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新疆金橋民俗国際旅行社
石嘉福
内田一成(DCL)

 

 ハミ国王墓の補修作業が竣工し一般に開放

 人民日報の張 強記者が、第二回「文物保護世紀行」の取材旅行で、新疆ハミからのルポを送っている。要約は次のとおり。
 新疆ハミ市の西郊約2キロの場所にある、ハミ国王墓がこのほど修繕作業が終了し、面目一新して一般に開放される事になった。この王墓は、17世紀初めから200年余りの間に絶えず拡張され、最盛時、5.000平方メートルの土地には墓地6箇所と1箇所のモスク、10数棟の建物で構成されていた。
 ここには前6代の国王と彼らの台吉(重臣)、子孫後代の台吉が葬られていたが、近代になって、子孫後代の3個の墓所と建物の全てが破壊や倒壊を受けた。
 現存するのは、モスクとバイシル王墓とシャマイホスト墓と1箇所の台吉墓のみである。
 ハミ国王は、清朝の冊封を受けたハミ ウィグル族の地方封建領主で、その統治期間が最も長く、最大の影響を有していた。
康煕36年(1697年)初代国王オベイトラが冊封を受けてから、民国19年(1930年)の末代国王サムフソトが没するまで、9代計223年続いた。これはハミの地理的な位置の優勢により、内地の文化の影響を比較的多く受けた事。ハミ国王が清朝の新疆安定と国家統一に大きな役割を果たした事によるものである。
 1983年から中国政府は、何度も予算を投じて国王墓の保護と修復を進め、原貌の恢復に努めてきた。最近、新疆文物部門は96万元(約1500万円)の募金を集め、再度国王墓の修繕をした。現在修繕は完工したが、この96万元は、新疆政府が40万元、新疆建設兵団が20万元、その他地方からの寄付による
ものである。
 国家文物局の鄭欣�副局長は、今回のハミ国王墓の修繕の費用が、政府、企業、一般社会など、多方面のルートからの募金によって完成させたのは、一つの新しい方向を示すものと高く評価した。
 岳峰新疆文物局長は、文物保護に資金を投入するのは、これまでの大きな問題であった。文物部門は、国家と各級地方の資金投入を出来るだけかちとる一方、社会、企業、個人等多方面からの資金を受けて、文物の保護に用いる事は、文物の社会保障体系を確立するものである。今回のハミ国王の修繕資金の募集方法の成功は、今後の一つの試金石となるだろうと述べた。

 初めて大規模で展示される敦煌遺書原本

 敦煌蔵経洞発見100周年を記念して、中国国家図書館と中国敦煌トルファン学会が、「秘籍重光、百年敦煌」文献資料展を、8月16日から今年末まで北京の中国国家図書館で開かれている。
 今回、敦煌遺書の原本が大規模で展示されるのは、新中国建国以来始めてのことである。
 今回の展示は5つのブロックに分けられている。
 第一のブロックは、敦煌の歴史と地理及び人文の環境を、多くの写真と実物で、歴史上燦然と輝いていた敦煌の姿を紹介している。第二ブロックは、「敦煌蔵経洞の発見と敦煌遺書の流散」。第三ブロックは、「中国国家図書館敦煌遺書の収蔵と保護」というタイトルで、貴重な公文書の実物を集めて展示している。第四ブロックは、今回の展覧会で最も人をひきつけるところで、初めて公開された60点余りの敦煌遺書の実物が展示されている。展示内容は、様々な領域と多種の文字、たとえば、遺書の題年、書法芸術、各類文献、書籍装丁、古代印刷等敦煌遺書の絢爛豪華な有り様を十二分にあらわすものとなっている。
具体的には、西涼建初十二年(紀元417年)の写本<律蔵初分>は、館蔵敦煌遺書で確実な記年がある最も古い一点である。1600年近くの年月を経たにも拘わらず元のように完全なのは信じ難い程である。<舞譜>、<マニ教経典>等既に中国内に僅かしか残っていない資料など、貴重さの程度は言わずもがなであろう。<弁亡論>、<姓氏録>、<法華経玄賛>、五代前蜀大復二年の血書<観音経>等全て敦煌遺書の精品である。
 最後のブロックは、この百年来、国内外の敦煌学者が、敦煌遺書、敦煌芸術等領域で、広く、深く進めた豊富な研究と成果を紹介している。
 因みに中国国家図書館は、世界で最も多くの敦煌遺書を収蔵しており、その数1万6千点は、目下世界に残存する敦煌遺書の1/3を占めている。
(8/16人民日報海外版の記事より要約)

  7月の新疆、史上最高の観光収入を記録!

