アンコールワットとともに歩んだ美しき村を訪ねて5日間〔2015年11月28日~12月2日〕

HA社のおひとり様参加限定ツアー〔添乗員S氏を除き、男性5名、女性8名総勢13名〕に参加した。乾季〔11月~4月〕のカンボジア、世界文化遺産のアンコールを観光しました\(^o^)/。今回は朝、関空を出発しベトナムのホーチミン経由、シェムリアップ空港に夕方到着、カンボジア料理をホテルで頂きました〔3日間同じホテル!毎日暑いので昼休みにはホテルに帰りシャワーを浴びて休憩しました〕。翌日はアンコールワットの朝日鑑賞から一日たっぷり世界遺産アンコールトム、アンコールワット観光をして夕日鑑賞後、夜は『アプサラダンス』を堪能しました。3日目午前中は日本の昭和30年代を見るような高床式居住や幼稚園がある村〔ロヴィア村=丸い村〕を訪れ村民との触れ合いを楽しみ、午後から乾季は琵琶湖の約3倍、雨季は約9倍の広さとなる『トンレサップ湖』をクルーズ後、オールドマーケット観光とタイスキの夕食を頂きました。4日目はコーケー遺跡観光ををする人もいましたが、午前中シェムリアップ市内の寺院3ヵ所をタクシーで参拝して、午後は国立博物館観光をしました。夜シェムリアップを発ってベトナム経由で関空(機内泊)に朝帰国し、5日間のカンボジアの旅を終えました。今回はHA社として初めての企画でオプションや時間配分等、色々不都合もありました〔次回より改善されるとのこと…〕が中味は素晴らしく満足しております。尚、HA社に依頼することも出来ますが、今回もVISA申請はカンボジア領事館のHPをみて簡単に自分で行うことが出来ました(手数料4,500円と大阪の『在大阪カンボジア王国名誉領事館』への2回の交通費のみ)。誤記、記載事項や不都合事項などございましたら修正、削除しますので、ご連絡の程、宜しくお願いします。

*カンボジア王国には世界文化遺産が2ヵ所〔アンコール1992年、プレア・ヴィヒア寺院2008年登録〕のみで他に自然遺産、複合遺産もなしです。

カンボジア王国について
 今回は龍谷ミュージアムの特別展『アンコールワットへのみち』及び佐々木閑氏の講演を聞いて予習して参加しました。事前に見たいところなどチェックして観光すると興味も沸いて面白いです。何故9世紀から栄えたアンコール王朝、クメールの王たちは巨大な寺院を沢山創建して、約700年も栄華を極めた帝国
なのに何故滅亡したのか?その原因を知りたい…と思いました。13世紀中頃の宗教戦争からヒンズー教→大乗仏教→ヒンズー教→小乗仏教…と王様によって4回変わっており特に気になったのは顔の無い仏像が多く残されていて実に残念でした。カンボジア王国の広さは日本の約半分弱〔18.1万㎢〕人口は約1470万人〔何と25歳以下が約半数とか~。〕羨ましい若い国で、今からが楽しみだと思う。実質GDP成長率は7.4%と高く、時差は2時間遅れです。地震も温泉も無くて遺跡群は石を積み上げているだけ…とのこと。

カンボジア滞在中の水・食事・体調管理等についての注意点を現地ガイドさんより入手したので参考までに紹介します。
 ①生水:水道水は飲めないので〔2本無料のウォーターがホテルにありました〕ミネラルウォーターを使い歯磨きもしました。氷も水道水で作られているものが有り注意が必要だそうです。
 ②火の通っていないもの:生野菜やカットフルーツ、牛乳など注意が必要とか…。
   〔ホテルは大丈夫のようですが環境が違う海外旅行で抵抗力が落ちているので摂取は程々にしたほうが良いそうです〕
 ③気温:日中は30度以上になるので日射病、熱中症を避けるため水分補給を心がけること。なんと乾季の間はセミが鳴くそうです。
 ④椰子の実:衛生的でない鉈(なた)などを使い開口部を開けている場合があるので食中毒の原因となりますので飲料は避けた方が良いそうです。
 ⑤漢方薬は絶対に購入しない方が良いそうです。
 


