1997年5月中旬

<5月11日>
 東京を歩くときに、地元出身者に案内してもらうことがある。東京に不慣れな僕にとっては、それで地名や道筋を覚えられる、と期待しているのだが、僕が道案内に頼んだその人がものすごく方向音痴であることがすぐに分かった。本人も方向音痴であることを認めているのだが、地図が読めないとかそういう、分かりやすいレベルではないのだ。
 目的地がある。そこには何度もいったことがある。途中で看板で確認する。でも、なぜか間違うのだ。その間違う様子を見ていると、どうやら実際の道と記憶の中の道を照合させられないみたいに見える。もしくは、自分にしか見えない道を歩いているようにも見える時もある。ともかく、そうして迷うくせに、あまり迷わずにどんどん歩いていくので、こちらも不慣れなので「そうか、ここをいくと思ったより近道なのかな」などとのんきに考えながら、つい後をついてその人の個人的な迷宮に入り込むはめになったことが2度ほどあった。
 本人に言わせると、原因は、子供のころから実家での東西南北を勘違いして育ってたことにあるというのだ。東と西は太陽の動きからちゃんとに覚えていたものの、日当たりの悪い家だったために南と北を逆に覚えていたのだという。それも、20年以上もの間。つまり、それによって人間本来が持っているある種の機能が狂ってしまったというのが言い分である。まあ、それを説明されたからって言って、僕がすきっ腹を抱えて新宿をうろうろした時間が戻ってくるわけではなのだけれど。
 この話を聞いて僕は大韓航空機撃墜事故(事件というべきか?)を思い出した。もう10年以上前になるが、アンカレジを出発した大韓航空機が、当時のソ連領空に侵入し、撃墜されたというのがその事故のあらましである。当時この事故原因についてさまざまな仮説が立てられた。その中の一つにジャイロ(か何か)のスイッチを入れるタイミングを間違えたのではないか、というものがあった。離陸前の姿勢を決める前、そのスイッチが入ったために、本来の方向とずれてジャイロが作動し、その結果、ソ連領空にまぎれ込んでしまった、というのがその仮説の内容である。
 なんだか、まさにその人も同じような状態にあるように思うのは、僕が実際に迷う過程を見ているからだけなのだろうか?そうとも思えないのだけれど。
 もう一つ、方向音痴で思い出すのは、学生時代の同級生が言っていたことがある。彼に言わせると、男女では道路の把握の仕方が違うのだそうだ。男の場合は、地図の中で自分が動くという俯瞰図のようなイメージで地形を把握するのに対して、女性はあくまで自分が基準で、前進とか左折といった行動を起こすので全体の中での位置を見失いやすいのだという。まあ、男女の別は多少のまゆつばとしても、確かに3DRPGが苦手な僕にしてみれば、その彼の女性型の道路把握方法が方向音痴の原因であるというのは、実感を持ってうなずけるところではある。
 そうすると、ちゃんと子供のころから方向を教えて、道を行くときには地図を持たせるといった工夫をすれば、方向音痴でない子供が育つかもしれない。逆にいうと、子供時代に一度すり込まれたものは消えないから、今、方向音痴の人は今後もずっと直らないかもしれないということかもしれないけれど。
 ここでちょっと言い訳をさせてもらうと、こうやって書いていると、なんだか方向音痴をよくない病気のように書いているけれど、そうは考えてません。むしろ、方向音痴の人というのは巧まざる演出家だと言ってもいいと思っているくらいだ。
 例えば、もうじき50歳の真面目なサラリーマンを考えてみましょう。真面目一本に生きて、娘、息子も独立、妻とも決して仲が悪いわけではない。週末には2人でテニスなんかを楽しむ時もある。でも、時折彼の心を襲うむなしさ。俺にはもっとほかの人生があったのではないか?そんな人に、僕は方向音痴の人と一緒に散歩をすることを薦めたい。
 真面目な人は、道草をしない。それは本来の目的地へ向かうことと道草を分けて考えているからだ。ところが、方向音痴の人と一緒に歩くと、一生懸命目的地に向かっているのに、結果的に道草になっているということという生き方もあることが分かる。そういうことを通じて、今までの四角四面な物事のとらえ方が多少、柔らかく余裕のあるものになるかもしれない。こうした人生のスパイスを自然に与えてくれるのが方向音痴という演出家なのである。これを利用して、セミナーでもやれば儲かるかも。悩める中年サラリーマンのための方向音痴による自己啓発セミナーとかね。そうすると、インストラクター(方向音痴の人)はやはり若い女性にすればはやるかもしれない。
 そんなわけで、僕は方向音痴の人というのは人生を考えるためにも、この世の中には必要だと思っている。まあ、程度にもよるけれどね。