 新疆ウィグル自治区旅遊局によれば、今年新疆に訪れた国内旅行者は140万人、観光収入が11.2億人民元に、海外旅行者は2.6万人あまり、観光収入100万ドルに達したとの事。
 ナイム ヤセン 旅遊局長によれば、7月に新疆を訪れた旅行者はこれ迄の最高を記録したばかりでなく、これまでの旅行者の大部分は、広州、上海、浙江出身者が多かったが、いまや四川、山東、台湾、香港、等に拡大したばかりでなく、西北部の峡西、甘粛、青海、寧夏の人達も来るようになった。
 なかでも特徴的なのは、中国政府の「西部大開発」という政策の実施に基づき、多くの国内の投資者が、旅行者という形で新疆を訪問して、新疆の投資環境を考察し、合作相手を探して開発項目を選択するという人達が、国内旅行者の全体の20%以上占めている事である。さらに、周辺国家の数多くの商人が買い物ツアーを組織して、大量の商品の仕入れをしている事。
 また、新疆の特殊な地理的位置と環境から、探検愛好家らの特殊旅行が増加している。例えば、シルクロード古道をたどっての西域文化考察団、考古学探検団、タクラマカン横断探検ツアー、ジュンガル盆地の「魔鬼城」やロプノールのヤルダン風蝕地帯、パミール高原のトレッキングツアー等7月だけでも内外の観光客が6万人余りに達している。と紹介している。
 人民日報海外版8/21の記事より要約。(文責:石嘉福)

   敦煌莫高窟発見100年記念イベント

 今年は、敦煌莫高窟の蔵経洞が発見(1900年6月22日)されて、100年目にあたる。此れを記念して、中国では様々な記念行事が催されている。
 その状況を人民日報海外版の最新の記事の中から、参考までに幾つか要約し抜粋した。(石嘉福)

*中国文化部、甘粛省人民政府、国家文物局による「敦煌芸術大展」が、北京天安門前広場の中国歴史博物館で、7月4日から8月31日まで開かれた。

*蘭州歌舞院創作、演出の全4幕の大型民俗舞劇「大夢敦煌」が、近日北京で上演される。「大夢敦煌」は、青年画師莫高と西域大将軍の娘月芽の、純愛と悲劇が波乱万丈に展開され、絢爛豪華のなかに涙を誘う内容となっている。
主演は、近年の中国舞踊界で活躍する青年舞踊家劉震(莫高)と劉晶(月芽)。
舞劇「大夢敦煌」は「西出陽関」に引き継ぐ、蘭州歌舞劇院が創作した大型歌舞劇である。

*中国政府は、1987年ユネスコの「世界文化遺産」に登録された、敦煌莫高窟の残存する貴重な壁画(45.000平方メーター)と塑像(2.000余体)を、デジタル技術を応用して、永久保存することに決め、人民元200万元(日本円約3.000万円)を支出し、アメリカの西北大学が技術提供の協力をする。
既に敦煌研究員の専門家が、デジタルカメラで16窟、17窟、190窟、196窟内の全ての壁画と塑像を撮影した。現在、これら4窟内の全ての壁画と塑像の、実物大の寸法と色彩の様々な資料やデータを、最新の大型のコンピュータに取り込み、窟内の実物と全く同一のものが再現できるように保存している。計算機に取り込んだ画像の色彩は、殆んど実物と変わらず、壁画の中の多くの部分が、肉眼で見るよりもはっきりと見分けられる利点があるとの事。
研究員は、さらに各石窟の大小に基づいて、撮影用専門のの足場を組み、二年の歳月を費やして全窟のデータを集め、コンピュータに保存する作業に取り込む準備をすすめている。
敦煌研究院保護研究所副所長の王旭東博士は、現在、この技術はまだ試験段階に過ぎないが、成熟した暁には、デジタル化データバンクの構築に大きく寄与する。研究院は敦煌莫高窟の全492窟だけでなく、安西楡林窟の全42窟の詳細なデータを、コンピュータ内に保存するつもりであると述べた。
聞くところによれば、コンピュータ内に保存された資料やデータは、将来、主に学者、専門家の研究に提供されると共に、永久保存のために用いられる。

 

 

ハミ国王墓の補修作業が竣工し、一般開放
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