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2001/8/25『ビタミンF』重松清

作者は、私と同年代。短編集の中の登場人物も同年代の男性ばかり。40才手前で、中年にもなれず、かといって、若者とも馴染みにくく、中途半端な世代らしい。仮面ライダー、ウルトラマン等のヒーロー達との少年時代、ユーミン、サザン、バブルの青春時代、結婚後にバブル崩壊。今は、難しい年頃の子供達を持つ。
(最近の凶悪犯罪者も私と同年代。池田小の詫間容疑者、カレー殺人の真澄容疑者、他にもいたような。)
入社当時は、「団塊の世代とは違う」といきがっていた自分も、今や若い社員にバブル全盛時代の世代とは違うと言われる。会社では、中堅の居心地の悪い立場だし、家に帰っても、惰性で定期的に夜のお勤めもしなければならない。それは、欲望とかとは無関係の「どこか悪いところないですか?」みたいな感じ。
素直でかわいい一人娘だと思っていたのに、学校でいじめにあっていたりもする。それも何か悪さしたわけでもない。ただ単に嫌いだからという理由だけで、クラスごとのいじめにあう。
自分の父親は同じ年代の時、何を思い何を考えたのだろう?と思う時には死んでいて、聞けない。
色々あるけど、家族がいて、毎日過ごせる。
サスペンスでもなく、盛り上がることもないけど、読み終わった後は、そうだよなと思い、なんだかほっとするような本。だからビタミンF?

2001/8/20『模倣犯』宮部みゆき

図書館にリクエストして3ヶ月も待ったのよん。けど、待ったかいあったわん。長いので、ちょっと時間かかったけど、おもしろかった。
凶悪な女性連続殺人事件が起きる。犯人は、被害者の腕だけを発見させたり、被害者とその家族にしか分からないいうな所に、死体を置いたりする。その上、テレビ局に電話をかけてきたりと大胆でもあるし、今までにない犯人像として警察も頭を悩める。そんな時、犯人と思われる二人が事故死する。マスコミは連日、犯人の事故死を報道し、事件の背景を書いた週刊誌も加熱する。
そんな中、現れた一人のかっこ良くて、頭も切れる一人の青年。いつしか正義の旗印として、テレビにも出るようになるのだけど、、、、、模倣犯という言葉で、きれてしまって、素性がばれ、、、、、、、、、、、 というお話。殺人の場面はいやなのだけど、ほんと良く出来た話だなあと思う。さすが売れた本だけあるね。

2001/8/2『壁画修復師』藤田宣永

最近直木賞取るまで知らなくて、しかも小池真理子のご主人だなんてしらなんだ。素敵なカップルだねえ。

フランスで壁画修復をしている日本人。様々な土地で出会う人々の、複雑な心境。壁画だけでなく、気づかぬうちに、人の気持ちまでも修復してしまう。
どきどきしたりとか、わくわくしたりとかすることのない、なんつうことない本なのだけど、読んだ後で、ほっとするような本でした。

『ぎょうざのひ』

絵本。
小学生のあたしが長女で、下にちっちゃいきょうだい。その3人がぎょうざを作る様子が、うちとそっくりなので、おかしくって。こねこねするときは、誰がやるかでけんか。包み方も、花があったり、ただ巻いたのがあったり、2枚くっつけたのがあったりで、うちとすっかり同じ。まともに食べられるぎょうざなんて、ほんのわずか。それでも子供達は大喜び、あたしは最後まで、お腹いっぱいでも食べる。
そんでもって、部屋の様子も良く描けてておかしい。玄関までおもちゃだったり、台所には段ボールがあったり、部屋のなかも子供達が遊んだままだったり。実際に、小さい子がいる生活をしていないと、こういう本は描けないよなあと感心。部屋の汚さも、子供達の様子もうちとそっくりなので、うけにうけた絵本でした。