これを読んだ方向音痴の人、怒らないでね。ラブレターのつもりで書いたんだから。

 日記猿人の投票方式が変わった。
 多くても1日1票程度の(平均すれば1票以下)投票しかない僕にとっては、あまりランキングに意味を求めていないので、多少閉鎖的になってもむしろ、余分な混乱が減るのであればやむをえないと思う。そういう意味では、急な対応に追われた、管理者の方々にはご苦労さまでしたと言いたい。
 
 もっとも今回の騒動で驚いたのは、これだけ日記が多数ある(ナンバーで見ると600以上)現状でありながら、「面白い日記」こそ投票で上位にあるべきだ、という発想があるということだった。こういう考え方は、別に否定はしない。ただ、現実的にはそんなことは無理なんじゃないかな、と僕は思うし、「同じような内容でAには友人の投票があって上位だが、Bにはその種の投票がなくて上位に入れないのは不公平だ」というのも、ちょっとよけいなおせっかいのような気がする。まあ、これは得票がなくて、面白くない日記の作者である僕のひがみかもしれないが(笑)。
 つまり、そこまでランキングに公平性、正当性を求めるのは日記猿人の規模からしてもう難しいのではないかと僕は感じているのだ。もし、正当な評価をするには全ての日記を毎日読まなくてはいけなことになる。もはや日記猿人は、日記者サークルとしてのそんな牧歌的な状態には戻れないだろう。(これは黎明期を知らない僕の想像ですが・・・)。

 だから、投票というのはあくまで目安であり、参考としてあればいいと思う。つまらないのに得票が多いからといって目くじらを立てることはないのだ。もっと正当な集計をやっているランキングでも「なんでこんんなのが1位」という結果が出ることは往々にしてあることなのだから。ましてや、投票システムが善意に頼るものであり、より判断に主観の交じる日記が題材であればなおのことである。結局は「得票が多いということは、AはBより支持されている」という価値観だけに凝り固まることこそ問題の根のように思うのである。
 まあ、それでもそう考える人がいたって全然かまわない。世の中というのは、そういうものなのだから。僕は僕の考えを書いたまでだ。

 ただ、正当性を求めないからといって、僕が投票操作(今回の混乱が操作かどうかは別として)がを認めているわけではない。それに、管理者がより公平な状況を守ろうとするのも当然だ。つまり、投票を重要視しないことと、不文律である正当な投票を行うべし、というのは別の問題であるのは言うまでもないことだ。

 というわけで、今まで僕に最も投票してくださったYAMATOな方(笑)、これからの投票は無理にすることはないです。僕もだいぶ考えがまとまって、スタンスが決まりましたんで、友情による組織票(笑)からの脱退を目指しますのでよろしく。

ああ、今日は触らぬ神に触ったかも(失笑)。それと、PG(ええー!)

<5月12日>
 最近、新聞を買うときは朝日か毎日、気が向けば日経というパターンである。すぐ近くに目玉マークグループの販売店があるのだが、そこの一般紙はちょっと趣味でないので併読紙としてなら検討してもいいけど・・・。で、今日は書評が載っていると思ったので毎日を買ったのだけれど、書評が載っていない。あれ、また掲載日が日曜日に戻ったのかな?しょうがないなあと、思いながらもそのために東京に来たといっても過言ではない神保町めぐり。とはいっても、最近マジに路銀が足りないことが判明し、これという本は買わずに、偵察をした程度である。「今日のところはこれくらいで勘弁したるさかいな」と捨てぜりふを残して、帰宅。(意味不明)
 夜になってネットサーフィンしてみると、朝日では手塚治虫文化賞の発表が、日経ではエヴァ特集があったことが判明。くー、悔しい。書評のない毎日を読むぐらいだったら、今日はこの2つを買えばよかった。(TT)。定期購読していない一般の人って新聞のバックナンバーをフォローするのは難しいんだよなあ。明日にでも図書館へ行ってみようかしらん。

