読書雑記 2003.1〜6 |
牛乳アンタッチャブル | 雲印牛乳集団食中毒事件の裏舞台。当然フィクションなのだが、記憶にあるセリフとか微妙に似ている名前とか出て来るので、かなりシュールである。元々ネタ的にこの手のブラックなネタ転がしは好きなのだが、ここまで徹底的に書かれてしまうと笑ってられなくなる。フィクションの顔をしつつ、現実にもこんなもんなのかもしれない…という薄ら寒さが這い登って来る。 2003.6.29 |
戸梶圭太 | |
双葉社 | |
電脳炎ver.4 ハイブリッド版 | 過去3冊に渡ってWin版とMac版を別々に出してきた電脳炎、4冊目にしてハイブリッド版である。Win派Mac派どちらにも対応なので安心してお求め下さい。課長は益々悲壮感漂ってます。友達ほしいくんはメールを打ち続けてます。エロ子さんはまだまだ可愛らしい頃です。個人的お気に入りキャラはまだ出てきません。 2003.6.27 |
唐沢なをき | |
小学館 | |
放送禁止歌 | 放送禁止歌というのは、何かの規制によって公共の電波に乗せられる事がなくなっている歌である。ではその規制とは何か。中途半端に知る事は、知らない事よりもっと罪になる事もあるけれど、全く知らないままに気付かぬまま共同の幻想の中に居る事は、もっと危うい。少なくとも自らが共同の幻想の中に居るのだ…という事だけでも認識して自覚する、それは絶対に必要なのだ。 2003.6.24 |
森達也 | |
光文社 | |
羊ゲーム | ちょっと血の気が多くてうっかり謹慎食らっちまった刑事と、いかにも現代若者の代表みたいなうっかり息子が巻込まれちゃった事件。今の日本の嫌〜な部分を突っついている。タイトルの意味は、半ば頃には大体想像がついてしまうのだけれど、あぁ、そゆのもあるのか、それもか、う…そっちもか…と、段々暗澹たる気分になって行くのがいささか何とも…。 2003.6.23 |
本岡類 | |
集英社 | |
日本の自然崇拝、西洋のアミニズム 宗教と文明 非西洋的な宗教理解への誘い |
西洋人から「あなたの宗教はなにか?」と問われた時、我々は何と答えるべきか。全ての生活と文化の根底に宗教を置く彼らと対峙する時、我々は何を拠り所として対するべきなのか。信念も信仰もへったくれも無いんじゃないかと思える行動の根底にあるものがなんとなく見えて来る。それは西洋のと日本人の文化と宗教感の決定的な違いから発するらしい。 2003.6.22 |
保坂幸博 | |
新潮社 | |
龍の黙示録 唯一の神の御名 |
二千年を生きる人ならぬ者 龍緋比古のシリーズ第三弾。今回は龍の過去の話2つ。ローマ皇帝と聖徳太子。今回、透子がほとんど出てこないのがちょっと残念。まぁ、龍の昔語りになっているのだから仕方が無いのだけど。でもその分、ライラの透子に対する想いが印象的。人ならぬ者達の孤独はいかばかりか…。 2003.6.3 |
篠田真由美 | |
祥伝社NONノベルス | |
動物のお医者さん 全12巻(漫画) | 今期ドラマ化に伴っての再読である。しかしこれ、タイトルに偽り有りで、現実には「動物のお医者さんの弟子」というのが感じ。学園(?)モノで変な先生や先輩に振回されて…というのは、どこか「究極超人あ〜る」なんかにも通ずる処があったりして…。 2003.5.26 |
佐々木倫子 | |
白泉社 | |
零崎双識の人間試験 12話 | とうとうしっかり現われましたね。待ってました!とは言わない処が私です。零崎の優しさと言うのは不気味です。覚悟を決めている、生き方を肯定している“零崎”が好きです。いつか、目の前で零崎が始まる事があるのでしょうか?いや、零崎が始まってしまったら、あるのは“死”だけですね。試験終了です。 2003.5.19 |
西尾維新 | |
web小説 | |
