1997年2月下旬

2月21日
 眠さをこらえて仕事。とりあえず、やらなければならない仕事は予定どうり仕上げた。今日の飲み会は流れたので、今日はゆっくり眠れそう。

 ニュース・ステーションを見ていたら、さだまさしが出演していた。歌った歌は「前夜」。懐かしいしこれは今でも好きな歌だし、なんか得した気持ち。
 ニュース23はテレ朝人見記者事件と日テレ小杉元巡査長事件を取り上げた。テレ朝事件は、わざわざ危険なことをやろうとしたのに、腰が座っていなかったという最悪のパターン。日テレの場合は捜査陣のいう「捜査妨害」がいま一つピンとこないというのが正直なところ。ただ、顔をモザイクで隠さなかったのは人権上どうかとも思うが・・・。余談だが、小杉元巡査長のカウンセラーは別冊宝島304「洗脳されたい」でロング・インタビューに答えている苫米地氏だった。

 「SPA!」の「女に「傷モノ」にされる男たち」を読む。いや、胸に手をあててじっと考える。だからってどうなるものでもないけどね(^^;それから、鴻上尚史がエッセーで「ガメラ2」を強力にプッシュしていた。僕はこれ好きだからいいけど、日本映画を嫌いな人を説得できる種類の映画ではないように思う。僕はそこが少し歯がゆい。
 映画MLで「邦画はつまらないから見ません」と、わざわざ断言するような人がいることを考えると、なかなか日本映画の将来は難しいと感じざるを得ない。まあ、好みの問題だからそんなに深刻になることはないか。

 春一番といわれているが、えらく冷たい風が吹きすさび、社宅の部屋までものすごく冷えている。

2月22日
 寒いので起きてもなにもする気にならない。とりあえず、今日は読書の日と決めて、積んである読みかけの本を炬燵に入りながら読む。とりあえず「別冊宝島304」とオンラインで送信してもらった「五線紙」を読了。その他はそれなりに読み進む。外へでるのが面倒くさいので、カップスープとチョコレートで夕方まで過ごす。どうせ、給料日前でお金もないから、まあいいや。

 読書の合間に、少しネットサーフィンする。リンクをたよりに、デジスピに女性のホームページが無断で取り上げられていた一件やオタクの悩みが書かれている掲示板などを見て歩く。
 僕は、引用などについてはあまり法律的に疎いのだが、小学館が一言あやまって反省の姿勢をみせれば、いいんじゃないかなあと思う。もっとも、小学館があやまらないのは、あやまることでその後の訂正や回収などの責任が生じるからそれを嫌ってのことだろうけれど。(←推測モード)。今回のボタンのかけ違いは、そういう意味では明らかに一番最初に「掲載します」と声を掛けなかった、小学館側にあるのではないか?こういうのは、法律以前に不愉快であるということが、トラブルの種になるので、こじれると大変だろうなあ。(最も、僕はそのデジスピを未読なので、これ以上細かなことはなんとも言いようがないのだった・・・だから原則論というよりは、トラブルを人間関係上の交渉でどのように防げるかという感じで考えているな←自問自答モード)
 学校でオタクであるが故に孤立しているという男性の悩みは、わからんでもないけれど、こういうのって誰も手をさしのべるわけにはいかない問題だからなあ。自分がどうなりたいか、という明確なプランを立てて、そこから逆算するしかあるまい。ただ、オタクであるとかなんとか以前に、人間関係って「包み包まれる」ものなので、自分を受け入れて欲しかったら、相手も受け入れるしかないのは確かだった。(←モノローグモード)
 そういう意味では「ハリネズミのジレンマ」って、ムシがよすぎるから生じるんだ。あ、なんかわかっちゃった気分になったぞ。

 夕方は知人と焼き鳥を食べる。明日は映画を見に行こうかな。 でも、危険な香りのする「恋と花火と観覧車」は見に行かないだろうな。決して洋画だけにこだわっているわけじゃないけれどね。
 夜になって妹から電話。両親の結婚30周年のお祝いの打ち合わせ。コーディネートは全部妹にまかせる約束をする。

