98年6月下旬


<6月21日・日>
◇ 昨日(というか今朝方)の仕事の成果を持って午後から会社へ。そこは、さささとすませて、巣鴨へとんぼ返り。和民で食事をして、帰宅。『ゴジラvsキングギドラ』と『平成狸合戦ぽんぽこ』を見はじめるが、『ぽんぽこ』で狐がでてくるところから記憶がなくなる。

○ 翌朝、目が覚めると、机の上のコップが倒れて、水割りが一面に。文庫本1冊と、CDのライナー一つが犠牲になっていた。あっという間の週末で、しおしおのパーである。


<6月22日・月>
◇ そんな状態でとりあえず会社に出かける。マジメに仕事して、帰りに麻布で一杯。このへんセーラームーンの舞台だったんだよなあ、と、土地勘のない田舎者らしく周囲をキョロキョロとして午前4時頃帰宅する。

○ 飲みながらトライスターのゴジラの話など。やはり、「つまらなさ」は体感することが肝心だと思う。コンセプチュアルな傑作は、見ないで論じることも可能だが、つまらない作品の脱力感は、体験がないと語ることはなかなかできない。


<6月23日・火>
◇ 午前11時から、虎ノ門でお仕事。それが終わった後は、さすがに週末から昨日にかけての疲れが出て、会社の仮眠室で2時間ほど眠る。なんだか一仕事終わったわりには、ゴロゴロといろんな仕事が転がっていて、スッキリしない気分。同僚は1週間休んで、沖縄へいったとかいう話だが、どーしてそんなことが可能なのかよくわからない。(いや、いくつか理由をあげることは可能だが、それではあまりにグチが生々しくなるのでやめておこう・笑い)

○ 虎ノ門へは、少し近くからタクシーを拾って移動したのだが、その運転手さんが地理をしらないので閉口した。さすがに「文部省の近く」といえばわかるかなと思ったのだが、通じない。通じないなら通じないで、いいのだが、なかなか地図を広げようとしてくれないのでヤキモキヤキモキ。まあ、1メーターぐらいの距離で乗るほうが悪いという見方もあるが、田舎者で土地勘がないんだからしょーがない。←疲れて、沸点が下がっているらしい。


<6月24日・水>
◇ 比較的スムーズに仕事が推移した日。

○ ちょっとしたきっかけで、過去の桐野夏生作品を読む。とりあえず昨日から二冊読了。「顔に降りかかる雨」の「村野ミロ」はなかなか感じのいいヒロインである(32歳というあたりもなかなかいい年齢設定でソソられる←バカ)が、こうしたジャンルについて不勉強なボクとしては、どのへんが江戸川乱歩賞で評価されたのか、よくわからないというのも正直な感想である。つまらない、という意味ではないのだが。 最新の短編集「錆びる心」は表題作が一番完成度が高かった。やはり、「OUT」で化けた、という表現は正しいようだ。続けて、ミロの父、村野善三が活躍する「水の眠り 灰の夢」に着手する。


<6月25日・木>
◇ 「水の眠り 灰の夢」読了。桐野作品といってもボクが読んだのはOUTを含め3冊だけなのだが、それもが2プロットというのだろうか(この世界の用語はよくわからん)、2つのネタが並行しつつ展開するパターンばかりだった。それをご都合主義に見せないというのが、作者の腕の見せ所なのだろう。そういう意味では、桐野夏生の作品は、バランスがよく手練れという印象。その分、合理的に過ぎて、文章の描写の力みたいなものは、物語の後ろ側へ下がってしまっているような気がする。しかも、作者はそれについて意図的であるという感じもある。「水の眠り……」も草加次郎の爆弾事件と、高校生ゴロシの両面で物語は進行するし、事件にはちゃんと終焉が訪れる。が、それぞれが抱えているドラマやその心理描写には、OUTにあるような切実さはない。個人的には、男が主人公なのだから、もっと苦みがある暗い雰囲気を期待していたのだが、むしろ泥の奥底に沈みきらない雰囲気こそが持ち味と考えたほうがいいだろう。

