1997年3月中旬

3月11日
 最後の勤務日。でも、簡単な仕事が一つ残ったのと机の整理整頓などのためにあと数回は会社に顔を出すだろう。飲み会も適当な時間で終わって、午前零時ぐらいに帰ってきた。
 いくつかの写真週刊誌は苫米地氏の件についてずいぶん好意的に紹介している。週刊新潮への対抗上スタンスを変えたのか、それとも会見で好感をもったからなのか?(それは考えにくいが)。まあ今回の騒動は、考えようによっては父親が娘の連れてきた男性を気に入らず「お前は騙されているんだ」と怒っているという、ありきたりの構図かもしれない。ただ、苫米地氏が脱洗脳の技術を使ったかどうかがはっきりしないので釈然としなさが残る。どこかには「脱洗脳後、事務所で働いていた彼女を好きになったので、社長と社員の恋愛といったようなもの」と、書いてあったところを見ると、恋愛になったのは脱洗脳以後のことらしいが・・・。

 某アニメ誌を見ていたら、僕の所属するところのプロバイダーがエヴァを使った広告を出していた。最初はボケーっと誌面を見ていて、例の明朝体の文字の嵐で書かれた言葉ばかりを追いかけていたが、その単語がエヴァとは全く関係ないものばかりだったので、ようやくプロバイダーの広告だと気がついた。もともとドメイン名に惑星の名前を使っているが、これはある人の説によると惑星の名前でなくセーラー戦士(笑)からとられており、現在PLUTO(冥王星)まであるというので、今後はCHIBIUSAとかいうドメイン名が登場するとかしないとか←ないない(笑)。
 しかし、エヴァを広告に使うようだと、ドメイン名に「使徒」の名前を使うような可能性は大きいかもしれない(←ないない)

 先日、ようやく超人ロックの「クランベールの月」を購入。まあ普通といったところ。それから、「エヴァンゲリオン研究序説」(兜木励悟、KKベストセラーズ 1339円)も購入。1週間以上前に買ったけど、車の中におきっぱなしで忘れていた。まあ、その程度の内容しかかなかった。エヴァのペダンティックなところが好きな人にはいいんじゃないかなあ。僕はエヴァのペダンティックなところって、ことば遊びにすぎない(作品世界を構築するために神秘的な単語をかき集めただけ)思っているので、そこに立脚して作品世界を読み解くという作業には意味がないと思っている。だから、この本も斜め読みで、放り出していた。
 もっとも「愛とは決して後悔しないこと」だそうだが、僕の場合は「本とは買っても後悔しないもの」なので、少々つまらん本を買っても無駄になったとはあまり思わないけれどね。
 
 明日あたりからは映画でも見に行こうかなあ。←机の整理はどうした。

3月12日
 朝とりあえず起きて、ちょっと人に会いにいく。で、それが終わった後に書店にいくと、「オタクアミーゴズ!」(岡田斗司夫・唐沢俊一・眠田直、ソフトバンク 1339円)、「庵野秀明スキゾ・エヴァンゲリオン」「庵野秀明パラノ・エヴァンゲリオン」(竹熊健太郎・大泉実成、太田出版 各824円)があるので、ガガっと買い込む。で、帰宅して僕のよく見るホームページを見たら、皆さんも購入なさっていたし、エヴァ研究序説とか、DTIのエヴァ広告とかの話題も載っていたりして、結構ネタがかぶっていた。
 やれやれ。こういう時に一番乗りで感想を書きたいというのは俺だけかなあ?

 「オタクアミーゴス!」について語るにはあまりに時間が少ない。なにしろ、個人的な信仰(オタク)告白になってしまうからだ。まあ、機会があればそういうコーナーでもつくろうかなあ。とにもかくにも、一番個人的に思い入れが深いのは「80年代バブルアニメのちらし特集」だった。そういえば、見たことないけどスカで有名だった「魔女でもステディ」(だったっけ、岬兄悟原作のやつ)は取り上げられていなかったような?いちおう「書棚放浪」候補に入れておこう。