2月23日
 今日も寒い一日。部屋の暖房の効きが甘く、30度に設定しても、この底冷えには全く効果がない感じ。人間、ネガティブになるときは「寒い、ひもじい、もう死にたい」の順番だというので、とりあえずひもじくはならないように、出前でラーメンを食べる。それから久しぶりに洗濯。掃除はやらない。

 今日は映画を見に出かけるつもりだったが、午後2時からドキュメンタリー「もの食う人びと」を静岡朝日テレビ(テレ朝系)でオンエアしたので、それを見てしまう。非常に面白かったけれど、睡魔に襲われ第2話の途中で眠ってしまった。チェルノブイリ原発事故の汚染地域に住む人々の気持ちは、「不安の世紀から」で辺見氏がいうところの「イナーシア(慣性)」と言うこともできるかもしれない。夕方からは「黄書記長亡命事件」などを特集する「報道特集」をSBS(TBS系)見る。

 今日は映画の日と決めた以上、しょうがないのでレンタルビデオ屋へいって「リービングラスベガス」を借りてくる。もっと辛口かと思ったら、意外に甘口の映画でした。ついでに書店に寄る。ある人のワースト1(笑)という「スプラッシュ」(大鶴義丹、集英社 320円)と、「忍ペンまん丸」(いがらしみきお、エニックス 400円)を購入した。一度買い損ねた超人ロックの新作「クランベールの月」はどこにいってもない。「ソード・オブ・ネメシス」はあるんだけどなあ。やはりあのときに買っておけば・・・と後悔する。

 夜になって知人から近況報告の電話。お金に困って2台あるマックのうち1台を売るそうだ。3月になったら遊ぶ約束をする。さらにその後、別の知人から電話があり「引っ越したよ。キューティーハニーFが始まったな。今年はスキーどうだった」というような話をしたた。彼は別にマニアじゃないけどそんな話題になることが多い。というわけで、書棚放浪に書くつもりだった「不安の世紀から」は時間がなくなったのでしばらくお預け。スプラッシュはかなり若書きという感じはするけど(特にエピローグのしつこさ)、ワーストっていうほどではなかったなあ。何か俺、読み落としているかなあ。「サーフィン、女、ドラッグに満ちた青春という夏」というテーマはあまり新鮮でないのは確かだけれどね。

 そろそろWWWの自動巡回ソフトを買ったほうがいいかもしれないと思う今日このごろだった。

2月24日
 帰宅したら父からメールが届いていた。明日は滋賀県に出張とのこと。それから、「悪魔の飽食」に関連して雑誌記事を紹介していてくれた。以下、関連部分を一部省略、訂正して引用。


 雑誌「ひと」97年1月号に掲載されたものです。埼玉県立庄和高校地理歴史研究部は毎年、郷土の隠れた歴史を掘り起こし、報告冊子を作成しているという。この記事を書いた男性は今は大学生で、高校在学中にこの「ネズミ村と731部隊」の調査を行った。
 地歴部がネズミ飼育の事実を知ったのは7年前に聞き取り調査であったが、当時はネズミ飼育の全体像がつかめず、すぐに調査を打ち切ってしまった。それから5年後、顧問の先生が国立国会図書館でとんでもないものを発見した。それはGHQによる「ネズミ生産者の報告文書」である。埼玉県東部は古くからのネズミ生産地だった。このネズミ飼育は顧問や部員の家族も行っていたほど日常的なものだった。GHQの文書によれば、当時6000軒ほどの農家で飼育され、農家で飼育された「白ネズミ」は春日部に住む仲買人のもとに集められ、軍に納入。その後立川から満州へ空輸されていたのである。仲買人はネズミの用途を知っていたが、農家の人々にはいっさい知らされていなかった。飼育者は小遣いかせぎという軽い気持ちではじめたネズミ飼育で、知らないうちに細菌戦に手を貸していたのである。


