25 買い物は楽しい
1998.9
とうとうデジタルカメラを買った。
最近の超緊縮財政の中では、3万円を越える買い物は、新しもの好きのぼくでも慎重にならざるを得ない状況だ。なかでもデジタルカメラなどというものは、日進月歩。半年もたてば、最新機種もすぐ色あせてしまうのが目に見えている。買いたいなと思ってから、とっくに2年はたってしまった。
しかし何事でもそうだが、ものにはキッカケというものがある。8月の下旬、修学旅行の引率で函館と東北の方へ行ったのだが、めったに旅行をしないぼくは、それこそもっけの幸いとばかり、スケッチをし、後で水彩画を描く資料として写真を200枚近くも撮りまくったのだ。ところが、帰ってきて写真を現像したところ、どういうことか、半分近くの写真に光が入ってしまっていて、ひどい状態。しかも、200枚近い写真を同時プリントしたものだから、1万円近くもとられるという始末。写真は、それでも、水彩画の資料としてはまあまあ使える状態だったが、ショックは大きかった。
それで、今日。たまたま、ファックスの用紙がきれてしまったので、家の近くの家電ショップに出かけた。すると、フジから出て間もない新製品「Fine Pix 500」が、5万円を切った値段で出ているではないか。しかも、期間限定で、今日がその最終日。定価は74800円だから、新製品の割引率としてはすごい。
しかし、それですぐに買ってしまって、他の店でも同じぐらいの値段だったらつまらない。で、すぐさま横浜西口の大型カメラ店に直行。すると、やはり人気ナンバーワンだけあって、6万円をわずかに切る値段がついている。もう、「やったあ」の世界だ。すぐにとってかえし、買ってしまったというわけだ。(結局、西口へはわざわざこの「やったあ」の気分を味わうためだけに行ったようなものだ。)
撮影して、カラープリンターで印刷してみて、びっくり。その鮮明な画像は、まさにカラー写真があっと言う間に、自分で現像できるという感覚。思わず家の中で小躍りして、家人の顰蹙をかってしまった。
久しぶりの大物の買い物で、ワクワクしてしまったが、人間いくつになっても、買い物は楽しい。それも長年欲しくてたまらなかったものを、えいやっとばかり買ったときの快感はなんとも言えない。それにしても5万円程度の買い物で、これだけドキドキワクワクできるのだから、まあ、貧乏人は幸せだということだろう。