△ 早めに会社を終えて飲みに行く予定が、打ち合わせが入ってやはり不可能に。残念。無念を晴らすために、帰宅してビール(いつものことじゃん)。


<6月26日・金>
◇ 昼から仕事で、新宿。蒸し暑い。夕方、会社へ。レギュラーに進行している仕事は無事終わるが、大仕事が、ボクの指示が雑ぱくだったせいもあって、すごく時間がかかることになる。うーん、午前5時には帰れると思っていたのだが、今週もまた徹夜かあ。自業自得とはいえ、疲れることには変わりない。

○ サッカー日本−ジャマイカ戦を会社で見る。決定力不足もさることながら、集中力が欠けたようなプをレイは歯がゆいばかり。だが、日本サッカー史上に残るW杯初得点を、私の高校の先輩であるゴン中山が決めたことについては非常にうれしい。私と同窓でもある妹からもさっそく万歳メールが届く。


<6月27日・土>
◇ 会社で1時間ほど仮眠をして、仕事を進行させているうちに、昼になってしまう。ナチュラルハイ状態なので、さっそく新宿に映画を見に行く。

○ 「ディープインパクト」。主要な特撮カットはほとんど予告編に入っていた。そして、ドラマ部分も予告編から推察できるとおりのものであった。つまり、予告編が非常によくできていたということを確認するような映画であったということかな。それでも、ベタベタなお涙ちょうだいはやはり人の心を揺さぶるらしく場内ではすすり泣く人の姿もちらほら。監督の関心は人間ドラマにあり、製作サイドは特撮をウリにしようとしたそんなギャップがあったのだろうか?と勘ぐりたくなるような出来映え。

○ 「絆」。日本にラズベリーアワードがあれば大賞間違いなしでしょう。自分のロマン?運命?に酔ってあまりなにも考えていない主人公が、ナイス。役所広司の名演が、そんなヘンなヤツの存在感にリアリものではティを与えてます(笑い)。それから、田中健がケーナを吹きまくる回想シーンも、めったに見られるものではない。ましてラストは、盛り上がるオケとともにカメラがクレーンアップ、その後事件後のエピソードを挟んで、枯れ葉舞う長い道を背を向けて去っていく渡辺謙をフィックス、そこにエンドタイトルという、大作映画のパロディみたいなありさま。大作を撮っているのか、大作風に感動させようとしたのか、製作者の混乱(勘違い?)ぶりが笑えます。北京原人(これも大賞候補作だなあ)みたいに天然ではないのが残念だが、どうしてあんな紙芝居みたいな映画になってしまったのか、興味は尽きない。警視庁副総監室にあったピーポ君のぬいぐるみが気になった。ともかく、こちらのほうが「デイープなインパクト」がある1本でした。

△ 「天下一品」で晩御飯。この間はずいぶん味が濃かったけど、今日は時間が早いせいか、いつもの通りの味。


<6月28日・日>
◇ 夕方から会社に出かけて、午後10時ごろまで仕事。

○ 帰宅してアニメ「夏への扉」をLDで見る。時代がかった演出もあるけど、やはり基本的に丁寧にできていて完成度の高いアニメだと思う。しかし、このアニメの同時上映が吉田秋生の「悪魔と姫君」だったなんていう事実も、隔世の感がある話題ですなあ。
 昔アニメージュで、ポスターサイズでアニメ「夏への扉」の全ストーリーをフィルムコミックス的に紹介した付録があったことが思い出される。

△ レンタルビデオで「ウテナ」最終巻を借りる。ラストでアンシーが暁生になげかけたセリフにおもわず落涙。年をとってどんどん涙もろくなっていくゾ、オレ。それから映画「傷だらけの天使」も改めて見て、傑作であることを確認する。 


<6月29日・月>
◇ 朝目が覚めると喉が痛く、体がダルいので午後7時半ごろさっさと帰宅。 


<6月30日・火>
◇ いっこうに具合がよくならず、今日も少しだけ会社にいって、連絡事項だけやりとりして、すぐに帰宅。眠りにつくが、悪夢ばかりでツラい。昼間寝たせいか、夜中に目がさえたので、伝票の整理をする。


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