美濃牛 | 謎の洞窟の中の、霊験あらたかと言われる泉。地主の一族の、それぞれの思惑。全編を、牛とジャズのスタンダードナンバーと俳句が彩っている。巧みである。760頁が全く苦にならない。かなりな読書家と見えて、随所に過去の名作のもじりが見える。ある程度以上のファンは面白いのではないかと。 2003.5.14 |
殊能将之 | |
講談社文庫 | |
しましま曜日(1)(漫画) | 優柔不断が高じて、服装の雰囲気のままの性格になっちゃう「服に着られる女の子」…。かなり無理があったりします。ちょっと思わなかったオチだったりします。コスプレじゃぁありません。取り敢えず、竹本泉ですからそゆことで。 2003.5.12 |
竹本泉 | |
アスキーコミックス | |
カスミ伝(漫画) | 女忍者、要するに くのいちカスミのお話…の筈なのだが、形を変えた「不条理日記」に見えるのは、かなり(自分が)ダメな証拠だろうか?唐沢なをきが描くと、ブラックが全然ブラックじゃ無いっす。青春編 母の願い真冬の桜吹雪・其之三、飛ばして読んじゃった人、ちゃんと読みましょう(笑) 2003.5.12 |
唐沢なをき | |
徳間書店 | |
R/EVOLUTION 2nd Mission 紫嵐 <Violet Storm> |
重い。アジアの闇の話は、余りにかけ離れた処に居るだけに余りに解らないだけに、決して解る事のできない重さを感じる。読むのがきついのは、自分が何かを“覚悟”する…という類の事が一切できていないからだろう。闇に生きるしかなく、どうしようもなく闇の底に飲み込まれて行く人間達を、決して理解する事ができないからこそ、そこには侮ってはならない重さを感じるのだろうと。 2003.5.9 |
五條瑛 | |
双葉社 | |
メフィスト収録 ジャックポットの匙 |
賭けの匙加減、それが解れば苦労はない…か。比率がそういうものなのかどうかは解らない。それにしても、弱小国の大使館が非合法カジノの会場…というのは、知る人ゾ知る常識なのだろうか? 2003.5.8 |
上遠野浩平 | |
講談社 | |
メフィスト収録 きみとぼくの壊れた世界 体験版 |
読みきりかと思いきや、読者への挑戦付きの尻切れトンボ。解決編は後程ノベルス版で出るらしい。何だかなぁ…。相変わらずこんな名前は居ねぇよ!的ネーミングの人々。設定はどことなく有りがちな学園もの。西尾維新が描く人間関係の中で、どこか妙にべったりしたモノが読んでいていささか辛い気にさせるけど、ノベルス版は、出たら買うんだろうな。 2003.5.8 |
西尾維新 | |
講談社 | |
どうぶつ図鑑 2 とんぼ | そんなつもりではないのに、いつの間にか周囲が変容し、気がつくと自分もそんな中に取り込まれて行く。見えないはずのものが見えて、今日の延長線上に違う明日が来る。自分が解らない。アイデンティティが崩れて行く。北野世界のその向こうには、何が待っているのだろう? 2003.5.7 |
北野勇作 | |
ハヤカワ文庫 | |
零崎双識の人間試験 11話 | 喋りだ、ゼロたんてこんなに喋るヤツだったっけ?確かに伊達に放浪してる訳じゃないんだねぇ。いろいろ学んできてるわな。独立している様で、全てがちゃんと繋がっている。もう血みどろで一面ズタズタなのにさ、ラストで思いっきり笑みが浮かんじゃったよ。あぁ、カッコ良い!(溜め息) 2003.5.2 |
西尾維新 | |
web小説 | |
PS−羅生門−3(漫画) | 将来の夢が「世界征服」だって良いよね。「宇宙の支配者」だって良いよね。はみ出し者ばかりの羅生門だから、はみ出し者の気持ちが判る。それが良かったのかどうか判らないけれど、一番大切だと思える事をすれば良い。きっと伝わるものがある。相変わらずおっさん大会です。ビバおっさん! 2003.5.1 |
