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セプターズカップ2002 本選大会

森陽氏のレポート



一回戦の対戦相手はThe hermitさん、ねこさん、同じ店舗で勝ちあがったメガネくん、そして私。いきなり優勝候補に挙がっているThe hermitさんと同卓であることで、逆に緊張が解れたかもしれません。全力でぶつかろうと思いました(マイン・ボガードで)。大会挨拶、選手宣誓など順調に消化され、お願いしますの声を掛け合った後ゲームスタート。

設定
マップ: 鳥羽根揚羽(勝利条件7000G)
参加者: ねこ、The hermit、メガネくん、森陽

森陽氏使用ブック:夏燐

ゲーム順は1番ねこさん、2番The hermitさん、3番メガネくん、そして私、4番森陽。いい位置とも悪い位置ともとれます。ゲーム開始。ねこさんの手札を見た瞬間、一気に脱力します。赤いです。火です。火被りです! 最序盤からアップヒーバルが来るなど、気合が入っています。The hermitさんはまだどのようなブックか見えてきません。メガネくんは森。 そして私の手札は…初手デモニックトレード&マイン! 「超」という形容句がつくほど参りました。とりあえずは右に進んでガスクラウド配置。そして2ラウンドにマインを配置。すみませんNO.001さん、城マインが怖くて出来ない根性無しを許してください。そういうわけでマイン・ガスクラが不気味な光彩を放ちます。弱。

話を戦況の方に戻しましょう。私は、同色のねこさんとThe hermitさんを警戒していました。土地の取り合いになる ねこさん、そして優勝候補のThe hermitさん。その動きを読みたいところです。しかし数ラウンド後、メガネくんが即引きでねこさんのアップヒーバルをサプレッション。あ〜、すみませんと声に出して謝るねこさん。いえいえ、お互い苦労しますねぇ…。これは苦しい展開を余儀なくされるでしょう。いよいよもって火・複属性の確保に力を入れようと気を引き締めます。

周回後、ねこさんが私のマイン・ガスクラにはまって約300G失うという嬉しくもなんとも無いハプニングがありつつ、手札が回るうちにThe hermitさんの属性が読めました。水と風。シンクとウェザリングが見えます。なるほど!上手いと唸りました。 二属性を使うということ。実は私も考えていました。やはり地形の切り替えをできるということは護符戦において柔軟性ができ、時として大きな武器となりえます。しかしその運用の難しさに使用を断念していました。 しかもケツァルコアトルを使った、先制攻撃重視ブック! ニンジャやらコロッサスやらボーパルソードやらチャリオットやら、とっても徹底しています。なんだか九州くさい……もとい、これが日本の端っこのアレというやつでしょうか。むしろ他三人が思ったより普通で、私が護り重視の関東的という感じが……。 そのThe hermitさん。ふむふむ、これからどのように試合運びされるのだろう?

と期待していたところ、数ラウンド後にメガネくんがウェザリングをサプレッション。あいや〜。これで地形変化はメガネくんの森かThe hermitさんの水のみになってしまいました。メガネくんは妨害をうけず順調に魔力を伸ばし、暫定一位に躍り出ます。森に配置したマッドマンのレベルが上がり、正に磐石といった様子。ワイルドグロースも積極的に使って領地を増やします。それを必死に止めるThe hermitさん。一位街道を直走るメガネくんの牽制役を務めるために魔力を使い、総魔力も伸び悩みます。 これはよく上級者に見られる現象で、私を相手にしているときの松岡さんの必死の立ち回りを見ているようでホロリときました。すみませんThe hermitさん。私は好きなようにやらせてもらいます。

…とはいきませんね、ハイ。手札にメズマライズが来ました。メガネくんの手札には、ワイルドグロースとサプレッション。3枚目です。これは…確か、もうワイルドグロースも3枚目だ。残りがブックにあるかどうか。しかし、これから起死回生の一手を打って投資した時に通行料を嫌ってワイルドグロースを打ち込まれる可能性もある。インフルエンスすら出てしまった(これはねこさんにメズマされた)今、そうなったらもう挽回できない。そう思案した私は、泣く泣くメズマサプレからのワイルド消し。貴重なカードを無駄にしたくなかった私の、中途半端なプレイングに今でも懊悩します。

ということで引き続き配置を頑張る私、そしてねこさん。ねこさんの方が火の土地を早く多く領有することができ、一位メガネくん、だいぶ離れてねこさん、僅差で私、遅れてThe hermitさん。その攻防の中で、ねこさんのソーサラーとThe hermitさんのコロッサスがメガネくんのマッドマンレベル4を狙います。既にランプロがついておりますが、巻物強打と移動侵略でなんとか倒せる範囲。 最初、隣に配置されたソーサラーはコロッサスに落とされます。そこに止まった私。これからと言うときに、少しでも領地が欲しいという気持ちが先行してガスクラ+プリズムワンドで殴りかかります。試合後に言われましたが、ここを落とされたことはThe hermitさんにとって痛打だったようです。私自身も危険に晒されるプレイングでもありました。 低調が続くThe hermitさん。水護符を細々と買いながら地道に侵略を続ける様子を横目にして、もう勝機は無いのではないかと私は考えていました。

