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− 2000.12.22 −_

 

 ちょっと待て。
 なぜ hyde の声だけが聴こえてくるのだ? ボーカルだけスピーカーの質が違うのか? いや、スピーカーが違うにしても壁と天井に跳ね返るという条件は同じだ。なのになぜこんな鮮明に、しかもCDよりも遙かに上回って声が伸びてくるのだ?
 右脳で音を想像しつつ踊り、左脳で「?マーク」を飛ばしている隣で友人が「このボーカル凄い…」と呟いた。欲目ではなかった。

 “人間の耳に聴こえる音波の振動は16〜2万ヘルツ程度で、これ以上になると音として認識できない。現在のCDの規格は耳に聴こえない2万ヘルツ以上の音をカットすることになっている。CDのデジタル信号の容量にも関係しており、2万ヘルツ以上の情報をカットすることで現在のCDの時間を確保している。
 2万ヘルツを超えるものを超音波といい、最近、2万ヘルツ以上の超高音に脳のアルファ波を活性化させる要素があることが分かり話題になっている。音ではない音が脳に直接作用するという”のだ。
 hyde の歌声が伸びを増して聴こえてくる理由もそこらへんに関係しているのだろうか。hyde はコウモリか。とするとギターもベースも聴こえても良さそうなものだが、そこは人間の肉声と楽器が生む音に違いが出るのかもしれない。よくわからんが。

 まぁ理由はどうでもよい、聴こえさえすれば。それにしてもなんという歌声。問答無用で胸を射抜いてくる。これが hyde の正体なのか。ところがこれでは済まなかったのである。5曲目あたりから完全にエンジンが暖まったとみえて声はますます艶と伸びを増し、我々2人は金縛りにあうことになるのだった。歌声は最後の最後までブレることはなかった。
 かえす返すも口惜しい。この歌唱に歌伴があったら一体どれほど凄まじく素晴らしかっただろう。

 が、驚愕はまだ続く。

_ 【出典】
マガジンハウス
「絶対!モーツァルト」著 : 篠原佳年






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