矢島正雄/原作 中山昌亮/作画 | |
小学館 | |
どうぶつ図鑑 その1 かめ | 100頁強で420円。対象年齢12歳以上。おりがみ付き。ホンの3頁半の超短編の中で足元を掬われます。人間のつもりで暮らしていたらいつの間にか人間でないものになっていたり…とか…。北野勇作は世界をどんな風に見ているんだろう?と思います。 2003.5.1 |
北野勇作 | |
ハヤカワ文庫 | |
書き下ろし <クトゥルー神話>アンソロジー 秘神界−現代編− |
佐野史郎「怪奇俳優の手帳」 作者が昔関わった某TV局のドラマの裏話的設定。いったいどこまでが本当でどこまでが虚構なのかどうも良く判らない処が如何にも内容と良く合っていて可笑しい。作家としての力量にはいささか疑問があるので、作者本人に興味の無い人にはどうかな。 牧野修「屍の懐剣<ネクロファロス>」 「普通」では無い感覚を上手く伝えてくる様な“気がする”。リアルというものを実感する方法とは何だろう?人は余りに「普通」であり過ぎるとリアルを感じられないものなのか。余りにも普通、余りにも平凡を心底望んでいる人がどれほど居る事か。普通で平凡な人々には想像が付かない。 柴田よしき「語りかける愛に」 自分が元々この世界の眷族ではない…という感覚は、どの程度の人が抱く感覚なのであろう。でも、そういう話は良く聞くよね。迎えに来る存在が居たら、呼び掛けて来る者が居たら、あなたはそれに応えますか? 2003.4.29 |
アンソロジー | |
創元推理文庫 | |
御町見役 うずら伝右衛門・町あるき | 「御町見役うずら伝右衛門」の続編。今回は伝右衛門が断然活躍である。将軍様はちょっとイケズいけど、尾張の殿様はいささか出番が少ない。作中人物も慣れてきたし作者も慣れてきたのか、池波正太郎の「剣客商売」みたいな雰囲気になっている。さて、テーマパークはいつ頃できあがるんだろう? 2003.4.28 |
東郷隆 | |
講談社 | |
トランジスタにヴィーナス 5(漫画) | イーナスがまだ何の特殊能力<パラ>なのか判っていなかった頃のお話。胸が大きいのは何故?キス好きなのは何故?ウィンスロウとの馴れ初めは?結局何のパラだったの?そゆのが全部解明されちゃう美味しい巻です。 2003.4.25 |
竹本泉 | |
メディアファクトリー | |
R/EVOLUTION 1st Mission 断鎖 <Escape> |
五條瑛にして初めて、スパイ物では無い?そして再会である。いつもながらこの人の作品にはそれなりの裏付けが有るせいか普段目先の事で手一杯、故に片鱗を見聞きしていてもそれ以上は考えてもみない、周辺国の暗い側面を妙にリアルに突き付けて来る。ヤツの起こそうとしている革命が、どんなものだかはまだ解らない。 2003.4.21 |
五條瑛 | |
双葉社 | |
スノウ・グッピー | 物を動かす基本部分は自国のオリジナルが無いと辛いのね。見えない処気付かない処で大活躍している部品があって、実はそう黒子的部品の重大さというものに、気が付いてないんだなぁ…と改めて。それにしても、日本の対戦兵器の実態って、本当にあーゆーものなのか…。知らない事が怖いと思った次第。 2003.4.16 |
五條瑛 | |
光文社 | |
零崎双識の人間試験 9話、10話 | 零崎の零崎たる所以。零崎は何故零崎なのか。しかしお兄ちゃん、大丈夫か!大丈夫じゃないと見せかけて大丈夫になっちゃうのが零崎か?んで妹の方もかなりキてますな。兄妹万歳〜! 2003.4.16 |
西尾維新 | |
web小説 | |