 夜はこじんまりとしたお店で飲む。なかなかアットホームな雰囲気で、熱かんをせっせと飲む。新ジャガも美味しかった。で、某地方都市の将来を憂えた。けっこう飲み過ぎた感じで帰宅。人生やはりああいった「隠れ家」になるようなお店を持っていなくてはだめだなあ。 

3月13日
 目覚めの段階が一番、花粉症がひどい。しばらくすると楽になるのだけれど、とりあえず薬を飲む。
で、メールをチエックしたり、古いパソコンをリサイクルショップに売る算段をする。そうこうしていると、3年ほど連絡をしていなかった会社の同期から電話。1児の母になっても相変わらず元気そうで安心した。相変わらずパワフルな感じで、本人いわくやせても太ってもいないとのこと。子どもも1歳半になったという。なんだか感慨深い。彼女は最近はあんまり面白いマンガがないと思って、育児コミックなんかを読んでいるそうだ。
 
 そうこうしていると今度はメールで映画鑑賞のお誘い。しかも映画は「新世紀エヴァンゲリオン シト新生」。一も二もなく賛成して、時間などをすり会わせる。しかし、ここで期待をふくらめ過ぎると、後悔が大きくなる。セーブ、セーブと自分に言い聞かせるものの、つい録画してあるエヴァの弐拾四、弐拾五話を見直してしまう。いやー、弐拾四話はやっぱり最高だわ。個人的には、この回が最終回でもいいくらい。ある情報によると、劇場版試写で絶賛している方がいたそうなので、結局期待はふくらむのだった。しかし、リアルな道筋でシンジの現実への着地を描けるかどうか、あるいは違う物語、テーマとして完結されるのか、大きな疑問を僕は抱えている。それは、ロングインタビューなどを読んで一層深まった。

 さて、弐拾四話が好きな理由でも書こうかな(^^;物語上結構重要だとか、そういうのではなく、むしろ煩悩を書くぞ。まず、渚カヲルがかっこいい。初登場のセリフ「歌はいいよね」は、志村けんのコントを思い出して笑ってしまったが。それから、第9が後半延々とかかるのがまたかっこいい。このおかげで、昨年拾弐月は第9しか聞かなかった。自分を初めてほめてくれた人(この設定が監督の青くさいところではある)を自らの手にかける。くー。泣けるぜ。僕は友だちどうしが闘う物語って好きだから、「アドルフに告ぐ」のラストなんかもツボ押しである。しかし、キャラクター論の時にあまりカヲルが出てこないのは何故だ?劇場版「death編」ではカヲル君が格好よければそれでよし。

 今日買った本は「整理法をぬすむ」(毎日新聞社,1600円)。特に本の整理方法は結構、興味深く読んだ。でも逆説的に言うのなら、増え続ける本に対抗する方法は明確にはないことがよくわかる。中でも半透明の衣装ボックスを使った整理方法はなかなか実用度が高そうだ。機会があればぜひチャレンジしてみたい。
 それからやっと増刷された「エヴァンゲリオン オリジナルV」(富士見書房、980円)。うーん、こういう基礎的な資料ってやっぱり読むと参考になる。本編との変更部分を比べると、露骨にテーマがわかるシーンが削られていたりするのだ。何故なのかなあ。ナディアも最終回でナディアが「人と人は支えあわなきゃ云々」と、露骨にテーマを語るシーンを絵コンテ段階でカットしていたし・・・。 

 庵野監督が子どもぽいなあって思うのは、シンジがこれまで誰とも深くつきあってこなかったという設定を単純にたててしまったり、性そのものを嫌悪する対象として描いてみたりするところ。(だって日常的な変態行為がエロ本みればあふれているのに、ねえ)それから、ミサトがヒールをはいていて梶がそこに過去との変化を感じたりするのも、おいおい30歳を過ぎてそんなことを感心するのは遅いぞ、という感じだ。だから第拾五話「嘘と沈黙」はあまり好きではない。そういえば、この回のキスシーン、ミサトが吐いた後だ(笑)
 