 日記猿人の投票方式変更については、いろんな方がやはり日記に書いていた。僕と同じような意見を持っている方もそれなりにいた。中には友情による組織票があったなんて、とショックを受けている方もいらっしゃったようではあるが・・・。まあ、それも自由ではある。でも、応援メールのどこが、「風穴」につながるのだろうか。教えて、偉い人(笑)

<5月13日>
 昨日から、転送装置(トランジット)を使用して、このホームページのファイル移転を実行した。ところが、後で気づいたのだが、ファイルの拡張子が全部3桁になっているのである。これでは、ぞれぞれのファイルで設定していた、リンク(文書内のものも含めて)が、無効になってしまう。と、いうわけで、拡張子を4文字にする方法などを模索していると1日などあっと言う前に、過ぎてしまうのだった。で、どうしても分からずにサポートセンターへ電話すると、「4桁にする方法はない」とのこと。しょうがないので、3時間ほどをかけてすべてのファイル、リンクを書き直して(古いパソコン)で、転送し直すことにしたが、今度は転送が全然つながらない。結構面倒くさい作業だったのに(T T)。やれやれ。
 翌日午前5時まで、あれやこれやチャレンジするのだが・・・。

 そういえば、初めて「新・天地無用」なるアニメを見た。実際は、WOWOWで劇場版「天地無用 IN Love」を一度見たことがあるのだけれど・・・。メインキャラの出会いを回想で説明するエピソードらしいのだが、いくつかのWEBをのぞくと、どうやらあのエピソードはこれまでの「天地無用シリーズ」とは全く関係ない新設定らしい。つまりパラレルワールドってことか?やれやれ。それってありかあ?。それとものアニメの世界の同人化というのがすすんでいるのかしらん。半年という限られた時間で、ファンから金を巻き上げるにはいい方法かもしれないけれどね。

<5月14日>
 どうやっても2台のパソコンがうまくつなげないので、しょうがなく接続ケーブルを買うことにする。昨日一日の格闘が無駄になった格好だ。再度、やれやれである。とういう意味では、今日が初めて、新パソコンで書く日記である。日記猿人のボタンを改めたり、日記のファイルを別に分けたりする。

 それはさておき。
「おかーさん。僕だよ。スケキヨだよ」。
はい、そうです物わかりのいいかたならすぐ分かるかと思いますが、「イングリッシュペイシェント」を見てきました(笑)。いやー、途中ちくっと寝てしまったが、アカデミー賞とっただけのことはあるとてもいい「文芸大作」だった。朽ちた僧院という場所が、生と死を媒介する場所だったわけだな。と、一人で勝手に納得する。平日なのに客席は幅広い年齢層のお客で3割ぐらい埋まっていており、アカデミーのパワーを実感した。インド人もびっくりである。

 帰宅して、薔薇がクルクル回るアニメ(^^;を見る。をを、いいぞ。こういうお話は俺好きだ。樹璃は、ウテナ界におけるジュール・ド・フェリイかもしれない。(こういう表現て俺以外に納得してくれる人がいるのかしらん)。今となっては懐かしい某セーラー服で戦うアニメに、三石琴乃氏の演技ではまった身としては、今日のエピソードはもう涙なしにはみれない(今、ATOKがら抜き表現と教えてくれました)のだった。例の歌も、某アニメ誌の付録のおかげで歌詞もばっちりである。ビデオでみながら覚えましょ。

 昨日、深夜番組でアメリカのネット事情を紹介していた。テレビや映画などのファンサイトが、製作者側の圧力(というかクレーム)を受けているというニュースである。当然のことながら著作権の問題が絡んでいるらしいが、そのニュースでは、そのへんを詳しく説明しなかったし、製作者側もあまりガイドラインを示していないのが実状らしい。著作権以外の問題ではどんなものがあったのだろうか?もっとも画面で紹介されていたファンサイトは、テレビからのクイックタイムがビシバシのようだったので、著作権だけでも十分アウトだろーけど。

