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− 2000.12.22 −_

 

 「ドームは音楽やるとこじゃなくて野球やるところでしょう」とライブハウス小僧yukihiroはいった(掲載雑誌不覚)。加えていうと野球観戦をするところでもない。空を奪い、風を奪い、気温も管理され、一切の季節を失った閉鎖的な空間で飲むビールが美味いものか。
 野球をチャチな質感にしたドーム憎し歴12年。ここに足を踏み入れるのは、完成した1988年の日ハム−阪急戦で見限って以来である。友人(37)は1990年のローリング=ストーンズ初来日公演以来だといった。

 席はステージに向かって正面・2階・最上段。素晴らしい。初体験者にとってはおあつらえ向きだ。距離・約180m。高さ・約61m。ステージから最も遠く、会場すべてを一望できる。まるで空の上から地上を見下ろしているかのようだ。大量に吹き出すスモークはさながら薄雲。
 ステージ幅・約40m。セットはいたってシンプル。銀の鋼材を巨大なゲート状に組んだもの、背後に横長大ヴィジョン、両脇に大スクリーン。

 収まるべき席に聴衆が収まり会場内がようやく落ち着きをみせた。パ、と会場の灯りが落ちる。5万を超す聴衆が一斉に立ち上がる。暗闇の中、ステージに何本もの青いレーザー光線が降る。ワッという歓声が上がった。メンバーが登場した、らしいがこの席からでは見えない。

 2000年12月2日(土)6時50分、さぁ「TOUR 2000 REAL 東京公演」の開演だ。

 記念すべき生音一曲目は「get out from the shell」なのだが…。まいった。すぐ後ろの壁に跳ね返った音と、天井に反響した音と、次々くり出される音がぶつかっているのだろう。歌伴がワンワン唸っているようにしか聴こえない。
 ドーム公式サイトには「壁面にも吸音性の高い素材を使用しています」などと書いてあるが嘘をつけ。yukihiro のドラムソロでは打音が思いっきり木霊していたではないか。

 席が席だけに音質などこれっぽっちも期待していなかったが、これほどとは思わなかった。困った。これでは踊れない。ほどなく歌唱が始まり歌声が聴こえてきた。助かった。気分は「嵐の海原で遭難しかける中、灯台の灯りに気づいた船乗り」である。怒るまい。席が良すぎて悪すぎたのだ。hyde の歌を頼りにCDで聴き覚えた歌伴を思い浮かべながら踊りだす。ライブは家では聴けないような大音量の中、首まで音に浸かって踊ってナンボだ。

 非常に残念だが早々に ken、tetsu、yukihiro の3人に別れを告げる。今回は「hyde オン=ステージ」ってことで…ん? ちょっと待て

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