告白 ――― 1枚のカード
天球儀再録に際するあとがき



このは2編の話は1999年のバレンタイン企画として他サイトさんに投稿させていただいた作品の再録です。
短編とはいえ、久々に書き上げた作品であることや、内容的に力の入ったものになったことから想い入れもあり、 天球儀での再録をお願いしたところ、快諾いただきました。

「手紙」というものは「差出人」と「受取人」ふたりの世界です。
さらにつきつめてみると、「手紙」の中身は「差出人」独りの世界であり、
それを受け取ったひとの思いも、また「受取人」独りの世界でしかないと思うのです。
それぞれの自己満足的な思いの延長上に、それでも伝わる何かがあるのかもしれない。
こんなことを考えながら今回は書いてみました。
意図的になるべく固有名詞も出さず物語をすすめています。
違和感なく読めた、と思っていただけたら嬉しいです。

梅香信
BGMは「ひだまりのうた」。
幸せな恋の話を、そして恋のずるさをかけたらいいなあ。と想った作品です。
今回の企画のテーマである「告白」…伝えたかった言葉は ―――『いままでその勇気がありませんでした』
壁紙提供:万華鏡さま

少年時
バレンタイン企画というのに、このふたりで話を書く、といった時に勘違いしたひとがいたかも?(笑)
このおふたりの友情ともよべなくもない「絆」という話を、読むのも書くのもだいすきです。
BGMは「銀河鉄道の夜」のイメージで宮沢賢治作曲、作詞「ほしめぐりのうた」
あのあと、おふたりは再会するのであろう、と読者の方々に思ってもらえるように書いていたつもりだったのですが
ふと、私個人では夢の中に少年があらわれて「ありがとう」と言っている時点で本物の彼は最期の時を迎えているのでは、
という流れにしか思えなくなってしまいました。
ある掲示板でそのことを話したら、自分もそう思っていた、とおしゃってくれた方がいて嬉しかったことを覚えています。
一番近くにありながら、永遠にすれ違うのが彼らの宿命
というのがどうやら私の世界の中の彼らのあり方のようです。
今回の企画のテーマである「告白」…伝えたかった言葉は ―――片方は『すまなかった』そしてもう片方は『ありがとう』
壁紙:桃花流水

第1話・梅香信
第2話・少年時
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