニングだけ見ようと起動。なんかちょっと懐かしい感じのポリゴンキャラがカクカクしてるのでやや安心。オープニングから凄かったらやりたくなっちゃうしね。

 でも、どこがyoung、柴三郎両名が激賞するほど面白いのかわからなかったので、とりあえずスタートだけしてみる。メモリーカードに空きがないからどうせセーブできないし。捨てゲー。

 初期は説明の多い展開でタルく思う所だろうけれど、おざなりスタートで取説読んでいなかったので「ふむふむ」と納得しながら進んでいってしまった。

 一日ごとにワンステップずつやること、やれることが増えていき、その都度説明のある構成なのでついつい先へ進めてしまう。

「へー。こんなことができるんだ。じゃあ、応用して……。あ。時間ない。次の日か。おっ。今度はまた別のことが……」

 戦術級SLGパートと育成、恋愛(?)がごっちゃになっているのでやることが多く、時間がアッと言う間に足りなくなる。しかも一つ一つが押しつけがましくないシステムで非常にハマり度が高い。

(しかしまあ、言われているほどもの凄いリーサルウェポンでもないな。まあ、面白そうだけど、そろそろ切り上げて掃除でもやるか。あと一日だけやってな……)


――30分後――


「だから、柴村に話しかけて視線をこっちに固定するだろ? そんで間合いを開けてしばらく待って……。ほら来た! レーザーだ! あとはジーッとして……。ハイハイ。挨拶挨拶……。よっしゃ! これをあと36回繰り返せば人間関係が「同級生」に……」

 ……ハッ!?

 ヤベエ。

 これはヤバい。これをやってたら年が越せる。さすがyoungに外れなし!

 いっそいでメモリーカード買ってきてセーブ。PS導入以来ずっと一枚でやってきた俺にメモリーカードを買わせるとは……。youngおそるべし!


 その後、必死で掃除等を終わらせ、てーとくの家へ忘年会に向かう。あんまり道が混んでなくて助かった。

 ここでは着いた瞬間からガンダムのDVDを見ていたのでもうオタクな友達との気楽スイッチオン。ダラダラして言いたいこと言ってうどん食ってたら年越し。

 カウントダウン後ガオガイガーのDVD見せて貰って、ダラダラして言いたいこと言ってpino食って八房竜之介の同人誌譲って貰って退去。

 ……どういう嫌な客だ俺は。てーとく、現代さん、御フランスさん、馬吉さん、E川さん、SACON君、多謝。


 いっぺん帰宅。神社でお参りしてから今度は鷹村家へゴー!

 一次会が終わった後の戦場では柴三郎、ざち部長等が討ち死に睡眠中。そんな人達には目もくれず、IHARONと同人談義。

 柴三郎が起きたあたりで菅原神社へ初詣に行って、すき屋で牛丼食べて帰ってきて解散。手袋落とした。かなりサイテー。でもまあ、瑞獣「石段を駆け上がるひとみ悟空」を見ることができて新年早々縁起がいい。

 そんで帰りました。長い大晦日だったー……。


 今年の総決算とかそういうことはちょっと余所でやります。日記はこれまで。最後の方長くてスマン。

 そんじゃ引き続き、2001年も宜しく!


銀天盤 ○日記帳扉 ○前項 ○次項