 そういえば、週刊新潮を買い損ねた。苫米地氏の記事が読みたいだけなんだけれどね。日経ゼロワンでセガバンダイの山科氏と中山氏のインタビュー。想定通りの問答という感じで、これでは「わかば賞」(笑)はとれまい。先日偶然出席した大山会長の講演で、会長は、ライトユーザーを取り込まなくてはいけないけれど、現在のサターンの状況では販売戦略やサードパーティーの活用方法を見直す必要があるというようなことをいっていた。さらには、ハードをやめればもっと儲かるとも。もはやPSとの「戦争」そのものにはあまり興味はない様子で、次世代機という言葉も何度か飛び出した。
 素人なのでそれぞれの言葉の持つインパクトを計りかねるところが多かったけれど、おもろいおっさんではあった。PSがゲーム機のデファクトになりつつあるのではという質問には反発していたけれど・・。

 夜は会社の飲み会。まあ、僕にとってはコップの中の嵐だ。じゃあね。でも、僕はまだ子どもだからああいう大人にはなりたくないでちゅ。

3月14日
 今日はのんびり昼寝をして過ごす。で、午後3時ごろから会社に出向いて、机の整理。いかに自分が無駄な書類をため込んでいたかがよくわかる。で、その後に飲み会。午前零時ごろに帰宅して、そのまま静岡朝日テレビ(旧けんみんテレビ・テレビ朝日系列)で、探偵ナイトスクープを見る。

 やはり書かざるを得まい。えー。シンジ君抜きまくりなんですか?(←そうとは書いてないかも)。何をどう抜いているのかしら(笑)。もう妄想モード全開ですよ。いずれも「新世紀エヴァンゲリオン シト新生」の試写をみられた方の情報ですが・・・。いや、期待したらいかん。冷静な目で見つめねばならん。16日午前に見に行く予定なので、それまではあんま関連のサイトとか見たらいかんかもしれん。(←緊張のあまり人から教わった関西弁モード)。

 週刊新潮を購入。うーん。なんだか平行線であまり面白くない記事だったなあ。ただ、ワイドショーのダイジェストでは放送されていなかったものの、会見ではいわゆる3女の夫について踏み込んだ発言が会ったことは分かった。それから江川紹子氏の指摘が事実なら、苫米地氏のいっていることはかなり信憑性に欠けることになるが、それが何故どうでもいいように思える文春記者のエピソードの後なのだろう。うーん。考えすぎかなあ?まあ、僕の考えはあまりかわっていないけれどね。新潮を購入するついでに、週刊宝石を立ち読みした。そうしたら、ある書評の訂正記事が載っていて大爆笑。
 訂正記事によると、書評中に本文中にない文章がいくつか引用されていたようだ。それって、本を読んでいなかったってことじゃないのか?やれやれ。僕はあまりマスコミ業界に過大な期待を持っていないが、それでもこうした怠惰からしか生まれないような基本的なミスが出てくるのは我慢できない。筆者は某女性タレントのようだったが、今後彼女の書評は信用するつもりにはならない。

 「トンデモ超常現象99の真相」(と学会、洋泉社 1545円)を購入。入門書としては非常にわかりやくす書かれている。ただ、こうした「突っ込み」の」要素のない本を「と学会」として出版するのは、」やはり学会の趣旨と違うのではないだろうか。まあ、そんなに肩ひじはることはないけれどね。 

明日は飲み会アンド歌会。

3月15日
 今日は午後から歌会アンド飲み会。だらだらと飲んでせっせと歌う。で、締めは屋台のラーメン。そんなに飲まなかったのに頭はレロレロに近い状態だった。午前零時過ぎに力尽きて眠る。なんだか真面目な話がメインで、もっと馬鹿な話をすればよかったと、少し後悔する。それから少々調子に乗っていろいろしゃべり過ぎたかもしれない。すみません。

 いっしょに飲んだ相手が妙にマニアックな人であることが発覚して、新発見。実写版「あしたのジョー」のキャスティングについてとか、僕の弱いジャンルに結構強かったので驚いた。普段は一見普通の人だしなあ。それからその人から、僕が人間のタイプを分類する時に「文学少女くずれ」という表現を多用するという点について指摘を受けた。うーん、確かにワンパターンかもしれない。反省。