2001/7/30『鬼の橋』伊藤遊

時代は平安。(こんな時代の本なんて読んだことないかも。)
実在した篁という人の、あの世とこの世を行ったり来たりしたという噂に基づいた話。
三途の川にいた恐ろしい人喰い鬼が、ひょんなことから現世に来てしまい、身よりのない少女と暮らし始め、平安京のある橋を守り、人間らしくなっていく。
その過程が涙ちょちょぎれの話なんだよ。
鬼にとって、少女はとても大切な存在なのに、夜 少女の寝姿を見ると、食べたくて涎が出てしまう。鬼はそんな自分が悲しくて、泣く。
大切な少女でさえも、獲物と見てしまう自分の本能に涙流していた鬼も、最後は火を通した物が食べられるようになり(鬼は生きたものしか食べられなかった)、少女と本当の親子のように暮らせるようになる。
始めは、つたない会話しか出来なかった鬼なのに、浄土の話をするようになったり、篁の気持ちを察する返事が返ってくるようになったり、篁と鬼と少女の三人の気持ちの変化もおもしろいし、三途の川の守り神が、坂上田村麻呂だったりというところもおもしろい。
鬼は三途の川で、坂上田村麻呂に2本あるうちの1本の角を折られてから、憎しみや怒りの気持ちが消えたという。
憎しみ、怒りが大きくなると、にょきにょきと角が生えて、鬼になる。鏡で要チェック!
篁のお父さんが、陸奥に転勤になるのだけど、それがとんでもない所に行くと大騒ぎ。それって、多賀城のことだよね。この辺も平安時代は、何が出るか分からないと思われていたのかというのもおもしろいけど、多賀城はやはり歴史ある所なのよね。(うちの近所にや、700年前からここに住んでるだの、1000年前から住んでるだの、樹齢800年の金木犀だのあるんだよ)
利府には、坂上田村麻呂が入ったという沢乙温泉もあるしね。
小学5年生の娘にも読める、おもしろい本でした。

2001/7/19『象のダンス』魚住直子

コンピューター関係の会社を経営する両親を持つ、中学生の女の子。両親は仕事がいそがしいので、十分なお金をもらい、それでご飯も一人で食べる。学校の中でもこれといって仲の良い友達がいるわけでもなく、町中で知り合った子と、その場限りの付き合いをする。母親には、「昔で言ったらもう大人の年なんだから」と言って、大人扱い。そんな女の子が、タイから来た女の子と友達になる。今までとは違う友達づきあい。その友達のために、売春までしようとしてしまう。結局しなくて済んだのだけど、その子にも嘘をつかれていたことが、分かってしまう。
とにかく、今時の話しなんだよね。本の題名見たときは、もっと不思議な話かなんかなのかなと思ったのに、主役の子は、何を考えているのか分からない今時の中学生。何をしたいのか、何をしたら楽しいのか分からない。大声で笑う事もなければ、怒ることも、泣く事もない。大人のようでもあるし、意志の疎通が出来ない宇宙人のようでもある。
でも、両親特に母親に構って欲しかったんだなあというのは、要所要所で分かる。仕事が成功して、お金に不自由なくても、それよりも自分が大切にされている実感が欲しかったんだろうなあ。
いそがしい仕事の中、休みを取って、母親と二人 水入らずで行ったグアム。
とてもうれしかったのに、水遊びに夢中になっている間に、女の子を一人残して、仕事に戻ってしまった母親。「自分がいなければ、出来ない仕事。分かってくれるわね。」
ん、んー今時の母親を象徴しているような気がする。
小さい子を持つ母親が働かないと、生活していけない家庭もあるとは思う。けど世間が騒いでいるほど、不景気じゃないし(どこのスーパー行ったって、いつも人がいっぱいだし、ファミレスだっていっぱい。ほんとにお金に困っている人は、そんなとこ行かないよ。うちなんかたまさか)ワンランク上の生活をしたいためとか、自分の生き甲斐を求めてるんじゃないかな。
何故そう思うかというと、私もそうだったから。子供を産む前は、子供を預けて働こうと思っていたし、それにキャリアに憧れていたんだもん。
子供を産んでからも、預けて働こうとしたのだけど、自分の母親、主人の母親、近所の母親の先輩に、「自分の子供を自分で育てないで心配じゃないか、子供なんてすぐ大きくなるんだぞ。今見てやらないで、いつ見るんだ」などいろいろ言われ、あっという間の主婦10年。主婦というのは、自分の仕事を誰かに認めてもらえるわけでなく、物足りなさもあるけれど、考えようによっちゃあ自由業だし、子供と一緒にいられるし。子供と一緒のこの10年が、私の今までの中で、一番クリエイティブで、充実していたなあと最近思う。
預けて働けば、帰ってから子供にもいい顔してればすみそうだし、いざこざには巻き込まれないし、いいよなあとは思う。
でも子供が小さいうちだからこそ、一緒に楽しめることが一杯。それはお金とか名誉とかそんなものより大切な事だと実感している。
子供が手を離れ始めたら、少しづつ出来る仕事をしていけばいいんだよね。
そんなこといったら、すでにキャリアの人は子供が産めないということではないの?でも次世代のキャリアを育てるとても大事な仕事をしているとも考えられるわけで。
話しがとても飛んでしまったけれど、最近の無認可保育所の事故、働く母親を応援するような国会の動き等とからめて、考えさせられた意外な本ではありました。あまり期待していなかったんだけど、、、