関空出発前

飛行ルート・ベトナム航空

ホーチミン空港内

シェムリアップ空港
 
シティアンコールホテル
ハイライト画像    
 
  表:アンコールワット観光証明書 裏:発行所              アンコールワット〔表:昼間 裏:朝日登る前〕  

カンボジア料理
 
お土産(表:スカーフ 裏:仏像他)

 表:アプサラショー  裏: 水上生活者の家〔雨季はマングローブ木迄水中〕

   各画像にマウスを当てるともう一枚画像が見れます。

日程

平成27年11月28日(土)、関西空港10時30分発→ベトナムホーチミン空港乗り継ぎ→シェムリアップ空港17:00現地時間着、時差2時間、明るい内にカンボジアに着きました。フライト時間はホーチミンまで3時間45分、シェムリアップまで約1時間でした。
 まず、関西空港のラウンジでのんびりする。退職後3年経過、JALゴールドカードも今年で退会するので最後のラウンジ使用である。ベトナム航空でホーチミンでカンボジア航空に乗換〔ベトナムは初めて…空港内でポシェットとコーヒーを購入〕。シェムリアップ空港より東へ約15分でホテルに到着。ホテルでは全域でWi-Fiが無料で使えました。3日間同じホテルで荷物も部屋に置いて楽でした。雑貨店もホテル直ぐ側で缶ビール(1ドル)などを購入して冷蔵庫に入れておきました。枕銭は1ドル。

平成27年11月29日(日)晴れ→一日中アンコールワット遺跡群を観光→アプサラダンス鑑賞。
 朝4時15分モーニングコール、雄大なアンコールワットの朝日鑑賞の為ホテルを5時出発した。〔アンコールワットは西方浄土を向いている為、朝日を背に受ける(カンボジアでは死んだ人は西向き枕だそうです)。朝日は右側から登ったが春分、秋分の日はアンコールワット中央から朝日は登るそうです。〕今日は一日中世界遺産のアンコール観光である。ホテルからアンコール遺跡まで車で約15分強(約7Km)、暗いので足元を照らす『懐中電灯』を持参した。まず、一日観光〔20ドル╱日、5種類あるようです〕のパスポートの顔写真を料金所で撮影した。ここで観光証明書も名前入りで発行しているらしく、最終日現地ガイドさんより頂いた。朝早いにもかかわらず若い女性がシルクのネッカチーフや日本語のパンフレットを販売していて、付きまとわれ6枚購入した。〔結果的には土産品を含めて9枚購入する値段が違うが同じように見える…?〕。そして、ホテルに帰り朝食後再度出向き、午前中アンコールトム観光とヒンズー教のタ・プローム寺院を見学する。ホテルに帰り昼休み休憩後、午後はアンコールワット観光〔第一回廊、第二回廊…〕して、プレ・ループ遺跡から夕陽鑑賞した。夕食はアプサラダンスを鑑賞しながらアジアンビュッフェを頂いた。

1)アンコールトム(大きな町)
  3km四方のアンコール・トム。南大門入口〔右側に阿修羅像、左に神々像〕ナーガ〔蛇=神の使い(人間の世界と神の世界との架け橋)〕の胴体の上に54体〔町の数?〕仏像×2〔左右〕=108体〔凄い!これって、煩悩の数だ〕が出迎えてくれた。南大門に入り、直線で500m先のバイヨンの寺院(仏教)を見学する。大乗仏教を信仰していたジャヤヴァルマン七世が12世紀末に創建した。バイヨンは観世音菩薩が多く、四面仏の微笑みから仏教的な雰囲気を感じ心が和んた。東西160m、南北140mの第一回廊東面のレリーフは戦の行軍、北側にクメール人、その後方には中国人。南面には12世紀の人々の生活模様が、多数描かれていた。次に11世紀中頃創建され『*隠し子』と言う意味を持つバプーオン、古の王宮での生活に思いを巡らし王宮内に入りピミアナカスを鑑賞して、ライ王のテラスや戦勝報告をしていた象のテラスへと進み、仏像の多さにびっくりしながら鑑賞を終えた。

*隠し子=パプーオンの伝説について
昔、タイ王とカンボジア王は兄弟だったそうです。タイ王が自分の子供をカンボジア王に預けた時、カンボジアの廷臣達はタイ王の謀略、将来タイ王の子供に国を奪われると思ってタイ王の子供を殺してしまったので怒ったタイ王はカンボジアに大軍を進攻させた。この時カンボジアの王妃が自分の子供がタイ軍に殺されないように、この寺院に隠したそうです。