<5月15日>
 ◇ 昨日は調子に乗って、ビールをたらふく飲んでしまった。で、今日は飲むまいと思ったのだが、そうは問屋がおろさなかった。居酒屋に出かけて、週刊誌を読みながらジョッキで数杯飲む。帰宅して、本を読みながらちょっとうとうと。

 ○ めずらしく、富士見ファンタジア文庫なぞを購入。うーん、設定はリアルでおもしろいんだけれど、いかにせんドラマが薄い。この年になってわざわざ読まなくてもよかったな、という感じではある。この調子だと続編を書く予定があるのかもしれないけれど、ねえ。

 △ 東京都民として一言。
 トリックスターという存在がある。もともとは道化を意味するこの言葉を、学問の世界ではこの概念をもう少し深めて、「突飛なことを行うことでその社会に刺激を与える存在」という意味で使っているそうだ。そうすると、今の日本ではテレビ番組に出演する「お笑い芸人」にトリックスターの役割を果たす存在が多いのは至極当然のことのように思える。
 青島幸夫は、そういう意味で典型的なトリックスターだった、といえるだろう。高度成長期に本人の分身ともいえる無責任男というキャラクターを作り出し、やがては本人自身もブラウン管に登場するようになる。この時の決めセリフがご存じ「アオシマだあ!」。これは存在そのものの違和感を逆手にとって、その場をご破算にしてしまうという、一言だった。(このへん記憶があいまいなので、間違いあればご指摘ください)
 彼はその後は小説や政治の世界に進出した。小説はともかく、政治の世界でも彼はトリックスターであろうとした。「財界の妾」発言も、「アオシマだあ」と同じという文脈でとらえればスムーズに納得できるのである。世界都市博の中止だって同じだ。あれはトリックスターの行動であって、政治家の判断ではない、と考えればその強引な決断も納得できる。
 ただ、彼は一つ勘違いをしていると思う。それは自分を政治家だと思ってることだ。彼が都知事選で勝ったのも、政治家として彼が評価されたわけではない。これまでのトリックスターとしての業績が評価されたと考えるべきだったのだ。そして、その結果が現在の腰抜けぶりである。
 そう、トリックスターの落とし穴は、自らがトリックスターであるという自覚がないことなのである。もっとも、その自覚があればトリックスターはトリックスターでいられなくなるだろうから、こういう結果になったのもある意味では必然というべきか。

 話題変わって。なんだかまたインテルのCPUが調子が悪いとかなんとか、そんな内容をどこかで目にした。そのバグはソフトウエアでフォローするとか。なんつーか「インテル くるってる」って思ったのは俺だけかしらん。ちなみに英語だったら「intel insane」になるだろー。  

<5月16日>
 ◇ 今日は蒸し暑い日だった。あまり本は買わないつもりで出かけたが、結局買わざるをえないような本とマンガがいくつかあったのでいくつか購入。「別冊宝島319 日本一のマンガを探せ!」(宝島社 850円)は、数で勝負と言った感じで、12ジャンル別に合計2000作品を紹介している。とはいうものの、これだけの数でありながら選考者による好みによる基準のばらつきが散見されるのは、やむを得ないところか?。例えば、福山庸治が5作品あるのに、柴田昌弘の項に「赤い牙シリーズ」が入っていないのはどうも不自然である。選者によってはあえて同じ作者でもメジャー作品をはずすという方針があるのか、日渡早紀の項にも「僕の地球を守って」はあげていない(解説文では触れているが・・)。こうやって気にし出すと、いましろたかしには「トコトコ節」が落ちてるし、ハッピーマニアは作者とも含まれていない、なぞとどんどん小姑のように重箱の隅をつつきたくなってしまうのだった。
 いや、悪い本じゃないんです。でも、こういう本で本の取捨選択の基準がはっきりしないのは、それはそれで気持ちが悪いんで・・・。

 あと、弘兼憲史の解説で「いかにも全共闘・団塊の世代的」と、バッサリとその姿勢を斬りすてていることに驚いた。書かれていることはすごくよく分かるのだけれど、筆者は弘兼氏になんか思うところでもあったのだろうか(笑)。