2001/7/14『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤洋

この間から、子供の読む本ばっかり読んでる。夜、子供達が寝静まった後に、一人でぼーっとするのに、いいんだよね。読み切れるし、楽しいし。
この本は、NHKでも放送されていたし、図書館でも古い本なのに、お勧めになっていたから借りてきた。やっぱりおもしろかった。それに、こういう調子っぱずれみたいなのが、私の感覚に合うっていうか、言葉の調子とかも好きなんだよね。
最後の方なんか、ルドルフが岐阜に帰るとばかり思っていたのに、イッパイアッテナのかたきを取ったりして、盛りあがったよ。
ちょっとこのシリーズ、沢山あるらしいんだけど、はまりそう。
後は、はっぱのフレディとかもいいし、威張り犬じんぺいの話し、ゆうたシリーズもお気に入り。

2001/7/13『レモネードを作ろう』ヴァージニア・ユウワ・ウルフ

長女が借りて来たのだけど、なかなか読み進まず返せないでいた。図書館の人が期限を延長しますかと親切にも聞いてくれたので、そのことを話すと「装丁がかわいらしいので、借りていく子供が多いけれど、中身は大人向けですよ」と教えてくれた。がっびーん、5年生の長女は、平気な顔して読んでいたけど、とんでもない内容だったらどうしようと、慌てて読んだ次第、、、
スラム街に住む14才の少女は、風紀の悪い街からいつかは出ていきたいと思っている。その為に、高等教育を受けるべく、大学進学を希望しているのだけど、父親を亡くし、母親一人で働いている家庭なので、自分もアルバイトをして資金を貯めなければならない。そこで、ベビーシッターのアルバイトを始めるのだけど、そこの家の母親はなんと自分と3才しか違わない17才。それで幼子二人を養っている。もちろん父親はいない。教育も受けていないし、まだ若年であるので、給料も安く、きちんとした定職にもつけない。部屋は汚く、やっとこ生活している。ベビーシッターに子供を見てもらっている間に仕事をしている。こんなどうしようもない家なのに、主人公は二人の子供にとても愛情を感じるようになる。そして、二人の幼子にあたりまえの生活をさせるには、母親がもう一度学校に通い直すことだと気づく。福祉が大嫌いだった母親も、なんとか学校い行き始め、一生懸命勉強するようになる。そして、学校で勉強したことが役に立って、自分の子の命まで救うことになる。自分の街から抜け出すことしか考えていなかった主人公の気持ちが、17才の母親の我が子を思う無心の姿を見ていくうちに少しづつ変わっていくのが分かる。
といったようなストーリーなのだけど、アメリカってこういう10代の母親が多いんだろう。わけもわからないうちに、親になってしまっていて、どうしようもない生活を送っているような少女達。それでも母親に大切に思われている子供は幸せだけど、そうじゃない子供はどうなってしまうんだろう。
それよりなにより、これを読んで5年生の娘が何を思ったのかってことがすごく気になる。「分かってるよ」とは言っているけど、何を分かっているのやら。