 書店にいったら「アンダーグラウンド」(村上春樹、講談社 2575円)が積まれていた。あれ、3月20日発売じゃなかったんだ。どうやら勘違いしていたのかなあ。とりあえず今日は買う余裕がないので、見送る。「ねじまき鳥クロニクル」「心臓を貫かれて」(翻訳)という一連の仕事の延長線上に位置づけられる作業(不条理な暴力をどのように理解していくか)だとは思うが、フィクション作家がノンフィクションに取り組んだという特徴、個性があるかどうかが興味がある。ただ、個人的にはノンフィクションをフィクションに再構成していくのが小説家の作業だと思うので、今回の勉強の成果を今後の小説の中で十分生かしてほしい。それが僕の希望だ。

 知り合いに自称「スヌーピーに似た人」がいるからというわけではないが、今日のネクタイはスヌーピー柄。昨年冬に家族(笑)からもらったものだ。なかなか可愛らしいデザインで結構気に入っている。先日初めて締めてみたが、なかなかよかった。

3月16日
 今日は朝から人(10歳年上の男性でごんす・笑・)と待ち合わせをして映画を見に行く。映画のタイトルは「新世紀エヴァンゲリオン シト新生」。某量販店6階にある映画館で上映中だが、第1回目が午前10時半から始まるのに対して、午前9時45分には既に店外に約200メートルほどの列ができていた。中学生ぐらいの女の子の姿なども多く見られ、僕はこれほどファンの底辺が広がっていると思っていなかったのでかなり驚いた。むしろ観客のオタク度は薄かったのでは?待っている間、小中学生は、エヴァ関連の本や週刊少年ジャンプ連載中の「封神演義」、FFVIIの攻略本などを読んでいた。そういえば「X」(CLAMPの方ね)の下敷きを持っていた女の子もいたなあ。
 で、待ち合わせ場所に現れた男性もその行列を見て「何これ」と、驚きの表情。これなら予想以上のヒットになるのではなどと話しながら2人で列に並んだ。6階まではするりと進めたものの、そこから先はもう進まない。警備員もとりあえずいるだけといった感じで、適切な誘導は一度もなかったどころか、一度は社員が「これ以上入れないので皆さん解散してください」と、おおたわけなことを言う一幕もあった。(もちろん、そんなことで皆が並ぶのをやめるわけがない)。
 劇場側はとにもかくにも、他のテナントへの影響を恐れるためか、せっせと観客を劇場ロビーに詰め込みたがる。整理券出せばそれで済むのになあ。結局、チケットを買ってロビー内ですし詰めの状態で待つこと2時間余り。昼ご飯も食べずにベンカンベンカン(これはうちの父が愛用するオノマトペ・笑)待たされた。のどは渇くし、ロビーの空気は淀むし、なかなか辛い環境だった。
 当初は午前10時半の上映を見る予定だったのだが、そんなこんなで見ることができたのは午後12時半過ぎからの第2回目の上映。劇場内への入場も取り立てて誘導がなく、事故がなかったのは幸いである。(実際、第1回目のDEATH編が終わったころに劇場内に入ろうという人がいたため、かなりも押し合いへしあいになる事態もあった)。それなのに入場前に案内があったのは「いったん映画が終わったようになりますがそれは第1部の終わりで、第2部がありますから席を立たないでください」ということだけ。それよりもっと大切なことがあるのでは?
 こんなに混雑しているから劇場内に入っても座れるわけがない。当然一番後ろで立ち見である。見終わった後に腰が痛くなってしまった。
 もうすこし冷静なルポと現場写真を見たい方は、いっしょに映画を見た男性の日記(16日付)をどうぞ。

 予告編では、「少年探偵コナン」と「もののけ姫」、「スレイヤーズ」の商品広告などが上映された。「もののけ姫」はすごい!!アニメーターを殺すつもりかというような、複雑な芝居、アクションがしっかり描かれている。殺陣も見事だった。あとは物語がどうかというだけ。それからナレーションは個人的には邪魔だった。ただ設定が分かりにくいから、ある程度宣伝しておこうという戦略かも。
 見た感じでは劇場版ナウシカと原作版ナウシカのギャップを埋めようとするような内容のようだ。おそらく、人間と自然という2対立の構造を、解体することでラストを迎えるに違いない。(←勝手な妄想モード)でも、配収60億かあ?これはさすがに大風呂敷だと僕は思うぞ。あの暗そうな内容では。