 もう少し続きがあるらしいが、今回は時間もないためここまでとのこと。また続きを送ってちょうだいね>父親。
 ところで、ネズミってもともと何のために生産していたのだ?食用ってわけでもないだろうしなあ。記事の事実については、まあ、なんというか「世界はそういうふうに出来ている」としか言いようがない。

 一杯やって会社に戻り、しばらくすると別口で飲んでいた先輩、後輩も戻ってきた。しばらく、人事異動の話題などで雑談し、午前零時過ぎに帰宅。
 僕が一杯やっていたお店にはカラオケがあったのだが、わずか1時間足らずの間に「白い雲のように」(歌:猿岩石)が2回も歌われた。しかも、2人ともうろ覚え。歌い手の年齢が高いこともあったのかもしれんが、ヒットしていることを実感するとともに、「よく流れていて、しょっちゅう聞くけどいざとなると歌えない歌」という地位を確実に確立しているのではないかと感じた。

 昨日は日記を更新した後に、いくつかの掲示板を見て歩いた。いやはや、これほど議論が好きな方が多いとは。文句をいいながらも「戦い」つづけるとはよっぽど掲示板というメディアが好きなんだなあ。僕は落とし所とか目指す結論のない議論をするのはめんどうくさいのでやらないけど。(落とし所がない場合は、相手の意見を理解するまで説明してもらってそこで終わりにしたい)。それと日記評論をやっている方も、その努力には頭が下がりますね。僕なんか自分の日記の更新だけでもヒーコラいっているのに、人の日記の感想を毎日書いているなんてすごいわ。しかし、僕本人を知らないで、この日記を読んでる人って、俺をどんな人間だと思っているのかなあ・・。
 
 なんだか体調がすっきりしない。胃もたれしているような感じもするし・・ついに風邪ひいたかなあ。今週はまだ始まったばかりなので、早く寝よう。

2月25日
 後輩の送別会に出席。一度会社に上がって、それからもう一度飲みに繰り出す。まあ、サクサクっと飲んだってとこですかね。つい口が滑って、評判を落としていたかもしれない(苦笑)。

 父から再びメール。滋賀県への出張報告と昨日の続き。滋賀県では「インターネット・バブル」にも取り上げられている平野小学校を見学したそうだ。まあ、身軽にさまざまなことにチャレンジするところに感心したとのこと。それから、731部隊の話題の続きだった。


 では昨日の続きの「ネズミ村と731部隊」の話です。
 庄和高地歴部は、まず庄和町を中心として埼玉県東部の農家約千軒に聞き取り調査を実施した。これはネズミ飼育の実態を調査するのと同時に「ネズミと細菌戦」のつながりを農家の人々に知らせるためでもあった。質問は「ネズミの飼育法」「ネズミは当時いくらだったか」「飼育のエピソード」「もしネズミが細菌戦に使われていると知っていたら飼育しましたか」大半の農家は親切に答えてくれたが、現在も仲買人をしている人はいまの仕事への影響を考えてか、答えてくれなかった。
 4番目の質問に
  「飼育した」と答えた人が  8%          
  「飼育しない」       23%           
  「わからない」が      70%
 聞き取り調査を始める前、自分や家族が知らないうちに間接的に細菌兵器に関わっていたと知ったらショックを受けるだろうと予想していたがネズミの用途を説明しても「ふーん そうなの」と他人事のような反応をする人がほとんどだった。この他人事のような反応に調査した高校生は困惑し、「いったい何がわからないのか、それがわからない」と書いている。
 これがTBSの報道特集で放送される。95年の2月26日に放映されたそうだ。そうすると反響があり、顧問のところに抗議の電話があったり、右翼とおぼしき人物から脅迫状が届いたりした。本には脅迫状も掲載されている。そして昨年中国ハルピンで開催された「731部隊国際シンポジュウム」に参加した。
 続きはまた書きます。ではまた