御町見役うずら伝右衛門(上)(下) | あの「定吉7番シリーズ」の作者の描く時代小説。八代目将軍吉宗と尾張藩主宗春の確執の物語。各種忍者入り乱れ、敵と味方がごっちゃになって、締り屋吉宗と遊楽の人宗春の対比がなかなかの味である。主人公伝右衛門の飄々とした様とか、別式女百合の心の移ろいとかも良し。屋敷内に住み着いてる白狐達もキュートだよんvv 2003.4.15 |
東郷隆 | |
講談社文庫 | |
よみきりもの 4(漫画) | どこにでも、気になる子というのは居ますよね。ずっと見ていないと何か起こしそうで心配な子って居ますよね。しかし、他人に青汁ジュースを飲ませる方法って、なかなか(怖) 2003.4.6 |
竹本泉 | |
エンターブレイン | |
ばばろあえほん(漫画) | 全部SFです。やっぱり可愛いのがわんさか出てきます。相変わらず描分け出来てません。女の子はみんな変です。ちょっとホロッとさせられます。 2003.4.6 |
竹本泉 | |
朝日ソノラマ | |
Heaven? ヘブン 5(漫画) | そうか、あのお店はお客様のためにやってたんじゃないんだ!そりゃ、あのオーナーの事だもん。物凄く鋭い事を言っている様に見えて、やっぱり考えている事は同じ。あぁ、貴女はいつだって好きな様にやるのね!貴女の前に退散していった人、数限りなしだわね。 2003.4.4 |
佐々木倫子 | |
小学館 | |
バカラ | 賭けをする動物って、人間以外に居るんだろうか?人間は賭けが好きで、お金が好きだ。でも、数え切れないお金なんて持った事が無いけれど、余りに多くのお金を「ただ持っているだけ」では無いのと同じ。贅沢ってなんだろう? お金の価値ってなんだろう? 2003.4.4 |
服部真澄 | |
文藝春秋 | |
オカメインコに雨坊主 | 何かに引かれるようにやって来て居着いてしまったぼくを巡るお話。暖かな絵本の挿絵の様に、お日様の暖かさや雨の濡れ方、花の香りや鳥の鳴き声が全て感じられるような優しい物語。生きるという事を生きている人々と動物達、久しぶりにそんな物語と接したように思います。 2003.3.30 |
芦原すなお | |
文藝春秋 | |
ブギーポップ・スタッカート ジンクス・ショップへようこそ |
ブギーポップシリーズ第11作目。これだけ科学が進歩しようとも、人はジンクスを信じジンクスに頼ろうとする。だからジンクスを自由に出来、ジンクスを見通す事ができれば最強になれるのかもしれない。ただ、ジンクスというのは諸刃の剣。良いジンクスと悪いジンクスがあって、常に良いジンクスのみを引き当てられる訳では無い筈。その辺りどうなんだろう? 2003.3.24 |
上遠野浩平 | |
電撃文庫 | |
凶笑面 丈那智フィールドファイルI 触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII |
先入観でも本の見返しにも「本格民俗学ミステリ」とあったのだがあまり“ミステリー”という印象は無かった。民俗学の助教授の蓮丈那智と、その助手内藤三國が、各地の伝承について民族学的見地からその本質を解き明かして行く。それにしても古事記や日本書紀まで遡って、それらの物語が意味するものが本当はなんであったのか…というこれらの考察が、事実としてどの程度正しいものなのか…。その辺りがはっきりすると物凄く楽しめる作品かと。 2003.3.22 |
北森鴻 | |
新潮社 | |
零崎双識の人間試験 8話 | 今回は「彼」と「彼女」ってのが気になりました。過去のお話?玖渚機関もポロッと言及されてたし。シリーズの次回作、殺戮奇術の匂宮兄妹」の正体もちらほらと見えてます。しかし西尾の描くのって人間じゃないヤツばっかし。こんな世界に居てる戯言遣いくんが、あれだけヒネコビちゃってる理由が判る気がします。 2003.3.19 |
西尾維新 | |
web小説 | |