 とにもかくにも、今日の収穫は「もののけ姫」の予告編だった。え、エヴァででごんすか?ネタばれもありますんで、覚悟の上でこちらを見てください。これは批評ではなくてファーストインプレッションそのものです。

 で、あるビルの地下で遅いお昼を食べていたら、突然地震があった。震度3ぐらいだったのだろうか、かなり揺れたようにも感じた。地下なので不安もひとしおである。東海地震も近づいているようだし、ちょっとした地震でもつい過敏に反応してしまう。地震ではお店の棚に積まれた缶詰が1個転がり落ちた。夕食はとろろ屋。久しぶりに食べたけれどやはり「焼き魚膳」は美味しかった。

 今日買った本。「アンダーグラウンド」(村上春樹、講談社 2575円)、「興行価値」(大高宏雄、鹿砦社 2500円)、「おかしくってもダイジョーブ」(香山リカ、早川書房 560円)、「別冊宝島308 スクープの本」(宝島社 1030円)、「中国の壺」(川原泉、白泉社 600円)。

 アンダーグラウンドについて暴言を一つ。僕はこの本の本文を読む必要はあまりないように感じている。むしろこの「ノンフィクション」は主語が村上春樹だからこそ成立していると思うからだ。だから前書きと後書きなどで書かれている筆者のこの取材に対するスタンスこそが重要で、その結果というのはそれほど意味を持たない。小説家の力というのは神の視点から事実を再構成できることであり、そういう技術をあえて(?)放棄てインタビューを構成しただけというのは、僕はあまり得策でなかったように思う。だから、昨日も書いたけれどこの経験をぜひ小説で表現してほしい。だって、こうしたノンフィクションを書かせたら上手い人はもっといる。むしろ村上春樹がノンフィクションに挑戦しなければと感じた気持ちはおそらく、小説でしか表現できないはずだ。

 雑誌では「噂の真相4月号」を購入。一番笑えたのは投書欄の「私の友人の事をあえて投稿する」。そんなに腹が立のだったら距離をとって「友人」をやめれば、とアドバイスしたくなる。 

3月17日
 朝起きて終日「アンダーグラウンド」を中心に読書。そのほかの本も拾い読みする。途中で思い出したように、部屋の掃除もしたりした。先日の読む前に書いた感想についてある方から同意のメールをいただく。とりあえずその方のページを見る前に、自分で感想をまとめようと思いせっせと読み進める。

 午後遅くになってリサイクル店の人が来た。古くなった98マルチ(1993年購入)や周辺機器(2400bpsのモデムとか3倍速の外付けCDーROM、外付けハードディスク)などを引き取ってもらう。値段は健康器具とかフォークギターも込みで3000円。まあいいや。必要なファイルだけ最低限コピーしてあるが、それも昔友だちが吹き込んだWAVEファイルといった程度。今は完全にこの「PC9821La10 Aile」だけを使っているので、作業上は全く問題ない。
 98マルチは購入したけれど結局それほど積極的に使うことはなかった。パソコン通信をそれほど頻繁にやらなかったというのが原因。むしろ使用時間で言うなら、今のパソコンの方が圧倒的によく使っている。それは逆に、インターネットで遊び始めたことが大きいと思う。
 僕はもともとハードにはあまり興味がなく、自分のやりたいことだけできればいいというスタンスでパソコンを使っているので、ハード上のことで分からないことは非常に多い。このページもテキストばっかりだというのはそれも一因といえるかもしれない(^^;
 その昔、サードパーティー製のハードディスクを98マルチに拡張しようとしたら、内蔵CD−ROMを使用不能にしないと拡張が不可能だと分かって驚いたことがある。もっとユーザー優先の環境を整えて欲しいぞNEC。でも、結局軽さ(1.8キロ)にひかれて、98ノートを買ってしまったのだが・・・