私はこれで風3連鎖、火3連鎖になりました。皆さんの手札を眺め回していると、ねこさんのランドトランスが目に付きます。既にランドトランスを一枚捨てていた私はもう一枚が40ラウンド中に来るか怪しいと考えていました。もし今、メズマライズが来れば……。そう思いながら、いつでもラントラできるように風に配置したシャラザードのレベルを3に上げます。苦し紛れの下準備…ところが。次ラウンド、狙い通りメズマライズを引く私。即ねこさんのラントラを奪い現金を得て、城隣に配置して色を変えていたパイロドレイクに一気に投資します。これでレベル5の土地ができました。 土地柄回避され易いのは致し方ないこと。侵略重視のThe hermitさん、そして同色のねこさんに土地を奪われるよりはマシというものです。

ねこさんのレベル3、4の領地が城の二マス先、三マス先に広がりますが良い目のダイスで難を逃れました。メガネくんはじりじりと押されて3位に後退。ねこさんが先頭を走っていましたが、先ほどのラントラ上げで一気に追いつきました。その後メガネくんとThe hermitさんの攻勢のお陰で手に入れることができた、元ねこさん所有の分岐点にはバ=アルを配置。レベル3に上げたところ、ねこさんがそこを踏んでしまいます。これで首位に躍り出ました。

残り7〜8ラウンド、勝機が見えてきました。このまま逃げ切れれば! メガネくんのターン。ドロー・メテオ。あいや〜、参りました〜。すいませんと声に出しながら、魔力不足で使えないメガネくんに代わって、ねこさんがメズマで城隣レベル5パイロに撃ち込みます。これは、仕方ないです。幸いにして地価が安いため、それほど酷く落ち込んだわけではありません。トップは再びねこさんに。

ところがどっこい。終了間際になって、The hermitさんが水土地のリザードマンをレベル4に。更に城横の分岐点にあるメガネくんの地地形レベル4を奪取することに成功。そしてそこをねこさんが踏んでしまいます。The hermitさん、よっしゃ!と気合の声。え?そこ、ポイントなんですか? 事態を全然飲み込めない私。するすると総魔力を上げて来ていたThe hermitさんは、私の中で完全にノーマークになっていました。 この時まだ2位だったThe hermitさんは、これでリーチがかかったのです。シンクを撃ち込み、護符効果+周回ボーナスもあって一気に逆転! 私の勝機は…サラマンダーを目一杯上げて、ヘイスト中のメガネくんに踏んでもらうしか!

ところがそう甘くはありません。The hermitさんが手元に温存していたバインドミストを撃ち込み、更にそこへメガネくんが踏む→バジリスク・フュージョン。落ちました。(それくらい確認しとこうよ自分……。) ガックンチョとなった私は、手札にHWXとデモトレ。7マス先にはレベル4リザードマンが。どうやっても何がおきてもトップの順位は変動せず、はっきりいってもうどうでもよくなっていた私は、最後の最後に1ラウンド目から持ち続けていたデモトレを使用。300G入手。ダイス7。レベル4リザードマンで800Gの支払い。

こうして総魔力は二桁になったのでした……。嗚呼、転落人生よ。


鳥羽根揚羽 ??ラウンド
順位 セプター 魔力 枯渇
1 The hermit 6433  
2 ねこ 3607  
3 メガネくん 2181  
4 森陽 68  


【対戦後記】
The hermitさんの上手さに感服しました。あれほどの劣勢を地道な護符運用で切り抜け、ラストで猛スパート。私も護符を利用したかったのですが、途中で(The hermitさんの一枚入れの)コラプションやら(確かメガネくんの)ディスビリーフが出てきて、あまつさえ地形変化を消されていた私としては土地に走るしかないと思ったのです。買いに行くとすれば、風レベル3シャラザードのラントラ直後。しかし既に護符価値は相当上がっていたため、買えても10〜20くらいだったでしょう。

やはり最後の最後で、属性を二つに分けていたThe hermitさんに勝利の女神が微笑みました。チャリオットによる侵略はダイナミックでもあり繊細でもあり。私も分岐点森のメガネくんの領地を落とせる位置にバ=アルを飛ばしたのですが、ニンジャ&チャリオットによってあっさり倒されます。相手の先手を打つ、先の先を取る戦術。また、試合を支配していたのは前半メガネくん、後半ねこさんと私なのですが、水面下でそのバランスを取っていた…もとい戦況の舵取りをしていたのはThe hermitさんのような気がします。

ともあれ、なかなかいい勝負ができました。この試合に臨んだ全員に勝機があったと思います。ですけど、やっぱり! 負けたら悔しいですね。後に引かない、前向きな悔しさ。これからもっと強くなってやろうという意欲が湧いてきました。対戦を繰り返して、成長して、また全国大会のフィールドに立ちたい。そう、心から思わせてくれる貴重な貴重な敗北です。

トトカルドで「サクラバクシンヨー」という馬名を授かりましたが、どうやら短期戦好きスプリンターの私には少々長すぎたようです。25R〜30R勝負だったらなぁ(笑)



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