2001/7/7『あなたが生まれて』小田ゆり

大切に両親に育てられたのに親に反発し、努力すればなんでもかなうと思い上がって大人になった作者。
大人になる過程で何度か目にしたダウン症の子には、嫌悪感を抱いていた。
念願のスチュワーデスになり、仕事に充実していた時期に妊娠、結婚。妊娠中は大学に通い、勉強。自分は、幸せな星のもとに生まれてきたんだと思いあがってきたのに、待望の赤ちゃんがなんと自分が嫌悪感を抱いていたダウン症児だった。
落ち込んでいた作者も、家族の支えがあってまた大学に通い始めたりするうちに、だんだんと元気になり、仕事を始めたり、二人目の子を生んだりもする。
ダウン症の子に虐待している事実、二人目の子を生んだのは、自分が健常児を生めると言うことを皆に知らせたいから等、赤裸々と自分の気持ちを正直に書いている。
バブル全盛期に青春時代を過ごしたり、両親に大切に育てられたのに反抗し、自分の力だけでどうにでもなると思い上がっていたのが、出産によって思い知らされたというのは、私もまったく同じだ。
ただ私は、たまたま障害児を生まなかっただけ。
「家族が増え、付き合いが増える程、自分の種類も増え続けていく。、、、、、、、ギョッとするほど、卑劣な事をする自分と出会ったりする。』
私の事を言っているのではと思う程、自分に当てはまる言葉。
いつもは選ばないような種類の本だったけど、自分の事を書いた本であるかのような気さえした。
先日、ラジオで作詞家の秋山隆さんが、「本を選ぶとき、自分が行く本の種類の場所がだいたい決まってくる。だから、その左と右50センチのところにある本をなんでもいいから選ぶようにしている。」と言っていた。50センチ動くと、自分と全然違うジャンルの本がある。もしかしたら、名付けの本かもしれないし、農業の本かもしれない。でもそこから新たな世界が広がるかかかしれない。なるほどと思った。

2001/6/27『ダンサーインザダーク』

ビデオレンタル開始を待ちに待っていたのだけど、水曜日はTUTAYAのレディースデーで100円引きなので、今日になったのよ〜ん。
待ちに待ったわりには、あんまし好みじゃなかったなあ。
ミュージカル映画って、あんま好きじゃないのかも?だって突然、歌出したり、踊ったりするんだもん。映画の中でも、言ってた人いたけど。
ビョークの歌は、すごく良かったし、この歌があればこその映画なんだろうねえ。
ストーリーは、涙誘う場面もあったけど、割と単純でありがちな感じがしたし、最初の方の画面なんて、目がおかしくなるかと思ったよ。エルマの視点で撮っていたのかもしれないけど、とにかくおかしくなりそうだったな。
それに最後の絞首刑の場面はグロテスク!途中のエルマが、殺人をしてしまう場面も思わずビデオを早回ししてしまった。
不発な一本だった。ダイナソーはどうなんだろう?

2001/6/8『金持ち父さん、貧乏父さん』

2月に公民館にリクエストして、やっと読むことが出来た。もー、まったく! でも待っただけあったよ。目から鱗ってな感じですな。
私は、どちらかとお金には無頓着。ブランド物を欲しがるわけでもないし、たまにおいしいランチを食べたくなるだけで、特別なグルメでもなし、見栄をはる必要もないし、あるお金でなんとか生活出来る人。
でもいつも、もう少しあったら 生活も楽になるのになあとはいつも思ってる。ここが問題なとこ。
いつまでたってももう少しあったら、もう少しと思ってきりがない。もう少しお金があったところで、もう少しという思いは消えないものなんだよね。今までもそうだったもの。
この本はお金について、考え直すことが出来ると思う。なんとなくお金のことを考えるのって、浅ましいような罪悪感に囚われがちだったのだけど、お金の事を考えるのはとても大切なことだってことが良く分かった。
貧乏な人は、お金が少しあると、そのお金を頭金にして、何かを買い、ローンを組む。
その繰り返しで、きりがなく、いつまでたっても、生活も楽にはならない。その様子をこの本では、ラットレースと言う。ハムスターとかが 好きなくるくる回るやつよ。まさに我が家の状況ですな。
ではお金持ちはどうかというと、お金のために働くのではなく、お金に働いてもらうのだそうな。お金を資産に回し、それをうまく運用する。運用して、増えた分があったら、それでごほうびとして、何かを買う。この資産という考え方が、とても重要みたい。
私なんて、簿記なんてやったことないし、貸借対照表なんてのも知らないしさ。救いようがないよ。
資産をうまく運用するには、運用の仕方とか色々知っていないとだめな訳で、あたりまえだけど、そのための勉強が必要。そして、勉強するには、お金もつぎこまなきゃいけないし、失敗もあるわけで、それなりに自分に投資しなければ無理だってこと。損をしたことのない金持ちはいないし、その損はお金の事の勉強料だとも。
それから、自分が欲しい物は他人にも与えないと、自分にも回ってこないとも言っていて、金持ちになったら寄付などもするべきなそうだ。
それと、他人との意志の疎通がもっとも大切だとも、書いてある。そりゃそうだよね。
なんか今まで、お金持ちって嫌な感じで、私なんかと無関係とか思っていたけど、お金持ちになるためには、頭を使って、勉強して、周りにアンテナ張り巡らして、と努力があっての結果なんだなあ。
それで、私はどうしたいかというと、ラットレースから早く抜け出し、ご褒美が出来たら、それで色々なところ旅行したい。いいホテルに泊まって、特別おいしい料理を食べなくてもいいから、その分いろんな国や地方を回ってみたい。それにはとにかく、お金の事を勉強しないと。

