西域倶楽部

 


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新疆金橋民俗国際旅行社
石嘉福
内田一成(DCL)

 

 

 新疆の代表的な食べ物 その2

*ナン(NAN)
ナンはウィグルの人にとって、西洋人のパン、日本人のご飯、中国北方の人が食べるマントウに相当する食品で、少なくとも毎日一度は口にする食べ物であるある。
 交通が今ほど発達していない頃は、所用で遠出する際に、ナンを数枚布で包んで腰にぶら下げている旅人を良く見かけた。今では町や村に食べ物屋が数多く出来ているので、腰弁当の「腰ナン」姿が余り見られないが、長旅には保存のきくナンは、水分だけでも確保出来れば結構腹の足しになり、それでいて美味いので、携帯食品としては最たるものである。
 ナンの語源はペルシャ語に由来し、アラビヤ半島、トルコ、中央アジア各国にひろまった食品である。ナンの種類は数十種にも及び、加える材料、形、焼き方によって味も呼び方も異なる。
 造り方は、主として小麦粉の麺にごま、ピヤズ(PIYAZ:新疆たまねぎ)、鶏卵、植物油、バター、牛乳、食塩、砂糖等のいずれかを加え、これを円形に薄く伸ばし、バドミントンの羽を大きくしたものに釘を植え付けた道具で、伸ばした麺の全体を満遍なくたたいてから、甕状のかまどの内面に貼り付けて焼く。大きなものは直径50センチぐらいのものがあるが、25センチぐらいのものが一般的である。時として小麦粉の代わりに、トウモロコシ粉や高粱の粉を使う場合もある。
 一般的な油ナンは、麺に少量の塩水と酵母を加えて良く混ぜながらこね、少し醗酵すればよく、これに羊油を加えて作ったものである。こま切れの羊肉、茴香粉、胡椒、ピヤズのみじん切りなどをまぜて作った餡を入れた肉ナン、ごまとぶどう汁を混ぜたものを焼いたごまナン等がよく食べられている。

*ぺティルマンタ(PETIRMANTA)中国語で「薄皮包子」。
 作り方は良質の羊肉を小塊に切り、ピヤズのみじん切りと胡椒粉、食塩を加えて、良く混ぜて餡とする。麺を薄く延ばした皮で餡を包み、鶏冠状に仕上げるのが特徴。
 これを蒸篭に入れて強火で、約20分ほど蒸せば出来上がりとなる。中身が見えるように透き通った皮の中に、具と肉汁が満ちて、香味溢れる絶品。ウィグルの人は、これを単品で食べる事が余り無く、ナン或いはポロと一緒に食する。
 ナンと合わせて食べるときは、薄いナンを先ず蒸篭に入れて少しやわらかくなる様に蒸し、ナンの上にペティルマンタをのせる。ポロと一緒に食べるときは、ポロを入れた碗の上に置くだけである。いずれの食べ方であっても、食べるときにペティルマンタの上に適量の胡椒粉をかける。こうすると味がいっそう深まり、
食も増す事になる。

 新疆の代表的な食べ物 

*カワープ(KAWAP)串焼肉
 新疆の最も代表的な民族料理で、町角やバザールなど到るところで見られる。串焼肉は、焼く事に関して日本の焼き鳥とさほど変わらないが、焼くまでの材料の仕込みに一工夫がある。
 新鮮な羊の肉を適当な厚さの小片に切り、これを刻んだたまねぎの中に混ぜ、約30分ほど漬け込む。それから肉片を取り出して、約30cm程の先端が尖った平型の鉄串に刺す。
 これをトタンで造った焼肉専用の炉に、串を並べて焼く。何度も串をひっくり返し、7,8分焼けた頃に、調味料として食塩、胡椒、唐辛子、茴香の粉末を振り掛ける。茴香は独特な香りがあり、漢方薬としてお腹を温める作用がある。
 カワープは無煙炭を使って焼くので、外側はカリカリになっているが、肉汁のうまみが中にこもり、新鮮な羊肉の上手さが口中にひろがるので、次から次へと手が伸びて知らぬ間に焼串が山となるのが普通である。
 新疆の民族料理は、軽く食べると副食でもあるが、沢山食べると主食にもなるのが特徴といえる。

*ポロ(POLO)中国語で抓飯(ツァーハン)
 新疆の伝統的な食べ物の一つで、お祭りや結婚式などの祝い事やお客を招く際に、主人側がもてなしのために作る料理。中国語の抓飯は、ポロを食べるとき右手の五本の指を使って、つまんで食べるさまから名付けたものである。
 ポロの原料は、新鮮な羊肉、にんじん、たまねぎ、植物油、羊油、米を使う。
 作り方は、大鍋の中で、こぶし大に切った羊肉を植物油でいため、これに細切りのたまねぎとにんじんを入れ、水と食塩を加えて20分ほど煮込んでから、良く洗った米を大鍋の中に入れ、攪拌しないでそのまま40分ぐらい煮ると、肉と野菜の滋味が米にうまく染み込んで、ポロの出来上がりとなる。
 農村での結婚式の場合は、ポロ作りの専門職人を招き、庭の片隅に大鍋用のかまどを掘って作り、その場で材料を全てそろえて、一度に数十人分のポロを作る。
 新鮮な羊肉は、料理の直前に羊を一頭ばらして、頭から尾まで全て使う。
 ポロは種類が多く10数種に及ぶ。一般的には羊肉が主であるが、牛肉、鶏、家鴨、鵞鳥、雉、雷鳥などの肉を使ったり、肉の代わりに干しぶどう、干し杏、なつめ、桃皮などの干果物などで作る甘いポロもある。また植物油を使う以外に、動物油として羊油、骨髄油、バターを使用することもある。
 夏になると、ウィグルの人達が食べるポロの種類はさらに多くなる。新疆南部のウィグル族は、ポロにビヤァ(花梨の実)を入れたものを好んで食べる。さらに卵と野菜を入れるものもある。最も興味深いのは、出来上がったポロの上に、ヨーグルトを入れたものもあり、「ケチックポロ」と称している。
 ヨーグルトは暑気払いや解熱に良い食品としてもてはやされるが、なんと言っても今一番人気があリ、手が込んでいるのは、「アッシマンタ」に尽きる。これは薄皮包子ポロというのだが、ポロの碗の上に5ないし6個の薄皮包子をおいた何の変哲もない料理である。ただ薄皮包子とポロはともに、ウィグル族にとって高級料理の部類に属し、この両者を一つの碗の中に入れるのは、好い物+好い物が錦上に花を添えるという意味合いがあり、主人は貴賓か最も親しい友人が訪問したときだけ、この料理を作ってお客をもてなすのである。