いやー、じらすなあ(笑)。でも、「現在」の農家の反応というのはよくわかるな。今自分がやっていることではないから、リアリティがないのは当然なのだ。むしろ、このアンケートを見た高校生の困惑した感想こそ収穫なのではないだろうか。

 今日3次会である女性がいっていたなぞなぞ。
 「おしんと賀来千賀子がある、小川まできました。でも、一方は小川を越えられませんでした。どちらでしょう」

 答えは、おしん。おしんはまたげ(股毛)ないから。

いやはや。こういうの僕はすきですけどね(^^;;
もう眠いや。眠ろう。

 そういえば、ついに静岡県内でのエヴァ放送も佳境を迎え、26日には26話となりそうである。結局三話ほど録画しそこねたけど、まあしょうがないか。「せめて、人間らしく」はついに見損ねたけれど。今日は弐拾五話だったはずだが、ビデオでは見ていない。

2月26日
 今日は、僕にとっての「春」の始まりである。なんつったって、花粉症の始まりを実感したからなんだけれども、もう、つらいっす。はだがずばっでばず−てな具合である。早くこのシーズンが過ぎることを祈るばかりだ。花粉症歴23年になるが、年々症状は軽くなっているとはいえ、やはりこの季節は気が重い。

 今日も飲み会。2次会のカラオケでは、ある人はやたらと濃い歌を歌うので、僕も一緒になって楽しむ。その人は今回はさすがに軍歌は歌わなかったが、「サスケ」「スーパージェッター」から始まって「妖怪人間ベム」「仮面の忍者赤影」などを歌いまくり。赤影のナレーションのパロディで「まだ、総理大臣が細川護ひろだったころ、富士のふもとにはオウム真理教というあやしげな宗教が云々」というネタを紹介したらうけていた。

 帰宅途中にコンビニで「デジタル ガロ」(青林堂 980円)と「正しいお変態本」(ひさうちみちお、KKベストセラーズ 490円)「フェイスマーク笑事典、KKベストセラーズ 490円)を購入。お楽しみはこれからだ。

 夕方ごろから、静岡県藤枝市の花倉(実家のすぐ近所だぜ)にある地震予知などに使われる観測機器に異常がみられるとのニュース。ところが、あとで聞くと装置の故障とか。ベタな落ちだなあ。昨日もその前もなぜかエヴァの録画に失敗している。今日は未見の最終回。失敗はゆるされないのだった。
 