2001/5/30『シミ、しわたるみを自分で直す本』高須克也

柄にもなく先生のお手伝いなんかしてるから、もっと勉強しなきゃと、コンピューターの本ばっかり読んでて、最近他の本に目がいかなかったんだよね。それが風邪引いて、何か読む物ないかなとその辺探してたら、この本が出てきたわけ。河北新報の読者プレゼントで当てたんだー。だけど、どうせ自分とこの整形の宣伝だろうって感じで、読んでなかったんだけど、内容はさすがれっきとして医者、医学的な根拠に基づく、スキンケアとかが半分位は載ってて、まあまあだったよ。
やっぱ、勉強も大切だけど、こういう風な本とか色々読まないと、精神偏っちゃうのかも。コンピューターの本慌てて読んだって、急にお利口になるわけじゃなし、ストレスもあったから風邪もひどくなったのかもー、なんて思ってるんだけど。
あ、それで本の内容なんだけど、石鹸は高くても安くても、洗う成分には変わりないと言うことや、マッサージは素人がやると、しみや肌荒れになることなど、やっぱねとういう今までも色んな本に出ていたことが、医者としての見解から書いてある。(でもこの本の発行年月から見れば、この本がもっとも先進的だったかも)新しいことと言えば、米のとぎ汁洗顔と適量のビールはお肌にいいってことかな。
後半は、驚くべき最新整形の実体。注入して簡単にしわがなくなったり、たるんだところを引っ張り上げたりとか、すごいんですねえ。

2001/4/30『あらしの夜に』木村裕一

絵本。4部作、図書館の人におもしろいですよと勧められる。
嵐の夜、嵐からのがれてきたおおかみとやぎが、お互いが誰と知らずに、暗闇の中で友達になってしまうという話し。
からくり絵本でお馴染みの木村裕一さんが、独特の語りぐちでおおかみとやぎの会話を盛り上げる。
喰う、喰われるの間のはずのやぎとおおかみが嵐の夜に出会ったばかりに、友達になり、仲間には隠してしたのに、だんだんとばれ始め、そして『きりのなかで』では、二人は仲間の元を、、、、という、いがいなお話。でも姿形が見えなければ、ほんとはもっといい友達関係が築けるのかなあとも思ってしまった。人種差別、いじめ、色々考えさせられる絵本。