表:アンコールワット西塔門上の月 裏:日の出撮影状況 

表:世界遺産登録 裏:顔のない仏像

南大門正面入口の状況

表:右側阿修羅像 裏:左側神々像 

表:南大門の正面顔 裏:裏面顔 

表:右は蛇の頭 裏:しっぽ
 表:バイヨン正面 裏:第一回廊レリーフ

表:デバター像 裏:観世音菩薩像

中央祠堂 

レリーフ 

バイヨン第一回廊のレリーフ(東面) 

表:王宮の塔門 裏:ライ王像 

表:ライ王のテラス 裏:象のテラス 
 
表:パプーオン 裏:ピミアナカス(天上の宮殿)

2)タ・プローム寺院
  創建時(1186年=平安時代の終わり)はジャヤヴァルマン七世の母の為に造った仏教寺院、後にヒンズー教の寺院に改造された為、仏教色の強い彫刻の顔が削り取られていて残念だ。東西1000m、南北700mのラテライトの壁に囲まれて創建時は約5000人の僧侶や615人の踊り子が住んでいたようですが今はガジュマルの根っ子に仏像が押し潰されていた。東門壁面の美しいデバターは必見です。ポルポト政権時代の地雷で足等亡くした方が楽器演奏をされていたので手元に残っていた現地通貨を募金させてもらった。人間は英知と能力で栄華を極めても後継者がいなければ自然の力には勝てない…と感じた。各個人のお墓も一緒で面倒を見る子供がいなければ無縁仏となる…。これらの遺産は文化として後世に伝えたい。石に番号が書かれていたが一日も早い修復を願っています。


表:東壁面の美しいアバター
裏:木に埋まった遺跡

表:西塔門入口広場 裏:西塔門 

表:わが物顔の木 

表:壁面の仏像に顔無し 裏:石に番号が…  

顔がない… 
 
表:楽器演奏 裏:休憩所


3)アンコール・ワット
  12世紀中頃出来たアンコール・ワットはヒンズー教三大神、ヴィシュヌ神に捧げられた寺院であり、スールヤヴァルマン二世のお墓でもある。死後に王と神が一体化する神王思想に基づいており寺院は信仰の対象物である以上に王が死後に住む地上の楽園を意味していたようです。その意味で西向き、西方浄土を向いている。中央祠堂〔世界の中心山で神々が住むメール山(須弥山)〕を構成する5基の尖塔は宇宙の中心であり、天界(宇宙)との交信場所だったようです。第一回廊のレリーフは見応えあります。この戦のレリーフで従兄弟の争いが描かれています。アンコール帝国が滅びたのは王様が自前の軍隊を持っていなくて借りてきて勝ったら土地を授けた~で自国の内戦により疲弊してタイが攻めてきて守れなかったの…だとか。ちなみに、ガイドさんいわくシェムリアップはタイを追い出す意味が込められた名前だそうです。兄弟喧嘩は禁物ですね。代々受け継がれた家名を失うことになるかも…。驚いたのは日本が『北経蔵』を6年弱かけて修復工事をしていて、フランスが修復している『南経蔵』よりガイドさんが日本の技術〔セメントでなく石を使った〕を評価していました。それと、十字回廊には最初にアンコールワットに足跡を残した日本人〔森本右近太夫一房〕の落書きを見た。

  アンコールワットの観光←左の文字をクリックして下さい。

4)アプサラダンスについて→カンボジアの文化遺産であり伝統舞踊。

  アマゾンレストランで夕食〔バイキング〕を頂きながら5種類の演目を鑑賞した。アプサラ⑤とは、天の踊り子を意味するサンスクリット語だそうです。アプサラは、アンコールワットのレリーフにもありましたが不老長寿の薬『アムリタ』を取る為に魔王軍と神様の軍が蛇を綱引きにしていて乳海を攪拌した時に生まれたと言われているそうです。天の踊り子達は、豊作や王国の保護、繁栄の為に踊るそうです。
  ①ステップモノロムダンス〔幸福の神及び女神のダンス=健康や幸せ、友情、繁栄を具体化する踊り〕
  ②ココナッツダンス〔祝い事や結婚式の時ココナッツを持って踊る〕
  ③モニメカラダンス〔女神モニメカラと巨人リェムソーの戦を表現した雨乞いの為の踊り〕
  ④フィッシングダンス〔男女が漁師姿に扮し、魚を取る為に使う道具を使用して踊る〕 
  ⑤アプサラダンス

