46 カレンダーは希望を運ぶ?

1999.1


 自分の絵を使ったカレンダーを作り始めて、今年で4年目となった。そもそものキッカケは、どこかでもらったアクリルケース入りの卓上カレンダーが、その翌年もらえなくなってしまい、便利できれいだったのになあ、と残念に思っているうち、そうだ中味を自分で作ってみようと思い立ったことにある。

 最初は、自分の気に入った絵や写真をスキャナーで取り込めばいいと思っていたが、どうせなら、自分の絵をスキャナーで取り込んで、使ったみようと考えた。カラープリンターで作ってみたら、案外いける。

 一つ作って学校の自分の机の上に飾っていたら、「へえー、これ、あんたの絵なの?」なんて、妙に感心してくれる人がいたりして、褒められるとすぐに図に乗るタチのぼくは、「じゃあ、作ってあげましょうか」ということになって、何人かに作って進呈した。ただその時は、ケースがないので、6枚を上で閉じた壁掛け式だった。

 次の年、壁掛け式では、どうも1年たつと紙がめくれあがってしまうことがわかり、何とかケース入りのものをと考えた。しかし、市販の卓上カレンダーのようなアクリルケースを、それだけで売っている店はない。そこで考えついたのが、B6版のカードケースだ。これに入れれば、恰好はつく。しかし、問題はそのケースをどのようにして「立てる」かだ。様々な試行錯誤の末、画材屋で、少し値ははるが、アクリルスタンドというものがあることがわかり、それを使うことに決めた。

 カードケース式にして、今年が3年目。去年からは、職場では有料にして、それでも欲しいという人に配布することにした。もちろん、プレゼントがわりに差し上げるということもあって、そのうち、家内が、自分の友人にお歳暮代わりにあげるから20部よこせとか言ってきたりして、なんだかんだで今年は80部ぐらい作るはめになった。

 「素敵なカレンダー、今年もありがとうございました。カレンダーをいただくというのは、何だか、新しい年の希望をいただいているようで、嬉しいものですね。」というようなことが書いてあるハガキが家内の友人から届いた。なるほど、そういうことか、と妙に感心してしまった。

 ますますやめることができなくなった。今年も、年末に間に合うように、まずはいい絵を描かなければならない。カレンダーは、ぼくにとっても「希望」であるのかもしれない。