 ☆ 帰宅したらパラッパラッパーと、ときメモをプレイ。ときメモはやっと初めて通しで最後までプレイした。お相手は如月未緒だったのだが、結果はダメダメだったですけど(笑)。2年生の半ばまではラブラブだったがなあ(失笑)、しばらくほかの女の子にかまけていたのと、そのあと周囲の女の子のフォローを一切しなかったので(爆)まあ、当然の結末ではある。しかし、僕はあまり古式ゆかり嬢には萌え萌えにならなかったなあ。>某メモらー。あの話し方がちょっと、僕と合わなかったみたい。どっちかというと、朝日奈夕子嬢はなかなかいい印象を持っているな。

 しかし、こういうシミュレーションは性格がでますね。僕なんか、みんなにすかれたいという色気がある割には、面倒になるとどうでもよくなっちゃうところがあるんで、それが如実に出てる展開でした。やれやれ。まあ、いい年してプレイしてると、ここまでラブラブならさっさと押し倒した方がいーなーとか、世の女性陣のひんしゅくを買いそうなことを思う瞬間もしばしばありまして・・・<それなら下級生やればいいわけだが(^^;

 ○ そういえばいささか古い話題で恐縮なのだが、朝日の手塚治虫文化賞は故・藤子・F・不二雄氏だったそうである。そうか、そういう性格の賞だったのかー。個人的には芥川賞みたいな新人発掘の賞、もしくはその年に大きな業績を残した人を表彰するアカデミー賞的なものを期待していただけに、少し拍子抜けではある。マンガ雑誌に関係ない会社だからこそ(もっとも漫画雑誌を発刊するという噂はあるようだけれど)、広範な視野に立った賞が運営できると期待したんだけどなあ。まあ、朝日のマンガ好きってのは、最大公約数から先には出ない程度のもだわけだ。やれやれ。選考委員の投票内容に関しては後日、出の版されるらしいのでそれを待って、また書こうかな。

 △ あちこちネットサーフィンしていると、懐かしい単語に出会う時がある。今日見かけた単語は「リバティ・バランス」。竹宮恵子の「ウエディング・ライセンス」の主人公の名前だ。まあ、ネーミングはジョン・フォードの「リバティ・バランスを撃った男」からのいただきでしょうけれど・・・。ともあれ、竹宮ファンとしてはなんだかその名前をみつけて懐かしい気持になったのでした。個人的にはロンド・カプリチオーソよりも好きな作品だ。

 追記:昨日のトリックスターの話題ですが、青島幸夫以外で勘違いしている男ナンバーワンは「小林よしのり」をおいてほかにないと思うのでした。異論のある人って少ないと思うんだけど。また、このテーマで漫画荒野で扱おうかなあ。 

<5月17日>
 ◇ このために東京に来たといっても過言ではない「まんだらけ」へ。コスプレはゲームキャラが多くて僕には見覚えはあるな名前分かる程度。ところで黒づくめの服を着たあの男性はDr.バランシェ(FSS)だったのだろうか。結局、目的の本は見つからず適当に2冊買って店をでる。ちなみに、ここしばらく探しているマンガは「アイデン&テティ」(みうらじゅん)。神保町のある古本屋で発見したのだけれど、作者サイン本で、ちょっと値が張ったので、涙をのんで見逃したのだった。

 △ ある古本店を覗いていたら、昔購入した「THE SPRIT OF WONDER」(鶴田謙二)がなんと2万円!。確か定価は850円ぐらいだったような気がするのだけれど・・・。もっとも、「ヤマトよ永遠に」の豪華本は当時1万円で購入した(中学生だったので分割で買った)のが3000円でした。思ったより値下がりしていないというべきなのか?幻の「ガンダムセンチュリー」(みのり書房)も高値がついていた。個人的には、映画版LDボックスの付録として再版される予定だったのが流れたのが残念。

