98年7月上旬


<7月1日・水>
◇ 喉の腫れは引いたが、肩こりがひどくなり、気分が晴れず一日中イライラ。 日中に一度起床して、ラジオ局からの電話に応対、その後また横になり、夕方から会社に。


<7月2日・木>
◇ 結局、仕事で徹夜になったので、領収書の精算をしながら朝を迎える。帰宅して午後までぐっすり眠り、再び会社へ。


<7月3日・金>
◇ やはり病み上がりで疲れているので、仕事が終わったらさっさと帰宅。軽く晩酌して眠る。PG。


<7月4日・土>
◇ めずらしく何もない土曜日。体力を回復するためクーラーを消して猛暑のなか、ジリジリと汗をかきつつ、読書と昼寝など。ビデオを借りてきて、望月六朗監督の「極道記者」を見る。シブくて、大人の哀愁がある。面白い。ただ、これではF1にはウケるまい。一つは、ヒロイン像があまりに旧来の日本映画的であることが原因であろう。いま語るべきヒロインはああいう湿度の高いキャラクターではないと思うのだが。これは同じ望月作品の「鬼火」「恋極道」にも共通していえる。

○ 夜は駅前の「又来屋」で一杯。やっとお酒が美味しく飲めるようになってきた。その後は「ブレン」見て、知人の仕事を手伝ってそれから、なぜか突然「海がきこえる」を見はじめて、ひとしきり涙した後、寝る。東京へきてから「海がきこえる」を見ると、舞台となっている場所にリアリティを感じて、ちょっとしたお上りさん気分を味わう。


<7月5日・日>
◇ 思ったより早く目が覚めたので、ホームページのメンテナンスでザンス。

○ E−mailアドレス占いを、試しにやってみたら以下の通りの結末が……・。

・このE-mailアドレスにおけるあなたの性格は 陰気で、何でも深く考え込みがちです。地味で忍耐強いですが、他人と協調できにくいタイプです。
・このE-mailアドレスの総合的な吉凶は以下の通りです。 感情が知識に勝る意味があり半凶半吉です。芸術方面の才能はあるものの実務に弱い傾向があり、対人関係に難有りです。

これが事実だと思う人、同意のメールをください(苦笑)。

○ 夕方から「不夜城」を見に行く。まあ、こんなもんでしょう。努力賞から優秀賞の間ぐらいで、なんとか及第点というのがボクの評価。キャストでは、葉大人を演じた鈴木清順に助演男優賞(笑い)といった気持ち。葉月里緒菜を降板して、やはり正解だったでしょう。山本未来のヘンな顔(ホメ言葉)が、ファムファタルの雰囲気を強烈に醸し出していた。

△ 帰宅してビデオで今関あきよし監督の「タイムリープ」。演出は特筆すべきものは少ないが、佐藤藍子の目と耳のデカさが印象的。「ときかけ」ものと称すべきジャンルだけに、ある種正統なアイドル映画の雰囲気を感じたのはオレだけだろうか。大森望さんもどこかで書いていたけれど、やはり、この映画のおもしろさの最大の功労者はやはり原作者なのである。


<7月6日・月>
◇ 会社で麻布で一杯やって帰宅。そんなことで1日が過ぎていく。ああ、それと、知り合いに「最近日記を更新してませんね」といわれる。というわけで、暫定的に更新。

△ そういえば、昨日値段を確認せずに「まんだらけ渋谷店」で「カリオストロ大事典」と「未来少年コナン大事典」を買ってしまった。小心者なので支払いの段階で、予期せぬ金額の多さにビビッ(電撃女ではない)てしまった。


<7月7日・火>
◇ 久しぶりに更新したら、日記猿人の得票で5票も入っていて、ちょっと驚く。適当に付けた「生きていてもいいですか(ウソ)」という1行コメントのせいだろうか? まあ、それだけとも思えないけれど。それから、仕事の段取りが悪く、結局徹夜。これはいつもの徹夜とは違い、もう少しなんとかできたはずで、反省モードで5分ほど過ごす。

○ マンガ話で長電話。’80年代に集英社系の少女マンガ誌で掲載された作品を読んでいないことが、やはりボクの弱点らしい。読まねばならぬマストな作品がどんどん増えていく……。ああ、読書家という商売がないものかのお。      


<7月8日・水>
◇ とりたてていうべきこともなく過ぎていく1日。 とりあえずホームページの更新などをちょくちょくすすめる。ちょっと映画評とかのスタイルを変更してみた。書評も今まで書いたもの以上にコンパクトなスタイルにする決意をする。これでもうちょっとは更新速度があがる……かもしれない。
 そうえいば最近は「自己責任とは何か」(桜井哲夫、講談社 )を読んで、「公」と「私」の歴史についてちょっと興味をもった。「戦争論」(小林よしのり、)とリンクさせて語るのもアリだろう。