父から731部隊通信の最終回(?)が届く。

 (筆者は)[731部隊展」の全国実行委員長の渡辺登さんに誘われて、日本と中国の研究者や証言者が一堂に会するシンポジュウムで研究の成果を発表することになる。彼らは日本にいては「加害」側の証言しか聞けないが、中国に行けば「被害」にあった人々の話が聞けるということで参加を決意する。私たちの町で飼育されたネズミが中国に渡ってどんな悲劇を生んだのか、それを知らなければ私たちの調査は完結しない。費用は30万円、土器発掘のアルバイトをして費用を捻出しようという案もあったが、3人が親に費用を出してもらって参加することになった。
 参加するとなると校長は「これは学校の活動ではなく、あくまでも個人活動として行ってきなさい。もし事故があっても、学校は責任はとれない」と言ったそうだ。    
 731部隊の被害者靖さんとの出会いは7月29日。
 (あとは本文をそのまま書きます・ぴょん太註:これは父の判断)ハルピンに到着した。私たちの今回の訪中目的の1つは靖福和さんにお会いすることである。靖さんは731部隊の施設のあった平房地区在住の当時61歳になる方である。731部隊は撤退するさい、施設を破壊し、多くのペストネズミを放った。ペストネズミは近隣の3つの村を襲い、ペストを蔓延させたのである。この3つの村では2ケ月間で約130人が死んだ。靖さんも19人家族のうち12人をこのとき亡くしている。多くの命を奪ったこのネズミこそ、私たちの町で飼育されていたものである。私たちの調査はネズミ被害者である靖さんにお会いしなけrば完結できない。・・・・・というわけで靖さんに会いにいく。
 靖さんが自らの体験を訪問者に語りはじめた。「731部隊がネズミを放ったとき、私は11歳でした。家族で最初に亡くなったのはおじいさんでした。その後、姉も弟もペストに感染しました。姉は声が出せなくなり、だれにも気づかれずに死んでいきました。私は弟の看病をしていましたが、2時間も経たずに死んでしまいました。こうしてつぎつぎに家族が亡くなっていきました。いまでも、あのときの悲惨な叫び声を思い出すと心が痛みます」
 靖さんの話が終わり、参加者の質問が始まった。研究者たちは専門的な質問ばかりするので、私は靖さんに話しかけられずにいた。そうこうしているうちに質問の時間が終わり、参加者が帰りかけた時、思い切って靖さんに話しかけた。私は自分のしている調査の概要を説明したが、靖さんは突然の若い訪問者の話がよくわからなかったようだ。しかし、わたしの顔をまっすぐに見て、真剣に話を聞いてくださった。同行していたNHKや現地のテレビ局がそれに気づき、カメラをまわし始めた。ただでさえ緊張しているのに、まわりをカメラに囲まれ、私の頭はパニック状態に陥った。それでも私は懸命に話し続けた。その話をじっと聞いた後、靖さんは私にこう言った。「ここに来られて、私たちの証言を聞き、また731部隊の問題を調査しているのは非常に嬉しい。日本に帰ってからは、私たちのこの叫びを人々に伝えてください。ともにがんばりましょう。」私はこの言葉を聞いたときとても感激した。いや、それ以前に、靖さんに会えたこと自体に感激 していた。そしてなぜだかわからないが涙がこみ上げてきた。
 
 まだ続きがあるのですが、打つのも大変ですからここでおしまいにします。

おいおい。でも参考になったので、帰宅したら読ませてもらいます。 

2月27日
 今日は飲み会のダブルヘッダー。午後6時半から、まず昨秋に出張したときの知人と一杯やる。で、午後9時からは同業他社の若手との飲み会に移る。
 1次会は居酒屋で、次にカラオケバー、それから外国人女性のいるパブ、そしてラーメンの順番。ほとんどのメンバーが外国人女性のいるパブの払いで、持ち金が一千円をきったのではないか?そこで、転勤するある人が「引っ越しのためのごみだしを手伝ってくれ」というので、深夜に全員でそのアパートに出向く。
 結構使えそうなものも捨てるので、もったいなくなって、ワープロとハンガーをいただいて帰ってくるワープロは使うのではなく、中古として売って、外国人パブの借金返済に使う予定。
 今は午前3時半。むちゃくちゃ眠たい。

2月28日
 今日は夜勤。久しぶりにアルコールの入らない夜だ。さすがにここ1週間は、飲み会の連続だったので極めて寝不足である。ここ数日の日記も酔っ払いと眠気の極致で書いているので、なんだか読み返すのが怖かったりもする。会社内は人事の内示が近づきソワソワ。

 最近買った雑誌・本などについて感想を少々。
 マンガ編「ヴォイス」(西村しのぶ、小池書院 580円)。ほんのわずかの新作のためについ買ってしまう、ファンの悲しさ。「東京大学物語17巻」(江川達也、小学館 500円)最近東大とはあまり関係なくなっているような・・・「ピンポン」(松本大洋、小学館 900円)大切なのは「切り口」なのだと実感する。「ファイブスター物語8巻」(永野護、角川書店 940円)独特の叙情性は楽しんだが、久々に読むと今何が起こっていたかを忘れてしまう。アトロポスってこんな顔だったかなあ。

 単行本編「どこが超能力やねん」(ゆうむはじめ、データハウス 1200円)いやーゆかい痛快怪物くん。でも、筆者のいうリーディングって何?相手の記憶を読むって?

