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人間はもっとなまけて、茶をのんでくらしていたほうがいい。愚にもつかない話をしたり、昼寝をしたり、草ぼうぼうの庭にでて、かたつむりが木の幹を這うのをながめたり、働くよりはもうすこし実のある、するべきことがいくらでもある。

 


 

金子光晴「日本人について」(『金子光晴全集11』)


 

 

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