2001/4/20『「捨てる!」技術』辰巳渚

物を捨てる事だけで、本が一冊書くなんて引っ張ってるよなあと思うけど、読んでみるとなかなかなもんでした。捨てられずに、持っている物って結構沢山あるのだけど、結局使う事なんてない物なんかも多いし、おまけにどこにしまってあるかさえ忘れてしまう物も少なくないもんです。テレビや雑誌なんかで、収納の達人とか方法とかあると必ず見ちゃうし、「ほほう、すごいよなあ」なんて思うのだけど、あんなにパズルの要にしまって、どこにあるか忘れないかなあとか、随分費用かかるよなあなんても思ったりもします。筆者は、入りようなものなんて限られているのだから、どんどん捨てればと提案しているのです。そんなこと言うと、「もったいない」と言われそうだけど、それを収納する入れ物や場所や手間の方がもったいないということもあるわけです。もう少し部屋が広ければとか、もう一つ本棚があればとか思ったりするけど、本当に必要な物を考え、物を捨てることによって、広々と、掃除もらくに、ゆとりをもって生活出来るのではと言ってるわけです。
うちなんかも、子供達のおさがりの服とか、いつか着れると思って取っておくのですが、それを入れる箪笥やら、透明の引き出しやらが必要で、おまけにシーズンのたびに、引っぱり出して、時間をかけて整理するのに、そのわりに、一度も着ない服とかも沢山あったりで、もーたいへん。普段着なんて3着もあれば、雨が降って乾かない日でも間に合いそうなもんだから、あんまり沢山はいらないとは思うのですが、なかなか。本なんかも、今じゃ図書館から借りて読む方が多いし、取っておくと本棚も必要だし、地震来たとき倒れてきてもいやだよなあとか、ほんと物は少ない方がいいに決まっています。物が少なければ、片づけも楽だし、子供達が散らかしても、いちいちいらいらしないで済みます。 この本を読み始めてから、結構捨てました。写真のネガ(結構溜まってたけど、現像したときに焼き増ししているから、今更また焼き増しはしない)、空き瓶(いつか使うと思って取って置いたコーヒーの瓶など)、雑誌(パソコン関係とか、いつか勉強しようと思って取って置いたり、いつか料理しようと思って取っておいた料理の本とか)、服とか、
やるぞー!ってやると大変なので、思いついたり目の付いた時にぽんぽんと捨てています。子供達に見つかると、捨てないでコールが聞こえてきそうなものは、見えないようにしてやります。子供達は捨ててある物を見ると、ゴミ袋から持ってきたりするのですが、その時ばかりで、後はゴミ同然。 『節約生活』の人も、どんどん捨てて、シンプルに暮らしているそうですが、本当に必要な物かどうかよく考えて物を捨て、そのもったい経験から、本当に必要なものしか買わなくなると言っているそうです。ほんとそうかもしれません。

2001/4/3『ホンモノの文章力』樋口裕一

こりゃまた小むずかしい本じゃないか、しまったな、と思ったのだけど、読み始めたら、すらすら読めてしまった。
文章を書くことは、自己表現の一つであって、楽しみでなければならない。そのためには、ありのままを書くということよりも、自己演出やテクニックが必要だと言ってくれる。
「文は人なり」という考えが広まりすぎていて、文章を書く事自体が苦痛になっているのではないか、とも。 そうだそうだと拍手をしたい気分。
うちのwebページもインターネットデビューした6年前は、知り合いで見てくれる人もいなくて、勝手なことが書けて、もう楽しくって、楽しくって。なんせそれまで、3人の子供は小さいし、楽しみと言えば、近所の人達とのお茶のみぐらいなものだったし。
自分の文章を書きまくって、そんでもって、見知らぬ人からメールをもらったりして、そりゃもー、寝る時間もおしんで、更新に励んだもんよ。
あたりまえなことなんだけど、インターネットの普及と共に、身近な人や、親戚なんかも見てくれるようになって、いいかげんなこと書けなくなってて、更新する事自体が、あまり楽しくなくなってたんだ。だって、お銚子もんで、いいかげんな性格だし、うそ八百とか、空想癖があるのかとか、自慢話しかとか思われても嫌だし。
芸能人のようにガラスばりの家つうわけにもいかんし、家のネタを出したって、お金が入るわけじゃないもんね。
柳美里さんのように、「書くことは血生臭い事」とか言って、志田家の事書いたって、印税入るわけじゃなし。近親者からブーイングが出たり、肩身のせまい思いをしなきゃいけないこともあるかもしれない。 はー、なんかこの本読んで、「そうだ、私はなんのために日記を公開してるんじゃい。楽しむためじゃんか」と初心を忘れていたことに気づいたのでした。
そのためには、自己演出のテクニックを磨かなければならんのだ。
作者も、「インターネットやミニコミ誌を通じて、自分の人生観を表明したり、多様な考え方や感じ方を受け止めることが出来る。遊びと同じように、楽しんで書くことこそ、大切だ」と言ってくれる。
以外にヒットした本。