 夜はちょっと人と会って食事。先日のもらいもののお返しをしたら、喜んでくれたようで安心した。その後、僕のパソコンを使ってインターネットについての解説。こういう時って、いつも自分が見ないようなサイトを覗くことになるので結構新鮮だ。
 田中康夫ってあまり好きなタイプではないのだが、東京ペログリ日記を読んでいるとちょっとうらやましい(笑い)

3月18日
 朝起きたらまず、「アンダーグラウンド」の感想を書き始める。書きたいことは決まっていたが、それでも1時間半ほどかかる。その後、人と昼食を食べるために出かけて、会社に少し寄って帰宅。今日、自宅に帰るかどうかでしばし悩む。そのうち昼酒(ビール)が効いてきて眠くなった。暇を見つけて「おかしくってもダイジョーブ」を読み進める。ちょっと懐かしい事件ばかり扱われていて、ついついページをめくってしまう。しかし、香山リカ氏ってこういう時事コラム的な文章がうまいなあ。

 その「おかしくってもダイジョーブ」の中の一文。「先生への恋−話題のテレビドラマ「高校教師」の場合」は、昨今の苫米地氏の騒動を考えるときにも参考となるような内容だった。香山氏は、若い女の子の教師(あるいは精神科医)への恋は、同級生へのそれとは違った意味があり、その「特殊な意味づけ」を引き算した時に残るものが本当の恋だろうかという疑問を呼び起こす、と指摘する。そして、そういう事態に直面した場合、一般に精神科医は「これは真実の恋ではなく、過去にあった良い人間関係が今、良い役割を果たしている治療者に映し出されているだけ」と解釈するそうである。
 脱洗脳から十分な冷却期間を置があったかどうかはいささか疑問であるし、精神科医がかなりストイックに解釈しているのに対すると、やはり今回の苫米地の行動はいささか疑問が残るのだった。(しかし、俺も言うことがあっちこっちだね・笑・そこが日記の面白いところではあるのだが)

 アンダーグラウンドについてメールをくださった「新婚日記&怒濤の書評」をやっと覗く。うーん。僕より厳しい(^^;でも、こういう意見て当然だとは思う。一応、フォローのために書いておくと、僕はこの本を読んで感動したという人の感動まで否定することはしない。ただ、村上春樹の仕事としての位置づけや、ノンフィクションの意義などからあの本を考えることは必要だと思う。
 でも、ベストセラーになるのは間違いないだろうし、そこまでは否定しない。後書きに書かれていることはそれはそれでいい問題提起だとは思うのだ。

 夜テレビをつけたら、「踊る大捜査線」(テレビ静岡・フジテレビ系)の最終回。初めて見たが、うわさにたがわず行政システムの一環としての警察という視点で、細かい段取り、規則を描いてあって、それはそれで面白い。まあ、そのぶん監察官が悪者になってたけどね。織田裕二、柳葉敏郎もそれぞれの個性を生かしてなかなかいい芝居。深津絵里も美人だし(^^;;でも、本当にこんな捜査してたら問題だぞ(笑)。発砲はともかく、拘置所(だったかな)の犯人と会うときの段取りは、リアルな設定を逆手にとっての手法だけに、かえって強引さが目につく。と、思っていたら後半、風俗店は買い取るは、犯人を囲んでけん銃構えるは(下手したら向かい側の警官にあたるじゃないか)、ちょっと派手な展開になってびっくり。それから、けん銃握って移動するときは銃口を上に上げた方がいいんじゃないのかなあ?こんなドラマだったの?とはいうもののドラマだから許す。
 でも、前回のダイジェスト部分てやけに「エヴァ的」だと思ったのは僕だけ?本編中でも犯人逮捕の直後でBGMでエヴァの曲(ティンパニーがばんばん鳴るやつ)使っていたしなあ。

 ジャングルTV(SBS・TBS系)で、投げ釣りの名人登場。スポーツキャスティング大会のビデオも流れたが、ほとんど釣りキチ三平の無名島(だったかな)キャスティング大会の世界である。

3月19日
 学生時代の後輩が結婚するというので、昨晩はそのお祝いの準備。テレビをつけっぱなしにしていたら「新スタートレック」(これもよく考えると不思議なタイトルだ。新宇宙大作戦なら分かるのだが)「機動警察パトレイバー」をやっていた。今回のパトレイバーの放送は非常に不思議だ。一番最初のビデオシリーズ7本と、テレビシリーズのビデオに収録されている新作ビデオ(12本?)ばかりを放送している。これってはじめてパトレイバーを見る人には何のことか分かるまいに。