 雑誌編「ワイアード」(同朋舎出版)特集「文学、ビットに殉ず?!」の中では、デジタル時代に対する編集者のリアクションとユニコード問題などに触れた島田雅彦のインタビューが面白かった。ユニコードは日本語ユーザーとしては、あまり好ましくないとの印象を持った。え、表紙は、どうだったかって?「週刊現代3月8日号」(講談社)朝日新聞の情報捜査漏洩疑惑についての記事を読みたくて購入した。この記事を読んだだけで漏洩があったかどうかを判断するのは難しいけれど、事実関係については朝日側の方の意見のほうが具体的だった。記事後半の朝日新聞前橋支局の「誤報」事件では、取材した円満亮太記者の名前が出ている。しかし、仮名みたいな名前だなあ。しかも、どこかで見たような(^^;書評コーナーで「身体の文学史」を取り扱っていた。「書棚放浪」の書き方の参考になった。「週刊文春3月6日号」(文芸春秋)目的の記事は「春山茂雄報道どっちが杜撰だ週刊新潮」。事実関係を争うことは大切だ。でも、読者がどのようなスタンスで読むべきかといったら、その事実の争い にこだわり過ぎず、この論争を産んでいるスタンスの差を考えながら読むべきじゃあないだろうか。変幻主義というのはそういう視点からこそ生まれるような気がする。「インターネットマニア4月号」初めて購入した。個人ホームページやメールアドレスをこれだけ集めて掲載しているというのは、やはりニーズがあるからだろうか?

 新聞編 某地方紙朝刊コラム(22日付) 中教審の飛び級制度導入について「特定学科の選ばれた者を特別扱いすることに多くの人がうなずくだろうか」「それ(物理・数学)だけを”天才”扱いとはその道の一部の人間の思い上がりではないか」。この制度で本当に希有な才能がある人材が育成できるかどうかという問題はさておき、このコラムって変だ。現行の教育制度の欠点を指摘しながらも(これには別に異論はないけどね)、なぜか受験システムについて肯定的に扱っているように読めるのだ。
 それに天才は物理・数学の分野だけではないと指摘する時に、文学、スポーツ、芸術などを挙げるのも奇妙。例示された分野は、学歴とは別の世界の才能であって、独創的な研究者の養成を前提として飛び級を設定した物理・数学の分野とは全く別物だからだ。まあ、僕の座右の銘の一つは「縁なき衆情は救いがたい」なので、これ以上は書かないけれど(笑)
 
 某全国紙夕刊(26日付) 宮台真司氏が、アニメ「エヴァンゲリオン」を軸に「現実世界とシンクロできない存在が、いかにして現実を生きることに肯定感を抱けるか」という問いを結論として導きだし、さまざまなメディアで提示されている「答え」の可能性を指摘している。可能性のある選択肢は次の三つ。1、現実へと召喚する精神療法 2、リセット化 3、欠落した者の受容の輪。
 なかなか説得力のある文章で、僕自身うまく言えないと感じたことをうまく言葉にしてもらった感じ。決して、僕も同じ事を考えていたというわけではないのだが、上手な意見を読むといつもそう思う(^^; 
 というわけで、先日ついに見たエヴァンゲリオン最終回について。いや、面白かった。あれを手抜きというのはやはり見当違いだと思う。ただ、監督がもしあれで現実に着地したつもりなら「鬼も笑う」。むしろ、現実へ着地したいという監督の欲望を見てとるべきではないかという印象を持った。やっぱり監督って寂しいんだ。本放送オンエア中に「監督って失恋したのでは」と思った直観は、あまり外れてなかった(あくまで自分的にはだけど)。

 今日はくもりがちで花粉症も一休み。それから昨晩くすねた(?)ワープロは、中古屋へ持っていったら形式が古すぎて500円にしかならなかった。(笑)。これじゃ借金返済の足しにもならない。
 そして、明日からも飲み会は続く。


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