*サムサ(SAMSA)
 サムサの作りかたは、羊肉または牛肉、羊の尾の脂肪の塊を小さく切り、それにみじん切りしたたまねぎを加え、食塩、胡椒、茴香の粉末で味をつけて混ぜ合わせ、餡を作る。小麦粉に酵母を加えて卵と混ぜて醗酵させる。この麺を平たく伸ばして皮とし、先に作った餡を入れて、皮の四辺を折り曲げて長方形に包む。
これをナンを造るかまどの内部の壁面に貼り付け、あぶる事約20分で出来上がる。
 かまどから取り出すときに、羊油を少し塗って光沢を出す。
サムサの皮は黄色に輝き、ぱりぱりとした口当たりに、じわっとした肉汁と具が一体となって口中に広がり、出来立ての熱さも物の数でなく、ふうふう言いながら食べるのはまさに口福の極みと言える。安くて美味く、十分に加熱しているので安心して食べられる一品である。


 新疆あれこれ

(1)面積が最大の省区
新疆ウィグル自治区の面積は166万平方キロ余り、中国全土の土地の約1/6を占める。

(2)国境線が最長な省区
新疆と蒙古、カザフスタン、キルギスタン、タジックスタン、ロシヤ、アフガニスタ
ン、パキスタン、インドの8カ国と国境を接し、その長さは5.600キロに及ぶ。

(3)面積が最大の県
中国で土地面積が最大の県は新疆の若羌県で、面積が20余万平方キロある。

(4)国土の最西部にある。
中国の国土の最西部は、新疆の烏恰県以西のパミール高原で、
ほぼ東経72.5度である。

(5)海洋より最遠の都市
ウルムチは世界で海洋から最も離れた距離の都市で、最も近い海岸までの距離は
2.250キロある。

(6)陸地が最も低い場所
トルフアン盆地のアイティン湖は、海抜マイナスの154メートルで、中国の陸地で最
も低所にあり、世界で二番目の低い土地である。

(7)最長の内陸河
新疆のタリム河は全長2179キロ。中国最長の内陸河である。

(8)最大の内陸淡水湖
新疆のボストン湖は中国最大の内陸淡水湖で、面積が980平方キロ有る。
この湖で採れる葦は繊維が長く、質の良い製紙の原料となる。

(9)唯一,北氷洋に流入する河川
中国で最も遠く北流し、唯一北氷洋に流入するのは、新疆のオルジス河である。

(10)最大の氷河
中国最大の氷河は新疆パミール高原チョゴリ峰北壁のインスカイティ氷河、
長さ約40キロに及ぶ。

(11)最大の内陸盆地
中国最大の内陸盆地は新疆内にあるタリム盆地で、面積は約56万平方キロ。

(12)最大面積の天然胡楊林
中国で最大の面積と広範に分布する天然胡楊林は、タリム盆地の中にあり、
その面積は3.800平方キロに達する。

(13)最大の自然保護区
中国最大の自然保護区は、新疆若羌県南部の阿爾金山自然保護区で、
面積は45.000平方キロ。

(14)最も暑い地方
新疆のトルフアンは、中国の夏季で最も暑い地方と言われ、「火州」とも
呼ばれる。1962年7月25日地面の温度が摂氏76.6度の最高記録に達した。

(15)含糖量最高の葡萄
中国でぶどうの栽培面積が最大で、産量と含糖量が最高の省区は新疆である。
最も優れた品種が種無し白ぶどうで、含糖量が20%−27%に達する。

(16)最も優れた胡桃。
新疆のアクス、ホータン、葉城の胡桃は、中国で最も優れた品種である。

(17)日照時間最長の省区
全年の日照時間数は、2.550−3.300時間に達する。

(18)最大の隕石
中国最大の隕石が新疆展覧館に展示されている。この隕石の長さは242cm、
幅185cm、高さ137cm、体積3.5立方メートル、重さ約30トン、
世界第3位の大きさである。

(19)最大のモスク
カシュガルのアイティカル寺院は、中国最大の回教寺院である。

(20)最大の砂漠
中国最大の砂漠は新疆内にあるタクラマカン砂漠で、面積32万平方キロある。

新疆ウィグル自治区人民政府外事弁公室編集
 「新疆概覧」1995年9月発行より抜粋

 

 

新疆の代表的な食べ物 その2
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