 目が覚めたら、さっそくいくつかの引っ越しの荷物を積み込んで藤枝市の実家へ出発する。明日は今住んでいる部屋を引き払う日なので、少しでも荷物を運んでおこうという考え。自宅に向かう途中で2カ所ほど立ち寄り、手短にあいさつをする。昼過ぎに実家に到着し昼食を食べる。うとうとしながら「ねじまき鳥クロニクル」を読み続ける。「泥棒かささぎ編」はついに読了。BGMは「カラヤン アダージョII」の中からパッヘルベルのカノン。本当はバッハの無伴奏チェロ組曲1番を聴きながら、某アニメ主人公の行く末を考えたかったのだが・・・。

 祖母と雑談。先日浜松で占いにみてもらったら、本をもらったという。見せてもらうと「強運」(深見東州、たちばな出版 450円・大爆笑・)。まあ、突っ込みがいのない、自律性(笑)のある本。つまり内側の理論だけで完結しているので、世間の常識と接点が少ないということですね。だから、ツッコミの手がかりが少ない。
 それでもいくつか面白いところもあった。
 1、整理、整とん、清潔はタヌキやキツネの霊を防ぐ効果がある。だから、整理、整とんを徹底したトヨタは発展した。←3S、5Sってのは工場管理の基本だから、トヨタだけやってるわけではないぞ(笑)。せめてカンバン方式に触れろよ。
 2、この本のよると、サンタクロースは北極神・タイタロス神のことだそうだが、この神様の姿について、白ひげ、赤帽子と書いている。ところが、赤帽子(というか赤い衣装)は1950年代だかにコカコーラの広告に、サンタクロースを使ったときに、コカコーラレッドの衣装を着せたのが始まりだから、この神様が赤い帽子をかぶっているのは不自然なのだ。あるいはタイタロス神は、コカコーラの神様か?

 で、これだけにとどまらず、次なるトンデモ物件も登場。「バイオラバー」と呼ばれるそれは、ポリウレタンのような柔らかい素材で(マウスパッドみたいなかんじ)で、体にあてておくと「パワー」を引き出すという(笑)。大きさは10センチ×7センチぐらいで、価格は10300円。以下、説明書から簡単に抜粋。

 バイオラバーは、水分とたんぱく質に働きかけ、その共振活動を活発にする画期的なハイテク素材です。バイオラバーは、その(体内にあるさまざまな成分・引用者註)中でも最も重要な水分とたんぱく質に直接作用する新素材。これらの分子を活性化し(共振効果)、パワーを引き出します。
 (中略)
体によい波動(波長)をすべての領域で100%に近い放射率を有しています。
 (中略)
 バイオオリエンテーションをしてありますのでテレビ、ラジオ、電子レンジ等の上には置かないでください。

 この説明には、単位の書かれていないグラフ(笑)も書かれている。それには、分光放射率の測定結果という説明と、測定を担当した機関であろう「島津テクノリサーチ」という名前などが書かれている。もっともらしい言葉のオンパレードで「能書き」ファンにはこたえられないほど、ステロタイプの説明書ではある。一応、パワーて何?バイオオリエンテーションて?体によい波動ってどういうこと?波動と波長って同じなの?と、ポイントの部分にはツッコミを入れておこう。
 まあ、「イワシの頭の信心から」だから別に構わないけれど、人の無知につけこむ商売というのは少し問題があるなあ。

 夜は家族で外食。フランスワインを地元の酒屋さんの説明を聴きながら飲む。美味しかったけど、体調が完全とは言い難く、量は飲めなかった。その点では残念。東名の取り付け道路沿いにある庶民的なお店だったけれど、料理も凝っていてなかなか楽しめた。なんでも今は第5次ワインブームだそうだ。