 ☆ 新宿駅近辺を歩いていると、有名なダンボールハウスの立ち並ぶ一角に出る。僕は、大都市になればなるほどこういう部分があるのはやむを得ないと思うのだけれど(ただ、過剰に美化して捉えるのもどうかと思う)、その一体にたちこめる饐えた臭いはなかなかインパクトがあった。ちなみに、映画館でバイト経験のある知人によると、セーラームーンの初日の時もこんな臭い(それほど強くはなかったようだけれど)が映画館にたちこめたそうである(笑)。きっと、それはオタクちゃんの「暗い情熱」((C)知人の姉)の醸し出す臭いだったのかも・・・。
 
 ○ ああ、しまった。今日はさる方からメールで教えてもらった実相寺ティガの日だった。ほかの用事にかまけて、見損なってしまった。膝をついてがっくりとうなだれるのだった。(TT)。どうやら、なかなかの傑作だったらしいのだが・・・。反省。夜はエコエコを見る。演出はオーソドックス。どうやら最終回に向けての、ヒキが入ったエピソードだったようだったけれど、これについては来週も見てみないと分からない。

 □ 「入浴の解体新書」(松平誠、小学館 1800円)を読了。 

<5月18日>
 ◇ 今日はなんともない一日。ついに、短くて長かったモラトリアムも明日でついに終わりである。とはいうものの、ついに資金がショートしてるので、あと1ヶ月を暮らし切るためにも作戦をたてねば。いや、つなぎ融資なしでも、なんとかなるとは思うけれど。ほとんど中小企業のオヤジだな。

 △ 知人が僕の家で「ときメモ」をプレイ。洋服がダサイ(筆頭は、藤崎詩織の夏服)といちいちつっこみながらも、最後は見事に本命の虹野沙希とゴールイン。しかも、ラブラブマークはほかに三人もついていた。許せん(笑)。部活三回もクビになったくせに(笑)。ちくしょー。

 ☆ 昨日まんだらけで購入した「たたかえ!お母さん」(たかはまこ、ベネッセ 700円)を読む。いわゆる育児コミックではあるが、作者の夫が今をときめくエヴァのキャラデザイナー・貞本義行氏だと思って読むと、別の楽しみがある。育児コミックの意義については、いろいろな分析もだるようだけれど、人のプライバシーとだと思って読めば、やはり(漫画的に誇張されているとはいえ)おもしろいのだった。しかし、古い特撮ヒーロー物のオープニング集ビデオとか、キャプテンスカーレットで育つ子供は、きっと筋金入りのマニアになるかもしれない。オタクもちゃくちゃくと第2世代を育てる時代なのだった。

 私信:特に、奥さんにないしょでスタートレックのLDボックス買っちゃうような(そして、僕の社宅にこっそり預けといたような)前科のある方はこの本読んで反省するよーに。(いや、冗談だけど)

 ○ この週末は三社祭りだったそうだ。浅草は一度覗いてみたい場所ではある。

 △ 明治から昭和初期にかけて活動した斉藤松洲という画家がいたそうである。この画家は、貰い物をスケッチし、目録を作っていたという。
 このことを知った時に、僕はWEB日記を思い浮かべた。決して完結せず、何の役にも立たない目録づくりは、明らかに日記と相似の関係にある。目録づくりが仮に無名の人が行っていても、その意義は変わらないように、内輪受けであろうが、人をアジる内容であろうが、この時代を生きている人の徒然なる感想という日記本来の「価値」はゆるがないのだ。
 大切なのは続けること。そしてできることなら、自分のいやな過去の文章も残していくこと。それだけだと思う。ちなみに、画家の目録づくりは四〇代に始まり、死去するまでの25年間とぎれることなく続いたという。
 さて、明日からの忙しい日々で、僕がちゃんと更新できるかどうか。これは一つの課題である。  

<5月19日>
 ◇ 「アクション2 VOL2」を購入。再開したルパン三世を改めて丁寧に読む。第一話の時にも書いたけれど、内容はちょっとリアルにした新ルパンといったところ。しかし、絵は上手いがマンガは下手だなあ(作画:Shusay)。拳銃でポイントを替えるシーン、不二子が飛行装置で脱出するシーンはかなり問題があると思う。「RUSH」の西村しのぶは相変わらずのテイスト。でも、もう少し仕事してほしいなー。