2001/3/30

『リセット』北村薫

戦時中の神戸の女学生の話しがあって、淡い恋心を抱いていた男子学生が空襲で死んだ話しがあったかと思うと、入院中のお父さんの小さい頃からの回顧録が延々と続いて、なんじゃこりゃという感じで、途中挫折しようかと思ってしまった。回顧録が妙に長くて、作者の思いで話しかと、耐えきれず最後の方をちらと見たら、なんか話しが意外な方向にいってるでないの。そんならと、我慢して途中飛ばして読んだら、これがまたこんな話しだったとは、、、。
表紙を見た長女が、「階段を上る時は、赤ちゃんで、降りる時は大人だよね。それが何回も繰り返されてるね」なんと、それが一番、この本の内容を表しているんだな。長女の観察眼にびっくり。表紙なんて、じっくり見たことなかったから。
3回も輪廻して、淡い恋心を成就するという意外な展開の話だったのよね。
それにしても、淡い恋心を抱いていただけだと思ったのに、生まれ変わってまで、一緒になりたいほど、強い気持ちには、思えなかったな。
私としては、輪廻するのは2回ぐらいにして、途中の回顧録がもう少し短い方が、おもしろかったなあ。
作者と同年代の人が読めば、もっと読み応えがあるのかも

2001/3/11

『魂』柳美里
『命』の続編。出産後の育児と、東由多加氏の癌の闘病。と言うと簡単だけど、そこは柳美里。生半可じゃありません。かたや生をうけ、もう一方で死と闘う、子供の父親への思い、等の感じ方と表現が、さすが作家。
後記にも書いてあったけど、柳さんは、「書くことを血なまぐさい」と言っています。この人の本を読む度に、作家というのは骨身を削って書くんだなあと思ってしまいます。『命』を読んだある人が、「女々しすぎて少し嫌になった」と言っていましたが、私は、こういう本は、血生臭いと言う柳さんでないと書けない本だと思う。平々凡々と暮らしている普通の人達が、気づかぬ内に押し殺している部分を書いてくれている様な気がする。
『命』は、東氏が死んだ所で終わったと思ったのだけど、今回もまた闘病の様子が詳しく書かれていたので、ちょっと以外ではあったけど。
癌治療の薬や、最新治療の様子、アメリカの癌治療の様子等も書かれているので、癌闘病記としても読める。

『チーズはどこに消えた』スペンサージョンソン
話題作、やっと読めたよ。こんなに薄い本だとは思わなかった。最初と最後は、この本を読んだ人がどう変わったかという事が書いてあって、本文は短い、単純な話し。
2匹のねずみと二人のこびとがチーズを探しに行く。
2匹のねずみは、チーズがなくなるとすぐにチーズを探しに行く。
二人のこびとは、なぜなくなったのか考えようとする。
そのうち一人のこびとホーは、新しいチーズを探しに行くことにする。
もう一人のこびとヘムは、今までのチーズがいいと探しに行こうともせず、まだ考えている。
とこれだけの話しなんだけど、評判通り、すごく考えさせられてしまった。
ここでのチーズは、生きるのに必要な生活そのものなんだけど、その事態の対処の仕方が問題。
チーズを探しに出かけたホーは、なんとか新しいチーズを見つける。そのチーズは、前に食べたチーズよりもおいしい。
そこでホーは、こんなことならもっと早く探しにでかければ良かったと思う。
そして今度は、沢山チーズがあっても、チーズがなくなった時の事を考え、常にチーズ探しに努力する。
ここで、ヘムは閉じこめる、取り囲む、ホーは口ごもる、笑うという意味があるらしい。
もう起きてしまった事態について、どう考えても事態は変わらない。安住していると、新しい事をするには恐怖が伴うけど、一歩足を踏み出すと、今まで以上にいいかもしれない。
自分について考えてみると、今が一番いい状態ではないかもしれないけど、一歩踏み出すのは心配。三人の子供、家のローン等。
でも常にチーズを探そうとしないと、いつチーズがなくなるかもしれないし、新しいチーズのほうがおいしいくて、沢山あるかもしれない。
私にとっては、コンビニのバイトが新しいチーズだったかもしれない。今までは、やろうともしなかったコンビニのバイト。でもやってみれば、いがいとプラスな面が多かったから。
うちのパパのために、この本があると思い無理矢理進め、読んでもらった。
私が思うにパパは絶対ヘムだから。
読んだ後の感想「社内教育の本に同じこと書いてある。自分は絶対ヘムじゃない」だって。素直じゃないんだから。
久々に本を読む父親の姿を見た長女「パパが本読んでるなんて変」