オタクの迷い道 | こういうのを読んで、やっぱり自分はちっともオタクなんかじゃ無いじゃない…とか、やっぱりここまで徹底してないとねぇ…とか、自分を慰めるというか、改めて言い訳するとか、そんな感じになってしまうのがちょっとイヤ。でもこの濃さを見ていると、つくづく思うよ。あたしゃ所詮、オタクにゃなれねぇ! 2003.3.9 |
岡田斗司夫 | |
文春文庫 | |
ダブルダウン勘繰郎 | 意外な薄さでコストパフォーマンス悪いです。日本探偵倶楽部のビルをじっと見つめる15歳の探偵志望者。イケ面で自信たっぷりでやんちゃで口悪し。結構良い味出してる勘繰郎くんなんだけど、どうも薄っぺら感が否めない。最後の最後で…だし、好きなのに…。もっと生かしてやってくれよ〜!と思うのは私だけ? 2003.3.9 |
西尾維新 | |
講談社ノベルス | |
安田弘之短編集 冴木さんってば…(漫画) |
ショムニの原作者。下品です。お下劣です。でも、そのお下劣さが好き。一番笑ったのが、「パブとマングース」っていう一コマ漫画。“バー ステルス”ってのと“スナックF14”ってのの何がそんなに可笑しかったのかは不明。でも、きょとんとしたマングース、可愛いよ(意味不明) 2003.3.8 |
安田弘之 | |
太田出版 | |
なるたる 10(漫画) | 相変わらず殺伐としているよねぇ。シイナのホシ丸が可愛いから何となく騙されちゃうんだけど、なんかどんどん救いの無い方向に行ってるような気がする。そして今回は意外なラストが…! この期に及んでそうくる? 2003.3.8 |
鬼頭莫宏 | |
講談社 | |
夢の中の魚 | 今回、葉山くんは脇役である。舞台は日本、相手国は韓国。祖国から離れているけれど、祖国の為に働く人々。祖国を見たことすらないけれど、常に祖国を見つめ続ける人々。五條瑛は日本の脆弱さを突き付ける。気付かぬ事の恐さ、見ない事の弱さ、そして、日本人って何だ?という問いを発する。 2003.3.3 |
五條瑛 | |
集英社 | |
零崎双識の人間試験 7話 | web小説のweb小説たる処…とでも言うか。普通の本であーゆー表現はあまりできないんだろうなぁ…と。いよいよゼロたんも登場です。お兄ちゃんはあたふたしてます。妹は正念場です。 2003.3.3 |
西尾維新 | |
web小説 | |
ダメな女と呼んでくれ | う〜ん… 毒にも薬にも… と言うか…。私的には「で、君は何が言いたいの!?」と突っ込む事多々。理由不明ながら中村うさぎって香山リカに似ていると思った。何だろう?文体?内容?実は人間的にどこか共通点がある…とか?凄く分析的なんだけど、それが何に役立つのか判らない…感じが共通してるのかも。 2003.3.2 |
中村うさぎ | |
角川文庫 | |
どーなつ | 北野勇作作品は、常に何かと闘っている、何か良く判らないものと…。北野世界では、人は人でなくなる。人でなくなった人は、自分が何であるのか判らなくなる。自分を見失い、安住の地を失った世界を描いているのに、ぼーっとしたイラストが妙に可愛らしくて恐ろしい。「人工知熊」という単語が、そもそも出来過ぎです。 2003.3.1 |
北野勇作 | |
早川書房 | |
零崎双識の人間試験 1話〜6話 | ゼロたんのお兄ちゃんの話。ノベルス版お気に入りキャラは、ゼロたんだったのだけど、それが何故だったのかが解った気がした。それは多分、淡々と殺しているからだったんだろう。何も思わず、何も考えず、ただ、淡々と淡々と…。ケレンも無く、ひたすら自分を生きている(?)から? 2003.2.17 |
西尾維新 | |
web小説 | |
天使 | 敢えて言えば特殊要素を折り混ぜたハードボイルド、とでも言うのか。幾つかの作品が頭をよぎった。「熾天使の夏」と「O嬢の物語」。それは一種の闘争であり、アイデンティティの模索であり、解放でもあったのかもしれない。今ひとつ消化できなかった。再読する度に何か新しい感覚を得る類のものかも。 2003.2.11 |