 帰宅したら意外にお酒が回っていてすぐに眠くなる。ニュース23の海中撮影「ちょっと底まで」をみていたら、なんと「サカサクラゲ」という生き物が本当に実在するという(笑)。筑紫哲也キャスターが「中年以上の人はにやりとすると思うけれど」と、オヤジなコメント。

3月20日
 引っ越しの日。とにもかくにも、浜松で過ごした2年8カ月は人生の中でも思い出深い時代となった。もっとも引っ越しの作業で忙しく、あまり感傷的になる時間もないことも確かではあったが・・・。

 4月になれば5年間乗り回してきた愛車「サイノスα」も手放す予定。いくらでもいいから(それこそ3000円でも・笑・)引き取ってくれるところがあれば、と思っていた矢先に、父の知り合いの米国人男性が車を探していることが分かった。僕たちが引っ越しに出発しようとしている矢先に、その男性たまたま姿を見せ、雑談しているうちにトントン拍子に譲り渡す話がまとまった。

 僕は洗車するのが嫌いで、ほとんど綺麗にしてやらなかったが、サイノスに対する愛着は人一倍持っていたつもりだ。(一説にこれは釣った魚にエサはやらない、と似ているという話もある)。免許取り立てで、下手くそな運転をしていて助手席の人のひんしゅくを買ったり、鳥羽水族館までフェリーを使って出かけたり、最近では海水浴に出かけるときにも活躍してくれた。性能的には、安かろう悪かろうだし、車内が狭くて暑いという欠点もあったけれど、5年間の僕の共同生活者といってもいいかもしれない。サイノスと別れることも、引っ越しとともに僕の中の「区切り」となる出来事の一つだ。
 はじめての駐車違反がレッカー移動だったのも今となってはいい思い出。東京ディズニーランドへも行ったし、スキーにも5回ぐらいでかけた。本当はその時の同行者たち(笑)にもあいさつ状を配って、この気持ちを分かち合ってもらいたいぐらいなのだが(笑)。

 米国人男性は以前は軽自動車を使っていたそうだ。さすがに窮屈で、ワイパーが動く範囲より上に目の位置があったりして(笑) 運転は大変だったという。まあ、そういう意味では、サイノスも決して大きくはないけれどね。話をしていたら、パソコンも探していたとのことで、3000円で売るぐらいだったら、その人にあげればよかったとも思った。

 夕食には、その米国人男性とその奥さん(韓国人女性)が遊びに来て、いろいろ雑談しながらカレーを食べた。今日は体調が良くて僕もワインもどんどん飲むことができた。話題の中心はやはり、米国や韓国との習慣、文化の違いなど。米国人男性いわく「日本人は手をあげてアピールするのではなく、目線が前向きの人は発言をしたい人。うつむいているのはそうでない人というのがやっと分かるようになった」、「大阪では、座席の回転を良くしたいから料理も早く出てくるし、少しでも長いをすると嫌そうな顔をしていた」、「新潟にいたときは、子どもがガイジンガイジンと不必要にまで騒いでいたけれど、静岡の子どもはあまりそんなことがない」など。そんな疑問や感想を肴にいろいろと会話がはずんだ。

 米国人男性はジョージア州アトランタ出身。軍隊に3年間入って学費を稼ぎ、大学へ進学し、そこで韓国から留学してきた奥さんと出会ったとのこと。奥さんは今、大阪の大学に留学中(だと思った)。
 彼は「軍隊のリクルーター(正にリクルーターだ)はいいことしかしゃべらない。普通の仕事とも変わらないし休みもちゃんとあるなんていっているけど、入隊すると「兵士は24時間、365日いつでも兵士である」と、全く違う現実が待っている」と、笑っていた。軍隊の上司の言葉はやはりFOUR LETTER WORDSばかりだったそうだ。でも中には、普通の言葉で話す人もいたそうだが、その人は「言うことが紋切り型の事しかいわない人」だったそうだ。
 そんな流れから、ニュースステーションの久米宏も話題に。普通の会話には不自由がない彼でも、日本語のボキャブラリーはまだ足りないため、久米宏のジェスチャーにはアピールを感じるという。その他のキャスターはどうしても彫刻のような無表情に見えるという。

 最後は、奥さんからうちの母が、トウモロコシパンのレシピを教わって、おひらき。


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