2001/2/13

『NIGHT HEAD』飯田譲治

脳の70%は使われてないままなんだって。使われてない部分にはどんな能力があるのかってえと、つまり超能力とかが、それに入るらしい。
この本の主役の兄弟はすごい超能力を持っている。弟は人の心が読めたり、兄は物を動かしたり。すごい超能力を持っているために、大変な事件に色々巻き込まれるんだけど、その事件も兄弟にとって必要な事件だったことがだんだん分かってくる。
最終的には、兄弟の力はもっともっと大きくなって、人類をも救ってしまう。
分厚い3部作。読み始めてすぐに、ビデオをみつけたので、借りようかなと表を見たら、あたりが血の海だったので、こんなグロテスクなやつは精神衛生上危険とかと思ってしまって(バトルロワイヤルが騒がれているからかな?)、手をつけずにいたのだ。ちょっと時間があった時に、気まぐれに読んだら、そんなひどいシーンもないし、結構おもしろくってあっという間に読んでしまった。1992年に深夜ドラマでやってたらしい。豊悦と武田真次の配役ははまりすぎじゃ。この二人のためにある話しだとさえ思ってしまう。
これ読んでから、深層心理とか、リーディングとかマイナスの意識とか、自分に当てはめて考えてしまう。それと私のNIGHT HEADの能力はなんじゃろか?とか。今頃空飛んでるかもしれないしー、夕飯の献立当ててるかもしれない?(夕飯は自分でつくるんじゃろ)予知能力があったら今頃、ここでこんなことしてないよなーとか、でも凡人だからこその幸せもあると、自分に言い聞かせたりして。

『シックス・センス生存者』

ひさびさに本読んだなあ。読み始まると止まらないし、読まないとなると読まないし極端な私。
前作で完結と思いきや、知らないうちに出版されてたのよねー。なおちゃんのパパに教えてもらい、そして貸してもらったのでした。
今回もコール少年が、幽霊と何度も出会うわけだけど、マルコム医師に出会ってからというもの、少年はつおくなっていたのですねえ。幽霊が出るには伝えたいことがあるからであって、無念を晴らせば安らかな眠りにつける。怖いけど、逃げずに、耳を貸そうというまでになっていたのです。そんでもって、今回は飛行機事故の現場を目撃してしまって、その事故で死んでしまった幽霊達との話しなんです。その事故の原因が分からないのが最大のネックでして、コール少年は幽霊に首を絞められたりもするんです。
パパが単身赴任してからというもの、夜、もしお化けがでたらどうしようとか思ってしまうので(ちょっと私には不似合いの怖いとかいうかわいい言葉が出ておりますが、まじでその辺は恐がりなんす。パパがいても別に怖いのは怖いんですが、誰か夜帰ってくるかと思うと、怖い本も読めるのですが、私しかいないのには読めないんです。なお誤解のないように言っておきますが、「きゃー怖い!」などと言って抱きついたりするキャラではありません。くれぐれもお間違いなく)、怖そうな本はなるべく読まずにいました。今回も昼間一気に読めそうなので、読んだのだけど、やっぱりシックスセンスは怖い本じゃなかった。前作ほど、目頭が熱くなったりはしなかったけど、残される者への深い思いがこの本のテーマだよね。なんて言うと薄っぺらく感じるっすね。
飛行機事故でただ一人の生存者である女の子。生死の境を漂っているその子を心配する事故で死んだ姉と母。この子が事故の解決の鍵を握っているのだ。その子の意識が回復すると、事故原因がわかり、それまで容疑者と疑われていた事故で死んだロシアのテロリストが犯人じゃないと分かる。コール少年の首まで絞めたこの凶悪な死者も、自分の無実を分かってくれる人が出来ただけで、もう出てこなくなる。つまり安らかな眠りにつけたというわけ。
では誰が犯人だったのか?ふっふっふっ、それが意外な結末なんだなあ、あーこんちきしょ。それにこの少女、なんとコール少年と同じ能力を持っていたのだ。
前作のようにじーんとくるものは少なかったけど、事件を解決していく楽しみは増えたわー。次作も決まっているみたいだし。楽しみ〜

それ以前の図書室1,2,3