○ 帰宅してからテレビをつけると「トライガン」をやっていた。昨日のマンガ話でも、薦められたので、見てみる。ちょっと番外編的エピソードだったけれど、それなりに楽しくみることができた。ボク的には鶴ひろみのヒロインを好きになる率は極めて低いのだが、今回はめずらしく好印象。
 そのあと「ナイトウオーカー」なるアニメを見る。第1話。特筆するようなものはなにもなし。特にキャラクターデザインはボクの一番苦手なタイプの絵であった。あ、でも坂本真綾の声は好きかも知れぬ。
 さらにつけていると「ヴァイス クロイツ」が始まってしまう。さらに、特筆することは不可能な世界に。


<7月9日・木>
◇ 10日前後に出るアニメ誌などを買い漁る。会社についても特にすることがないので、仮眠室へ。「創」と「文学界」を読む。
 「創」では、「「レディ・ジョーカー」にみる部落差別の構造」(鈴木郁子)に???。文章にクセがあり論理が積み上がっていくように書かれていないので読みにくい。そのため批判の主眼がわかりにくく、同時に、もっとコンパクトに書けるはずだ、とも強く思う。
 「文学界」では、大塚英志のサブカルチャー文学論第3回。小説で地の文が果たしてきた機能をマンガはどのように取り込めた、あるいは取り込めなかったのか、というテーマを、中上健次/たなか亜希夫の「南回帰船」を題材に展開している。手塚−石森−24年組という流れで、モノローグ(キャラクターの内声)を活用した心理描写の歴史を捉え、一方で、劇画がそうした描写のノウハウを持たないことを指摘する。というわけで、未完のマンガ「南回帰船」は、なんともならない駄作になってしまう、というのが氏の指摘だ。では、この理屈を応用して、宮本輝/土田世紀の「春の夢」を論じることはできるのだろうか、というのは自分宛の宿題としよう。

◇ 「南部の慰安」(福田和也、文藝春秋 2095円)を購入。とりあえず、アンダーグラウンド批評の部分をを読む。そうか、文芸評論的にアプローチするとそうなるのか、と予想以上に新鮮な感想を持った。これを踏まえて考えると、「ポストアンダーグラウンド」がどういう内容になるか知らないが、そこで村上春樹のいう「麻原のジャンクな物語」を、アンダーグラウンドのように一般的な人の人生みたいな部分へと還元できるかどうか、がカギといえそうだ。

○ アニメの音楽はどうしてダサいのか?と、会社の人(音楽ファン)に好意的に尋ねられる。まあ、その話題は、どっちかというと久石譲氏の評価という方向に流れていったのだが、オレ的にオススメできるアニメ音楽はなんだろう、と考えてみた。オレの好みとして、シンフォニックなものと民族音楽なものに偏っているかんじはする。
・宇宙戦艦ヤマト(宮川泰) やはりオリジナルBGMより「交響組曲」かなあ。「交響曲」は×。
・宇宙海賊キャプテンハーロック(横山青児) これも「交響組曲」。序曲が傑作。ヤマトよりこちらのほうがあか抜けていていいと思う。
・地球へ…(佐藤学) ご本人は「アニメだし」と、この作品についてはあまり語りたがらない鬼っ子だが、ボクはけっこう好き。
・さよなら銀河鉄道999(東海林修) シンフォニー系のアニメ音楽としては一つの頂点では? 前作のダサダサ(メロドラマチック)な音楽(青木望)も、アレはアレでキャッチーとは思うのだがね。
・ジャイアントロボ(天野正道) 正攻法で重厚なシンフォニーサウンド。微妙にダサめなところがあるのは確信犯とみている。本編では「怒りの日」の引用も効果的。
・風の谷のナウシカ(久石譲) 氏の作品の中ではやっぱり一番いいと思う。「アリオン」は当時聞いたときはけっこう新鮮だったけれど、今聞くとそれほどでもなかったりする。
・攻殻機動隊(川井憲次) 川井氏の音楽って基本的に好みじゃないんだけど、これは従来とテイストが違って魅力的。
・天空のエスカフローネ(菅野よう子) まあ、いろいろありますが、やはりこれを入れることになるでしょうか。グレゴリオ聖歌風声楽曲が入っているというのが、個人的にポイントが高い理由。「マクロスプラス」も音楽は(苦笑)好きだけど。
・うる星やつら ビューティフルドリーマー(星野) オンリー・ユーのほうが「うる星」の音楽としては正統なんだけど、好みの問題で
・オネアミスの翼 王立宇宙軍(坂本龍一ほか)
・銀河鉄道の夜(細野春臣)         どちらも、あえて説明するまでもないか。

あと、どんなのがあったかなあ?映画版イデオンとかも印象的だった記憶はあるのだが……。

○ いっぱい飲んで帰宅。やはりうちの部署の景気は悪いようだ。やれやれ。


<7月10日・金>
◇ 「アニメージュ」と「噂の真相」。実は、ボクはけっこうアニメージュのリニューアルは結構気に入っているのだった。

○ 「「やるドラ」やりました?」と、知り合いの人に聞かれたのをきっかけに「やってみようかな」と魔がさす。週末に買ってチャレンジしてみようかしらん。 

△ 土曜朝まで仕事。


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