佐藤亜紀 | |
文藝春秋 | |
黄泉がえり | あらすじには「泣けるリアルホラー」とあるが、あまりホラーとは思えなかった。どう考えてもSFです。何気にあちこちからパチって来た設定っぽい部分が多い様に思えなくも無いんだけれど、しっかり梶尾ワールドが出来上がっていて、だから泣ける…というより心地好く読み切れるといった感じでした。 2003.2.9 |
梶尾真治 | |
新潮文庫 | |
PS−羅生門−1、2(漫画) | “物思ふ風景”(←の3つめ) にも書いたとおり幼い頃から警官ってのは嫌いだった。でももし本当にこんな警官達が実在するとしたら、もう少し警官に対するイメージも変わるかもしれないと思う。警官だって人間だし家族が居るし変り者だって居てる。しかしこんな警官は普通やっぱり居ないよなぁ。主人公の紅谷刑事以外主要キャラは全〜部おっさん!もう、トッチラカッタおっさんがひたすらいっぱい!最高っす〜vvv 2003.2.6 |
矢島正雄/原作 中山昌亮/作画 | |
小学館 | |
.hack//黄昏の指輪伝説 1(漫画) | マルチメディア展開のゲーム「.hack」の漫画ヴァージョン。ゲームともアニメとも時代とキャラが違います。1巻のラストの時点で、こないだのアニメん処まで入ってるんだけど、なんか微妙に設定が違ってるんだよね。んでもって、君らはそんな関係だったの…? 2003.2.5 |
依澄れい/漫画 浜崎達也/原作 | |
角川書店 | |
ガブガブの本 『ドリトル先生』番外編 |
ガブガブとは、ドリトル先生の家に同居するブタである。食いしん坊のブタは、いつも食べ物のことばかり考えていて、それで食べ物作家になる事を夢見て作文をするのだ。昔、ドリトル先生は読めなかった。大人になってから改めて読んだら結構面白く読めたので、井伏鱒二の訳が、子供には合わなかったのかな?と思っていたのだが、今回別の訳者で読んでみて、改めて結構書き方が難しいのかもと思った。 2003.2.4 |
ヒュー・ロフティング/作 南條竹則/訳 | |
国書刊行会 | |
平壌<ピョンヤン>ハイ | 「SPEEDスピード」「アフター・スピード」の著者の描いた、平壌観光(!)旅行のルポルタージュ。単行本発売は1999年8月。著者は、平壌まで行っても相変わらず合法非合法問わずお薬をキメキメして、平壌という異世界をどこまでも堪能し尽くしている。そしてそれは、ふざけているように見えて、どこまでも真面目に、もしかすると一番核心に迫ったルポなのかもしれないと思えた。 2003.1.31 |
石丸元章 | |
文春文庫 | |
八百八町表裏 化粧師 1〜4(漫画) |
「はっぴゃくやちょう ひょうりの けわいし」と読む。映画『化粧師─kewaishi─』(2002.2/21日記参照)の原作である。原作の『化粧師』は、メークアップアーティストであり、化粧品販売店であり、広告代理店であり、企画屋でもある。江戸の裏の人情がほやほ〜やと描かれる、本当はすっごいキレもんなのに、如何にも韜晦したような惚けたキャラ、ティストは同じ作家の『さんだらぼっち』とほとんど同じ。 2003.1.26 |
石ノ森章太郎 | |
ザ・ダイソー | |
もっとソバ屋で憩う きっと満足123店 |
ほとんどが東京のお店ですが、一度は行って見たいお店が山盛り載ってます。中に混じる蘊蓄もくすくす笑えます。んでもって、昼間っから蕎麦屋で一杯やりたくなります。そもそも、黒龍と酔鯨と浦霞と獺祭が置いてある蕎麦屋って、何?明日あたり、帰りにちょっくらキュッと… んで一枚手繰って帰るかぁ! 2003.1.22 |
杉浦日向子とソ連 編著 | |
新潮文庫 |