平成26年11月30日(月)曇り→午前中『ロヴィア村』訪問→午後は『トンレサップ湖』クルーズ→オールドマーケット観光→タイスキの夕食。。
  直径300mの円形集落〔村の周りは円形の濠で囲まれている〕ロヴィア村は人口1568人、面積45万㎡、アンコール王朝時代より続いているそうですが昔ながらの暮らしが残るゆったりとした時間が流れていました。電気は2年前からだそうですが水道もガスもありません。村の井戸は駄目で150m離れた井戸の水を汲んで来ているそうです。文明に取り残されていて、私の幼き時代(昭和30年時代)を想い出しました。まず、幼稚園(4歳児以下23名、先生一人)を訪問してお菓子をあげたら嬉しそうな笑顔を返してくれました。まったく拗ねてなくて一生懸命勉強をしていました。それから、村の中心に立派な寺院があり、村長さんにお願いして参拝させて頂きました。昼食はクメール料理を頂き一旦、ホテルに帰り休憩後、午後雨季と乾季で居住地を変える船上生活者の暮らしぶりを拝見する『トンレサップ湖=市内より南に約10Km』のクルーズを楽しみました。その後、一番人気のオールドマーケットに行きタイスキの夕食を頂きました。

  『ロヴィア村』訪問→『トンレサップ湖』クルーズ→オールドマーケット観光←左の文字をクリックして下さい。

平成26年12月1日(火)晴れ→午前中シェムリアップ市内の3寺院参拝→午後は国立博物館観光→アフタヌーンティ→シェムリアップ空港。
  今日は朝食後は夕方まで自由行動である。コーケー遺跡観光する人もいたが私達4人は『地球の歩き方、シェムリアップの見どころ』で紹介されていた寺院をタクシーをチャーター(2時間弱:一人6ドル)して参拝した。一旦ホテルに帰り、午後休憩後、アンコール国立博物館を見学してアフタヌーンティーを楽しんだ。

  シェムリアップの3寺院←左の文字をクリックして下さい。 

5)アンコール国立博物館 
  アンコール遺跡から出土した石像、レリーフ等がコンセプト毎(ギャラリーA=クメール文明、ギャラリーB=宗教と信条等、歴史から考察した遺跡、宗教からみた遺跡等…)に展示室は分かれておりわかりやすかったです。仏像の多さ〔特ダネ・ギャラリーの千の仏像は必見〕にもびっくりしました。日本語のビデオ上映もあり2ヵ所見させて頂きました。展示室内はカメラ撮影は駄目ですので紹介できませんが、見応えのある博物館でした。館内には、バッグやシルク製品等のショップもあり、記念に音楽CD〔クメールホモりーソング=劇、祈祷の踊り、ピアセレモニー、米つきの式典、月を称える式典、お客を迎えるときの等に演奏される音楽〕を購入した。


表:国立博物館前景 裏:二階への階段

ロビーに有った乳海攪拌

入口ロビー

購入CD(日本語版)

平成26年12月1日(火)夜、シェムリアップ空港発→ベトナムホーチミン着(23時20分)、深夜ホーチミン発→12月2日(水)朝7時過ぎ関西空港着。お疲れ様でした! 


シティーアンコールホテル出発(17時45分)

空港内(19時59分)

シェルリアップ空港発(22時20分)


旅行後記
1)国立博物館では、韓国人らしい男性がスマホで仏像を撮っていたり、中国人の男性が〔言葉で判断〕大声でしゃべっていて…静粛な雰囲気を途中で壊されがっかりでした。中国の方はさすがに大陸育ち、アンコールワットでも大声で会話をされ地元女性ガイドさんの説明が聞こえなかった。ネパール観光の時はワイヤレスイヤホーンを貸与して戴いていたのでガイドさんの声を漏らさず聞くことが出来たが今回は苦労した。
2)地元女性ガイドのセレイ(TUM SEREY)さん〔自由の意味だそうです〕大変お世話になりました。カンボジアの生活様式や文化など丁寧に説明して貰い、仏教面で日本と共通点があることを感じることが出来ました。ロヴィア村訪問時には、お菓子を用意して戴き園児達の笑顔を直に見ることが出来て嬉しかったです。ありがとうございました。


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