 △ 週刊少年ジャンプの愛読者杯の読み切りシリーズは三週目に突入。個人的には「ときめきラブポーション」(つの丸)が今のところ一番おもしろかった。今どき、「勘違い」というギャクの定番ネタだけで読み切りを書いてしまった力業に感動した。やっぱり、つの丸って才能あるんだと思う。鳥山明はいつもの通りの内容で、ページが多い分、強盗が実はいい人だった、という展開が付け加わっただけ。果たして復活はなるのか?
 そういえば、鳴り物入りで予告を掲載したバスタードっていつから始まるんだ?確か四月からスタートとか書かれていたように思ったけれど・・・。

 □ 毎日新聞で、風力発電の里(山形県立川町)を取り上げる。同町では、町おこしの目的で、1993年に米国から高さ25メートル、直径18メートルの羽根3枚を持つの風車3基を購入した。総事業費は2億5000万円。年間発電量は約20万キロワットで、売電による年間収入は維持費にやや欠ける300万円弱だという。今年度は第3セクターによる売電もスタートさせた。

 3年ほど前のNHKスペシャルで代替エネルギーの特集を組んだことがあったが、風力発電の可能性はその時にも指摘されていた。日本国内の風力発電の設備容量は最大5000万キロワットほどあり、これは全国の総発電容量の2割強になるという。
 僕は日本で風力発電が普及しないのは明らかに、政府と電力会社にやる気がないからだと思っている。そして、その無関心が低コスト化につながらず、普及しないという悪循環を生んでいる。本腰入れて国内製の風力発電装置の開発や、法整備を行えば、設置個所も増え、スケールメリットもあって火力発電並の価格に抑えられることも夢ではあるまい。毎日新聞の記事によると、現に米国では低コスト化に成功しているという。

 電力会社がPRにつかう「ベスト・ミックス」という言葉はことほどさようにまやかしが多いと思う。何がベストであるかをサラリと議論の外に置き、我々のやっていることが「ベスト」ですよというわけだ。静岡県浜岡町にも原発があるが、そこからほど近い御前崎町が風力発電の好適地の一つであることを考えると、果たして何がベストかを改めて疑いたくなるのだった。 

 ○ というわけで、仕事が始まった日であった。 

<5月20日>
 ◇ 今日購入したマンガ。「定本 悪魔くん」(水木しげる、太田出版 2000円)、「ガバメントを持った少年」(風忍、太田出版 1700円)、「うしおととら 外伝」(藤田和日郎、小学館 410円)。
 感想を書くなら、悪魔くんは何度も死に、何度も再生し続ける物語なのだ。そういう意味で正統な救世主物語だと思う。筑摩文庫版も購入せねば。
 「ガバメント・・」は、非常にデザイン化された絵とぶっ飛んでるストーリー展開にめくらましをかけられるというけれど、自分のインナースペースこそ問題である非常に「私小説的」なマンガではないか?
 「うしおととら 外伝」は、作者が少年マンガの王道をいくストーリーテラーであることがよく分かる1作。

 △ 2台あったパソコンのうちの古い方を会社へ。ファイルのやりとりはニフティを使う予定。予備バッテリーを買わないとすぐバッテリーが落ちてしまうみたいだ。本体バッテリーが弱くなってるのかなあ?持ち歩くにはもう少し環境を整備しないといけないかもしれない。ちなみに、旧パソコンのブラウザはIEだけれど、新パソコンはNN。日記猿人への投票はどちらからでも可能にしてある。

 □ 今更の話題ではあるが、今村昌平監督「うなぎ」がカンヌ映画祭でパルムドールを受賞。めでたい。「うなぎ」というタイトル、クセのある物語ということで、僕は興行的には苦戦するのではないかと思っていたけれど、パルムドールが大きな追い風になるのは間違いない。幸か不幸か、この映画は上映館を弾力的に変化させる独自の公開方式「シネマ・ジャパネスク」第2弾なので、公開できる映画館は当初計画では最大十数館のはず。(それでも単館扱いよりはマシだが)。そんなケチなことをいわず、「弾力的に変化させる」というコンセプトを生かして、もっとどどーんと拡大公開してほしい。それが、日本映画の魅力を知るファンの生産につながるのだから。

 ○さすがに、仕事を始めるとあまり日記のネタがなくなるなあ。 


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